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1話 泥棒の国C 
「助ける訳ないでしょ?馬鹿なの?家畜なの?下等生物なの?」ルビーは激怒した 12KB

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モフモフ大陸に居たオークの総人口は2億匹。
ナポが総攻撃と救出作戦を開始してから、僅か5分。総人口はたった1000万まで割り込んだ。
獣人とオークが居住する区画を別々にしたせいで、機械歩兵が遠慮なく虐殺してくる。
艦艇の細長いレールガン。そこから放たれる超高速の弾丸は、目標の建造物ごと粉砕して大地にクレーターを量産。
主砲から放たれる超高熱のビームは、オーク達を街ごと一撃で消滅させ、肉片一つ残らずあの世に行き。
どんな抵抗も無意味。
石造りの総督府の前に居る、肥え太った豚――ブロンブス総督にもそう理解できた。
だが、納得したくなかった。
このモフモフ大陸……今では彼の名を取って植民地ブロンブスと呼ばれている場所は、彼の栄光の象徴そのもの。
地獄のような場所ではなかったはずなのだ。

「馬鹿な!
こんな馬鹿げた事が起こるはずがない!
そ、そうだ!秘書!本国に連絡を取れ!
敵は……空を埋め尽くす大艦隊だ!
至急、救援を望むと伝えろ!」
「りょ、了解!」

メガネをかけた秘書オークが命の危険を感じながら答え、総督府へと向けて走った。
――ブロンブス総督は青い豪華な軍服を着て、胸元に勲章をジャラジャラ付けた初老のオーク。
この植民地で一番偉い人。
探検家をやっていた頃は、ついカッとなって仲間を殺す事が当たり前の畜生だ。
だから、いつでも部下の反乱があっていいように……非常事態への備えを用意していた。
総督府の隣にあるプール付きの大豪邸に、個人用の地下シェルターがある。
ブロンブスは周りにいる5人のボディガード達にも声をかけず、走って安全な場所へと行こうとすると――

「君が一番偉い奴かな?」

そう問いかけたのは……ビームソードを構えた青い機械歩兵『ブルー・ブレイカー元帥』。空間転移してブロンブスの目の前に居た。
瞬時にボディガード達の体は、流れるような動きでバラバラに切断されて肉片と化す。
光輝くビームソードはそのままブロンブスの首元で寸止めして、ブルーは再度、質問をした。

「君が一番偉い奴かな?
3秒以内に答えろ。3、2、1――」
「あ、ああ!ワシがそうだ!
ワシが植民地を支配する総督ブロンブスである!
殺すよりも生かした方がいいぞ!」
「……だそうです、マスター」

ブルーブレイカーの言葉とともに……紅いスーツの男ナポが近くに出現した。
完全にタイミングを合わせたとしか思えない優雅な登場の仕方だった。
夕日が白い仮面を照らし、キラリっと輝く。
ナポはブロンブスを完全に見下して

「……作戦開始10分でチェックメイトだ。豚小屋の主よ。
つまらんゲームだった。
貴様の駒は私達を楽しませる事すら出来ないのかね?」
「な、何を言ってるんだ!?
ワシを人質にしても、この地にはまだまだ兵力がいるのだぞ!
5000万のほとんどが本国から徴兵された軍人っ!
この地で生まれた少年兵を含めれば2億の大軍!
死にたくなければワシを丁重に扱え――」

ブロンブスの強がりな発言を……ナポは指をパッチンと、ゆっくり鳴らして叩き潰した。
大量の立体映像が空中に表示され、山のようなオーク達の死体が映し出されている。
陸の王者『戦車部隊』は装甲ごと搭乗員が溶かされて全滅。
空の覇者『空中艦隊』もバラバラの破片になってクズ鉄に。
膨大な歩兵のほとんどが……ビームで体の一部を焼失して死んでいた。非戦闘員もその家族も全部死体だった。
これらの映像を見せつけながらナポは――殺気を混ぜた怖い口調で

「貴様の言っている兵力とは、この焼き豚の山かね?
作戦開始5分でほとんど料理してあげたが……死んだ豚が何の役に立つというのだ?」

2億のオーク達がほとんど死んだ、ブロンブスはそう理解させられた。
しかも、目の前にいるのは、オークを、蟻を踏み潰すのと全く変わらない感覚で――平然と殺せる悪魔。
命の危機を感じたブロンブスは、生まれて初めて命乞いをした。
頭を下げて泣き喚く。

「ワ、ワシの命だけは助けてください!
ワシは何も悪い事をしてません!」
「ほう?
貴様は何も悪い事をやっていないのか?
……ふざけた事を抜かすな豚め」

一気に場の雰囲気が冷たくなる。ブロンブスは心臓が爆発しそうなほどに震えた。ナポの容赦のない言葉が続く。

「平和を愛し、楽しく生きていた獣人を一方的に殺戮して奴隷にしただろう?
貴様がこの大陸に不幸を齎した元凶だという事は……既に知っている。
貴様がやるべき事は、被害者達に謝罪し、喜びながら罰を受けるべきなのだ。
さぁ、謝罪したまえ。その後に殺してやろう」
「ふ、ふざけるな!
ワシに死ねだと!?
異教徒を殺戮するのは神から与えらえた使命だ!
殺すのは正義だ!獣人なんて神様が作った欠陥品だろう!?
ワシは悪くないっー!」
「豚の神だと?
家畜に神など存在するものか。
それは貴様の妄想に過ぎない」
「だ、黙れぇー!」

信仰を否定され、死に物狂いになったブロンブスは、懐から拳銃を取り出した。
ナポに向けてパンパンパンッと、小さい拳銃弾を叩き込む。
当然、ナポは無傷。
熊すら殺せない低威力の銃弾で、怪我を負う事はありえなかった。
この非礼への返答は――進化しすぎて華麗な指パッチン。

「銃弾を貰ったお返しだ。喜んで受け取りたまえ」

銀色に輝くナイフを4本召喚して飛ばす。ブロンブスの手足に刺して動けなくした。
神経が集中する手足をくし刺しにされた事で、ブロンブスは悲鳴を上げる。

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

詰んだ。
完全に詰んだ。
銃弾が通用しない、こんな化物に勝てるはずがない――ブロンブスは絶望した。
豚の悲鳴を聞いたナポは、仮面で隠れた顔を歪ませて

「……そろそろ帰るとするか。
豚と遊ぶのは不愉快だ」
(ワシが生き残れるチャンス!?
さっさと帰れ!化物!)
「これは私の心を込めた……地獄という名前の『異世界』への引越し祝いだ。存分に堪能したまえ、豚小屋の主よ」

ナポの指をパチンッ!と勢いよく鳴り響いた。
ブロンブスのわずかな希望は、絶大な絶望へと転じる。
先ほどは何もなかった空に、馬鹿でかい天空都市があった。
円盤型の構造で、上部には無数の建造物がびっしりと建てられている。
その天空都市がゆっくりとブロンブスがいる場所目掛けて降下してきた。
平らな円盤がゆっくりとゆっくりと迫ってくる。
ブロンブスは理解した、こんな事が出来るのは――

「ま、まさか!?
あなた様は神!?
ワシを罰しに来たのか!?」
「自分から……神様だと名乗る安い神がいるとは思えんがね」

豚は目の前にいる超越者に命乞いをした。頭を下げて必死に懺悔する。

「すいまぜんでしたぁぁぁ!
実はオークをたくさんたくさん気に入らないという理由で拷問して殺してたんですぅぅ!
謝罪ずるがら許してぐだざいぃぃぃぃぃぃ!
探検家だった頃に、生意気な仲間の指を切断して、船から突き落として殺しましたぁぁぁぁ!
親友の嫁をレイプして口封じに殺しましたぁぁぁ!!」
「ほう、そうか」
「本当にすまない事をしたど思ってまずぅぅぅぅぅ!!
だから命だけは助げでぐだざいぃぃぃぃぃ!!
ワシの人生はごれがらなんでずぅぅぅ!!
ワシにも慈悲と自愛を下さいぃぃぃっ!神様ぁぁぁぁ!!」
「……豚以下の虫ケラめ」

ナポの僅かな呟き、豚の思考は一瞬、何を言われたのか分からなくて頭が真っ白になった。
仮面越しに見えるナポの目。邪悪さを感じるさせるほどに真っ黒だ。

「豚に謝れ、虫けらめ。
家畜以下の糞虫、貴様に最後のチャンスをくれてやろう」

豚は生き残れるチャンスだと思って、心に希望の灯火を燃やした。
だが、続くナポの行動は――天空の巨大都市を指差して

「あの空中都市の名をラピュータ島という。
地球のガリヴァー旅行記に出てくるバルニバービ国の首都を真似て、私の友『バルスさん』がたくさん苦労して作った代物だ」
「え?」
「24時間後、ラピュータ島はここに落ちてくる。
この島の最大の攻撃方法は大質量による押し潰し。
当然、貴様は潰れてミンチになるのだ。
さぁ、謝罪せよ。
死ぬ瞬間まで謝れ。
豚以下の虫けら如きが……友の墓標を壊し、獣人達を苦しめた事を懺悔して地獄へ落ちろ」

その声は――どこまでも冷たかった。
豚は完璧な絶望へと突き落とされた。もう、助かる道はない。
ナポは豚を無視して、指をパチンッと軽く鳴らす。
ブルーブレイカーもナポも空間転移で場からいなくなった。
居るのはナイフで手足を刺されて動けない豚が1匹。
ラピューター島が落ちてくる24時間。
今までの人生を振り返って懺悔する時間は十分に残されている。
だが、まだ断罪は終わっていなかった――

「ナポ様は優しいなぁ。
この程度の事で許してあげるなんて……まるで聖者だね、聖者。
僕、ナポ様のそういう所が素敵だなぁって思うよ、豚さん」

空間転移で、ジュッー!と熱した鉄板とともに現れたのは、ルビー元帥。
名前の通りの真っ赤なポニーテ-ル、高級感溢れるメイド服を着た、犬耳美少女。
傾国の美少女と言っても過言ではない彼女の顔は――憎しみに溢れていた。

「僕はルビー元帥。
スタイリッシュ宇宙艦隊を率いる6元帥の1人だよ。
ナポ様から仕事任されたけど、副官のタヌキモンに全部放り投げちゃった。
短い付き合いだけど……よろしくね、豚さん」

黒いスカートを軽く捲し上げて挨拶をした。
豚は――ひょっとして、ワシを助けてに来てくれたのか!?と思ったが、ルビーの次に取った行動は

「じゃ、豚さん。挨拶も終わったし――焼き豚になろうか?
この鉄板の上でジュージューと焼いてあげる」
「え?!ワシを助けに来たんじゃないのか!?」
「はぁ?」

ルビーの愛らしい顔が憎悪で歪む。

「あんたみたいな豚を助ける?
僕はね。君を苦しめて殺すために来たんだよ」
「あ、あなた様みたいに、超可愛いお嬢さんと会うのは初めてのはず!
ワシが何をやった!?」
「あんたさ、獣娘をたくさん性奴隷にした元凶だよね?
僕、保護した獣娘達の姿を見たんだよ。
あちこちの穴が、豚の汚い●●●を入れられてガバガバ。顔は正気を失ってアヘ顔。
一部の正気を保っていた女の子は、何十匹も豚の子供を孕まされて地獄だったって証言してるんだよ?
だから、僕は――獣娘を代表して豚さんを苦しめに来たんだ」

そう言ってルビーは、動けない豚の体を軽々と持ち上げて、熱した鉄板の上にポイッと放り投げた。
豚が俯けに落ち、身体の表面が高熱で焦げる――

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!熱いぃぃぃぃぃぃ!
だずげでぇぇぇぇぇぇ!
皮膚が炭化ずるぅぅぅぅぅぅっ!!」
「誠意を込めて謝罪したら許してあげるかも?」

ルビーは人差し指を唇に当てて笑った。
豚は大火傷の苦痛でそれ所ではなかったが、助かる僅かな可能性にかけて

「いだいぃぃぃぃ!あづいぃぃぃ!だずげでぐだざいぃぃぃぃぃ!
ワシが悪かったですぅぅぅぅ!」
「何が悪かったのかな?」 ルビーは首をかしげた。
「美しすぎる獣娘を犯してずいまぜんっ!!
5000匹くらい子供を孕まさせてずいまぜんっ!!あづぃぃぃぃ!!だずげでぇぇぇ!!
謝罪じだがら助けてぇぇぇぇぇ!!」
「うん、豚さんの誠意は受け取ったよ。
でも、僕は豚との約束を守る趣味はないんだ。
ごめんね」

笑った。ルビーは心の底から、お腹を抑えて笑った。
豚は痛みで悲鳴を上げながら憎悪をぶつける。

「ふ、ふざげるなぁぁぁっ!!ワシは謝罪じだだろがぁぁ!!
早くワシを助げろぉぉぉっ!
謝罪じだら許ずのが一般常識だろぉぉぉっ!!」
「助ける訳ないでしょ?馬鹿なの?家畜なの?下等生物なの?
僕の同胞をたくさん虐め抜いて殺したり、心を壊したり、人生丸ごと台無しにした豚を許す訳ないでしょ?
レイプって女の子にとって、殺人並みに酷い行為なんだよ?
豚さん、わかってる?
豚さんはレイプよりも酷い事をしたんだよ?
豚に慰みものにされた女の子の気持ち想像できる?
豚の子供を何匹も孕んで出産する屈辱を理解できる?
好きな人を目の前で殺されてレイプされて、心が死ぬ苦しみが分かるの?
出来ないよね?」
「り、理解できまずぅぅぅぅぅっ!
ずいまぜんでしたぁぁぁぁっ!
だから早く助げてくださぃっ!
このままじゃ肉が炭化して障害者になっでじまいまずぅぅぅっ!」

豚の苦し紛れの言い訳。
返答は――ルビーが空高くジャンプして、その華奢な身体が、豚の頭の上に乗る事だった。
豚の顔が鉄板に強く接して焦げる。眼が焼けた。失明した。

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!」
「はい、豚さん。
誠意を込めた謝罪ありがとう。
この姿はちゃんと録画してあるから安心してね。
きっと被害者は君の事を許してくれるよ」

ルビーはニコリッと笑う。天使のように可愛い笑みだったが、豚の視界は真っ暗闇。何も見えない。

「じゃ、豚さん、さようなら。
僕も仕事があって忙しいから帰るね。バイバイ。
……地獄で、獣人の皆に永遠に謝罪してろ、この下等生物が」

最後に彼女は冷たく言って、空間転移で指揮するべき艦隊へと帰った。
残されたのは苦痛に苦しむ焼き豚。

(だ、誰か、ワシを助けろぉぉぉぉ!!!死にだぐないぃぃぃぃぃ!!
ワシはオロ皇帝を倒じで、大帝国を築く逸材なんだぁぁぁっ!)

熱した鉄板のせいで、ナイフが刺さった手足の出血が止まっていて最悪だ。

(死んだ父さんとお母さん、助げでぇぇぇぇ!レイプしたお姉ちゃん謝りまずぅぅぅっ!
もっともっと色んな美少女を犯じでハーレムやる予定なんでずぅぅぅっ!!)

出血多量で死ぬ事も出来ない。自殺も出来ない。絶望的だ。

(何が悪いのが分がらないげど、だずげでぇぇぇぇ!
この地獄がら助げでぇぇぇぇぇっ!
死ぬのは嫌だぁぁぁぁぁっ!!まだまだこの世には楽じい事があるのにぃぃぃぃっ!!
なんでワシが死なないどいげないんだぁぁぁぁぁ!)

豚は24時間、火傷の苦痛にもがき苦しみ。
(ちゅ、ちゅぶれりゅ)という心の言葉を最後に、落下してきたラピュータ島に潰された。
地面の染みになった。


1話 泥棒の国
おしまい




1話 泥棒の国C 感想まとめ+作者感想
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