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ゆっくり戻るよ!

現世と、あの世を分かつ川がある。
人間から三途川と呼ばれ、全ての生物はここを渡って生前の裁きを受ける鬼畜裁判所なのだ。
罪が多ければ、川を渡れずに消滅するまで生き地獄を味わう仕様になっており、裁判所まで無事に行けても、ほとんどの生物が虫や菌に転生させられる。
どんな生き方をしても地獄行きになる事が決定済みであり、地獄で拷問されてから第二の人生を歩んでもらって苦しんでもらおうという奴なのだ。
そんな川の畔で触手さんは、触手をウネウネ伸ばしながら、三途川へと向かおうとしている美少女幽霊を次々と捕縛していた。
美少女幽霊は足がないが、肌が死人のように真っ白な所が魅力的で、とても新鮮で冷たい触り心地がキュートである。

「たまらんでござるっ!絶対に死なない嫁とか最高でござるっ!
幽霊の女の子は、全て拙者の嫁なのでござるよっ!
転生なんてせずに、拙者の触手で気持ち良くなるといいでござるっ!」

幽霊の女の子達から悲鳴も逃げるそぶりもない。
この絶望しかない世界では、触手さんに捕まって、快楽漬けの花嫁になった方が幸せだからだ。
むしろ、捕まて花嫁としての教育を受けるために、次々と触手の中に飛び込んでいるくらいである。
触手さんも、こんなにも積極的な女の子達は初めてなので興奮して、お嫁さんとして調教・・・いや、教育することを楽しんでいる。

「皆、ビッチだらけでござるなっ!
拙者と触れ合う事が大好きな女の子だらけとか最高なのでござるっ!
本当にモテモテでごめんでござるっ!」

・・・3億人ほどの幽霊娘を捕まえてお嫁さんにしてあげた頃には、周りには女の子以外の絶望して沈黙を保っている幽霊しかいなくなっていた。
触手さんは、そんな幽霊を全部無視して、お嫁さんを大量にゲットした事を喜び、幽霊達が向かっている方角・・・三途川へと行こうとしている。
幽霊娘は食事を取らす必要がないので、全員触手さんの中で生き続ける事が確定し、快楽でヘブン状態っ!という奴である。
このまま触手さんと一緒にいたら、全員が触手さんに吸収されて同化しちゃうが、それも一種の愛の形だった。

「モテモテのイケメンで本当にごめんでござるっ!
拙者と一緒になって生きるでござるよっ!」









第一話  三途川には、たくさんのお嫁さんがいるでござるっ!









三途川には、死者を裁判所まで輸送する仕事をしている死神達がいるのだが、今日は全員が仕事を放棄して、三途川を小舟で逃げていた。
皆、それなりに美しい不老美少女であり、悲しみにくれている死者達を慰めるプロフェッショナルである。
しかし、現在は職務を放棄して逃げないと、全長100kmの触手さんのお嫁さんという新たな人生を歩まないといけなくなるのだ。
可愛い死神娘はひたすら逃げる。
特殊な小舟を使わないと、川に消化されちゃう仕様だが、全長100kmの触手さんが普通に触手を伸ばすだけで全員が捕まるほどに触手さんがでかすぎるっ・・・!
触手さんの行動を傍から見ると、幽霊を食べて大量虐殺しているように見えるだけに、死神娘達の焦燥感は本物だったのだ。

「凄い美少女でござるよっ!皆和服を着て、おっぱいボインボインの和風美少女でござるっ!
たまらんでござるなぁっ!
ぜひとも拙者のお嫁さんとして頑張って欲しいでござるっ!
おっぱいが強調される可愛い和服をいつか作ってあげるでござるよっ!」

死神娘達の必死の逃亡は全部無駄である。
次々と触手さんの触手が伸びてくる上に、ワープまでしてくるので美しい死神娘達は触手さんの内部に格納されて、花嫁教育を受けるしかなかった。
別の触手から白濁な液体とともに、死神娘が着ていた和服がビュッビュッと吐きだされて、三途川に沈んでいる。
触手さんが新しい服を作ってくれるまで、ずっと裸だ。

「地獄の入口は素晴らしい所でござるっ!
こんなにも美しい不老不死嫁が簡単に手に入るとか最高なのでござるよっ!
もっと早く地獄にくるべきだったでござるっ!」

おっぱいボインボインの妖艶な死神娘の全員が、触手さんの中でお嫁さんになるための修行中になるのに1時間もかからない。
触手さんはとても気分爽快でスッキリな気分で、地獄めぐりをしようと川を泳ごうとする。
気分は、世界記録に挑戦する水泳競技者だ。

「拙者の華麗な水泳テクを披露するでござるっ!
こんな川は触手でスイースイーなのでござるよっ!」

触手を使って川が真っ二つになりそうな感じに振り回す。
全長100kmなので普通に川の底に触手が着くはずなのだが・・・三途川は罪に溺れた死者を裁判所に到着する前に永遠に苦しませて消滅させるという川だ。
当然、底なしであり、触手さんは裁判所に到達させてはいけないクラスの罪人だと思われている。

「・・・ずぶずぶと沈んでいるでござる。
こんなに深い川は初めてでござるよっ!
水泳に適していない駄目な川なのでござるっ!」

触手さんは泳げないと理解したので、それぞれの触手から炎を噴出して空を飛んだ。
川を泳げないなら飛んで飛び越せばいい。
そんな発想で真空波が幾つも発生する驚異的な速度でグングンと三途川の上空を飛ぶが・・・岸が見えるのに岸に到着しないという不思議現象に遭遇する。
裁判所で裁く以前の問題の罪人は決して、岸に到着できない仕様になっているのだ。
近づけば近づくほど物理的に距離が伸びて、目的地に到着できない。

「地獄の入り口は不思議なところでござるっ!
でも、イケメンの拙者にはそんなことは関係ないでござるよっ!
ワープでござるっ!」

そんな鬼畜仕様は、触手さんの前で無意味だった。
普通に空間を跳び越して、岸までやってきたのである。
全長100kmだから、岸の近くにある裁判所まで粉々に粉砕してしまい、魂を裁く閻魔様(1兆400億歳)もお亡くなりになられた。
触手さんの前にあるのは、地獄へと続く奈落の道と、触手さんの住居である天界へと続く天空の通路である。
触手さんはどっちの道に進もうか考えて

「天空へと続く道は綺麗でござるっ!
でも、天使ちゃんの気配がするから自宅へと帰る道でござるっ!
拙者はミーナちゃんの気配がする地獄へと行くでござるよっ!」

地獄へと続く道を選んで、入り口が小さくて通れないから破壊して侵入したのだった。
番犬である妖怪達が入口付近にいたりするが、そんなものは確認する前に消滅して死亡である。

「地獄の美少女達は全て拙者の嫁でござるっ!
どんな美少女がいるのか考えると、ムラムラして大変なのでござるよっ!」



あとがき

(´・ω・`)地獄の美少女が危ないっ!


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