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料理大好きエルフ
4話「ダンジョンがある国とオイル」@「私は今年で2200歳さ」「僕も2200歳です」5KB


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オイルとは? 油です。大昔は貴重品でした。

オイルとは? 関係ないですけど、天ぷら作る時に、質の良い揚げ物油使うと食感がシャリシャリッ!サクサクっ!になって素敵です。

ラッキーオイルとは? 機械歩兵の皆さんが好む飲料油です。私が作りました。悲しいですよね……食事の楽しみがこれくらいしかないとか。



今日のラッキーの店は、月に一度の『機械歩兵料理の日』。
店内には特製オイルが入った容器を振舞って、楽しそうにしているラッキーがいる。金髪の幼いエルフ娘(約100歳)だ。汚れても良い黒いエプロンドレスを着ている。
店内には、軍に所属する機械歩兵達がたむろして、オイルをチビチビ飲みながら、雑談やネットゲーに勤しんでいた。

「やっぱりゲームは、ナポの不思議なダンジョン9が至高だよな」
「はぁ?皆で遊べる落ちゲー『ミーニャンミーニャン3』が一番だろ?定期的に大会もやっているから楽しいぜ?」
「俺……友達少ないし」
「悪かった親友。今度、一緒にミーニャンミーニャン3やろうぜ?
可愛い狐娘がたくさん落ちてくるんだ」

そして、また新しいお客さんが入ってくる。
カランッカランッ。
鈴の音とともに入ってきたのは、青い機械歩兵ブルー。黄色い機械歩兵イエローだった。
ブルーは元帥で、イエローはその副官という偉い立場に立つ機械歩兵だ。外見と名前が一致しているから誰でも覚えやすい。
彼らはカウンター席へと座り、目の前にいるラッキーに

「やぁ、ラッキーちゃんお久しぶり、ラッキーオイルを10本ほど貰うよ」
「やっぱりここのオイルが一番ですよね、提督。あ、僕も同じオイルを5本ほど頼みます」
「本当にお久しぶりです、ブルーさん、イエローさん」

ラッキーは花が咲いたような笑みを浮かべて、久しぶりの再会を祝した。
すぐにラッキーオイルの容器20本を魔法の鞄から取り出し、カウンターに置いて並べる。

「オイル5本は無料サービスです。
ゆっくりと飲んで楽しんでくださいね」
「ああ、なんで素晴らしいエルフ娘なんだ!イエローもそう思うだろ?」
「僕の目の前に聖女がいます!これがリア充体験って奴ですよ!」

ブルーとイエローは首を360度回転させて、自分たちは感動しているぞ!とアピール。
機械歩兵の体の柔軟さを見たラッキーは苦笑いしながら

「代わりに面白い話を聞かせて貰えませんか?
ブルーさんの話ってユニークで素敵なんですよね」

この展開を待ってました!と言わんばかりにブルーがペラペラと語りだした。

「ちょうどいいネタが一つあるよ、ラッキーちゃん。
これはそう、ダンジョンがある国の話さ」
「提督っ!?おいこらっ!?オチが酷すぎるアレを語るんですか!?」

現代風ダンジョン物語が始まった。



〜4話「ダンジョンがある国とオイル」〜


それはモッフフー帝国の版図から遠く離れた浮遊大陸。
現地の交通手段が人力車しかなくて文明レベルも低い。
そんな場所だったが……特別な特徴があった。
それは『異世界から次々と建造物が飛んでやってくる事』
ブルー元帥は長期の休暇を利用して、イエローと一緒に現地へと訪れた。

「異世界の遺跡探索は、男のロマンって奴さ、イエロー」
「提督……成長しましたね。
ネットゲー以外の方法で休日を過ごすなんて素敵ですよ」
「実は容量が低いミーニャンミーニャンを機械頭脳内に起動して、遊びながら会話してる。
レトロゲーって素敵だよね。メモリーに負荷が全くかからないよ」
「今までの発言が全て台無しだっ!?
というか提督は勤務中もレトロゲーやりながら仕事しているでしょ!?」

雑談をしながら、二人は背中のスラスターを吹かせて空をビューンッ!と飛んだ。
地上には異世界から飛んできた『東京タワー』『姫路城』『ホワイトハウス』『ピラミッド』『幻の大阪城』『織田信長の遺体』などがゴロゴロと落ちている。
気になった事に、茶色の巨大デパートの前に……小さい女の子が居た。
幼いエルフ(約100歳)の少女だ。足元まで届く輝く銀髪が特徴的。真っ黒な魔女娘ローブを着ている。
ブルー達は少女の目の前へと着地した。

「な、なんじゃ?お主ら?
魔物の類かの?」

少女は驚いて身構える。ブルー達は安心させるために身元を明かした。

「私達はモッフフー帝国の機械歩兵さ、小さなお嬢さん」
「僕達は怪しい者ではありません」

少しの間を置いて、少女は首を傾げた。

「……モッフフー帝国?
あの開国して早々にオーク22億匹を虐殺した超大国かの?
たくさんの国々を属国にして、定期的に国を潰しとるあれ?
わ、わっちの命を取ったりするのかの?」
「僕たちの評判が酷すぎる件?!
いや、確かに1200年前くらいに大量虐殺しましたけど、僕たちは無意味な殺しはやりません」

イエローが首を360度回転させまくりながら答えた。
機械歩兵の仕草にギョッ!と驚いたエルフ娘だったが、今までのやり取りで安心したのか

「……まぁ、お主らが殺す気じゃったら、わっちは殺されとるのう。
そうじゃ、そうじゃ。
お主ら、このダンジョンを一緒に調査してくれんかの?」

少女が目の前にある超巨大デパートを指差す。
首を回転させるのを止めたイエローがゆっくりと答えた。

「ダンジョン?」
「この国に住む、わっちらはのう。
異世界から飛んでくる建物をダンジョンと呼んどるんじゃよ。
目の前にあるダンジョンは、まだ荒らされてない様子での。
きっと貴重な品々がたくさんあると思うでありんす」
「僕たちも分け前貰って良いんですか?」
「ええぞ、ええぞ。
わっち1人じゃ運べる分が少ないしのう。
あ、わっちの自己紹介がまだじゃったな?
わっちはトル・ネェーコ。123年の長き時を生きたエルフ娘じゃよ」
「僕はイエローです。
モッフフー帝国のスタイリッシュ宇宙艦隊に所属しています」

イエローに続き、ブルー元帥も面倒くさそうに

「私はブルー元帥さ。階級とかは特に気にしなくて良いよ、トルお嬢ちゃん」
「わっち、123歳なんじゃけど?
年配へのちゃん付けはさすがに嫌でありんす」
「私達が住む社会は超長寿社会でね。
100歳は幼い子供扱い、1300歳でも若者扱いされる国なんだ」
「酷すぎるでありんす!
お主ら何歳じゃ!」

驚くトルの問いに、ブルーとイエローはカメラアイをピカピカ光らせて

「私は今年で2200歳さ」 「僕も2200歳です」
「お主ら長生きしすぎじゃろ!?
わっちのお婆さん並じゃよ!?」

こうして彼らのダンジョン探索が始まった。

Aに続く




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