30/決着-八神はやては、第八位を救済した。
ハヤテを殺して、第八位を絶望させようとする博士が居たりしたが、博士の穢土転生が解けたのでハッピーエンド。
ドラクエ世界の大魔王バーンと、FF世界の竜騎士との戦いは、竜騎士の圧倒的な有利な戦況に切り替わっていた。
回避も防御も不可能の『ハイト3ホーリー』は常に降り注ぎまくり、大魔王バーンだけが常に大ダメージを食らい、FFの竜騎士はHPを回復させながらのラスボス戦。
大魔王バーン。このままじゃ敗北して死亡しちゃうわ! --
「――っ、ぐおおおおおおおおおおおぉ――!?」
魔法反射呪文を無視して貫通した魔法に驚愕し、敵である自分だけでなく味方にも等しく行われた無差別攻撃に底知れぬ恐怖を抱き――ブラッドとシャルロットだけはダメージを受けずに逆に回復している事に驚嘆する。
(……ぐっ、馬鹿な!?)
シャルロットは『賢者の指輪』の全属性吸収の効果で、ブラッドは鎧の下に着込んだ『カメレオンロープ』の聖属性吸収の効果で――それはファイナルファンタジータクティクスにおける一般職の最大のバランスブレイカー『算術』で敵味方纏めて対象にして敵だけを一方的に屠る時に使う常套手段だった。
『算術士』――それは全ての事象を計算で導出する最強の魔法職。
詠唱が必要な魔法をMP消費無しで即時発動させる『算術』を行使する。
(´・ω・`)大魔王は詰んでいたのだ。
最初から(装備と舞台的な意味で
31/風と共に散りぬ- 『算術』の解禁による終わり無き『ハイト3ホーリー』をくらっても、、強大無比なる大魔王バーンは健在だった。
だって、ドラクエの回復魔法がある。
大魔王バーンに魔力切れなどないから、受けたダメージ分だけ回復して長期戦やるだけで勝てる。
そんなドラクエのラスボスさんなのだ。
だから、FFの人達は大魔王バーンの『天地魔闘の構え』っていう無敵防御に突っ込む事にした。
これを破らないと長期戦になって勝ち目がゼロになる。
『天地魔闘の構え』は防御・攻撃・魔法の三手を瞬時に繰り出す天下無双の魔技。
無論、突破は無理。
ダイがやった突破方法は、既に大魔王バーンが知っているから、それをやると返り討ちにあう。
FFの人達の目的は、大魔王バーンの身体が、NARUTO世界の忍術【穢土転生体】というアンデットボディである事を利用した一か八かの賭け。
FFのアレイズという完全復活魔法をかけることで、生贄になった者を復活させて、大魔王バーンをあの世へと送り返すことが出来る。
大魔王バーンは、自分が道化である事を知り、己を倒した者達の名前を聞いて、この世から去っていた。
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「異世界に生きる『竜』の騎士ブラッド・レイに『全魔法使い』シャルロット、この大魔王バーンを打ち倒した偉業を誇るが良い――」
この世界の誰も知られない内に達成された偉大な栄誉を大魔王は自ら讃える。
両足が崩れ、両角も崩れ落ち、最期の一欠片まで崩れ落ちる刹那、大魔王バーンは一つだけ問い掛けた。
『お前達は愚かで醜い人間達とどう付き合って行くのだ――?』
飛散して舞い散った大魔王の姿を、ブラッドとシャルロットは敬意をもって最期まで見届ける。
その突出し過ぎた力ゆえに、人間でない勇者ダイは彼等人間が望むなら大魔王を倒して地上を去ると答えた。余りにも純粋で気高く、悲しい解答だった。
それに対する答えはブラッドには持ち合わせていない。幸か不幸か、取り巻く環境そのモノが違うからだ。
「――遠くで見守りながら、或いは手助けしながら生きて行くさ。残念ながら此処に生きる人間は良い意味でも悪い意味で弱くもなければ可愛くもないからな」
(´・ω・`)魔王に爽やかに認められるなんて、それなんて羨ましい。
この王道書ける文才が私にも欲しいですぞ。
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