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ゆっくり戻るよ!

冒険者ギルドから大墳墓まで、馬車で10時間ほど行った先にあった。
馬車は、馬が木製の荷台を引くという構造になっている。こんな重い物を運べる馬って生物は凄い。風の精霊さん並かもしれない。
あと、冒険者ギルド専用の代物で、料金は片道1万ジュエルらしい。
10人いるから、往復で20万ジュエル。借金が出来ちゃったようだ。

【ぎゃあああああああああああああああっ!!!!
ラッキーが肉便器の道を歩んでいるよおおおおっ!!!!
交通費が高すぎるううううううっ!!!!!!】

ゾンビをたくさん駆除しないと赤字って奴だな。
ハゲ男達の方は涙を流しながら悲しんでいる。遺書っていう手紙を書いているようで楽しい。
何のための手紙なのだろう。
人間のやっている事はいつも不思議だ。
既に目的地に着いているのに、未だに書いていて凄い長文。
ハゲ男達が意気消沈している中、私は馬車からジャンプして地面へと降り立つ。
衝撃は風の精霊さんが自動的に消してくれるから、痛くはない。
そんな事よりも、大墳墓らしき大きな石の建造物が遠くに見え、その付近に人型の生物がたくさんいる方が興味深かった。

「死ねええええええええええええええええええええっ!!!!
給料を未払いをずる奴は死ねええええええええええっ!!!!」
「時間を返せえええええええええええっ!!!!私の人生を返せええええええええっ!!!!」
「憎いいいいいいいいいっ!!!!冒険者ギルドが憎いいいいいいっ!!!!!」

どれも身体が腐っている元人間だ。服もボロボロで汚い。
人間は死亡しても、あんなに元気に動ける生物なんだと思うと、この世の神秘という者を感じる。
こんなのが人間社会の日常風景だと思うと、これから先の出来事も楽しみに思えてきた。クスクス。

【少しは死者に哀れみとか持とうね!笑っている状況じゃないよ!
あと、これは日常じゃなくて非日常の部類だと思うよ!】

 

 

 

第四話    最底辺の末路な大墳墓へようこそっ!
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「ゴミっ・・・!稼げぬ奴はゴミに過ぎぬっ・・・!
失敗して死んだ奴らは敗者っ・・・!圧倒的なまでに弱者っ・・・!
生き残りたいならっ・・・!ゾンビすらも踏み躙れっ・・・!
そしてっ・・・!覚悟がするがいいっ・・・!死をもってしてもっ・・・・!逃げることは許さぬっ・・・!
くっかかかかかかかっ・・・!」

by   死んだ冒険者のために大墳墓を作ってあげた心優しい冒険者ギルド長
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ゾンビの数は見える範囲だけでも100人くらいはいる。私達を見たことでゆっくりと向かってきたけど遅い。足がフラフラで転んでたりして遅すぎる。
ハゲ男達がこれに怯えていて、馬車を操作する人も恐怖している。
武器は馬車の人しか持ってないから、余計に怖がっているようだ。
人間は武器がないと闘うの困難だと、最近知ることができて新鮮で楽しい。

「「「武器もないのにどうすればいいんだああああっ!!!!!!」」」」

私よりも遥かに体格がいいハゲ男達が騒いでいる様子から、武器の大切さとか、そんなのが伝わってくるような気がする。
私の武器は風の精霊さんみたいなものだから、武器が必要という感覚の方はよくわからない。
こうやって、風を圧縮して、真空波を出せば、一気に大量殺戮できて便利だから、ナイフや刀って料理以外の何に使うのだろう。
ゾンビへと向かった真空の刃が、ゾンビを切断してバラバラにしている光景からして、刃物は切れ味的に使うのは有り得ないと思う。
逆に真空波だと料理できないから、ナイフを風の精霊さんに操作してもらって料理した方が便利だね。
・・・・・あ、人間は精霊さんが使えないから当然か。常識が違いすぎて楽しいね。

【ゾンビの数が多すぎて、ラッキーにツッコミを入れられないよっ・・・!
真空波で5、6体しか処分できないから、たくさん出さないと大変だねっ・・・!】

ゾンビが大墳墓の方から次々とやってきて、数が多い。
これだけ腐った大勢の元人間がいるなんて、やっぱり神秘的だ。
死亡しても、生前の執念とかを持っていて叫んでいて凄い。

「じねええええええええええええっ!!!!若い女は死ねえええええええっ!!!」
「娼婦として生活してたけど、病気になって死亡じだがら、若さが憎いいいいいいいっ!!!!!!!」
「羨ましいいいいっ!!!!生きている事そのものが妬ましいいいいいいっ!!!!!!!!」
「殺すううううっ!!!!食べるううううっ!!!!!!!」
「冒険者ギルド長はじねえええええええええええええっ!!!!!!」
「俺の人生を奪った冒険者ギルド長が憎いいいいいいっ!!!!」

【あの鬼畜ロリ娘が恨まれすぎだよっ・・・!
本当に色々とやりすぎだね!さっきから真空波を出しているけど、本当に数が多すぎて困るよっ・・・!
一応、同じ被害者同士で殺しあうなんて・・・・・最低最悪すぎるにも程があるでしょおぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!】

なんだろう。ゾンビ達の行動が凄くワンパターンだ。
真空波でバラバラになっても何のリアクションも返してくれなくて飽きそう。
ここはてっとり早く、真空波をたくさん出せるように精霊さんと一緒に努力してみる。
あの大墳墓を見学したくなってきたから、全部殺そう。
背後からハゲ男達の応援も聞こえてくるから、良いBGMだと思う。

「ヒャッハー!姉御はすげぇっー!」「一生、エルフの姉御についていきやすぜぇっー!」
「最高だぁっー!俺達もお零れに預かるぜっー!」「ゾンビどもぉっー!勝ち組である俺達を憎んで死ぬがいいっー!ハッハハっ!」

【ハゲ達が調子に乗りすぎでしょぉぉぉぉぉぉっ!!!!!
頑張っているのは私なのにラッキーまでお調子者すぎて困ったよ!
少しは死者への敬意を持とうね!生きている者は誰だって死ぬんだよ!】

エルフって、死ぬと動かない世界樹になるから死なないと思う。

【逆にラッキーにツッコミを入れられて屈辱だよ!】

 

 

 

 


ゾンビを全てバラバラにして処分するのに1時間くらいかかった。
最終的に1000人くらいバラバラにしたらしい。6人くらい生きている人間がいたような気もするけど気のせいだね。
大墳墓の方は、ひたすら大きい何もない部屋がたくさんあるだけで、つまんなかった。
何も入ってない棺桶がたくさんあるだけで本当に他は何にもない。装飾を身に着けている状態でバラバラになっているゾンビを見た方が楽しいと思う。

【普通にDランク冒険者な首輪をつけている人間がいたよっ・・・!
でも、ラッキーのためにも黙っておいた方がいいから、気のせいだと思えば良いよ!
素直に話したら肉便器にされるからね!】

なぜ、肉便器になったらいけないのか気になるけど、素直に従っとく。
私が周りの見学や風景を見て楽しんでいる間に、ハゲ男達がゾンビの中から怨念結晶って奴を取り出して、次々と袋に入れているのが見えた。
怨念結晶は黒色の炎がガラスの中にあるような、そんな不思議な構造をしている。

【普通に人間の魂って奴だよ!
不思議現象に私がツッコミを入れたいくらいだよ!】

人間の魂っていう物質は綺麗だ。神秘的で美しい。
依頼の紙に書いてあった通り、あれと交換で報酬を得られるらしい。
私はこういう地道な作業は嫌いだから、精霊さんに任せようと思った。

【今の私は、離れた場所で繊細な作業はできないから無理だよ!
せいぜい、ラッキーを守ったり、髪の手入れをしたり、虐殺くらいしか出来ないよ!
その首輪が本当に邪魔だね!】

つまんない作業はハゲ男達にやらせればいい。
今回の仕事で報酬が2000万ジュエルくらい貰えると思うから、それで何をしようか考えて楽しみにしておこうと思う。
・・・・・・・・?ゾンビが1匹だけ頭だけの状態で生きてる。いや、死体に生きてるって表現は可笑しいかもしれない。
すぐにトドメを刺そうかと思ったけど、言っている内容が興味深い。

「ピンハネはじねえええ・・・・・ピンハネで生活ができないいいい・・・・・冒険者ギルドのピンハネが憎いいいい・・・・」

ピンハネって何だろう。
ゾンビにまともな思考がないから、返答してくれないからつまんない。

 

 

 

 

あとがき


(´・ω・`)本当の敵はっ・・・!どこにいるっ・・・!

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