一日目-三回戦はこの後の展開に大きく関係することになる。
ゲームだと、凜ルートかラニルートかを選ばないといけないのだ。
片方を救い、片方を斬り捨てる。そんな非情な決断である。
しかも次の対戦相手は10歳にも満たないロリ娘のアリス。
とっても言動が意味不明で理解できないキチガイだった。
サーヴァントもやばく、主人公が戦いを選ばずに場から逃げている。
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「ふふ、あたしねお姉ちゃんのこと知ってるよ?なんとなくだけどお友達になれそうだな、って思ってたの。……だからお姉ちゃんがいっちゃったときはさびしかった。だけどね……ここに来る途中であたし(ありす)はあたし(アリス)に出会ったの」
――二回戦の時の威圧感とは違う、こちらを飲み込もうとする雰囲気。凄みはないし、むしろ真逆の、はかなげな少女のはずなのに――その言葉には、この場を飲み込む何かがあった。
「あたし(アリス)はあたし(ありす)のお友達、あたし(ありす)はあたし(アリス)のお友達。だからね、お姉ちゃんはもういいの。だって、あたし(アリス)もあたし(ありす)もそれでまんぞく、二人いればそれでいいの」
(´・ω・`)うわようじょこわい
二日目--聖杯戦争なのに、敵マスター【アリス】に強制的に参加させられてかくれんぼをやらされていた。
主人公のマスターは、ここが戦場だという事も忘れて遊び、今度は架空の剣を探し回る嵌めになる。
ヴォ―パルの剣、理性のない相手に有効な架空の剣であり、実在しないなら煉術師のラニに頼み込んで作ってもらうという事になった。
材料を持ち込み剣を作り、そのまま剣で相手を弱体化させ、理性がないから楽勝で主人公の勝利! -
――渦巻く魔力。
ラニに剣を作ってもらった後俺たちはアリーナに来ていた。そしてそこで感じたものは、再びの恐怖。英雄となった俺がまだあまり感じることのなかったものを、あれから感じる。いや、英雄となったからこそ魔力というものに敏感になっているのかもしれないけれど……あれの正体を『俺』が知っているはずなのにそれでも感じる圧倒的な威圧感。それはアリーナに入った段階で押しかかってくる重圧だが、そんなものはかけらに過ぎないとばかりにあれに近づけば近づくほどその重圧は大きく強くなる。
(´・ω・`)こういう風に遠坂凛の知識と、ラニの技術が必要だから、ゲーム上での有力キャラなんだね。
三日目-敵マスター【アリス】は謎すぎた。
主人公のマスターには、アリスが双子のマスターなのか、サーヴァントは何なのか、強い敵という事しか分からない。
幸い、主人公が原作知識という最強の切り札を持っており、アリスがどういう能力を持っているのか理解している。
アリスは魔術師としてかなり高いレベルの存在であり、固有結界を使えちゃうのだ。
自我とともに存在を削り取り、消滅させる固有結界!
中に居るだけで名前すら忘れてしまう最低最悪の代物だ! --
――やばい、やばいやばいやばいッ!
走りながら、チラリと後ろにいるマスターを見る。俺が無理やり手を引くマスターは何もわかっていないかのように呆然としていた。くそっ!俺がまだ正気を保っていられるのは、英雄としての補正、スキル対魔力が低いながらも作用しているのかもしれない。――いや、たぶんそれは違う。あれは無効化でありそれも低級の物しか無効化できないはずだ。このクラスの魔術に通用するとは思えない。だからたぶん、俺が正気を保っているのはこの、謎の知識のおかげだ。
わかっているから。これがどうすれば解除されるのか。記憶が、段々薄れてこの知識も薄れてきているけれど――
「コレの意味も分からないしな――」
(´・ω・`)こんな存在を削りまくる固有結界使えちゃう時点で、アリスちゃんがキチガイだという事がわかんだよ。
四日目^^アリスの固有結界の中で、自分の名前を忘れない方法を知るために、遠坂に聞きに行く事にした。
主人公は答えを既に知っているが、基本的にマスターの行動を見守っている。
名前を忘れないようにする答えは、メモすること。
手に文字を書き、『これを読む! 岸波 白野』で固有結界対策が出来た。 ^
「そっか!なんだ考えてみれば一つしかない!」
すごいきらきらしているマスターを見て俺と遠坂はコクコクとうなずく。……何この連帯感。
なんにせよとりあえず戻ろう。しかしよかった、いくら天然といってもそこまででは――
「――気合で頑張る、だよね!」
『根性論!?』
――訂正。どうやら俺のマスターはそこまでの天然だったようです。
(´・ω・`)マスターが天然で可愛らしいわ。
五日目 --固有結界を突破して、主人公のマスターが、アリスのサーヴァントの正体へと気付きつつあった。
アリスの隣にいるもう1人のアリス、固有結界。
これは明らかにキャスターのサーヴァントの可能性が高い。
固有結界使える時点で、バーサーカーな時点でありえなかった。 -
「――ってことは相手のクラスはキャスターかな」
――一歩、迫った。
俺からすれば最初からなかったような距離だけど、それでも近づいた。相手に近づき、相手との戦いにも近づき、そしてもちろんこの戦いの勝利へも――
――これから全力で、やっていくとしようか。戦うために負けないために死なないために生き残るために勝つために。そしてマスターのために。
本番は、ここからだ――
(´・ω・`)俺達の戦いはこれからだ!後ろに敵が様の今後の活躍をご期待してください。
六日目--月の聖杯戦争では、直接的な戦闘力に劣るキャスターで勝ち抜くのは無理ゲーである。
相手との正面決戦を強要されるので、陣地作成や謀略が出来ず、倒されちゃうのだ。
主人公さんは、決戦前日に安心して、マスターと会話しまくり、自分の宝具が七つの武器で一つという特殊な宝具である事を教える。
宝具名は『革命七手(seven
ava)』。 -
自分にとって有利な地を作りそこに篭城する。これが、キャスターの行う最も強い戦術だろう。つまりは普通キャスターが圧倒的に不利ということはないはずなのだが――
問題はこれが月の聖杯戦争だということである。
毎回フィールドが変わり、毎回一騎打ちをし、毎回正面からの戦いを強いられるこの戦争においては、その力が発揮されることはない。――裏を返せば、どこでも好きな場所に、自分の空間――つまり固有結界を作り出せるやつは、自分に有利なフィールドで戦えるということなのだが……それに月の聖杯戦争になったときに不利になるのはキャスターだけではないし……
(´・ω・`)さすがに、キャスター相手に苦戦する訳がないのぜ!
決戦日-アリスとの決戦日。
アリスはやっぱり狂ってた。
今までとは違って、主人公達を殺す気満々で、死刑宣告してくる。
アリスのサーヴァントはキャスターだから、普通は主人公が有利なのだが・・・・主人公の対魔力が低いので大魔術を防げず、回避すると主人公の大事なマスターに直撃して絶命しちゃうので、主人公は一気にキャスターを倒そうと、複数の宝具を入れ替えてステータスを変更し、キャスターに近接戦闘を挑んだ。
幸い、第一革命の中剣(プロトゥーブ)を使えば、対魔力を上げて魔術を防ぎ、そのままキャスターを簡単に倒す事ができる。
主人公のマスターは、これで合計3人の人間を死においやったという事もあり、動揺しまくり、戦争という行為そのものが歪んでいると思い、戦争が起こるこの世界はきっと既に壊れている。そう思った。 --
――マスターの鏡写し。
それが、アリスの特徴であり、宝具であり――人生だ。夢は所詮、どこまで行っても夢でしかない。本当のことになんて、なりえない。だから、これはいつもどおり。
アリスにとってはいつもどおり、夢が終わるだけ。目を覚まして夢が終わるだけ。――そういう、力。
――の、はずなのに。
「あ、れ?なんで、なんで、こんなの……」
――今にも消えようとするアリスの目元から、一粒の雫が落ちる。
「なんで……ないてるの?泣いたって本物になんて、なれないはず……なのに」
――また、消えた。
あっけなく、主人の後を追うようにあっさりと。
――わかっていた。これが聖杯戦争。既に二回、体験していたはずなのに。初めてじゃ、ないはずなのに。わかってた、これが摂理。戦争という現象の起こす、必然。なのに、私は――
――こんなものを、当然だなんて思いたくない。
だって、これが当然のことならばもう完全に戦争ってものは。戦争の起こるこの世界は――
――歪で歪んで、壊れきってる。
(´・ω・`)この作品やった事ないけど、主人公のマスターはきっと、こんな戦争なかった事にしろとか、全員蘇生とか、争いの根絶を聖杯に望みそうな気がしてきた。
三回戦後+a--冬木の聖杯戦争と違って、月の聖杯戦争は勝利 = 相手の死
衛宮士郎と同じく、他者に優しい主人公のマスターには辛かった。
だから、主人公はマスターを励まし、自分達が倒したダン・ブラックモアの言葉を借りて、生き続けるための覚悟をさせ、これからの聖杯戦争の前に心構えって奴をやった。 -
「――その結果はうけとめろ」
「――え?」
「迷いも悔いも消す必要などない。だが、結果を拒むことだけはしてはいけない。それが覚悟ってものだ――」
――マスターが、思い出し心の中心に据え置くべき言葉を教えることは出来る。
「それって、その言葉って……」
「ああ、そうだ。マスターが倒した、あの老兵のものだ」
――ダン・ブラックモア
(´・ω・`)主人公さん、ここまで言動がイケメンだと、マスターが惚れてしまっても仕方ないわ(チラチラ
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