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一
一章の敵と戦場
ピィザ王国
簡易設定さん
勘違いテンプレ
@途方もない方向に勘違いされる(人類という種族の存亡がかかった対話の始まり!)
A主人公、頭がいいと勘違いされる(これは罠だったんか)
B主人公、善意で行動しても、大魔王だと勘違いされる(何か企んでいるに違いない)
ワルキュラ。人間からも良いイメージを持たれたいが、人間をぶっ殺せる軍事力(アンデッド)も大切という板挟みにあっている。自分、人間殺せないし。
LV0だと思ってるし。
ルビー。命を助けて貰ったから、ワルキュラにずっと仕えてる秘書+親衛隊隊長。BL本好き
ヤス。心まで読まれていると勘違いして、完全なる忠誠を従ったお父さん。家族のためなら何でもする。
ニャンニャン 銀髪男装美少年?いいえ、セイルン王の血を引く犬娘です「もっふぅー!さすが先輩です!」
ピィザ3世 経歴 アレクサンドロス大王
ナン 経歴 やれやれ口調のナポレオン 愛人は銀髪犬娘・砂漠装束のミルク「わっふぅ!」
セイルン 経歴 金正日 イルソン 経歴 金日成
デスキング ハンニバル。アルプス山脈超え
デュー 騎士 俺
ピィザ軍27万5000⇒本国からの増援で33万にUP予定ピィザ3世 生かしておけば価値があると思うが、残念な事に殺される運命どん。
● 回収しないといけない伏線 ヤスの家で、世話されている自衛官さん。
●王弟殿下を、ワルキュラ軍が保護している
●クレアは、ナナシの娘であり、ナナシが陵辱されて死んだ死因。
ワルキュラは後悔していた。
早く死にすぎた事を、ひたすら後悔していた。
(お、俺はこんな所で死んで良い人間じゃないっ……!
まだ、ルビーちゃんとイチャイチャしたいし、お姉さんぶっているアトリにたくさん甘えて、叶えたい欲望があるのに、なぜ死なないといけない)
だが、後悔し続ける事で気づいた事がある。
俺、死んでないじゃんって。
死んだら、人間は思考できなくなる。
それは機能を停止した骸骨(リッチ)だって同じだ。
後悔できるという事は、生きている証。
ワルキュラは両目を開けた。
するとそこは――全てが真っ黒の世界だっあ。
その闇の中に、無数の命が蠢く。
幽霊を見慣れたワルキュラにはよく分かる。目の前のこれは――亡霊の群れだ。
「俺はとうとう地獄に落ちたのかっ……!」
「へへへへへへっ!
ワルキュラの旦那ぁっ!
あの程度の攻撃で、気絶するなんて情けないですぜっ!
アンタは俺たちの全ての総代。雑魚に負ける事は絶対に許されないんでさぁっ!」
その声の主は、金髪のリーゼンドヘアーの若い男だった。
目玉の所に『¥』が浮かび上がりそうな欲望深すぎる顔つきをしている。
というか、ワルキュラのかつての部下だ。
「お、お前は軍師ヤマーダ!
デスゲームを生き延びていたのかっ!?
いや、死んで地獄に堕ちたのか!」
軍師ヤマーダは、物語開始時には、既に死んでいた男だ。
彼は、窃盗・詐欺・AV撮影・パンツ泥棒と……金になる事なら、何でもしてきた。
だからこそ、ワルキュラはヤマーダを頼れた。
ありとあらゆる悪事に手を染めた、それはすなわち、ありとあらゆる策略に手を出した謀略家である事を意味する。
そんなヤマーダと再会した事に、ワルキュラは辟易した。
(ルビーちゃんと再会したい、アトリ師匠と再会したい。
なんでヤマーダーなんかと再会ENDなんだ。
これがゲームだったら、クソゲーの烙印を押されて、すぐに会社が倒産するぞ)
「旦那ぁ。
心の声は聞こえていますぜ?」
「……しばらく見ない間に、人の心まで読めるようになったか。
この謀略家め」
「違いますぜ。
俺達は、この異世界に来てからずっと旦那と一緒にいたんでさぁ」
「はっ?」
「俺は旦那で、旦那は俺。
旦那が生き続ける限り、死んだ俺達は永久に不滅で、美少女ハーレムで複数プレーという事ですぜ」
「ど、どういう事だっ!?
クレアのヤンデレが、お前にも移ったのか!
ヤンデレは可愛い美少女だから許されるのであって、顔がオッサンのお前がヤンデレになるのは誰得だと思――」
「……旦那も気づいているんじゃないですかぜっ?
旦那の中に……俺達がいるって事にさぁ」
ヤマーダの言葉で、ワルキュラは黙り込んだ。
時間にしてたった二日前。
ノーライフ・オンライン最後の大決戦の果てに、数多くの人間が死に絶え、ワルキュラだけが復活して勝ち残ったかのように見えた。
だが、思えばおかしいのだ。
(俺、ひょっとして、アンデッドじゃなくなってる?)
復活してからずっと疑問を抱いていたが――今のワルキュラは、太陽光が全く弱点になっていない。
アンデッドは闇の命であるが故に、太陽に嫌われ、ありとあらゆる不利益を被る。そんな生き物だったはずだ。
しかし、今のワルキュラは太陽を浴びても苦痛を感じない。ステータスはダウンしない。
それは、ワルキュラがアンデッド以外の何かに変貌している証だった。
「ようやく気づいたんですぜっ?
そう、旦那の中には、一億人相当の魂が入ってるんでさぁ」
「言われてみると……そんな気がしてきた……?」
「つまり、旦那と俺達は運命共同体。
旦那が美少女ハーレムやれば、俺達にも利益があるって事でさぁ」
「こら待て。
俺の女は、俺だけのものだ。
お前たちは見るな」
「へへへへへへっ!
いずれ、俺達と旦那は完全に融合して、こうやって会話する事もできなくなるから、今のうちに言っておきますぜ。
今の旦那は強い!アメリカ合衆国すら超越するくらいに、最強の男ですぜ!」
「り、リアルチート国家より格上だとっ……!」
すごく嬉しい気分になったワルキュラ。
全世界と戦争して戦えると言われたアメリカさん並の力があれば、大切な息子や付き従ってきた部下たちを守る事は容易い。
そう彼は一瞬、思ったが――
「ヤマーダ。
俺一人で、アルミ缶を一千億個ぐらい生産できる工業力(アメリカの年間生産量)があったりするのだろうか……?
だとしたら、俺は世界一の金持ちになれて、色んな贅沢ができるという事か?」
「へへへへへっ。
旦那が圧倒的に超越しているのは、生存力という面だけですぜ。それだけはアメリカを超えていますぜ。
アメリカなんざ、隕石を落とせば、一撃でイチコロのコロコロでさぁ!」
「だが、俺には人間を殺せない制約がある。
圧倒的な力を持っていても、人間に直接危害を加える事ができない」
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