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34話目
33話     詐欺戦争-終「新たなる敵」  


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「お、俺並に強い存在だとっ……!」

クレアの言葉を、こっそり聞いていたワルキュラは驚愕した。
なにせ、今の自分のLVはゼロなのである。
不思議と、太陽光を浴びても辛くないが、魔法も使えない魔法使いでロリコンなのだ。
どう考えても、過大評価されすぎだ……俺って不幸すぎる独裁者さん、そうは思った。

「ク、クレア……あの大地震を起こした存在が、地下にいるのか?」

恐る恐る、されど威厳を保ったワルキュラの質問に、クレアは残酷にも答える。

「うん、お父様。
この都市の地下にある遺跡を媒介にしたのか、そこから広大な異世界が広がっている。
そこの主が、今回の大地震の原因だと思われる。
低級の幽霊じゃ、調査に出しても犠牲者が増えるだけ」

「そうか……異世界が広がっているのか」

異世界という言葉には、死んでから何度も縁があるなぁという印象を、ワルキュラは抱いた。
日本で絞首刑されて、ノーライン・オンラインという異世界へ。
その世界でも死んで、今度は今いる異世界へ。
異世界祭り状態である。
共通点は、異世界に行く時、ワルキュラは死んでいて不幸だという事くらいだ。

「お父様、一応、地下遺跡の入口で保護した人間が一人いる。
プラチナ、ここに連れてきて」

クレアは巨乳のルビーには、嫉妬心を抱いているようだが、なぜか貧乳のプラチナには負の感情を向けていないようだった。
プラチナはおっぱい格差社会の最底辺と言うべき存在、それゆえに最初からライバルとして認識されていないのかもしれない、そう、周りにいる男達は残酷な感想を心の中で漏らした。
ワルキュラ巨乳好きだし。

「ワルキュラさまっ!
自衛官って名乗る人間を連れてきましたわっ!!」

その言葉にワルキュラは期待した。
今までずっと忘れていたが、地下遺跡には、異世界から拉致られた事に激怒して、立て篭っている自衛隊の人たちが居たはずである。
21世紀の現役軍人。そんな彼らから最新の軍事ノウハウを得れたら、少しは状況がマシになるだろう。
だが――現実はクソゲーだった。
自衛官の男は、20代の半ばの男。目が死んでいて無精ひげが生えていた。

「俺は食べ物じゃありませんっ!!!
だずげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
食用の人間でも、化粧品でもありませんっ!!!
何度も殺ずのはやべでぇぇぇぇぇぇ!!!」

この場にいる全員が、プラチナに『これはないわぁー』という厳しい目線を向けた。
プラチナは焦って弁解する。大好きな骸骨(ワルキュラ)の前で誤解を放置する訳にはいかなかった。

「み、見つけた時からっ!こんな感じだったのよ!
わ、私が拷問した訳じゃないんだからねっ!
ほらっ!アンタも説明しなさいよ!」

プラチナが自衛官の尻を軽く蹴った。
だが、余計に事態が悪化する。
自衛官はヨダレを垂らしながら、その場で何度も何度も土下座して、床に頭を叩きつけた。

「食品に加工ずるのはやべでぐだざぃぃぃぃぃっ!!!
何でもじまずぅぅぅっ!!!
だから奴隷並の扱いをしてくだざいぃぃぃぃっ!!!
もう、殺され続けるのは嫌なんでずぅぅぅぅぅっ!!!」

「ち、違うんだからね!
私は酷い事してないんだからっ!
ねっ!ワルキュラ様は信じてくれるでしょつ!?」

突然、プラチナから縋るように助けを求められたワルキュラ。
一応、ルビーの姉だし、古い付き合いであり、将来的にオッパイが大きくなる希望が残っている事もあり、彼は助け舟を出してやる事にした、

「……うむ、プラチナは実際にそういう酷い事をしたら、正々堂々と言う娘だ。
俺は信じるぞ。プラチナはやっていないに違いない」

その言葉に、プラチナは嬉しそうに、満面の笑みを浮かべた。
彼女の黒いドレスが所々――血で染まっているから全く説得力はなかったが。
クレアを除く全員の視線が、その血の染みに集まっている。主に『その返り血はなんだよっ!この暴力女!』的な意味で。
そのみんなの疑問を、空中に儚く佇むクレアが解いてくれた。

「……プラチナのドレスに付いている血は、魚の血液。
恐らく、魚を万単位で調理した際に付着したものだと思われる。
臭いからお風呂に入った方が良い」

「そ、そうねっ!
ワルキュラ様の前で失礼だったことに気がついわ!
ちょっと、水浴びしてくる!」

「お、お姉ちゃん!?」

プラチナは、妹のルビーの制止すらも振り切り、
高い塔から、勢いよく飛び降りた。長いスカートのせいでパンツは特に見えなかったが、明らかに地上で大騒ぎになっているに違いない。見事な飛び降りだった。
しばらくすると、建物が倒壊する派手な音がして、大勢の人間の悲鳴が聞こえた。

(……皆、この塔から飛び降りるのが好きだな。
セイルンもヤスも、人間なのに飛び降りていたなぁ……。
呪われているんじゃないだろうか?
ああ、俺はなんて不幸な独裁者なんだ。
慕ってくれる女の子たちが居なかったら、不幸の重さで沈んでいたに違いない)

金のかからない妄想に浸ったワルキュラは、場の空気を切り替えるために、クレアに話しかける。

「……その自衛官という男は、貴重な情報を持っているのか?」

「この男は、地下に広がる異世界を実際に体験し、地獄を見てきた。とっても貴重な情報源。
でも、精神が狂っていて役に立たない。
彼の言動から、家畜以下の扱いを受けていたのだと、私は推測する」

「……役にたつのか?」

「地下に広がる異世界は、人間の身では耐えられない世界だという事が少なくとも分かる。
何度も何度も殺されたと言っていたから、私たちが失った蘇生魔法がある可能性が高い」

蘇生魔法。
それは良い情報を得たと、ワルキュラは思った。
ノーライフ・オンラインでデスゲームが開始されてから、蘇生魔法は使用不可能状態。
再び使用可能になれば、損耗を気にせずに戦争ができる。
ただ、問題なのは――

「くせぇぇふじこwwwww」

自衛官が発狂していて、実際の探索に役に立ちそうな情報を全く得られそうにない。
かといって、自衛官を放置して飢え死にさせるのは、同じ日本人として避けたいし、もしも日本国と交渉する機会が訪れれば、自衛官を保護した事は大きなイメージアップに繋がるはずだ。
そういう政治的な事を考えながら、ワルキュラは決断する。

「……ヤス、この男の世話を任せる。
毎月、世話代として30万アヘンを支給するから、死なない程度に面倒を見ろ」

「え?」

突然の事に、ヤスは呆けた声を上げた。
だが、お金を貰えると聞いたから、損得勘定で判断して大人しく頷く。
金があれば使用人を雇えるし、職に困っている日本人を多く救う事に繋がるからだ。

「わ、分かりました!ワルキュラさまっ!
俺に任せてくださいっ!」

そう言って、化物だらけの場所に一緒にいる事にストレスを感じているのか、ヤスは自衛官を連れてこの場を去ろうとした――が

「ああ、そうだ」

ヤスの後ろ姿に、ワルキュラが声をかけた。

「ヤス、お前には可愛い娘と息子がいるそうだな?」

「は、はいっ!
目に入れても良いくらいっ!素晴らしい子供達です!ワルキュラ様っ!」

「ならば……子供達の幸せのために頑張るのだ、ヤス。
その幸せを享受したいのならな」

ワルキュラのこの言葉。ヤスにはこう聞こえた。
『しっかり仕事をしなかったら、可愛い子供の魂を食べる!分かったな!』
ヤスは心臓を爆発させかねないレベルで脈動させ、遥か高く飛び上がり、見事なジャパニーズ土下座を実行する。

「分かりましたぁぁぁぁぁぁ!!!
俺が死んでもこの男の面倒を見ますぅぅぅ!!!
だ、だから、家族だけはご勘弁をおぉぉぉっ!!」

「う、うむ、せいぜい頑張る事だ」

ワルキュラは、少し悲しくなった。
人の一万倍、他者から勘違いされる人生を歩んでいる事が辛くなった。




〜〜〜
結局、ヤスが場を去るまでに、三十回ほど土下座して、三分ほどの時間を浪費する事になった。
現時点で分かった事は、西にはピィザ軍。地下に恐ろしい化物がいることがわかったという事である。

(お、俺はどうすれば良いっ……?
そ、そうだ!この首都を放棄して、東に逃げ延びればワンチャンスっ!)

ワルキュラの冷静な頭脳は、答えを導き出した。
つまり、逆に考えればイイのだ。
首都にいるから、敵軍がやってくる。
ならば、東の方向に軍勢と一緒に落ち延びて、便利な場所に地下都市を建造して、ひきこもれば良い。
まるで山岳国家の基本戦略みたいな事を考えたワルキュラだったが、現実は酷い。
彼を愛する幽霊娘のクレアが、空中を漂いながら――

「お父様……些細な情報だけど、聞きたい?」

「なんだ、クレア?
俺はクレアと会話するのが好きだぞ」

「この国の連絡網が発達してないせいで、人間達は気づいていないけど……明らかに十日以上前から、東から大軍がやってきている」

「はっ?」

「都市を次々と陥落させながら、首都カイロンへと真っ直ぐ向かってきている」

「か、数はどれくらいだっ……?」

「少なくて二十万、多くて五十万くらいだと思われる。
オークみたいな豚顔で二足歩行生物を中心に構成された軍隊。
忠誠に熱い常備軍と、徴兵された兵士の二つを組み合わせて、中々に手強い。
原始的な銃と大砲もあって、練度も高い。
国家システム的には、ピィザ国より遥かに強力な国だと判断できる。」

(お、俺はルビーちゃん達との明るい未来を守るために、この状況を解決する事を強いられているんだっ……!)

「そして――」

クレアが上空を指し示し

「大量の天使が、上空から私たちを包囲している」

その言葉と同時に――ワルキュラの体に、膨大な数の光の矢が突き刺さる。
アンデッドの大弱点である聖属性による攻撃だった。
つまり、ダメージが何倍にも増幅される。

(あ、これ死んだっ……)

ワルキュラが仰向けに倒れ、ルビーの悲鳴が場に乾いた悲鳴が響いた。

「ワルキュラさまぁー!?」






戦術とは、(天使娘の)力を集中して一点(ワルキュラ)に叩きつける事なり、 by ナポレオン・ポナパルト



状況

西 ピィザ軍27万  セイルン貴族軍が合流すれば、自動的に数だけは増える、練度は低い


東 ブータ帝国軍50万  練度が高い。


地下  古代ザナン文明×5


天空 宗教業界の天使さん達


ワルキュラ「なんだよっ……これぇっ……!
360度、敵だらけじゃないかっ……!
やっぱり不幸王だ!俺っ!」


二章  おしまい










【内政チート】「俺は備中鍬で効率よく耕作して、農業チートする!」江戸時代の日本


【小説家になろう】 「俺は軍勢の鎧を脱がせて無双する!」異世界征服 〜異世界に転移したので略奪スキルで商人を目指していたら世界を掌握していた件〜



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【内政チート】「俺は備中鍬で効率よく耕作して、農業チートする!」江戸時代の日本
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