中世編3 大学良い所一度はおいで --主人公はそこでオリキャラと名乗る中二病患者・・・いや、凄い男に出会った。
なんと!その男はっ!
振り子を利用して、正確な時間を計る時計の基礎技術を開発中の男だ!
これが完成すれば、中世でのスケジュール管理が凄くなって、更に社会が発展する! -
だが私が注目したのは彼の名前だった。
織野伽羅→おりのきゃら→オリキャラ 明らかに偽名である。
オリキャラとは古代語に由来する言葉で、「本来は存在しえない存在」という意味で用いられている。そして我々貴族の間では、それは表に出せない子供、即ち私生児の隠語でもある。それだけで織野氏がどのような立場にあるか、簡単に察する事が出来る。
彼はどこぞの貴族の隠し子で、学業面では優秀だったので厄介払い兼先行投資の意味でこの大学に送り込まれた、と、まあそんなところだと推察できる。
貴族用の邸宅を用意されずこのような庶民用の部屋に住んでいるのも、その辺りの事情があると思われた。
――――仮定と推察ばかりなのは、面と向かって聞けない話題だからだ。いくら同じ大学に通い隣室でも、踏み込んでいい領域の話ではないのだ。 (´・ω・`)
4 中世編 ろくでもない三人--主人公は凄く評価されていた。初代皇帝はこの神聖オリーシュ帝国の基礎を築いたとされる人物で、その数多の業績によって聖天大帝と呼ばれるほどの偉人!
歴史上、大帝と呼ばれたのはこの人しかおらず、業績残し過ぎて実在してないんじゃね?と言われるほどだった。
国の根幹に関わる内容だから議論は白熱。ゆんやっー!な騒ぎになっている。
そして、更に新しい都市の設定が判明した。
その名をセッキョー。主産業が牧畜である。
更に更に、主人公が歴史物で男装の美少女にされていたりと、現代日本と同じ事をやられて被害者になっていた。
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「拙者は常々思っていたのでござる。ほぼすべての帝国民が知っていて、なおかつ現存する太古の物語。これを拙者の手で好き勝手にいじくってしまう事が出来たならば、どのような物語にしようかと。そして漫画の手法に習熟し、機が熟した今こそ決行の時であると!」
「どうする気だ?」
私は恐れながらも尋ねざるを得なかった。
どうせ碌でもないものであるとは分かっていても、怖いもの見たさというものだ。
「まず聖天大帝の正体が可愛い年頃の女の子で、訳あって男装していた事にするでござる」
「……」
そして直ぐに後悔することになるところまで、もはや様式美であろう。
「その後、未来から神々の思惑によってやってきた主人公が、立場ゆえに気丈に振る舞いつつも内心では臆病な聖天大帝さまを守りつつ、大活躍。人目がある所では臣下と君主という立場で在るものの、二人きりの時は想い人に心を寄せる一人の女の子に戻る聖天大帝さま。そして2人の関係は燃え上がり――――とまあこんな感じでござるよ」
(´・ω・`)歴史は繰り返すというのか!!(偉人の女体化
5話 中世編 不幸ペナルティ-主人公はとんでもない事に巻き込まれてしまった。
初代皇帝が実在する派の生徒会長達に無理やり運搬されて、このままだと、これからやる生徒会長の悪事【初代皇帝は実在してない派を襲撃事件】の責任を全てを押しつけられて、人生丸ごと台無しにされてしまう!
っていう状況だったが、失業した商人達が怒り狂って、生徒会長達を攻撃してきたから、助かってない!
命が相変わらず危うい!
商人達は生徒会長達みたいな貴族のせいで、貿易を独占されて貧乏になった奴ら!-
だが、運搬されながらも私は気になって仕方なかった。非協力的な人間を取りこんで、一体何をさせようというのか、と。
縄を解かれた瞬間に逃げるつもりだった私は、全く持って会長の行動が分からなかった。見張りでもさせるつもりなのか、それとも拉致した教授を運搬する為の労働力にするつもりなのか分からないが、どちらにしても私が真面目にそれに取り組むと思っているのだろうか?
その時、私の脳裏に嫌な予想が唐突に浮かんだ。
会長達は覆面を被っている。会長達が拉致に失敗した時の事を想定して保険を用意しようと……つまり全ての罪をなすりつける存在として私を用意したのではないだろうか。
会長達が全員で口裏を合わせ、実家の権力を利用して保身に走れば、強制的にとはいえ現場の近くに「何故かいた覆面をかぶっていない」私が捜査線上に浮上し嫌疑が掛る。その後、私は逃げ遅れた犯行一派の一人として目され、いもしない同士の存在を厳しい尋問され……
(拷問死、獄中死、処刑……!!)
「もが、もんが、もが!―――!(いやだ、やめろ、下ろせ!!)」
(´・ω・`)不幸だぁー。
不幸だなぁー。
そういえば、オリーシュ皇帝も妻を殺されて不幸だったなー
6話
中世編 終結ー商人達が帝都焼き打ち事件を起こしそうだったが、主人公達は貴族達の財産を盗み、それをばら撒いた事で、彼らの不満が解消され、未遂で終わった。
ただ、それだけだと金銭の量が足りないから、織野氏が稼いだ金もばら撒き使われて、織野激怒! ーー
そこで織野氏は袋に入っていた全ての財物を、空中にぶちまけた。
光を反射させながら落下するそれらに、彼らは一斉に群がって行った。そして、その為に彼らはいままで手に持っていた武器をその場に放り出していった。
銅貨でもなんでも、いっぱい拾おうと思えば両手を使わざるを得ないし、その為には荷物を捨てるだろう。
この時点で熱気は狂気と変わった。だが、そのエネルギーはどこかの邸宅に焼き打ちをかけるような質ではなくなっていた。
怒涛のように前へと押し寄せる群衆と、それに翻弄される私。ついにその流れに耐えきれなくなって、床に倒れ伏した私の上を何人という人間が繊細な身体を踏みつけながら通り過ぎて行った。
十人を超えたあたりから記憶はない。が、私は私が企画した作戦でこの戦いに勝利したことに対し、それなりに満足しながら気を失った。
後に「帝都焼き打ち未遂事件」と呼ばれる暴動は、私たちの活躍によって鎮静化を見た。一部納得できなかった者たちも、帰還した近衛によって鎮圧され、事件は収束を迎えることとなる。が、それはいち学生の範疇を超えるので割愛する。
ちなみに、この時財宝の水増しをする為に織野氏が今まで散々溜めていたお金までつぎ込んでいた事に対して、金銭的な補償が行われたかどうかは黙秘するのであしからず。
(´・ω・`)あー、これは黄巾の乱がくるなぁー。
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