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ゆっくり戻るよ!

大男は現実にいた頃は、核戦争後の世界で一人ぼっちだった。
地下シェルターに籠ったまま、かつての文明が作りだした映画やアニメを見て、涙を流しながら孤独だった。
でも、10年くらい引き篭もりをしていたら孤独に慣れて、今度は目の前の二次元の世界に行きたいと思った。
大男の夢は、途中の過程は不明に包まれているが二次元の世界・・・同じ核戦争後で人間が逞しく生きている世界にきた事から幸運が始まった。
気づいたら身長3mの男になって、近くに小さな可愛らしい妖精さんと、ヒャッハーヒャッハー言っている気の良いモヒカンな仲間達に囲まれ、水と飯はまずくても日々を楽しく生きていけている。
他人の幸せを数万人単位で踏みにじった事はともかく、大男にとっての幸せは近くに妖精さんがいて、モヒカン達がたくさん身近にいれば幸せなのだ。
後に残った幸せは、妖精さんを成人女性サイズにして、夢にまで見た暖かい家庭を築くだけ・・・それを踏みにじろうとするゴミは大男が許さないっ!
虐殺の二文字あるのみであるっ!






最終話  救世主なんて虐殺だぁっー!(後)






マッハ兄貴をレイプ魔だと勘違いしている大男は、マッハ兄貴を一撃で虐殺するべく、虐殺クラッシュを放とうとしている。
単純に虐殺キックで地面を蹴り、そのエネルギーで時速200kmで移動して相手に衝突するだけの技なのだが、普通の人間ではバラバラになり、これを受け止められるのは核戦争で壊滅した先進国の主力戦車くらいだ。
マッハ兄貴は、時速200kmで迫ってくる大男の突撃を横にジャンプして回避し、この無駄な争いを避けようと説得を試みようとする。

「待てっ!勘違いだっ!俺はあの少女をレイプしようなんて思った事もないっ!」

「ロリコンは虐殺だぁっー!」

大男は勢い余って30mほど移動してから方向転換し、再び地面に虐殺キックを放ち、今度は時速250kmで突撃してきた。
辛うじてマッハ兄貴は横に転がるようにして回避するが、その度にエネルギーを殺さないように方向転換してきた大男が虐殺キックで速度を増し、順調に速度を上げていくので回避するのが困難になっていく。
騙されているだけの男を殺す事に気が引けているマッハ兄貴は、大男の頭を冷やすためにも、機動力を削ごうと大男の足にめがけてマッハパンチを繰り出したっ!

「頭を冷やせっ!マッハパンチッ!」

真空の刃が作られ、大男の足もとへ進む。
頭を冷やすどころか、モヒカン相手なら千切れるクラスの攻撃だが、大男の頑丈な足は真空の刃に耐えきって表面に少しの傷を残しただけだ。
高速で動いている状態で足に傷を負った事で、大男は盛大にドシャッーと何度もバウンドして跳ねて倒れ、奴隷達が大切に育てていたジャイガモ畑が台無しになる。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「俺達の血と汗の結晶のような畑ざんがあああああああああああああああああっ!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

奴隷達の絶叫をBGMに、大男はすぐに立ちあがり、マッハ兄貴を殺害するべく、再度の虐殺クラッシュを敢行した。
さすがに足に傷を負っているせいで、時速150kmぐらいしか出ていないが、それでも十分に脅威である。
しかし、時速200km以上の速度でも対応できていたマッハ兄貴は余裕で回避し、大男への説得を開始する。

「お前は騙されているっ・・・!
あの小さな女の子は、正真正銘のゲスだっ!」

一生懸命説得しようにも、返ってきた返答は大男の逆鱗っ!

「妖精さんの口調が可笑しいのは、核戦争のせいだああああああああああっ!!!!
この飯も水も治安も悪い世界のせいなんだああああああああああああっ!!!!!
それをわからないレイプ魔は死ねええええええええええええええっ!!!!」

今まで使った事がない虐殺チョップを大男は無意識に繰り出した。
戦車の装甲すら抉り取る圧倒的な斬撃が、驚異の速度でマッハ兄貴に迫るが、拳の横に当たるようにマッハパンチを当てているっ!

「マッハパンチっ!」

横から思いっきり殴られて反らされた片腕につられて、大男は全身ごと転がる。
そこには遠い地から運んで植えたリンゴの木があり、ベキベキと真っ二つに折れたっ!

「「「「「「「「「「貴重な甘味を提供してくれるリンゴの木がああああああああああっ!!!!!!」」」」」」」」」」

奴隷の絶叫を良い感じのBGM扱いして、大男はすぐに立ちあがる。
今までの交戦で、マッハ兄貴相手では実力で勝てないと理解してしまい、このままでは自身が殺されて、妖精さんや、モヒカン、民衆達が殺されてしまうという危機感を持つ。

(俺の力では、このレイプ魔に勝てないっ・・・!
つまり、妖精さんがパンツを脱がされて貞操が危ないっ・・・!)

大男の脳裏では、妖精さんが悲劇のヒロインになって酷い目にあっている姿が浮かんでいる。
その未来予想図を回避する方法を大男は思いつかないが・・・大男は一人じゃないっ!
1000人近いモヒカン達が援軍として到着したのだっ!バイクに乗り、妖精さんと大男の大ピンチだと聞きつけてやってきた男の友情と絆の勝利っ!

「「「「「ヒャッハー!旦那を助けにきたぜぇっー!」」」」」
「「「「「旦那の声は遠くまで届いていたから事情は知っているぜぇっ!ヒャッハー!」」」」」
「「「「「小さな女の子をレイプしようとするゴミは虐殺だぁっー!」」」」」」
「「「「「レイプするなら、おっぱいボインボインの美少女と美女が最高だぁっー!人妻に憧れるぅっー!」」」」」

この増援のせいで畑がバイクに踏み荒らされて壊滅しているが、奴隷達は絶望しているので絶叫はなかった。
圧倒的な数によってマッハ兄貴を包囲した事によって、大男の心に活気が湧いてくる。
孤独じゃないっ・・・!皆と力を合わせれば何でもできるという希望の光を手にしたのだ!
そして、マッハ兄貴の方は、憎むべきモヒカン達が大量にいるので血が沸騰して激怒し、音速を超えるパンチを信じられない連射速度で放ちまくるっ!
その攻撃の姿は、まさにクラスター爆弾っ!情け容赦ない爆撃のようなパンチの連射っ!

「マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!」

「「「「「「「「ぎゃああああああああああっ!!!!!!強過ぎるうううううううっ!!!!!!!」」」」」」」」

手加減無用の圧倒的な面制圧攻撃を実行した事で、モヒカン達は次々とバラバラになり、秒単位で数十人づつ殺害され、数をすり減らしている。
しかし、マッハ兄貴がモヒカン達だけに集中していたのが致命的な隙となった。
大男が残った力を足に籠め、虐殺キックを地面へと向けて全力で実行し、時速180kmの速度で突撃を敢行したのだ!
モヒカンを虐殺する事に熱中しているマッハ兄貴が対応できるはずもなく、一撃を食らって地面へと何度も衝突して転がるっ!

「「「「ヒャッハー!ゴミのようなレイプ魔は俺達でトドメを刺してやるぅっー!」」」」」

そして、転がった先には斧で武装したモヒカン達が斧を高く振り上げて、マッハ兄貴をぶち殺そうと振り下ろそうとしていたっ!
だが、ただの雑魚程度ではマッハ兄貴は殺害できないっ!
転がった態勢からすぐに立ち直り、マッハパンチを一瞬で幾つも繰り出したのだっ!

「マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!」

「アベブッ!」「ヒデビッ!」「ユゲブッ!」「アベシッ!」

モヒカン達はすぐにバラバラになって大地の肥料と化すが、モヒカン達はまだまだいるっ!
すぐさまにボウガンを構えたモヒカン達が集団射撃を実行したのだっ!

「「「「「ヒャッハー!幼女レイプ魔は矢を食らって死ねぇっー!」」」」」

さすがにマッハパンチを連続して放ったマッハ兄貴では対応できず、右腕を犠牲にして矢を防ぐ事しかできないっ!

「ぐっ!・・・お、俺の人生はこれまでかっっ・・・!」

さすがに、負傷した状態で数の暴力に晒されたマッハ兄貴は、ここが死地だと悟る。
妹をレイプされて殺されてからの復讐の人生を走馬灯のように思い返し、可能な限りモヒカン達を最後の意地で虐殺しようと立ち上がり、人生最後になるだろうと本人が思っている言葉を放つっ!

「モヒカン達は地獄に落ちるがいいっ!!!!!!!!
俺が皆殺しにしてやるっ!!!!!!!!!!!!」

マッハ兄貴は残った力で走り出したが、モヒカン達から返って来た言葉が侮蔑の嵐っ!嵐っ!

「「「「「小さな女の子をレイプしようとしたゴミの分際で生意気だぁっー!」」」」」
「「「「「「ヒャッハー!それだけの実力がある癖に、幼女レイプ魔とかゴミだぁっー!」」」」」」
「「「「「旦那と俺達のような紳士を見習って死ねぇっー!」」」」」
「「「「「「「ヒャッハハハハハ!妖精の姉御は何もしてなくても、普通にパンチラ見れる女の子なのによぉっー!実際に手を出すなんてクズだぜぇっー!」」」」」」」

小さな女の子をレイプしようとした変質者として、マッハ兄貴は殺害されようとしているっ・・・!
地獄の鬼のような外道達に非難される屈辱っ・・・!

(殺すっ!モヒカンも、大男も、あの小さな女の子も殺すっ!)

マッハ兄貴の頭は怒りで沸騰している。
 だが、マッハ兄貴には仲間がいないから、この圧倒的な数の暴力に勝利するなんて不可能だっ!
モヒカン達が次々とボウガンによる遠距離射撃と、火炎放射器による攻撃を実行し、回避するだけで精一杯な状況へと追い込まれるっ!
しかも、時間が経過する度に100人単位でモヒカンが援軍に現れて、遠距離攻撃に加わるから、回避に専念するしかなかった!

「「「「「「「「「回避しないと死んでしまうぞぉっー!ヒャッハハハハ!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「幼女をレイプするような汚物は消毒だぁっー!」」」」」」」」」」

「くっ!正々堂々と勝負しろぉっー!」

マッハ兄貴は圧倒的な数の暴力に晒される内に、苦し紛れに弱音をはいている。
時間が経つ度に、身体の疲労がまし、一度でも攻撃が当たれば、それだけで一気に人生終了が確定だ。
せめて、この事態の元凶である妖精さんだけでも、殺そうと周りを見渡すが・・・普通に大男が妖精さんを慰めていた。
妖精さんの小さな頭に片手を置いて優しくナデナデして、慈愛の眼・・・?いや、愛する異性へと向ける眼で和やかな空間を作っている。
幼女レイプ魔扱いされているマッハ兄貴は、さすがにぶち切れて

「ロリコンはお前の方だろぉっー!小さな少女相手にデレデレしやがってぇっー!」

小さな妖精さんとイチャイチャしてた大男相手に激怒した。
それに大男はゴツイ顔を向けて正々堂々と

「恋愛に身長の差なんて関係ないっー!たまたま愛した女の子が可愛らしい金髪巨乳ロリ娘だっただけだぁっー!」

「「「「「「「「ヒャッハー!旦那のダブルスタンダードに憧れるぅっ!痺れるぅっー!

愛のために全ての障害をはねのけている姿が漢だぜぇっー!」」」」」」」」」」
この馬鹿げた言葉を聞いた瞬間に、マッハ兄貴の全身にボウガンの矢が刺さって身体が動けなくなり、火炎放射器の炎の渦が複数襲いかかった。
全身が燃え、激痛にもだえ苦しむ人生最後の瞬間にマッハ兄貴は気が付いた。

(俺・・・童貞だぁっー!仲間も作るの忘れてたぁっー!)

マッハ兄貴はわかったのだ。
・・・愛と数の暴力に勝るものはないと。
この敗北は、大男が今まで築き上げた友情と愛によって敗北した事をわかったのだ!
マッハ兄貴は後悔の念に最後に支配されながら、全身が焼け焦げた肉塊と成り果てるという無残な終わり方を迎えたのであるっ!








「「「「「ヒャッハー!正義の勝利だぜぇっー!」」」」」
「「「「「「幼女レイプ魔を虐殺できて最高だぁっー!悪は滅びる定めだぁっー!」」」」」」

強敵を打倒した事で、モヒカン達が歓声をあげまくっている中、大男はその苦痛にまみれたマッハ兄貴の顔を見る。
幼女レイプ魔にしておくには勿体ないほどの実力であり、どうして、この男が人生を間違えたのか気になったのだ。
大男に抱きついている可愛らしい妖精さんを見ても・・・少しムラムラするだけであり、やっては駄目だと理性で禁じる事は簡単だった。
そして、それっぽい答えに辿りつくっ!

「この化物のように強い男が幼女レイプ魔になったのは、核戦争による放射能のせいかぁっー!!!!!!!!
こんな強敵の性癖まで変えるなんて・・・なんて酷い世界なんだぁっー!!!!!!!!」
















次回エピローグっ!



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