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ミ(_, 人_)彡 ミ うまうまだったお!
(⌒) (⌒) グッ
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4話 初めての殺し合いにゃ
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子供「人は死んだらどうなるの?」
お婆さん「腐った死体ゾンビになるんじゃよ。」
子供「なにそれこわい。」
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猫さんに散々、馬鹿にされた。グスン。
無知は辛いよ。
でも、見下されて身体がビクンビクンっ・・・!して気持ち良い。
この世界に来てから、完全に僕の何かが歪んでる気がするの。
今も馬鹿にされて心地良いんだ。
目の前で猫さんが激怒してて可愛いよ☆
「馬鹿には実戦で教えるしかないのにゃっー!
あそこから、こちらをチラチラ見ているゾンビを倒しにいくのにゃっー!」
さっきからずーと草原の遠くにいる人影ってゾンビらしいよ。
この世界は本当に訳が分らないの。
「あ、それは知ってる単語だよ。
僕、映画で見たから分かるんだ(キリッ
死んだ後も動いている人間さんだよね?」
「そうにゃ!
身体が腐って動きが鈍いから、トモエでも殺せるはずなのにゃ!
我輩の必殺兵器ユンヤーストーンを貸してあげるのにゃ!」
猫さんが何かを差し出してくるので、僕はそれを掴んだ。
野球ボールサイズの黒い金属色の塊で、角がゴツゴツしてる。
これ・・・とっても立派な凶器だよ。
どの面が当たっても痛そうなの。
ずっしりとした重さを感じて重い。
【ゆんやーストーン☆(石) 20D1 0.3kg
を装備した】
メッセージボックスに、石の性能っぽいのが表示されて・・・え?
たった300gなの?
「これ300gしかないのに・・・なんで、こんなに重いの?
3kgぐらいあると思ったよ。」
「妖精は筋力が低いにゃ。
筋力が低いという事が、どういうデメリットがあるか理解できるかにゃ?」
僕は分からないから、首を横に振った。
すると猫さんはモフモフとした可愛い顔で、思いっきり僕の存在ごと見下して
「筋力が低すぎるとにゃ。
所持できるアイテムの総重量に制限が出るから、少量のアイテムしか持てないのにゃ。
武器もナイフか、パンツか、小石などの軽くて小さいのしか扱えない上に、パンツ以外は威力がないのにゃ。」
「えっと、少量のアイテムしか持てないのって、デメリットなの?」
「少量のアイテムしか持てないという事は、選べる選択肢が極端に狭くなる事を意味するにゃ。
傷を癒す薬や、毒を治す薬をほとんど持てず、食糧の持ち運びも困るのにゃ。
更に言うなら、冒険者の最大の収入源であるダンジョン探索で、ダンジョンに落ちているアイテムを回収して持ち帰るのが大変だから、儲けられないにゃ。
だから、妖精は冒険者としてはゴミ中のゴミにゃ。
理解したなら、少しでも役に立つゴミになるための努力って奴をマスターにしてほしいのにゃ。」
「うううっ・・・!」
酷い。
でも、馬鹿にされて心臓が凄くドキドキしちゃうの
これって恋なのかな。ビクンビクンっ・・・!
僕は重い石を持ちながら、ゾンビの方へと歩いた。
猫さんは、小言を言いながら後ろから僕についてきてくれる。
「さっさと歩くのにゃ。
速度が人間の3倍以外は、特に利点がないのが妖精なのにゃ。」
「この石が重いから辛いよ!」
「300gの石が重いとか・・・・哀れにゃ。」
やだ、身体が震えて気持ちいい。ビクンビクンっ・・・!
【田中肖像 ゾンビ
Lv8】
ゾンビさんがいる所まで、歩いて5分かかったよ。
ゾンビさんは、身体が腐っていて肥溜め(見た事ないけど)のような酷い匂いがするの。
現実では絶対にありえないファンタジーな死体だよ。動いている時点で怖いけど、ゾンビの上に表示されている赤いメッセージボックスが間抜けすぎてチャーミング。
目の焦点があってないようだけど、僕の気配が分かるのか
「うーぞんびー
美味しそうな人肉の匂いがするー」
こっちに向けてテコテコ歩いてきた。
すごくノンビリとした移動で心温まる気持ちになったけど、腐った死体の顔や体を見るのは辛いよ。
「さっさと石を投げるのにゃ!」
猫さんに言われるまで、ここに殺し合いに来た事を忘れていたよ。
僕はゾンビさんをあの世へと返してあげるために、重い石を振りかぶり、ゾンビさんの方向へと投げた。
大した力も籠ってない石は・・・・・ゾンビさんの手前に落ちたの。
僕の筋力が低いから、300gの石を投げるのも辛い。
か弱い乙女って奴だよ(キリッ
「やっぱり駄目駄目なのにゃ。
妖精にパンツ以外の投擲武器は意味がなかったのにゃ。」
気づいたら、投げたはずの重い石が僕の手に戻っていた。
非常識な事が起きすぎて辛い。
猫さんに聞いてみよう。
「ねぇ、猫さんこの石」
しかし、僕の言葉は次の猫さんのセリフで遮られた。
「早く投げるのにゃっー!
その石は投げたら、持ち主の所に戻ってくる素敵な加護があるのにゃ!
驚く前に投げるのにゃっー!」
今のやり取りをやっている間に、ゾンビさんが目の前にいるの。
そのまま僕を手で地面に押し倒し、覆いかぶさってきた。
ゾンビの匂いが臭いっ・・・!ビクンビクンっ・・・!
ゾンビにもモテモテでごめんなさい!
「うーおいしそうー」
「だ、駄目だよ!ゾンビさん!
こういうのは愛しあっている男女じゃないと駄目・・・痛っ!」
「生身の人間美味しそうううううううううううううううううううう!!!!!」
らめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!そんな事しちゃらめぇぇぇぇぇ!!!!!!!
僕の腕を噛みちぎっちゃらめぇぇぇぇぇぇ!!!!
痛いいいいいいいいい!!!血が切断面から溢れていやぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
僕の胸を手で押しつぶすのはらめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
そこは愛しあう男女が、口をつけて吸ったりする場所なのにぃぃぃぃ!!!!!!!!
握力でつぶしちゃらめぇなのぉぉぉぉ!!!!!!!
心臓を引き摺りださないでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
いやぁっー!
【冒険者トモエは、出血のしすぎで死亡した。
復活しますか?(レベル20までペナルティは発生しません。)】
気づいたら、また幽体離脱してたの。
僕の視線の下で、僕の身体をガツガツ食べてるゾンビさんがいる。
やだっ・・・!トラウマになっちゃうよぉっ・・・!ドキドキ
食欲的な意味で・・・僕汚されちゃった。
もう、お嫁にいけないの。
今、復活したら、またゾンビさんに食べられちゃうよ。
魅力的な9歳の美少女でごめんなさい!
殺されるの慣れちゃった☆
結局のところ、ゾンビさんは猫さんが撲殺してくれたの。
たった3回殴るだけでゾンビさんがバラバラ死体になっていて格好いい。ドキドキ。
猫さんが凄く強くて男らしい。
あと、石は重いから猫さんに返還したよ。
あれがあるだけで歩くのも辛いんだ。
「トモエは駄目駄目にゃ!
一定の距離を維持しながら、石を投げまくれば簡単に勝利できる相手なのにゃ!
そんな事も分からずに、捕食されるなんて間抜けにも程があるにゃ!
それ以前に、石を投げる筋力が足りてないから救いようがないのにゃ!」
「ご、ごめんなさい。」
僕、この世界に来てから自信がなくなちゃった。
猫さんがいなかったら、もっと酷い目にあっていた気がするの。
叱責されて気持ちいい・・・ビクンビクン。
「さっきの戦いで、トモエには冒険者としての筋力が全く足りてない事がわかったにゃ。
これはもう・・・・魔法を覚えるために、金貨100万枚を貯められる仕事を紹介してあげるしかないにゃ。」
猫さんが笑顔になった。
あれ、なんだろう。
今まで厳しい態度だったのに、急に笑顔になられると・・・・凄く不安な気がするの!
「仕事を紹介してあげるにゃ。
だから、吾輩の後を付いてくるのにゃ。
妖精なら空を飛べるから、吾輩の俊足!っにもついてこれるはずにゃ!」
そういえば、僕。
後ろの羽で空を飛べる種族って奴らしいよ。
生きる気力が湧いてきた。キラ☆
天使のように可憐に空を飛ぶよ!
可愛すぎる美少女でごめんなさい!
あとがき
(´・ω・`)ゆへん!良い仕事を紹介してあげるのぜ!