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ゆっくり戻るよ!

このクソゲーには、救世主と呼ばれるNPCキャラがいる。
音速を超える速度でパンチを放ち、どんな大軍勢でも倒すのが困難極まる正義超人が存在しているのだ。
妹をモヒカンにレイプされた後に殺されたという過去を持ち、そのモヒカン達によって拷問を受けた屈辱と憎しみで、モヒカン達を大量虐殺しまくる事を生きがいにするナイスガイっ!
その名をマッハ兄貴というっ!





最終話  救世主なんて虐殺だぁっー!(前)





読者は忘れているかもしれないが、大男に追い出されるようにして種籾探しの旅にでた30人の老人は、念願の種籾を入手して、集落へと帰還しようとしていた。
身体は集落を出る前よりもボロボロであり、種籾を入手して豊かな老後を手に入れる事だけを夢見て、奇跡的に犠牲者を出さずに成功したのである。
しかし、集落に近づくとモヒカン達がバイクでやってきて

「ヒャッハー!こんな所に糞ジジイがいるぞぉっー!」
「こんな役立たずは虐殺して畑の肥料だぁっー!」

顔 を 知 ら れ て な か っ た という最大の問題に直面したのだ。
お爺さん達が旅をしている間に、知らないモヒカンが大量に増えまくり、大男も老人達の事を忘れて、性奴隷を抱いたり、妖精さんの身長が伸びる様子を眺める事で大変なので、知らなくて当たり前だ。

「「「「「「「「地獄じゃぁっー!あの時に自殺した方が良かったぁっー!」」」」」」」

老人達はモヒカン達のボウガンと斧によって次々と豪快に殺害されまくり、最後に生き残ったお爺さんも肩に矢を受けて、半死半生状態である。
このままでは哀れな老人は、凶悪なモヒカン達の餌食となる・・・ところだったが、突然、モヒカン達の頭が次々と破裂して爆発したっ!

「死ねぇっ〜アベシッ!」
「ヒャッハー!ユベラッ!」
「ギャブンッ!」

残ったモヒカン達は、仲間の頭がいきなり破裂したことで動揺し、死に掛けのお爺さんを放置して周りを見渡す。
すると、荒野の方から身長2mのモリモリの筋肉を纏っている男がいた。
今まで、モヒカン達にいることすら気づかれずにその場にいたのであるっ!

「誰だぁっー!てめぇはよぉっー!」
「仲間を殺した奴は虐殺だぁっー!」

その男を犯人だと決めつけたモヒカン達は、男を殺すために近づこうとするが、男の腕が素早く・・・「マッハパンチっ!」という声とともに音速を超える速度で動き、見えない真空の刃が発生した事にモヒカン達は気づいていない。
鋭利すぎる刃は、モヒカン達の身体を一撃で切断して致命傷を与えている。
死ぬまで極僅かな時間となったモヒカン達に、男はしかめっ面で

「お前達みたいな外道に生きる価値なしっ!ここで絶望してゆっくりせずに死ねっ!」

肉と肉の身体がスライドする感じでバラバラになっていくモヒカン達の最後に聞いた言葉が身も蓋もない侮蔑の言葉だった。









男は死に掛けになっている老人に近づくと、老人が何か言葉を呟いている事がわかる。
既に手遅れ状態なのでトドメを刺して楽にしようと思っていたが、人生の最後に何を言うのか気になったので耳を傾けた。

「(絶望の)今日よりも(贅沢してニートができる)明日なんじゃ・・・この種籾で明日を手に・・・入れるんじゃ・・・」

この荒廃した世界で珍しい善良な人間だと男は思った。
そして、善人から死んでくたばってい世界の実情を呪い、モヒカン達を許さぬという心の闘志が燃えている。
男・・・マッハ兄貴の目の前には広大な農地と、そこで働かされて苦しんでいる人々の姿が映った。
モヒカン達が鞭を持ち、少しでも休憩しようとする様子を見せる奴隷がいたら鞭でパシンッと叩いて労働を続けさせている。
モヒカンが楽しそうに高笑いし、農業用トラクターで奴隷よりも遥かに高効率な耕作をやっているせいで、奴隷が無気力状態なのだ。

「許せぬっ・・・!こんな糞外道の集落は許せぬっ!モヒカン達は全て殺すっ!」

無意味な労働をさせているとマッハ兄貴は思った。
作物の稲や種を植えていたりする労働者達もいるのだが、そこらへんは目に入っていない。
モヒカン達が大量にいる集落へとめがけて全力で走り、目にもとまらぬ速さで腕を引いて

「マッハパンチッ!」

言葉とともに音速の壁を超えたパンチが放たれ、モヒカン達に真空の刃が降り注ぐ。
労働者達を監視する事に集中していたモヒカン達は男の接近に気づくことすらもなく、いつものように

「奴隷は働けぇ〜!アベシッ!」  
「ヒャッハー!怠ける性奴隷はこっちにきて俺・・・ユベシッ!」
「妖精の姉御のために一生懸命働けぇっー!ユベラッ!」

攻撃されたと気づくこともなく肉塊と成り果てる。
労働者達は眼の前でモヒカン達がバラバラになったので、その血吹雪を盛大に浴びて混乱していた。

「「「「ぎゃあああああああああああああああっ!!!!モヒカンがバラバラになったああああああああっ!!!」」」」

マッハ兄貴はその声をBGMに、目にもとまらぬ速さで場を駆け抜け、パンチを幾つも繰り出す。
パンチを出す度に、生き残っているモヒカン達はバラバラになり、マッハ兄貴は憎きモヒカン達を狩り続けるために移動し続ける。
しかし、モヒカン達もただでやられる雑魚ではないっ!
辛うじてバイクに乗ったモヒカン達が高速で動き回る事で、マッハ兄貴の狩りの効率が悪くなってしまったっ!

「ヒャッハー!高速で走っている化物がいるぜぇっー!虐殺だぁっー!」
「ボウガンをくらって死ねぇっー!」

遠距離攻撃がくるようになった事で、マッハ兄貴は余計な行動を取らないと行けず、余分に体力を消費してしまう。
このままでは騒ぎを聞きつけたモヒカン達に包囲されかねないが、モヒカン達の憎悪で生きているマッハ兄貴は逃げるなんて真似はしないっ!

「マッハパンチっ!マッハパンチっ!」

片っ端から、モヒカン達の身体をめがけて真空の刃を放ちまくり、体力なんて気にせずに戦う。
さすがに相手がバイクに乗っているせいで命中率が悪いが、それでも半分はモヒカンに当たり、バラバラの肉片にする事は容易い。

「ヒャッハー!アベジッ!」 
「た、助けてくれぇっー!ギャブンッ!」

マッハ兄貴の強さに気付いたモヒカン達は逃亡を試みるが、そんな事はマッハ兄貴が許さないっ!
徹底的に追いついて虐殺の限りを尽くすっ!

「マッハパンチッ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ!マッハパンチっ! 」

「ユビンッ!」
「ガブルっ!」
「アベシッ!」
「ゴウダッ!」
「タケシッ!」
「ジャイッ!」
「アンッ!」

騒ぎを聞きつけたモヒカン達も見かけ次第虐殺する。
だが、モヒカン達が思いもかけない手段をとってきた事で、マッハ兄貴の手が止まった。
なんと、何の罪もない奴隷達を盾にして、迫ってきたのであるっ!

「「「ヒャッハハハハハっ!奴隷を殺してないから、正義のヒーロー気取りの糞野郎ってわかったぞぉっー!
奴隷を殺されたくなかったら大人しく殺されろぉっー!」」」

あまりの外道さにマッハ兄貴の怒りもマッハっ!
げらげら笑って、奴隷達を盾にしているモヒカン達に向けて走りだそうとするが、男の奴隷の首が斧でスパッと斬られて、地面に転がった事でこれが単なる脅しではない事がわかって動けないっ!

「動くなぁっー!動けば奴隷を殺すっー!こんな感じになぁっー!ヒャッハー!」
「次はこの可愛い女の子から殺すぞぉっー!おらっ!おらっ!」

マッハ兄貴は動けないっ・・・!人質に取られている12歳ぐらいの可愛らしい少女の姿が妹と似ていて動けないっ・・・!
マッハ兄貴のトウラマが抉りだされ、5年前に集団レイプされて殺された哀れな妹の姿が思い浮かんでしまうっ・・・!
このままではマッハ兄貴は、モヒカン達に虐殺されてしまうっ!そして、何も守ることができなかった過去を繰り返す事になるっ!
しかし、状況は予想外の方向に動いたっ!
人質にとられている天使のように可愛らしい少女が場に響き渡るような美しい声で叫んだのだっ!

「だ、旦那ぁっー!このゲスなモヒカンが私をレイプしようと迫ってくるのですぜぇぇぇぇぇぇっ!!!!!
セクハラで怖いのですぜぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!白濁な液体に包まれた陵辱エロゲーヒロインにされちゃうのですぜぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

人質に取られている少女の正体は、身長1mにまで成長した妖精さんだったっ!
モヒカン達は、ついうっかりで人質にとった少女の正体が妖精さんだとわかったが、自分達の上司の嫁候補に武器を向けてしまったので未来が確定しちゃっているっ!
遠くから砂埃が巻き上がり、時速200kmで迫っている3mの巨人さんの影が現れたのだっ!

「誰だあああああああああああああああっ!!!!
妖精さんをレイプしようとするロリコンはああああああああああっ!!!
こんなに怒るのは久しぶりだぞおおおおおおっ!!!!!!!!!」

「「「「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああっ!!!激怒した旦那だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!」」」」」」」

モヒカン達は人質を放置して逃げようとするが、大男の怒りから逃れられるはずもなく、大男に間を詰められて、1人のモヒカンが身体を持ちあげられてガクンガクンと激しく揺さぶられるっ!

「俺が性奴隷からロリコンって言われているのは、お前達のせいかあああああああああああっ!!!!
何人の少女をレイプしたんだあああああああっ!!さっさと吐けえええええええええええっ!!!」

最近、毎日のように抱く性奴隷から、ロリコンの変態と寝言で呟かれてストレスを溜めている大男の怒りのゲージもマッハだったのだ!
性奴隷達からロリコンと思われているのは、妖精さんを身近に置いて溺愛しているせいだと全く気付いていない。
モヒカンは抗弁しようにも、揺さぶられすぎて脳震盪を起こし、口からブクブクと泡をだして気絶しているので無理だ。
もう、揺さぶられすぎて口と鼻から血が溢れ出て、このままだとモヒカンの命が危ない。
大男は、何もいわないモヒカンに怒り、力任せに遠くへとモヒカンを投擲したっ!

「俺の趣味はおっぱいボインボインの美少女と美女だあああああああああああああっ!!!!」

空高く放り投げられたモヒカンは、そのまま空中をグルングルン回転し、80mほど飛んでから「ウゲブッ」という音とともに肥料になった。
この凄惨な光景を見た他のモヒカン達は、大男の前で土下座して謝ろうとするが

「お、俺たちは妖精の姉御をレイプしようなんて考えた事もねぇっ!ただ、うっかり間違って人質にユベラッ!」

激怒した大男にいい訳など無意味っ!大男の太い足でモヒカンの頭は潰れてしまったっ!
残り8人に減ったモヒカン達は、大男から本格的に逃げるために、バイクのある所まで逃げようとするが

「「「「ぎゃああああああああっ!!!!!謝っても許してくれねぇっー!逃げろぉぉぉぉっ!!!!」」」」

「虐殺クラッシュっ!」

「アベブッ!」
「ゲビュッ!」
「ガベルっ!」
「アベシッ!」
「ガブンッ!」
「ユンヤーっ!」
「ユベラッ!」

時速200kmという圧倒的な速度で大男が次々とモヒカンと衝突し、モヒカン達はバラバラの死骸となって、大地の肥料になってしまったのだっ!
大男はロリコンと、将来のお嫁さんである妖精さんに手を出す奴は、絶対に許さない漢なのであるっ!









大男は問答無用でモヒカン達を虐殺した後は、妖精さんが無事かどうか確かめるために、妖精さんの元へと近づき、服装を見る。
妖精さんのスカートが短い洋服にあまり乱れはなく、レイプされる前に救出できたんだなと大男は思った。
そして、それがはっきりとわかった事で大男は涙を流して妖精さんを抱きしめるっ!

「妖精さんがレイプされてなくてよかったああああっ!!!!こんな飯も水も不味い場所で、心の癒しがなくならなくて良かったああああっ!!!!!」

「だ、旦那っ!ちょっと力が強いのですぜっ!」

妖精さんは、大男の対応に顔を赤らめている。恥かしいからじゃなくて、本当に痛くて辛いのだ。
しかし、他者から見たら恥かしそうにツンデレな発言をしている可愛らしい少女にしか見えず、その状態は数分に渡って続く。
蚊帳の外扱いされているマッハ兄貴は、身長1mの美少女と抱き合う大男の姿を見て、レイプされて殺された妹との懐かしい日々を思い出し、目の前にいる大男はいい奴なんだなと思った。
じっくりと、二人が抱き合うイチャイチャする姿を見つめて、この身長3mの大男が、最近噂になっている極悪非道な大魔王で鬼畜な皇帝だと気づく。

(何故だっ・・・!そんなに酷い奴には見えないっ・・・!
あの少女を見る目は明らかに慈愛の眼っ・・・!
噂通りの大悪人の眼ではないっ・・・!)

マッハ兄貴は気づいた。
悪人の眼はモヒカンのようにギラギラと欲望が渦巻いているはずなのに、そこには妖精さんへと向ける優しさが溢れているのだ。
そして、真実に気がつくっ!
可愛らしい妖精さんの眼が・・・完全に悪人の眼であり、大男へと好意を向けているが性根がゲスであることをっ!
妹とそっくりの美少女が噂の黒幕だと理解したマッハ兄貴は、それを大男に知らせようとするが、妖精さんがマッハ兄貴に指を向けて

「あ、あの脳味噌筋肉も私をレイプしようとしたのですぜぇっー!
きっと、凄く極悪で何千人も人を殺したことがあるような極悪な目をしているのですぜぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」

「妖精さんをレイプしようとするロリコンは虐殺だぁっー!」

ラ ス ボ ス 戦 が 始 ま っ た !








あとがき

(´・ω・`)ヒャッハー!そこら中に秩序を与えて広い土地を統治しているモヒカン達を虐殺して放置して去っていく救世主なんて虐殺だぁっ!

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