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不死王の国造り
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  1. (´・ω・`)二度目の修正ゆっくり完了

    (´・ω・`)勘違い展開は二度くらい後どん

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  2. >……不良達に徹底的に苛められて灰色の高校生活を送っていたが家を燃やされ、
    妹がレイプされて自殺したから、ついカッとなって不良どもを罠にはめて皆殺しにした。
    そうしたら凶悪犯罪者扱いされて、絞首刑になって、このオンラインゲームの振りをしている異世界に送られた。

    こんな人生送ってたら「ろくな人生じゃなかったし最後くらいみんなの仇とって格好良く死にたい」と考えて、
    デスゲームが終わった後に燃え尽きてなんの希望も持てずgdgdになりそうなんですが……

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    1. いじめられっ子が家族を殺されてその復讐をして凶悪犯罪者として島流しみたいにゲーム風の異世界にいって、そこで仲間ができて仲良くなってなんとか立ち直ったけどデスゲームでその仲間を失って、
      殺した連中に復讐してさらに別の異世界へ。

      ……うん、日常生活を送れる精神状態じゃないねこれは発狂するレベル。

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    2. ワルキュラ(´・ω・`)次で俺死ぬらしい。うつ状態で

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    3. 世界を滅ぼす魔王の初期設定なら正しいけどこれで勘違い系の実は優しい主人公は無理がある
      どう考えても人に優しく出来んだろ
      「世界を滅ぼす! 人間や地球に攻撃できない? そんなものやり方次第でどうにかなる!」
      異世界いったらこうにしかならと思われ

      これを優しい主人公にするならいじめにあって復讐した記憶と、
      仲間を殺された記憶を消すしかないと思うんですが……

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    4. さすがのパルメさんも人を殺すくらいに極限状態に追いつめられてる人間を、
      ちょっと落ち込んだみたいな扱いにしてあっさり立ち直らせんだろ…


巨大なドクロが全プレイヤーの前に投影され、狂気の天才が喜々としてデス・ゲームを始めたのだ。

『なに、私は鬼じゃない。
君達にはこれから殺し合いをしてもらうが、ゲームから開放される条件はちゃんと設けてある。
……ゲーム内時間で一ヶ月。その期間内に各世界にいる大魔王を全て倒せ』

彼の話を要約すると
@大魔王を全て殺せば現実に帰れる。
A一ヶ月が過ぎれば、全プレイヤーを強制ゲームオーバーさせて殺す。
Bゲーム内の一秒が、現実での一日になるように時間を操作した。だから政府は助けにやってこない。諦めろ。

108の大魔王。108ある異世界に君臨する最強のモンスター。
大軍を従え、プレイヤー達を今まで散々困らせてきた。
だが、108万人のプレイヤーで団結すれば、辛うじて倒せる。
それが希望の光となり、剣や槍をズチャッ!とプレイヤー達は構えた。

『これはゲームではない。繰り返す、これはゲームではない』

鳳凰院が去り際に、セリフを残した直後に大魔王の一人が倒れた。
最初に犠牲になった不名誉な奴は
『生活するなら街の方が便利だろw』と公言する巨人族の大魔王アレキサンダァ。
鳳凰院から任された城塞を放置して、プレイヤーが大勢いる街中に豪邸を構えていたから、すぐに取り囲まれて、二百人居た嫁ごと全員殺された。
大魔王達は魔王専用掲示板でこの惨劇を知り、プレイヤーたちを殺すべく軍事行動を開始。
血を血で洗う闘争が始まった。



その三十日後。
大魔王とプレイヤーと、巻き込まれた異世界人のほとんどが争いで死に、地底の奥深くで最後の決戦が始まろうとしている。
時間が経過すれば、生き残っている数少ないプレイヤー達の人生は強制ゲームオーバー。
鳳凰院が約束を守る保証など欠片もないのに、プレイヤー達は大魔王を殲滅すれば現実に帰れると……未だに思い込んでいた。






ノーライフ・オンライン。通称『ノー・オン』
天才と謳われた鳳凰院(ほうおういん)博士が作り上げた体感型VRMMOだ。
プレイヤーは専用機器を使って、ゲームの中に入り込んだかのような没入感を味わう事ができる。
しかも、全く新しい技術にも関わらず、自由度が高く、冒険者・商人・海賊・オーク・など、どんなプレーも可能な事が大きな評判を呼んだ。
専用機器が五十万円以上するのに予約が殺到。
瞬く間にプレイヤーの数は百八万人を超え、ゲームの世界も百八に増やされ、日本を支える巨大産業として多くの企業が参入した。
巨額の予算を思う存分に使ったおかげで、プレイヤーは家どころか、都市や船を作る事も出来るようになったし、NPC達は自分の意志を持ち、ゲームの世界を現実の世界だと思い込んで生活し始めた。
西暦2199年。ノー・オンは絶頂期を極める……そんな時だ。世界恐慌レベルの悲劇が起きたのは

「諸君、私は鳳凰院ガイだ。
これからノーライフ・オンラインはノーフューチャーモードへと移行する。
ゲーム内で死ねば、現実の君達の脳は壊される。そんな仕様にした。
どうか命をかけて私が作り上げた異世界を本気で楽しんでもらいたい」

巨大なドクロが全プレイヤーの前に投影され、狂気の天才が喜々としてデス・ゲームを始めたのだ。

「なに、私は鬼じゃない。
君達にはこれから殺し合いをしてもらうが、ゲームから開放される条件はちゃんと設けてある。
……ゲーム内時間で一ヶ月。その期間内に各世界のトップ10を殲滅せよ。
そうすれば悪夢のデスゲームは終わり、君達は現実へと戻れる。
そういうストーリーだっ!ハハハハハハ!」

トップ10。それは頂点に君臨する一位〜十位ギルドを指し示す言葉である。
つまり、彼の言葉を要約するとこういう事だ。
@一ヶ月以内に、百八の世界にそれぞれある上位ギルドの一位〜十位を殲滅すれば、プレイヤー達は現実に戻れる。
A一ヶ月過ぎれば、トップ10に所属してないプレイヤーは脳を破壊されて死に、死んだ奴以外は現実に戻れる。
B十八禁モードを開放。降伏した相手を奴隷にできる。現実のようにエッチな事もできる。
Cゲーム内の一日は、現実の十分間になるように加速した。

鳳凰院博士がそう宣言して、すぐに惨劇は起きた。
第十世界のトップ廃人ギルド『ギガンテス』が、暴徒と化したプレイヤー達に襲われ、皆殺しにされてしまったのだ。
百八の世界全てで醜い殺し合いが始まり――一そこには話し合いの余地は欠片もない。
上位ギルドは殺されないために結束して、その膨大な財力と武力と配下のNPCを総動員して大量虐殺を開始した。
彼らは現実を放棄して、ゲームの中で生活しているも同然の廃人集団。
その圧倒的なテクニックでプレイヤー達は次々と殺され、廃人達も膨大な物量の前に数をすり減らした。



デスゲーム開始から三十日後。
百八万人いたプレイヤーのほとんどが争いで死に、今ここに最後の決戦が始まろうとしている。
後一日経過すれば、生き残った十万のプレイヤー達は強制ゲームオーバー。
だから、嫌々ながらも最終決戦に参加せざる負えなかった。
鳳凰院が約束を守る保証など欠片もないのに、プレイヤー達は相手陣営を殲滅すれば現実に帰れると……未だに思い込んでいる。




デスゲーム最終決戦

自由度が超高いゲームがあった。百八の世界があり、小さくても日本列島サイズ。世界中のプレイヤーが集まって遊ぶ事が可能。


鳳凰院博士が突如、会社を占拠してデス・ゲームをやる。
ゲーム内の一日が、現実の10分に加速され,外が異変に気づくのに時間がかかる。
『チャンスをくれてやろう!
それぞれの世界の頂点に君臨する上位一位から十位のギルドを滅ぼせば、この世界から開放してやる。
現実とかした本当のゲームを楽しんでくれたまえ!ははははは!』
一ヶ月そこらで百万人近いプレイヤーが殺し合って死亡
百八人いた魔王の内、百七の魔王が討ち果たされ、十万人のプレイヤーがデス・ワールドに侵攻。
悲惨な決戦が始まった。

勇者エイレル「ワルキュラっー!
貴様で最後だ!」

ワルキュラ「ふん、LV1000如きで何ができる?
残り1万人ポッチではないか」

勇者エイレル「うるさい!
貴様らがおとなしく死なないせいでっ!100万人以上の人間が死ぬハメになったんだぞ!」

ワルキュラ「最初に交渉を打ち切り、卑怯にも穏健派のクトゥ魔王を殺したのは貴様らではないかっ!
ふざけた事をいうな!」

勇者「問答無用!俺は貴様を倒して現実に帰る!」

ワルキュラ「ダークボール!連打!」

勇者「シャドウステップ!」

ワルキュラ「ふん!魔法使いに近接戦闘を挑めば勝てると思った・・・なんだと・・・>」

勇者「この剣はエタナール・フォース・ソード。
一度使えば壊れるが・・・相手を即死させる剣だ」

ワルキュラ「・・・なるほど・・・俺は油断したせいで死ぬのか・・・・」

勇者「、お前はきっと史上最悪の犯罪者にクズとして歴史に名前が残ると思うぜ?」

ワルキュラ「鳳凰院博士が約束を守るとはとても思えない・・・・
なぜ、国が助けに来るまで待てなかった・・・・・」

勇者「うるせぇ、敗者はさっさと脳みそ壊れて死ね。
お前のせいで俺の恋人は死んだんだ!」

ワルキュラ「俺は苛められたくなかっただけだ・・・」

勇者「だからって、お前が生きていい理由にはならない。
さっさときえろ」

ワルキュラ「永遠に・・・俺はいじめられっ子という事か・・・・・・
ちくしょう・・・・」

パリーン!

その日、魔王は全滅した。
生き残った一万人のプレイヤーは、鳳凰院博士が新しく用意した大魔王に皆殺しにされ、生存者ゼロという結末でゲームは幕を閉じる。



王国「勇者召喚の儀式を始める」

王「今度はどんな勇者が来るのかのう・・・・・」


ワルキュラ アンデット数十万人


王「」


ワルキュラ「あれ?
サービス停止したはずじゃ?」

プラチナ「ワルキュラ様?なんか、いきなり可笑しい所にきましたね・・・・」

ワルキュラ(やったー!プラチナちゃんが動いている!可愛い!呼吸している!最高!)

王「うわぁぁぁぁぁっ!アンデットの大軍勢だぁぁぁぁ!!」

デスキング「きさまら頭が高い!
ここのいるお方を誰と心得ているか!
かつて、7つの世界を制した死の魔王ワルキュラ様であるぞ!控えい!控えい!」

王「」 騎士団「」 全員土下座

ワルキュラ(俺、どうすればいいんだ・・・・?)


没原稿

 


砂漠に覆われた過酷な大地エジプトン。
その一角に分厚い城壁で覆われた都市カイロンがあった。
古来から、西に存在するナイルン川の水運と、東西交通の要衝として栄えてきた歴史がある。
でも、そんな事は狐耳と尻尾がよく似合うエール少年には関係ない事だ。
高い所に設置された見張り台で仕事して、好きな娘を養うための金を稼げれば良い。

(今は西側の見張りだけど……何時か、大金を貰える東側の見張り台で仕事について、ミーニャン様にプロポーズしてモッフフーな中になるんだ……)

そんな時だ。
西側の砂漠から地平線を埋め尽くす軍勢が見えた。
白い群れだ。西側にはナイルン川があるから、これだけ大量の軍勢が来るはずがない。
砂漠の特有の現象『蜃気楼』か何かだと思った。
でも白い群れは数を増やしていき――街へと高速で近づいてくる。
蜃気楼ではない。これは恐らく兵士の群れだ。

「もっふぅ?」

首を傾げて判断に困ったエールは、後ろで寝転がっている上司を揺らして起こす事にした。

「クマ伍長〜!起きてください〜!
なんか変な軍勢が来てます!」

上司は迷惑そうな顔で起きる。エールをクマ顔で睨みつけて

「そんな事、ある訳ないだろ!
西には川と王都があるんだぞ!?」

「でもっ!地平線埋め尽くす大軍なんですよ!」

「うるせぇ!ナイルン川を越えるのは大変なんだぞ――」

クマ伍長は西の方角を見て驚愕した。
確かに、砂漠が白い群れで埋め尽くされている。
数万人とか、そんな物量ではない。
数十万単位だ。これだけの物量があれば、兵士百人そこらしか駐留していないカイロンの街は一日で終了だ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!
この街は終わりだぁぁぁぁ!!!」

クマ伍長は見張り台から逃げ出して、東の方向へと逃亡した。
エールも逃げ出したがったが、給料分の仕事はしようとハンマーを持って鐘を強く叩いて鳴らす。

「敵襲〜!」

だが、時間が早朝な事もあって門はすぐに閉じる事はない。
人件費をケチっているせいで人員が少ないせいもある。
このままでは、街は終わりだ。エールは焦る。

(ミ、ミーニャン様だけでも逃がすべきでしょうか!?)

でも、ここを逃げ出すことは財産を放棄する事を意味する。
基本的に仕事というのは、コネで貰うもの。他の街にコネがないエールじゃ、女の子一人を養うことすらできない。
下手したら途中、賊に襲われて大切な女の子が慰みものにされる可能性だってある。

(もっふぅ……)

狐耳が下に垂れ下がったエール。
何をするべきなのか分からなくなった彼はじっくりと、白い軍勢を見つめる。
そうすると軍勢の正体が見えてきた。
真っ白な人骨だ。手に槍や家財道具などを持って死者が走っている。なにこれこわい。

(も、もっふぅー!?)

背筋が凍えるように冷たくなる。素早く走る人骨なんて聞いたことがない。
分かる事は――死者は生者を憎み、惨たらしく殺すと聞く。
今すぐ、愛すべきミーニャンの所に行って、街から逃げようと思ったが

「不死王の凱旋である!準備せよ!」
「偉大なお方に統治される事を喜べ!」

空から声が聞こえた。
真っ白な装束を着込んだ半透明の人間達が空を飛んでいる。
明らかに死者。幽霊系の最上位アンデット『スペクター』の群れ。
滅ぼす手段がほとんど存在しない悪夢的な存在である。

「も、もっふぅ……」

さすがのエールも、非常識の連続が続いて気絶した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

辛うじて、エール少年が鐘を鳴らしたいおかげで西の門を閉じる事が出来た。
兵士達と民衆は安心し、市民兵で人手を増やして、援軍頼みの籠城戦をやろうとした矢先

ドカーン!

高さ五メートルはある巨大な門が吹き飛んだ。
壊れた門の先には、同じくらいの巨大な触手の化物がいる。

「不死王の凱旋でござる!
門を閉じるとは何事でござるか!」

無数の触手がウネウネと動く。それを見て獣耳が生えた民衆と兵士達は恐怖した。
明らかに、触手で相手を拘束して捕食する系統の化物。

「「ひ、ひやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

民衆は適当な方角へと逃げ回る。
いや、ただ一人、逃げない男がいた。
この街の守護を務める狼耳の獣人ゴーマス少将。軽躁な鎧を着ている。
彼は一人で剣を握り締め、触手の化物を睨む。だが、手がプルプルと震えて涙目だった。

(ぜ、絶対勝てねぇ!
何だよ!この化物!)

実力は蟻と象。そんな事は簡単に理解できた。
相手は攻城兵器すら容易く凌駕するパワーの持ち主。
攻撃を受け止めた瞬間、バラバラのひき肉になるのは確実である。
でも、一応、職務上の礼儀として触手の化物に問いただす事にした。

「お、お前たちは何者だ!」

「拙者はワルキュラ七魔王の一人!
触手蹂躙軍を率いる触手魔王でござる!
気軽に触手と呼んで欲しいでござる!可愛い恋人を募集中でそうろう!」

「うわ、なんて安直な名前」

会話が通じる相手だとわかって、少しだけ安心した。
よく見たら、声色が呑気で優しい感じだ。

「えと、触手魔王さんとやら。
こ、この街に何の用で来た?」

「セイルン王国は我々に昨日、降伏したでござる!
領土を半分ほどもらったから、今日から拙者の主が統治者でそうろう!」

「……え?
そ、それは本当か!?」

セイルン王国が何処かの国と戦争していたという情報すら聞いたことがない。
カイロンの街は交通の要衝なだけあって、こういう情報はすぐ届くはずなのにこれは可笑しい。
いや、それ以前に、ナイルン川を超えて、たった一日でここまで来れる距離じゃない。
砂漠の厳しい気候で、馬を一日走らせたら死ぬだけに。
だから、ゴーマス少将は確かめてみることにした。

「……しょ、証拠の書類とかあるのか?!
それがないと認められん!」

「これでござる!」

「うわっ!」

触手魔王が、触手を異空間にいれて、書類を取り出した。
異常すぎる光景に、ゴーマスはびびる

(ま、まじで化物だ……声色優しいがそのギャップで余計にキモイ……)

一応、書類を確かめてみた。
『セイルン王国は、ワルキュラ大魔王に降伏して、ナイルン川から東全てを譲渡します by 国王』
確かにセイルン王国が降伏した事が書かれており、王様だけが持つ王印がそこにある。
セイルン王国は、この街の皆が知らない間に敗戦したのだ。

「ま、まじかよ!?」

ゴーマスは絶望した。人間どころか、アンデッドの大軍を率いる化物が新しい支配者。
絶対、まともな統治をしないとすぐに理解できる。
血を血で洗うような恐怖の統治が始まるかもと思った矢先――触手の背後から、白い骨が出てきた。

「俺がそのワルキュラ大魔王だ」

その骸骨は、装飾だらけの黒いローブに身を包み、背丈は2mはありそうだ。
全身から邪悪なオーラを吹き出し、生きとし生ける者を全て殺し尽くそうな、そんな感じに思えた、
きっと、魔王の中の魔王だったりして、全てを無に帰す事を夢見てそうな化物に違いない。

(こ、この世の終わりだ……おわた……)

「おい、この町の責任者を出せ。
統治するために、色々と聞きたい事がある」

しかも、ゴーマスのすぐ近くまで近づいてきた。
頭蓋骨の眼下には何もないはずなのに、真っ赤な光が見える。
怖い。逃げたい。お母さん。助かりたい。
殺される、死ぬ、俺、ここで死ぬ。
た、たすけて、かゆうま

(ひやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)

ゴーマス、絶望してその場で倒れて気絶した。
ワルキュラ大魔王は、困った骨顔で、頭を掻き、青い空を見上げた。

(困ったなぁ……俺の顔、そんなに怖いのか?
外見だけで差別されて不幸すぎる……)

別に圧政がしたい訳じゃない。
むしろ、イメージアップのために減税して、民衆が暮らしやすい国を作り上げて、快適なアンデッドライフを過ごしたいと思うほどだ。
女には、アンデッドな美少女がいるから困ってないから、町の女に手を出すつもりもない。

(でも、俺の外見が骨だしなぁ……
やっぱり世間的に、外見が悪いと損すぎる……)

そんな風に悩んでいる時だ。背後からスケルトン軍団を率いるデスキング魔王が唐突に叫び始めた。
無論、外見は骨。すぐに折れそうな感じでカルシウムが足りない。

「陛下との会話中に気絶するとはっ……なんて失礼な人間どもだ!
見せしめに皆殺しにしましょう!」

「……やめろ!
世間のイメージが悪くなって統治の難易度が上がる」

「も、申し訳ありませんっ!
陛下の身心が分からずっ!臣下として有るまじき失態!
殺すのは1割ほどにします!」

「殺す必要はない。いい加減、無闇やたらに殺す癖をやめろ」

ワルキュラは困り果てる。
どうして、こうなったのか、空を見上げて思い出す事にした。

(人は見た目が9割……)



エール少年 銀狐
主君である没落貴族ミーニャンに尽くす少年。
養うために、兵士の仕事に志願し、ようやく見張り台という大金を貰える仕事をもらえた。
街の存亡をかけた重要な仕事なだけに、大金を貰える。


「僕は何時か、出世してミーニャン様にプロポーズしてもっふふーな中になるんだ・・・・」

a



ナイルン大陸の東側に存在するエジプトン砂漠。
そこには多数の亜人が住んでいる。厳しい砂漠の気候の中、権力者に搾取され、苦しむ生活を送ってきた彼らは……新しい支配者が来るという情報を聞いて、街のあちらこちらで議論を交わしていた。
大抵、こういう時は新しい税金が課され、民草は苦労を強いられるのが常識。
それゆえに彼らの会話は不安なものに満ちていた。

「新しい領主様が来るらしいぞ」
「何でも国の半分をもらったらしい」
「そんな馬鹿な事があるもんか。国が戦争に負けでもしない限り、そんな事にはならないぞ?」

正直、都から商人経由で伝わる情報は可笑しい事ばっかりだ。
どれもこれも信用に値しない。
人間という生き物は、自分達の知っている知識の範囲内で物事を判断するだけに
『新しい支配者が死の王だ』という話を信じるものは誰もいなかった。
そんな時だ。カイロンの街の西側に異形の軍勢が出現した。
最初は見張り台の連中は、新しい領主様の軍勢だなと楽観して、ゆっくり見守っていた。
だが、軍勢が近づくにつれて異変に気づく。
軍勢は異常なほどに真っ白なのだ。決して鎧などではない。
これは……骨の色。そう、軍勢の正体は動く人骨アンデット『スケルトン』の群れ。数はざっと数十万。
基本的に死者は、生者を憎み惨たらしく殺すという。

「ア、アンデッドの大軍だぁぁぁぁぁ!!!!!」

見張り台の兵士は慌てて鐘を叩き、街の門を全て閉じるように命令した。

ゆっくり戻るよ!

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