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2国目 ゴーストの国なのです 前編
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ゴーストとは?幽霊のことなのです。

ゴーストタウンとは? 人が住んでいない街なのです。

21世紀の社会問題ゴーストタウンとは? 不動産バブルの時に、使わないのに都市ごと作ってしまった無駄な建造物の塊なのです。2014年時点の中国辺りだと800兆円以上の金を使って作りすぎて洒落にならない社会問題になっているのです。





師匠と手を繋ぎながら、道なき荒野を私は歩いていました。
どの精霊と契約を結ぶか、散歩しながら悩みに悩み抜いたのです。
風は探知範囲が広大だから旅に便利そうですけど、魔族相手だと質量が軽い風は大したダメージにならないみたいなんですよね。
炎は攻撃に偏りすぎて駄目駄目です、でも、寒い夜の散歩で炎を使えばポカポカして素敵な気もします。
土は地面を操作して、即席の防御陣地や、仮宿作れて便利そうですけど、魔族相手だと土はノロマすぎて相性が悪いらしいんですよね。
水は砂漠や大陸の内陸部を旅する場合、水の精霊がほとんどいないから駄目なのです。
闇は悪役のイメージがある上に、肌が褐色になるそうですから嫌なのです。それどこのダークエルフなのですか?
光は便利だけど、太陽がある昼間しか使えないから、困ったものです。
いっその事、炎の精霊と契約しましょうかね?
風と炎って相性が良いらしくて、合体技として使うと威力が相乗するらしいのです。
つまり、師匠のパトーナーになってお嫁さんになれる可能性が高くなるという意味なのです。
ふっ……将来設計も完璧なのですよ。と思ったら

「……やれやれ、ヴィクトリア。
君は既に光の精霊と契約していたようだね」

「はい?」

師匠が呆れた顔で、私にこんな事を言ってきましたよ。

「ヴィクトリア、太陽光を浴びてすごく気持ちいいと思っただろう?
それは光の精霊に愛されている証拠なんだ。
見た所、光の精霊達が毎日のようにヴィクトリアの衣服の洗浄、身体を清潔にするために殺菌消毒して君の世話をしていたようだね。
ここまで愛されているとなると、既に契約したも同然の状態なんだ」

な ん で す と 。
そういえば、エルフになってから太陽光を浴びると、幸せな気分になるのです。
いや、よく考えたら人間の頃から太陽光が大好きで、幸せでした。はい。
光の精霊さんは、散歩生活が快適になる素敵属性だったんですね。
あとの問題は

「あの、師匠、精霊って目に見える生き物なのですか?
私には光の精霊が見えないのです」

「魔法を使っていく内に精霊の姿は見えるようになるよ。
それよりも光の精霊の特徴は覚えているかい?」

「太陽が出ている間しか、光の精霊さんは使えず、貫通力と自分と他者への回復に優れている精霊ですよね?」

「一応、そういう事になってるけど、精霊魔法は極めるとなんでもありになる魔法でもあるんだよ。ヴィクトリア。
基本、現実というものは何でもありだからね。
それを忘れちゃ駄目だよ」

何でもありとは、どういう事なんでしょうかね?
疑問を抱いたまま待っていると、師匠は遥か離れた森へと指を指し示して

「理解できてないようだから、一例を見せてあげよう。
風で大量の光を屈折させて集めればビームになるのさ。
つまり光の精霊魔法の真似事ができる」

ドカーン!
一瞬で、甲子園ほどの大きさの森が光って消滅したのです。
あとに残るのは焼け野原だけですよ。これ。
自然破壊は良くないと思うのです。

「これ以外にも、炎で怪我を治したり、風で光の速度を越えてビームを切断したり、水で薬物を製造したり。土の精霊で隕石落とししたりと、人工の光で集まった少ない光の精霊を効率よく運用したりと、極めると何でもありなんだ。
そして、精霊魔法を使う上で一番重要な事がある」

師匠は少し間を置いて

「精霊は対等な友達であり、都合の良い道具じゃないって事さ。
精霊魔法を使った後は、ちゃんと精霊達にお礼を言わないと、精霊達は気分を悪くして手を貸してくれなくなる。
日々、感謝の心を忘れちゃ駄目だよ。
これは人間関係にも言える事だ。
僕は精霊との付き合いに慣れているから、願いも感謝も思うだけで大丈夫だけど、ヴィクトリアは言葉にして、やってほしい事と感謝を示した方がいいね」

「うーん、具体的にどうやってお願いすれば魔法が使えるのでしょうか?
精霊さんビーム!って叫べばいいんで」

ドーン!
師匠に向かって、複数のビームが飛んだような気がしたのです。
光の速度って、秒速30万kmですから、目に見えないですよね。
ひえええええええええええええええええええええええええええ!!!!
落ち着いている場合じゃないのです!
師匠に喧嘩売ってしまったのです!

「……ヴィクトリア。
ちゃんと目標を精霊達に伝えないと、前方にビームが飛ぶから次からは気をつけるんだよ?
僕じゃなかったら死んでいたからね?」

「ごめんなさいです」

私は誠意を示すために頭を下げました。
師匠は普通に無傷です。
こんなに近い距離からビーム撃ったのに、防御できるなんて凄いのです。
どうやって防御したんでしょうね?
あと、一応、光の精霊さんありがとうです。
出来れば、何もない所に撃って欲しかったのですよ。
ちょっと命の危険ってやつを感じました。
……そして、光の精霊さんの外見って丸い人魂なんですね。
魔法一回使っただけで、はっきりと姿が見えるようになったのです。
私の体のあちこちに密着して、超モテモテです。
人魂の姿が妙に愛らしく感じちゃいますよ。











師匠と手を握りながらの快適散歩ライフが、それから何日も続き、次の国が見えてきました。
無数の高層ビルが立ち並ぶ巨大都市です。
これ凄いですよ。どれだけコンクリートを使ったんだと思う量なのです。
前世の世界の超大国アメリカ合衆国でも、100年間かけてもこれだけの量のコンクリートは使用しないと思います。
師匠の反応が気になったので、隣を見ると嫌そうな顔をしている師匠がそこには居ました。

「……ヴィクトリア。
あの国に生きている人間は一人もいない。
風の精霊で探査した所、魔族の気配もないようだが、魔族が気配を消して隠れている可能性があるから気をつけた方がいいね」

この言葉に私は頷きました。
生きている人間が誰もいない国?
あの?あれだけ大量のコンクリートを使った国がですか?
この世界は凄いのです。




国に入ると、やっぱり人影がありません。
誰も住んでいない高層ビル群が、かつて人が住んでいた事を物語っているだけです。
近隣に国が幾つかあるのに、どうしてここには人間が住んでないんでしょうね?
老朽化の問題がありますけど、住む場所に困らない場所ですよ。
私的には高層ビルの中も散歩できる分、散歩ポイントを稼ぐには丁度いい国なのです。
師匠と一緒の時は、そこまでしつこい散歩は出来ないので、何時か1人になったら、この国に来てみようと思いました。

「ヴィクトリア。
そろそろ太陽が落ちる時間だから、何処かのビルに入って野営しよう」

師匠にそう言われて、私は地平線の彼方へと向けて落ちる太陽を目にしました。
人魂の外見をした光の精霊さん達は、太陽を追いかけるように地平線の彼方へと去っていくのです。
……光の精霊さん。
どうして夜はいないのですか?
寂しいのです。
やっぱり太陽がいないと死んじゃうんですかね?
太陽がいない間は、あの幸せな気分が消えて、普通の人間に戻ったような寂しい気持ちになります。
師匠と繋がっている片手だけが、この闇に包まれていく廃墟の中で、私を唯一安心させてくれる温かみでした。
私、ロリババアなのに子供みたいですよね。
全然、精神的に成長した実感がないのです。








真っ暗になっていく廃墟の中、師匠と私は手を繋ぎながら、野営するのに良さそうなビルを探すために歩き始めました。
ん?常に手と手を繋いで仲が良い?
単純に風の精霊による防御の問題で、お互いに近い距離を移動していた方が、私を守りやすいから、手を繋いでるだけなのですよ。
強い魔族に襲われた時、師匠と離れた場所に居たら、今の実力だと即死らしいのです。
役にたたないお荷物って奴です。
一応、リュックサックを背中に背負ってますけど、旅の最中、飲み食い一切しませんから、極わずかな道具しか入ってないので軽いのです。
……あれ?よく考えたら師匠は銀貨2000枚をだして私を買った割には凄い軽装?
どこにそれだけの銀貨が入るのですか?不思議です。
こうやって考え事をしている間に、太陽は地平線の彼方へと完全に消え、光の精霊さんの気配はなくなり、夜の時間が訪れます。
巨大な都市が真っ暗闇とかきっと怖……あれ?
気づいたら、周りの高層ビルの照明が発光して、周りの道を無数の人影が歩いているのです。
彼らは生きた人間にしか見えず、ここはちゃんとした人間の国……こ  ん な の 可  笑 し  い で す
師匠はさきほど言いました。
 あ の 国 に は 生 き て い る 人 間 一 人 も い な いっ て 
なのに、私と師匠の周りには、笑顔で道を歩く人間達の姿が映り、道路には無数の自動車が行き交い、国全体に活気が満ちていきます。
無数の店が開かれ、美味しそうな匂いが料理店から漂い、スケベーな事をする店の客引き達が競うように店の宣伝したり警察に摘発されて逮捕されたり、仕事から解放されたサラリーマンがお酒に酔ってフラフラ歩いているのです。
あと、光の精霊さんの一部が膨大な人工の光に釣られて、地平線の彼方から戻ってきました。
あんた、光なら人工の光でもいいのですか。そうなのですか。
……わーい!
光の精霊さん、あなた達がいると散歩ライフが快適なのです。
私の幸せが戻ってきました!
周りに大勢の人間が歩いていて不思議ですが、特に害はなさそうですし、師匠がいれば襲われても平気なので無問題なのですよ。









中編に続く




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3国目

魔族が裏から支配する国。

旅人を大歓迎して接待。

大歓迎して幸せな所を、一気に不幸に叩き落として拷問・陵辱をして、徹底的に苦しめた後に殺して食べるのが、この国のテンプレ。魔族に脅されていやいやだけど、実は喜んでいる。

師匠が魔族の気配に気づいてセーフ。具体的にはウィクトリアと離れず行動し、同じベットに眠る、分断されそうになっても離れない。いちゃいちゃらぶらぶ

魔族だ!

師匠容赦なくセリフ途中に攻撃

風は軽いから威力がないのさ。って事でなぶり殺し同然に魔族を痛めつけた後に消滅させる。





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