/
l ヽヽ
,′| ヘ ヽ
l l l
ヘ
| l l. l
| ヘ l |
ヘ ヽ / j
ヽ \ , -┬┬、/. /
\ 7 ヽ ヽ_∨
ヽ l . 二 --`ゝ
/ゝ' _.. '-'´ ・ ・ ヽヽ
j−'´ | = _人 ~
l 〉
/ ̄ ̄l ノ´
/ ̄ ̄~| _.. ィ‐┐
ゝ──'>ー<二○'´i ̄
`ー┐ l
_」 つ
ゝ───…  ̄
/
⌒ヽ/
6話 初めての街は真っ赤だったよ!
---------------------------
放火はトップクラスの犯罪行為。恐ろしいほどの重罪を科せられる。
犯罪者「逆に考えるんだ。既に犯罪者なら放火してもいいやって。」
---------------------------
僕、【故オオツ・シティー】っていう草原だらけの場所を走って、【ヤマシナ】って所に向かってるの。
ゾンビとか、オークとか、色んなモンスターさんが居たけど、僕の前方で元気良く走っている猫さんが全部倒してくれたよ。
この猫さんって、凄く頼りがいあるよね。
うっかり、惚れちゃいそうだよ。
種族を超えた恋愛!きゃぴ☆
あと、僕の足は疲労でガクガクして、もう辛いよ。
汗がダラダラ流れて、妖精の服がびっしょり濡れてるの。
スカートが短いから走りやすくても・・・・僕の体力がもうらめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
つらいよぉぉぉ!!!!!長距離走はいやぁっー!
「はぁはぁ・・・・もう、駄目ぇ・・・・
か弱い乙女で・・・ごめんね・・・・」
「もうすぐ着くのにゃっー!」
この猫さんの声が、救世主の声のように聞こえた。
ああ、あと少しで街に着くんだ。
街に着いたらお風呂に入りたい。
お腹空いたから、美味しいご飯食べたいよ。
人生、楽していきたい。
「昔よりも【ヤマシナ】に向かいやすくなったから頑張るのにゃっー!
昔は【オオツ・シティー】と【ヤマシナ】の間に山がたくさんあったのにゃっ!
でも、【†愛天使アップル†】ってゲスな冒険者が核兵器で【オオツ・シティー】を消滅させてしまったから、山が消滅した経緯があるのにゃっー!」
この世界って物騒そうなの。はぁはぁ。
あれ・・・足が動かない・・・・・
ドサ
僕の身体は地面に倒れた。
足が痛くて限界だったよ。
力が入らないの。
猫さんは少しは休憩すれば良いのに・・・・
【トモエは餓死した。
復活しますか?(レベル20までペナルティは発生しません。)】
気づいたら、また幽体離脱してたよ。
半透明の幽霊ボディは全裸で恥かしい。ドキドキ。
走りすぎて足が限界を迎えたんじゃなくて、お腹が減りすぎて餓死しちゃったみたい。
4時間も我慢して走り続けた結果がこれだよ!ビクンビクンっ・・・!
【ヤマシナで復活した】
僕はすぐに復活ボタンを押したけど、その頃には猫さんが遠い場所を走っていた。
さっきまで疲れてヘロヘロだったから、周りをよく見てなかったけど・・・・周りが真っ赤に燃えているの。
少し離れた所にある300戸ほどの集落が燃えて真っ赤だよ。
この世界の建造物って、木造なんだね。
「わー、火事だぁ。」
僕、現実で火事を見るの初めて。
周りの木が燃えて、あちこちで悲鳴が聞こえるよ。
これが自然の苦痛の声なんだね。新鮮な体験☆
【ゆんやー太郎 人間LV20】
あ、全身火ダルマ状態で走っている人がいるの。
僕よりも背が遥かに大きい男性だよ。
頭上に緑色のメッセージボックスが表示されてるけど、たぶん、安全な色なんだと思う。
青=冒険者、神の眷属
赤=危ない人達
って認識すれば、この世界でも生きていけると思うんだ。
「あついいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!
誰が火を消してええええええええええええええええええええええ!!!!」
やだ、こっちに向かってくるよ!
これは空を飛んで回避するしかな・・・らめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
僕の身体を掴まないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
火がぁぁぁぁぁ!!!!火が僕にも燃えうつちゃうよぉぉ!!!!
いやぁぁぁぁっ!!!!お願いだから手を放してよぉぉぉ!!!!
そんな所触っちゃいやぁぁぁ!!!!!!スカートが燃えて駄目ぇー!
あちゅいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!
いつもより辛くて・・・・・・もうらめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!
この痛みに耐えられないよぉぉぉぉ!!!!!!
【トモエは焼けて死んだ
復活しますか?(レベル20までペナルティは発生しません。)】
やだ、また死んじゃった。
魂が幽体離脱して、僕の死体を見下ろしているの。
僕の死体は真っ黒に焼け焦げて大変だよ。
元の可愛すぎる美少女フェイスが台無し。
火事って怖いね。うん。
周りを見渡すと、阿鼻叫喚の地獄絵図だよ。
どんどん火が燃え広がって大変。
集落が火事で消滅するどころの問題じゃないよ。
周辺の山ごと燃えてしまいそうな勢い。
こんな所で復活したら、また焼かれちゃうから怖い!きゃぴ☆
幽霊状態のままでゆっくりするよ!
【†翼が折れた堕天使たん† ドラゴンLv625】
幽霊の体で周りを見渡すと、この火事を引き起こした原因な・・・翼が生えた大きなトカゲさんを発見したよ。
トカゲさんは10mくらいありそうな真っ黒な巨体を空中に浮遊させたまま、口から炎を吐いて、あちこち燃やしている。
目に見える範囲の全ての建造物が真っ赤で、人間が火ダルマなの。
メッセージボードが赤色だから、人権がない生き物って事だね。
種族にドラゴンって書いてあるから、トカゲじゃなくてドラゴンさんらしいよ。
「ゆんやー神を信仰する者は許さぬ!
ここで死ぬが良いわぁっー!」
ドラゴンさんが怒っていて怖い。
今の僕は幽霊状態だから無敵だけど、生きた人間を燃やして殺している時点で、酷い畜生なの。
猫さんはどこにいるのかなぁ。
周りが炎と煙だらけで視界が悪すぎるよ。
あ、僕の死体に、ドラゴンが吐いた炎があたって完全消滅しちゃった。
こんな状態からでも蘇生って出来るのかな
【アイス 妖精LV210】
・・・・あれれ?なんか空に、僕と同じサイズくらいの妖精が浮いているよ?
銀髪の長い髪をしていて、青色のワンピースを着た美少女なの。
顔に笑みを浮かべて元気そうな健康美少女な印象だよ。
ぼ、僕より美少女な気がして、く、悔しいっ・・・!ビクンビクンっ・・・!
青いメッセージボードが表示されているから、冒険者か神の眷属って事だよね。
「このドラゴンは、あたいが退治するよ!
あたいの獲物だから横取りは許さない!」
アイスって妖精さんが、ドラゴンに挑発しているの。
でも、とっても不思議な光景なんだ。
・・・・両手に縞々のパンツをそれぞれ持ってるの。
青と白のストライプパンティーだよ。
私も欲し・・・い、いや、へ、変態さんよぉっー!
「ドラゴンを倒す前に、あたいの名を宣言するよ!
あたいの名はアイス!
最強の縞々パンツに埋れて死ぬといいわ!」
やだっ・・・!
僕と同じ年齢くらいの妖精さんが、縞々パンツを堂々と掲げてるの。
この世界可笑しいよ。
僕、そろそろ復活ボタン押した方がいいのかな。
猫さんと合流しないと、解説してくれる人がいなくて困るの。