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もふもふ、きつねっこぉ

●26話のキツネ娘「日本の交通インフラが麻痺しとる!」挿絵



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今回の挿絵( ;∀;)攻撃用の投石カード

http://suliruku.blogspot.jp/2017/04/26.html


https://4.bp.blogspot.com/-lelb7oLJmis/WQSgYpcIgyI/AAAAAAAAdGo/mzQqXhWUr1o3yLGm1FiZHN-0uRMup4pqQCEw/s1600/IMG_3884.JPG

(´;ω;`)これが攻撃用の投石カードじゃ。矢印を向いている方角に飛ぶぞい。

(ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)なんて角だらけすぎるだろ!その石!

(´;ω;`)投石に使う石は、どこに当たっても大ダメージな感じの方がええらしいし。角だらけにした。

(ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)(それ……加工コストがかかるから、人件費が高くつきそうだな……)


 

「内輪揉めをしている場合じゃないな……常識的に推理するとワープゲートの先に、イドの大軍が待ち構えているはずだ。前進できない以上、さっさとここから逃げた方が良い」

タヌウの一声で、ニャンタンたちは、すぐに場から遠ざかる選択肢を選んだ。ワープゲートがある方角に
背を向けると、背後から警官が潰されて死ぬ、ドボッ!という音がしたが、気にしている場合ではない。
蟹のような形をした騎兵級は、横方向しか移動できない蟹と違って、縦方向にも移動できる化物だ。平地限定だが機動力もあり、追いつかれたら対処が面倒臭い。
走りながらニャンタンは周りを観察する。頑丈そうで、二足歩行の歩兵級が登り辛そうな高層建築が理想的だ。ちょうど視線の先に、その建物がある。ホテル、パル・プラザと看板に大きく描いた店だ。

「……あの高い建物に逃げ込みましょう。入口を防ぐ手段を僕が持っているから籠城できます」

「騎兵級は足が早いぞ?追撃されたら逃げ切れそうにないが……?」

タヌウが走りながら不安気に聞いてきた。時間がないニャンタンはすぐに返事をするが――

「そこは僕の分身をあちこちに作って放置すれば時間を稼げ――」

「アタシに任せろアル!」先頭を走るリーファが言葉を遮った。

「え?何を任せるので?」

「そこらへんの車を盗……いや、借りれば、遠くまで逃亡できるヨ!鍵穴の所をぶっ壊して手動で開ければ、車は誰でも動かせるね!」

「意味がわかりませんが……さすがはリーファさん!動く鉄の乗り物を使えば、あの建物まですぐ行けますね!」

「よくわからんが役に立ちそうな奴じゃな?」

「リーファ、君は役に立つ奴だと出会った時から思っていたよ……」

「あらあら……皆さん、褒めるのが上手ですわね……」

キーニャン、タヌウ、クロネッコォは、獣耳をピョコピョコ動かして、リーファを褒めたたえた。
リーファはすぐ様、路上に駐車している黒い自動車の扉にドゴンッ!と、パンチを叩き込み、フレームを捻じ曲げて強引にこじ開ける。
続いて「アチョッー!」という掛け声とともにカンフーチョップ。バキーン!ハンドル脇にある鍵穴が破壊され、リーファが壊された場所に手を入れ『元鍵穴』を右に回転させた途端、ブォォーンと自動車が脈動した。
リーファは手馴れた手つきで車を強奪し、皆を招き寄せる。

「さぁ!乗るアル!ホテルへとすぐに直行ヨ!」

なんて頼れる商人だ。これで獣耳があれば、ニャンタンはリーファに惚れていたかもしれない。

★★★

「おい……リーファさん、全く前に進まないんですが?」

ニャンタンたちは黒い車に乗って、大きな通りへと出た。そこには避難しようとする車がウジャウジャとひしめき合い、全く前に進む気配を見せない。時折、背後から悲鳴と打撃音が響いて、ホラーな雰囲気だ。
リーファは運転席で大切な事を思い出したかのような口調で――

「そういえば災害時に車で逃げると……みんな、同じ事を考えるから……道が車で埋まって交通インフラが麻痺するネ。忘れていたアル」

「おいこらっ!?駄目駄目じゃないですか!」

「こうなったら徒歩でホテルまで行って籠城するしかないヨ」

ガンっガンッ!ガンッ!車の後ろから音がした。後部座席にいるタヌウ、クロネッコォ、ニャンタンが背後を振り向く。

「ふむ……騎兵級に攻撃されても耐えるとは……さすが金属の塊なだけの事はあるな、この車」

「あらあら……私、戦闘用のスキルを持ってないから辛いですわー」

タヌウ達が呟いている間も、騎兵級は、赤いハサミを数回、黒い車の背後に叩きつけた。車体が少しヘコみ、ボーン!という嫌な音が叩く度に響く。
投石カードをニャンタンは使いたかったが、車内のガラス製の窓が邪魔だ。カード化を解除したら、ガラス窓が壊れて、車内に破片が飛散して悲惨な事になりそうだからちニャンタンは躊躇する。

「くっ……どうすればいいんだっ!……!」

「大丈夫アル。こうすればいいネ」

リーファはそう言って、運転席にあるスイッチを押した。ウィーン、窓ガラスが少しづつ開く。そんな便利な装置がある事を知らなかったニャンタンは、驚いた。窓ガラスの開閉機能。自動ドアという物が存在する時点で、当然のように予測しておくべきだった。
チャイナ服の裾から拳銃を取り出したリーファが、開いた窓から身を乗り出し、拳銃を騎兵級の頭へと向ける。引き金が引かれた。
ターンっ!騎兵級の頭に小さな穴があく。脳みそが銃弾に攪乱されたのか、騎兵級はブクブクっと口から蟹のように泡を吐き、道路に倒れ込んだ。ひと仕事を終えた感じのリーファが拳銃に息をフゥーとひと吹き、自慢気に語り始める。

「アタシの愛銃が火を吹くアル。近づいてきた化物は、アタシが駆除するネ」

「それ……何回くらい鉄の塊を発射できるので?便利そうなんですけど……無限に撃てたりします?」

「そんなに銃弾持ってないヨ。せいぜい50発くらいネ。日本は治安いいから需要が低いヨ」

「あのイド生物群って……大抵の戦場に百万とか、千万単位の物量を投入してくる勢力なんですが……?」

「いやー、大変ネー。さっさと車から降りてホテルに籠城するヨロシ!交通渋滞の時は車を放棄するに限るネ!」

仕方なくニャンタン達は車を降りて、後ろを振り返った。車が邪魔で、騎兵級は自分たちを追いかけるのも大変そうだ。
歩道には、避難民が溢れ、そこに騎兵級や歩兵級などが突撃してごちゃ混ぜ状態である。
時折、イドを攻撃する人間が返り討ちにあい、大きなハサミでひき肉にされていた。
ニャンタンにとっては、これらは無駄な犠牲ではない。自分たちが逃げるために貴重な時間を稼げる犠牲だ。日本国との間に大きな禍根を残しそうだが、今は出来る事は何もない。そう、そのはずだった――

「その化物は攻撃しない限り、安全なんじゃよー!放置するとええかのうー!」

キーニャンが大声で、歩道に溢れる避難民たちに呼びかけたのだ。

「攻撃したらダメぞい!攻撃したら反撃してくるぞーい!あと、さっさと安全な所へ逃げた方がええのうー!逃げて美味しい酒を飲んだら最強じゃな!」

「あの先生……?」

ニャンタンは信じられない顔で、キーニャンを見た。全く利益がでない行動だ。でも……感動できる。
仕事を放棄したニート狐が、他国の民草のために行動したのだ。昔の頼りがいがあるキーニャンに戻ってくれるかもしれない大いなる一歩と言っても良い行いかもしれない。そうニャンタンが思っていると――

「この事態も……元はといえば、わしのせいじゃしな……少しくらい、手助けしてもええじゃろ?」

キーニャンが恥ずかしそうに答えた。黄金の大きな尻尾とキツネ耳が、街の街灯に照らされて、輝いて見える。


 

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  1. 9 件のコメント :

    1. 日本で拳銃持ってるリーファって、、、あっ

      でもベータ並みに物量で来る相手なんて嫌ですね中国ですかね全く

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      1. (´;ω;`)うむ、警官に見つかったら、逃げないといけない立場なのだ。リーファ。
        おかげで警官に助けてもらえる場面でも、逃亡しないといけないのでござる。

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    2. (´;ω;`)眠いときは働かぬ。ニャンタンの挿絵を書いていたパルメであった。
      修正はゆっくり明日

      (ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)こらぁー!?

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      1. (´;ω;`)ゆっくり修正完了。絵が上手くなりたいよう
        丸暗記模写中。

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      2. 絵だけでもないけどコツとしては
        ・最初はひたすらに数をこなす
        ・好きな複数の作家をトレースする(一つだと偏る)
        ・常にどうしたらよくなるか考えて作る

        特にパルメさんに欠けてる3個目が重要やで

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      3. (´;ω;`)うむ、その三番目を考えながら、風呂で書いていると頭が痛くなってきてええ感じじゃ。
        史実の武器辺りを模写するとええのう。合理性の塊じゃし。

        (ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)Mか!?

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    3. 巨大生物って何を食って体を維持してるんだろ、霞でも食ってるんだろうか。

      人間が避難されたり、その地域のを食いつぶしたら、食い物なんて自力じゃ調達できないだろうに。

       巨大生物vsロボットとか英雄 とかだと、室町時代の狂言を見てるようで退屈なんですよね 

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      1. (´;ω;`)後方から、補給級がどんどん専用のエネルギー資源をもってきているお。
        超長距離遠征だから無茶しすぎて、数日暴れれば自滅するお

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    4. ( ;∀;)眠い時はさっさと寝る。だから続きは眠くない時に書くのだ。

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