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ゆっくり戻るよ!

触手さんの圧倒的すぎるセクハラ発言を前に、不自然な沈黙を女神様は保っていた。
全ての天使娘と女神様を嫁にして、調教するという発言に不気味なほどの余裕を保っている。
そして、とうとう狂ったように笑いだしたっ!

「ふふふふ・・・・あはははははっ!
お前のようなエロ触手に攻略できる第二階層ではないっ!
私を嫁にするという妄想や妄言もいい加減にしろっ!このセクハラ触手っ!
お前は第二階層で死ぬのだっ!」

傾国の美女クラスの女神様からの罵倒は、小さい子が見たら泣いちゃうほどの怖さを醸し出している。
しかし、女神様の目の前にいるのは小さい子供ではなく、性欲ムラムラの全長100mのスケベ大魔王である。
むしろ、罵倒されたおかげで

「ちょ、調教のしがいがある美女なのでござるうううっ!!!!
拙者にデレデレになった時の瞬間が待ち遠しいのでござるよおおおおっ!!!!!
女神様だけは特別に、念入りに愛して愛しまくってあげるでござるうううっ!!!!」

余計にやる気になっていたっ!
女神様は触手さんの圧倒的すぎるうざさに辟易する様子を見せながら、空中に投影する映像を消し、触手さんの声だけが周りに響く。
天使ちゃんは既に全身が気持ち良すぎて気絶して、ツッコミをする余裕がない。
触手さんがゲートがある方角へと移動する頃には、広場に裸同然の格好で美しい金髪巨乳美少女天使が眠っているだけだった。

「拙者の触手は、全ての美少女と美女を愛する触手なのござるうううっ!!!!!!」












第1話  ゲスなオークを制裁して宇宙艦隊ゲットなのでござるっ!
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「敵はいないが雇用問題を解決するために軍拡を続けるブヒィ。
一兆隻500兆匹体制を敷いておけば、いざ何かあった時にどうにでもなるブヒィ。
・・・ブヒィ?失業率を0にする?なら、700兆匹体制にしておくブヒィ。」

ブータ大銀河帝国皇帝ブータ・ブルンガルド2340世
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触手さんが、1000年前に王都があった場所にあるゲートを潜ると、そこには広大な農地が見えた。
地平線まで見渡す限りの畑だらけで、農業用トラクターに乗ったオーク達が効率よく畑を耕す牧歌的で平和な光景が見れる。
オークは、豚の顔を持ち、肥え太ったような感じの人間の身体を持っている事で有名で、元の世界では触手さんによって皆殺しにされた種族だった。
触手さんは、かつて皆殺しにしたはずのオーク達がブヒブヒ言いながら、突然現れた触手さんを見て驚いている光景に異常なまでの殺意と怒りを感じている。

「美少女を輪姦して孕ませるゴミがいるでござるよっ・・・!
嫌がる美少女達を死ぬまで犯したゴミクズでござるっ・・・!
存在している事が許せないでござるよっ・・・!
ゆおおおおおっ!!!皆殺しなのでござるうううううっ!!!!豚ごときが美少女を凌辱なんてけしからんでござるよおおおおっ!!!!」

皆殺しにした理由は、触手さんみたいに紳士的に女性を調教・・・いや、愛する事をせずに身勝手に女性を集団レイプして繁殖する種族だったからである。
無論、ここにいるオーク達はそんな事もしたことがない文明的で平和的な労働者さん達なのだが、触手さんにはそれが分からない。
皆殺しにしようと数千の触手を頭上へと上げて、そこにエネルギーを収束させる。

「拙者のように紳士的に美少女を愛せないゴミは皆殺しでござるうううっ!!!!!!
大魔王ビームの乱射の威力で苦しまずに死ねる事を大喜びするでござるよおおおおおっ!!!!!
あの世で拙者の不老不死美少女ハーレムを見て、紳士とは何かを学ぶでござるううううっ!!!!」

数千の触手から放たれるビームは、まさに見ただけで失明するほどの圧倒的な光を周りに照射している。
オーク達は失明すると同時に身体を蒸発させられ、悲鳴すら上げる事なく地平線まで広がるような広大な畑とともに消え去った。
更に、触手さんのビームは不思議な事に、遥か天空へと向かったビームが曲がって、惑星中に存在するオークを街ごと消滅させるほどに圧倒的な大量虐殺をやっている。
光の速さでやってくる死の訪れに、オーク達は一匹も気づく事もなく、街ごとエネルギーの塊に包まれて肉片一つ残さないほどの虐殺だ。

触手さんが全力でオークをぶち殺すべく、1時間ほどビームを頭上に向けて乱射し、そのビームが惑星上に存在する全オーク、宇宙上にある宇宙ステーション、輸送船すらも破壊し、人口六億匹が完全に0になるまでの虐殺っぷりは、触手さんがどれだけ激怒しているのか手に取るようにわかるほどである。

「美少女は・・・美少女は・・・ちゃんと死なない程度に愛してあげるのが紳士の義務なのでござるよおおおおおっ!!!!
あんな衛生環境が悪い場所でレイプした後に放置するとか、最低のゲスなのでござるううううっ!!!!
普通に病気で死亡しちゃう美少女が続出するとか最低でござるうううううっ!!!」

虐殺される側のオーク達がこれを聞いたら、そんな野蛮人と文明人達である自分達を比べるなと激怒する内容だったが、基本的に触手さんの独り言なので誰も聞いていない。










触手さんは、全オークを虐殺した事で第二階層を攻略したと思い込み、とてもハイテンションな気分で何もない空中に視線を向けている。
早く女神様が現れて、お嫁さんになって願いを叶えて欲しいと思い、触手をぶんぶん振って、ワクワクテカテカ状態だった。

「やったでござるよおおおおおっ!!!!!
これで世界中の天使娘は拙者のお嫁さんなのでござるよおおおおっ!!!!
もう、拙者の逞しい触手で、拙者なしでは生きられない身体になるまで愛してあげるでござるううううっ!!!!
女神様は早くでてきて、拙者のお嫁さんになって、願いを叶えて欲しいでござるううううっ!!!!
大勢の美少女達の心地の良い嬌声を聞けるかと思うと、拙者はワクワクしてたまらんでござるよおおおおっ!!!!
女神様には念入りに、触手を数千本プレゼントして調教してあげるでござるうううううっ!!!
生意気な口調が変わるまで、愛して愛し尽くしてあげるでござるよおおおおっ!!!!」

触手さんの気分は天国状態である。
こんなにも簡単に不老不死美少女ハーレムを築けるかと思うと、楽しくて仕方がないのだ。
今の触手さんなら貧乳も差別せずに、巨乳娘と平等に愛してあげてもいいと思うほどに気分がいい。
しかし、待っても待っても女神様は現れず、夜になってから現れたのが・・・星空を埋め尽くすほどの膨大な規模の宇宙艦隊だった。
既に全砲門を惑星上にいる触手さんに向けていて、殺されたオーク達の仇を討とうとしている。
触手さんは茫然と、宇宙艦隊の雄大でロマン溢れる光景を見て

(とてもロマンが溢れる光景でござるっ・・・!
宇宙に並ぶ膨大な数の艦隊とか・・・男のロマンでござるよっ・・・!
これはぜひとも献上っ!してもらって、モヒカン達に操縦してもらうでござるっ!)

艦隊が武装を触手さんに向けているのに、相変わらずの呑気そうな雰囲気だった。
どんな状況でもポジティブなのが、触手さんの人生哲学なのかもしれない。

「素晴らしい艦隊でござるなっ!
拙者に献上してくれたら、1000年物のワインを10万本ほどプレゼントしてあげてもいいでござるよっ!
拙者の秘蔵のパンティーコレクションから、好きなパンティーを選んでくれてもいいでござるっ!
どれもこれも、拙者が念入りに愛した美少女達との思い出なのでござ・・・」

無論、触手さんの言葉に返ってきた返答は、宇宙艦隊の盛大な一斉射撃だった。
警告とか一切なしの無慈悲な暴力である。
触手さんは大魔王バリアーを瞬時に展開するが、反射どころか攻撃を防ぐので精一杯だった。
バリアーが完全に破壊される寸前に、新しいバリアーを張る必要があるほどに膨大なエネルギーを伴った攻撃がやってきて、その場所から動く事もできない。

(さ、さすが宇宙艦隊でござるっ・・・!
拙者でも防ぐのが限界なのでござるっ・・・!
でも、拙者には隠された切り札があるでござるよっ・・・!)

周りの地形が抉れ、海と一体化するほどの攻撃を防御しながら、触手さんは、この1000年の間に作りだした究極の必殺技っ!を披露しようとしている。
それは天使ちゃんとのイチャイチャ夫婦生活をしている時に作りだした技であり、天使ちゃんを裸にしたり、好みの服を瞬時に色々と着てもらうために作った最強の技だ。

「ゆおおおおおおおっ!!!拙者の触手は世界や空間の壁すら超える触手でござるううううっ!!!!!」















一方、こちらは触手さんを現在総攻撃中の大艦隊を指揮する旗艦【ブヒィーU】である。
全長500mの巨大戦艦であり、分厚い装甲とエネルギーフィールドによって守られている様は巨大な移動要塞のような堅牢さを感じさせてくれる戦艦さんだ。
その戦艦のブリッジには、異常なまでに肥え太ってると、服装以外には他のオークとの区別がつかないトサツ・ブータ少将が、同じブリッジにいる数百匹はいるであろう部下達に向けて積極的に攻撃を命じている。

「ビームとレールガンと核兵器が通じないなら、惑星破壊ミサイルを撃つブヒィッー!惑星ごと破壊しても構わないブヒィッー!
あんな怪物が繁殖でもしたら、それだけでブータ大銀河帝国の終わりブヒィッー!」

豚だけにとても暑苦しいが、百万隻の大艦隊を任せられるだけあって判断は的確だった。
このまま、少将閣下の百万隻の大艦隊が、先ほどの攻撃を実行すれば、触手さんといえども致命傷を負って死亡してしまう可能性がある。
だが、その命令を実行する前にブリッジの天井付近に空間の歪みができる。
場にいるほとんどのオーク達が、その謎の現象を見て、惑星破壊ミサイルを発射するための命令をうっかりストップさせるほどの異常な現象だ。
オーク達は息をとめて、光景を見ていると

「「「「「「「「「「「ヒャッハー!豚は虐殺してバーベキューだぁっー!」」」」」」」」」」」」」

空間の歪みから、武装したモヒカン頭の男達が出てきた!
ビームライフルと呼ばれる銃器で武装し、とても身軽でラフな格好をしているっ!
出てきたモヒカン達は、すぐに銃器をオーク達に向けて乱射を開始したっ!

「ヒャッハー!死ねぇっー!」「大魔王様に逆らった豚で焼き肉だぁっー!」

オーク達はいきなりの事態に混乱し、逃げる事すらできずに次々と身体を撃ち抜かれて食肉用の豚肉になる。
身体が肥え太っているせいで、モヒカン達から見たら大きな豚肉扱いであり、情け容赦ない虐殺の嵐が艦内に吹き荒れようとしていた。
この艦隊での一番のお偉いさんである少将は部下達が虐殺されている間に逃げようとするが、この中で一番太っているせいで、殺戮をやっているモヒカン達に目を付けられ

「な、なんて大きくて美味しそうな豚なんだぁっー!」「豚は虐殺だぁっー!」「今日は豚肉だぁっー!」

「ブ、ブヒィィィィィっー!」

数十丁のビームライフルを向けられ、逃げようとする背中から光の熱線を浴びて、あっさりと死亡しちゃったのである。
ブリッジが真っ先に制圧された事で、モヒカン達は次々と艦内で暴れ周り、旗艦【ブヒィーU】に搭乗していた3000匹のオークは一匹も生きて故郷に帰る事はなかった。










これが触手さんの必殺技っ!である。
空間を歪ませて、天使ちゃんの服を取り替えたり裸にしたり、モヒカン達を元の世界にお遣いに行かせたり、可愛い美少女を拉致して熱い夜を過ごした後に送り返してあげたりと、とても私生活で大活躍している必殺技っ!なのである。
幾ら外部が強固でも、内部から攻撃されたら容易く落ちるのだ。
残った100万隻の船の中でも、これと同じような光景が繰り広げられ、序盤のちょっと強い程度の雑魚モンスターであるオークは、圧倒的な強者であるモヒカン達によって白兵戦で蹂躙されて食用豚肉に変身し、戦艦はそのまま触手さんのコレクションとして手元に残る結末を迎えたのである。

一部の艦艇は、場から離脱することに成功し、逃がしてしまっているが、5億匹ほどのオーク達がこの戦いで命を落とし、死んだモヒカン達は蘇生されて完全復活して、大魔王ミジャグチの大勝利を焼いた豚肉で祝ったのだった。
触手さんは、艦隊の旗艦に触手で巻きつきながら、100万隻近い艦艇が自分の物になった事に感動し、女神様が現れない事も忘れていた。
気分は新しいオモチャを手にした子供である。

「す、素晴らしいでござるっ!ぜひとも天使ちゃんにも見せてあげたい光景なのでござるよっ!
きっと大喜びして拙者を尊敬する事は間違いなしでござるっ!
・・・ちょうどいいでござるっ!旗艦に天使ちゃんを呼んで、拙者の大活躍っぷりを見てもらうでござるよっ!
壮大な宇宙を大冒険する拙者の物語の始まりなのでござるっ!きっと後世の歴史家が偉業と褒め称えてくれるでござるよっ!」









こうして、触手さんとモヒカン達による大宇宙の旅が始まった。
この階層は触手さんを討伐するためだけに、女神様が残りの階層を全て合体させ、オークによる科学技術の発展によって空前絶後の大勢力状態になっている第二階層である。
艦艇保有数1兆隻、軍人700兆匹、単体として最強を誇る触手さんの天敵とも呼べる無敵の物量との大激戦が始まろうとしているっ!
戦力差は100万倍以上っ!どんな名提督でも攻略できないようなダンジョンの攻略難易度はムリゲーっ!
難易度ルナティックのルナティックダンジョンを遥かに超越したムリゲーダンジョンなのだっ!








あとがき

(´・ω・`)銀河英雄伝説みたいに艦隊物とかできないかなーと思った。

普通に触手さんを艦隊ユニットとして運用して勝利を目指すような困難な戦いを書いてみたい気がするね。



ゆっくり戻るよ!

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