23.『関羽、許定と相見するのこと』-曹操軍は未だ劉備軍と共に各地を転戦していた。
お互いに利害が一致しており、曹操軍は物資を、劉備軍は人手を提供し合って、黄巾党討伐をやっている。
主人公は劉備の人柄をだいたい把握する事に成功しており、劉備が皆のために頑張ろうとする良い人だってわかっていた。
武、智、仁の三つが揃い、この黄巾党討伐が終われば、何処かの地方を任される事は確実である。
あと、主人公が北郷一刀のもとに、女装したまま会いに行くと・・・・愛紗がいた。
主人公が本当の事(同郷だから話したい)を話さないので、北郷一刀に一目惚れしたと勘違いを受け、北郷一刀と会う事を妨害されまくった!
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「あと、出来れば『天の御遣い様』だなんて呼ばずに、もっと気軽に接してくれたら嬉しいかな。敬語なんかも使わなくて大丈夫だからさ」
「あの、それじゃ御遣い様のこと、兄ちゃんって呼んでいい?」
「はは、兄ちゃんか。なんかくすぐったいけど、構わないよ」
「代わりに兄ちゃんも、ボクのこと真名の拓実って呼んでいいからね」
その言葉により驚いたのは、真名を許された一刀ではなく愛紗だった。
「えっと、いいの?」
「うん! 兄ちゃんには許定じゃなくて、せめて本当の名前の拓実って呼んでほしい」
「そっか。うん。ありがとな、拓実」
「へへへ」
(´・ω・`)北郷一刀を慕う妹(男の娘)が出来たよ!やったね!
24.『夏侯淵、拓実に助けを求めるのこと』ー曹操・劉備連合軍は補給のついでに、陳留へと戻り、主人公は軍師の演技をして働いていた。
そして、秋蘭からの相談を受けて、姉の春蘭が曹操と全く会ってなくて限界状態な事を知る。
なんと!『等身大着せ替え華琳様人形』という木製の人形を曹操だと思い込んでゆっくりしていた!
つまり、とっても変態でキチガイすぎる光景。
この状況を解決するために、主人公が曹操の変装をして演技をして、春蘭に会った。
そのおかげで事態は解決に向かうが・・・・場に本物の曹操がやって来たのが問題である。
だって、春蘭は曹操に影武者がいる事を知らされてない武将さん。
秘密を知っている人が少ない方がいいだけにやばかった!
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「あれが、人形? ……動く気配はない、呼吸している様子もない、わね。まぁ、信じてあげても良いけど、それよりあの馬鹿はいったいどうしたのよ。普段からして突飛な頭をしているけれど、今日のアレはなんか壊れてるわよ」
「同じ城にいながらも長時間華琳様に会えずにいたことで、我慢の限界を迎えてしまったのかもしれない。いつからなのか知らないが、私が明け方に目を覚ましたときにはもう。少なくとも日も出ていない早朝からずっとあの調子なのだ」
「……重症ね。手の施しようもない。手遅れだわ」
(´・ω・`)ここまで恐ろしい精巧な人形なら、曹操の囮として運用できるよ!やったね!
(´・ω・`)孔明が死んだ後に、人形でそんな事やったなぁって記憶があるだけに、罠に使えそうだわ。
25.『曹操、偏在するのこと』ー主人公が信じられない演技をした。
なんと!春蘭が作った人形(曹操)の演技をして、本物の曹操から、木彫りの人形だと思い込ませて誤魔化したのだ!
更に、周りに見えない障害物がある演技をする事で、容易く信じ込ませてからかっている。 ーー
「あれも演劇の一種なのよ。言葉を使わずに、身振りや手振り、或いは表情で表現する手法。その中の人形振りといって、言葉そのままの意味で人形のように静止するものね。同じ手法で、簡単なものだと……っ!?」
秋蘭の見ている前で、話の途中で突然、拓実の左肩が何かに当たったかのように弾かれた。無防備によろけた拓実は目を白黒とさせてたたらを踏む。
「華琳様っ!?」
(´・ω・`)人間を人形だと思い込ませる演技力。パントマイムまで出来る時点で、主人公の演技力は万能すぎるわ!
26.『拓実、大散財するのこと』-主人公が曹操の変装をして演技している事が、桂花に容易くばれてしまった。
弱みを握られた主人公は桂花と一緒に街でデートする約束をして・・・・街に出ると桂花が激怒する!
曹操の演技をしている主人公とデート出来ると思ったのに、桂花の姿に変装してやってきたからだ!
自分そっくりのうざい言動をする奴とデートしてゆっくりできるかぁっー!
更に店に食べに行くと、そこには劉備達の姿があった。
身分証明が出来ないから、店内で食事が出来ずに困っており、それもこれも、許定(主人公が演技している武将)というこの店に行った事がないはずになっている人物の紹介のせいである。 --
「それで、俺が北郷一刀。一応、天の御使いって呼ばれてるけど。何にせよ、これからよろしく……って、あれ?」
うさんくさいという目を隠そうともしない桂花に、意図的に一刀を視界から外している拓実。拓実に向けて握手の為に一刀は手を伸ばしたのだが、もちろんというか拓実はそれに反応せずに、冷ややかにそれを見るだけである。
「あの……」
「悪いけれど、男には触れないようにしているの。天の御使いだかなんだかは知らないけれど、私に触れていいのは華琳様だけ。というか、それ以上近づいたら私に対して良からぬ劣情を抱いていると判断して警備に突き出すわ。そして『天の御使いは女と見ると見境ない』って市中に触れ回ってやるから」
「あ、はい……。本当に、そっちの荀ケさんとそっくりですね」
(´・ω・`)武将の演技をしている時は、北郷一刀の事はお兄ちゃん〜♪なのに、軍師の演技をしている時は、正反対でケダモノ扱い。
(´・ω・`)ここまでギャップが激しいと、同一人物なんて絶対に思わないわ。
27.『荀攸、張飛を恐れるのこと』-『曹操』と『劉備』の名声が黄巾党討伐の大戦で高まっていた。
どんどん志願する兵が増え・・・・黄巾党の数の暴力が凄いので、未だに曹操軍は劉備軍と一緒に共闘していた。
質を幾ら高めても、曹操軍だけでは3倍の敵相手に勝利するのが難しい。
しかも、劉備軍が兵の質の向上を求めて、現実を見ない理論だけを優先した無茶な練兵法をやろうとしていたから、軍師を演じていた主人公がそれに厳しいツッコミを入れた。
劉備軍は行く先々で新兵を入れまくるから、当然、質を落としまくりながら戦争をやっているのに対し、曹操は領土と拠点を持ち、新兵に最低限の訓練を施した上で戦場に送っている。
そのため、兵士の質に差が出て当たり前。
悔しいなら、さっさと自分の領地を持って、兵士を養え的な事を言って、主人公は説教した。
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「そんなことないのだ! つるぺたはるまきにはずぇーったい負けないのだ!」
「つるぺたはるまき言うな!」
「だいたい、遅いのは鈴々じゃなくて、ぺたんこおでこのほうなのだ!」
言って、張飛は勝ち誇ったように拓実を見てくる。張飛は季衣を『つるぺたはるまき』と呼び、拓実を『ぺたんこおでこ』と呼んでいた。季衣のはるまきは特徴的な二つ結びから、拓実は言わずもがなである。つるぺた、ぺたんこは二人の起伏のない胸を揶揄しているようだ。
そして張飛は季衣や拓実と顔を合わせると、何かと突っかかっていた。季衣もまた、年の近い張飛を『ちびっこ』と呼んでは挑発してしまうようである。とはいえ、妙に懐かれてしまった荀攸としてより、こういった張飛相手の方がよっぽど気楽に付き合える。許定として接するならば、どうやら荀攸の心に刻まれたトラウマも発生しないようだ。
(´・ω・`)主人公が男の娘ゆえに、誰よりもツルペタである事を強いられるのだ。
永遠のツルペタ。張飛以下
(´・ω・`)そして、逆に考えるんだ。武将として運用するなら、おっぱいなどいらぬぅ!むしろ胸がないから有利だって。
28.『許定、趙雲と出会うのこと』--黄巾党に対処するために各地の諸侯の軍勢が合流した。
こんだけ合流しまくっても、未だに黄巾党の軍勢の方が倍の戦力があるが、質では諸侯の軍勢の方が勝っているので問題はない。
曹操は帳三姉妹を拿捕したいので、そのための準備を整えたが時は既に遅し。
袁術の所で客将やっている孫家の連中が先に潜入して全員殺してしまっていた。
指導者を失った黄巾党4万の軍勢のほとんどは敗走して殺され、僅かな数が包囲網を抜けて逃げていく。
今回の討伐での一番の大手柄は、孫家!
なぜか、打ち取った帳3姉妹の首が全員男だったが特に問題はなかった。 -
感じ入った春蘭が言うなり踵を返した。そうして今しがた出てきたばかりの天幕へと足を進めていく。残る四人は、何をするでもなく春蘭の背を見送った。
楽々とした様子の趙雲を、拓実は密かに伺い見ていた。青スの剣のこともあって、拓実にとって彼女は一番に警戒すべき相手なのかもしれない。
視線に気づいたか、趙雲は不思議そうに拓実を見返した。幼子を相手するようにその顔には笑みがある。拓実は内心ではその一挙手一投足に注意しながらも、表面上にはそんな素振りの一切を見せず、無邪気にはにかんで返したのだった。
(´・ω・`)主人公の内心はともかく、なんて微笑ましい光景の二人(主人公と趙雲)
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