中世編 プロローグ その偉大なる国の名は---主人公の築き上げた帝国は恐ろしい国名になってしまった。
うっかり、蛮族討伐中に息子の事を評価しすぎたので、それがそのまま国名となり
天に愛された国――オリーシュ国になってしまっている。
3500年後には神聖オリーシュ国と名を改めて大繁栄。
帝国内の綿花栽培を担うテンプレ貴族という恐ろしい家名の貴族まで登場。
うあああああああああああああああああああああああああああああ!!! -
だが、私の抗議は聞き入れられる事はなかった。
「ちなみに歩きですと常人の足でまる一日は掛りますよ」という言葉で、私は矛を収めざるを得なかった。
自慢ではないが、私は頭脳は人の数倍は賢いと自負しているが、体力に至っては人の半分程度しかないと言う確固たる自信がある。常人で一日なら、私の場合は二日程度かかる計算になる。さらにここに荷物が加わることで、最悪帝都に辿りつくことすら叶わない可能性すらあった。
「くっ―−−−仕方がない……ここは荷馬車を質素な馬車として改変し、いかな天才でかつ貴族といえど最初はこのようであった、という風にしておこう」
ねつ造ではない。これは小粋な演出である。
こうして私は、故障した馬車を処理する為に残った使用人に別れを告げて新たな馬車に乗り込み、目的地に向けて進んだ。なにやら初手から躓いたが、なに、こんなものはちょっとしたスパイスだ。これから始まる栄光の道の事を考えれば何と言う事もない事だ。
さあいざ行かん、帝都オリヌシへ! 輝かしい未来を信じて!!
それにしてもこの馬車はゆっくり過ぎるのではないだろうか。
主人公(´・ω・`)うああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
一生かけて作った帝国がとんでもない名前になったあああああああああああああああ!!!
偉大(?)な科学者-オリーシュ帝国の民は、古の時代より主人公が作った「三理教」と呼ばれる宗教を厚く信仰していた。
その宗教の教えにより、帝国の民衆は最低でも読み書きと簡単な計算ができ、無知であることが許されない教育環境になっている。
テンプレ貴族さんは、久しぶりの帝都を見て舞い上がり、凄すぎる神殿を見て感嘆したりして、観光していた。
ただ、とても贅沢な暮らしをしているせいか、部屋一つという環境に困惑する。
帝都は家と家の間の距離が狭く、田舎とは全然違うから、その生活環境の違いに色々と頭を悩ませていた。
ロリババア荘という場所で、新生活が始まる
--店主が答えに困って様な表情を浮かべるので、印象通りに相当扱いづらい男の様だ。
父は軍高官、母の実家は金持ちか、なるほど。そのような環境で育てばああいう風に言動の悉くが不快な男が出来あがるのか。
貴族制が始まってから約三百年。現在オリーシュ帝国は帝都オリヌシ、農業都市テンプレ、工業都市チート、そして北の大牧草地帯にある酪農都市セッキョーが主要都市にして皇帝直轄地として栄えている。我々貴族はその直轄地から外れた郊外をそれぞれ治めている。
郊外といってもそれなりの町や村に農場を持つ事によって、皇帝に遠く及ばないまでもそれなりの力を持つ事が出来る。だが、帝都の近くに領地をもつ貴族とそれ以外とでは、財力や権力といった面で大きな差が生まれてしまうのは容易に想像できる事だろう。
それこそ、いま会長と名乗った男の取り巻きの中に私が加わっていても不自然な事ではないのだ。もっとも、そんなことは私の誇りが許さないが。
(´・ω・`)なにもかも、全部酷い名前で安心したw |