第二章 第04話 就任式 − 前 −-ルルーシュは悪逆皇帝やっていた頃の服を着て、とうとう表舞台へと名乗りを上げた。
それを世界各地で見ていた皇族達が様々な反応をしている。
コーネリアはルルーシュがテレビに出た事に驚愕し、ジェレミア・ゴットバルトは忠誠を誓える主が出来た事をエリア11で大喜び。
周りに居たキューエル卿達が戸惑うレベルの大騒ぎだった。
何気にキューエル卿は先ほどの事件の失態で、3階級降格されそうになったりと涙目 --
「このジェレミア・ゴットバルト! この日を! この日を!
たたひたすらにお待ち申し上げていましたあああああああああああああああ!」
ところが、この企画の発案者たる基地司令代理のジェレミアはスクリーンに黒ずくめの少年が現れた途端、発狂したかの様に吠えまくり。
プロジェクターが投影する光の前に立ち、巨大な土下座の影絵をスクリーンに何度も何度も作り、今は号泣していた。
一週間前の着任以来、規律にとても厳しい基地司令代理のこの狂乱ぶりに集った者達は茫然と目が点。つい直前まで、私語をしようものなら、その場で腕立て伏せを命じていただけに。
「一体、どうしたと言うんだ? ジェレミアの奴は?」
(´・ω・`)ジェレミア卿が幸せそうで何より。
第二章 第05話 就任式 − 後 −ルルーシュが10年ぶりに社交の場に現れた事で、皇帝の権力で本国中から集められた貴族達は驚いていた。
皇帝陛下がルルーシュを特別扱いする姿を見て、ルルーシュと繋がりを得る事に価値が発生したのである。
しかも、ルルーシュは10年間寝た切りだったはずなのに、帝王教育受けた人間さんの振舞いをするので、10年間寝た切りだった方は影武者で、本物のルルーシュは皇帝の後継者となるべく教育を受けていたのだという噂まで広まる。
表向きは、10年前に母親を見を挺して銃弾から守った勇気ある皇子という理由で、皇帝がルルーシュを厚遇している形になり、その功績で枢機卿の地位に任命される事になった。
そんな役職は存在しないので、何の権力もないが、周りの貴族達が勝手に勘違いしてくれるから意味がある。
自由に動き回れて、活躍できるという点ではルルーシュに好都合だった。
後ろ盾にシャルル皇帝陛下がいるようなものだし、権力競争で有用である。
この就任式をナナリーがTVを通して見ていた事で、恐ろしく動揺している。
10年前に自分を捨てた父親が、兄のルルーシュを褒め称えているから納得がいかない。ビクンビクンっ・・・!
10年前にコードを奪われたV.Vの方は、必死に逃げて20代前半の青年に成長し、何の権力もない状態から、シュナイゼルの庇護の元、這い上がり、ルルーシュから再びコードを取り戻すという目的を見出して、ナイトメアのパイロットとして活躍中である。
弟にロロを迎えていた。
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ところが、待ちに待ちかねた10時。TVのモニターに映ったのは兄の顔だった。約10年ぶりとなるTV越しの再会ではあったが、ルルーシュだと一目で解った。
そして、ナナリーが10年前に通った謁見の間の赤絨毯を歩き、ルルーシュが玉座へ近づけば近づくほどに動悸は激しくなり、シャルルとルルーシュが同じ画面に収まった瞬間、目の前が文字通りに真っ暗となった。
まざまざと蘇ってくる10年前に受けた罵声と恐怖。室内の温度はエアコンで快適に保たれているのにも関わらず、前歯が勝手にカチカチと打ち鳴り、身体はブルブルと震え始めた。
しかし、父の声が耳に届いた瞬間、ナナリーは我が耳を疑った。震えが止まって、目の前に色彩が戻り、続けざまに我が目を疑った。
父が自分を罵倒した同じ口で兄を自慢の息子だと褒め称えていた。自分を恐怖に縛り付けた眼差しは何処にも有らず、心の底から愉快そうに歯を見せて笑っていた。
用済みと罵られて捨てられた自分と格別な期待を受ける兄。どうして、同じ兄妹でありながら、ここまで対応が違うのか。
その解けない疑問に惑い、ナナリーはテーブルの上に両手を力強くギュッと握り締めて、下唇を噛みながら皺を眉間に刻み、兄の姿を射殺ろさんばかりに睨み付ける。
(´・ω・`)ナナリーから、殺意を向けられた視線を向けられて、ルルーシュ涙目。
第二章 第06話 吸血鬼の羽ばたき^^破壊と殺戮を楽しむ戦いぶりから『ブリタニアの吸血鬼』と呼ばれている『ルキアーノ・ブラッドリー』は、ラウンズの第10席の座に就く者。
その圧倒的な強者が、ルルーシュに興味を持っていた。
↓なぜなら↓
皇女カリーヌがルルーシュに嫌がらせをしてストレス解消しにきたせいで騒動になり、危うく皇女カリーヌの首がアーニャに切断されて飛ぶ寸前の事態になっていた。
ここには響団のギアスユーザーが8人もいるから、ルルーシュが止めないと、皇女カリーヌが死んでいた所だった。
ルルーシュはラウンズすらも威圧する存在感を出しまくり、それがルキアーノの好奇心を掻き立てたのである。
もしも、その圧倒的な威圧感を自分に向けてくれたら、とんでもない快感になるはずだ。的な意味で。 ^
「くっくっくっくっくっ……。
あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!?」
ルキアーノは愉快で愉快で堪らず、後から後から湧き出てくる笑みに腹を抱えながら仰け反る。
案の定、ルキアーノはラウンズ詰め所前で起きた出来事の現場へ間に合わなかったが、その一部始終をこの一階の窓から見物する事は出来た。
ルルーシュがカリーヌをヘコませた方法も気に入ったが、特にルキアーノが気に入ったのはルルーシュが放ち、ランウンズのモニカすらも跪かせた威圧感だった。
今、思い出しても肌がゾクゾクと粟立ってゆくのを感じ、ルキアーノの男性自身はギンギンにエレクト。危険な快感の波が全身を駆け巡り、たまらず身体がプルプルと震える。
ルキアーノは面倒臭がって歩かず、真面目に走るべきだったと後悔を覚える。
事実、モニカはルキアーノを追い越していったのだから、走っていたら十分に間に合っていたのは間違いない。
なにせ、現場との距離はかなり離れており、ルルーシュの威圧が自分へ向けられたモノでは無いにも関わらず、『ブリタニアの吸血鬼』の異名を持つ自分がコレである。。
(´・ω・`)ルルーシュと敵対して、大事な人間さんを殺せば、もっと凄い殺気をルルーシュから向けて貰えるから、これはルキアーノの敵対フラグ!って、思った。
第二章 第07話 わが臈たし悪の華-ルルーシュがブリタニア皇帝の後ろ盾を得た事で、大勢の貴族が面会にやってきた。
その中にマリーカ・ソレイシィ大尉が居たので、ルルーシュは彼女を副官にする。
マリーカはキューエル卿の妹さんにして、ルキアーノの部下。
エリア11で、ナナリーに一方的にギタンギタンのボコボコにされて大失態を犯した兄を持つ娘だったが、ルルーシュにはそんなの関係ない。
ラウンズのルキアーノの方は、将来的に大規模な内乱が発生すると予想し、その戦闘を楽しむためにルルーシュ陣営に入ろうとしている。
だって、常識的に考えたら、ルルーシュ陣営は敗北する確率が高いから、難易度高いからだ。 --
「何を心配しているのかと思えば……。
……下らんな。お前はお前、兄は兄、別の存在だろう。違うのか?」
「す、枢機卿っ!?」
だが、ルルーシュは鼻で失笑して、マリーカの懸念をあっさりと笑い飛ばす。
そして、その言葉こそ、マリーカがずっと欲していた言葉であり、自分自身で励ましてきた言葉。本音を言えば、ルキアーノから言って貰いたかった言葉。
この1週間、小馬鹿にされる度、強がってはいたが、そろそろ限界だったマリーカは涙を瞳に溜めて、思わず口と鼻を両手で覆う。
「それより、どうするんだ? やるのか、やらないのか?」
(´・ω・`)ルキアーノ? 本人の要望通りにボロ雑巾の用に使った後に使い捨ててやる(キリッ が一番無難な終わり方な気がするキャラだわ。
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