ゾンビ退治から馬車で帰ってきた私達は、大量にあった怨念結晶とともに依頼の成功を黒服に伝えた。
黒服は仕事を成功すると思ってなかったせいか、少しだけ焦っていたのが印象的だった。
この少し老いていて、渋い雰囲気のする人間は好きになれるかもしれない。

「・・・・仕事の成果を査定する。査定が終わったら、放送で呼び出すから注意しておけっ・・・!」

正確な報酬額を計算するために頑張ってくれるらしい。
私は無言で場を立ち去り、ハゲ男達を置いて、ギルド内部の探索をしようと思った。
道中で触れようとしてくる男達が電撃で気絶し、人間にはロリコンとやらが多いと理解する。
ロリコンっていう響きが良い。この言葉を考えた人間は天才だ。

【変な所で感心しないでね!
小さい娘が性的な意味で好きってのは犯罪なんだよ!】

早く査定が終わらないだろうか。
お金がないせいで有料施設に入れない。
こういう所が苦痛だと思った。トイレも有料なだけに、お金がなかった時はどうすればいいのだろう。

【エルフは食べた物をほとんどエネルギーに変換するから、ラッキーには意味がない施設だよ!
そんな心配はしないでね!】

風の精霊さんが凄く強力な理由がわかってきたような気がした。きっと私から流れてるエネルギーを使ってるんだ。
なんで今まで教えてくれないのだろう。
あと、小の方は出るからトイレに行けないのは不味いと思う。








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「仲介料は正当な報酬っ・・・!冒険者ギルドが仲介した仕事だから当然の権利っ・・・!
それがっ・・・!冒険者を苦しめるほどの額だとしてもっ・・・!我慢しろっ・・・!
税金の天引きっ・・・!保険っ・・・!そういう事を全部やっているからっ・・・!安心して働けっ・・・!働くがいいっ・・・!
お前達は考える必要すらないっ・・・!」

by  給料を払ってくれる冒険者ギルド長
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1時間ほど冒険者ギルドの中で私は暇を潰していた。
途中、触ってくる人間の男達が電撃でビリビリになって倒れていて、ワンパターン。
通路は倒れた人間がたくさんいる場所になっていた。

【性犯罪者が多すぎるよっ・・・!ローブは露出が少ないのに可笑しいにもほどがあるよっ・・・!】

風の精霊さんが何を困っているのかよく理解できないけど、また他の人間が、私の胸の所に触れようとして電撃でビリビリになっている所に大きな声が聞こえた。
どうやら、その声は冒険者ギルドのあちこちにつけられている黒い箱から出ているようだ。
冒険者ギルド長の声と同じで可愛らしい。

≪Eランク冒険者ラッキーっ・・・!至急、報酬受取センターまでこいっ・・・!
繰り返すっ・・・!Eランク冒険者ラッキーはっ・・・!至急、報酬受取センターまでこいっ・・・!
こない場合はっ・・・!肉便器っ・・・!紛れもない肉便器っ・・・!くっかかかかかかっ・・・!≫

冒険者ギルド長直々に、報酬をくれるようで嬉しい。
周りにハゲ男がいないから、電撃でビリビリになっている人間に聞いてみよう。
人間は電撃を浴びて痛い思いをすると、素直になってくれるんだ。
この人間の男も従順になって、顔が恐怖に染まっている。

「ひいいいいいっ!!!!!!すいませんっ!
出来心だったんだですうぅぅぅぅっ!!!!!
決して、部屋に連れこんでレイプなんて考えていやせんでしたぁぁぁぁぁっ!!!!!
大人しく場所を教えるから助けてくれぇっー!」

【セクハラの次元を軽く超えようとした事をやろうとするロリコンばっかりにも程があるよっ!!!】

人間が大量に繁殖するのがわかった気がした。
とってもエッチィ種族って奴だね。











報酬受取所はビルの最上階だった。
お金がないから有料エレベーターっていう乗り物が使えなくて、階段を歩かないといけなくて遠い。
階段で人間を気絶させると、大怪我して死ぬかもしれないから、風の精霊さんが気を使っていたようだ。
報酬受取所の外見そのものは、とても大きな広間になっていて、複数の受付がある。
黒服が10人くらいいるけど、立っているだけのようだ。
私は冒険者ギルド長が受付の椅子に座っていたのを見たので、喜んで歩いて向かった。
今日のギルド長は、白くて簡易なワンピースを着ていて、豪華な装飾が施された白色の帽子を被っているから可愛い。
私が近付くと、いつものような不思議で怖い笑みを浮かべて

「報酬を払ってやるっ・・・!喜べっ・・・!お金は命の結晶っ・・・!
これを受け取れる事を喜ぶがいいっ・・・!未来の幹部っ・・・!もしくは肉便器っ・・・!
くっかかかかかかかっ・・・・!」

ギルド長が札束を机の下から取り出して、バンと置いてくれた。
ジュエル紙幣はギルド長の顔が描写されているから可愛い。

【あ、明らかに厚みが足りないでしょおぉぉぉぉぉっ!!!!!!
2000万くらい稼いだはずなのに、60万ジュエルくらいの厚みしかない有様だよ!】

あ、本当だ。量が少ない。
なんで少ないのかギルド長に聞いてみよう。この人は親切で良い娘だと思う。

「額が少ないだとっ・・・?ありあえないっ・・・!そんなことはありえないっ・・・!
仲介料で4割っ・・・!インフラ設備1割っ・・・!死亡保険で1割っ・・・・!税金の天引きで1割っ・・・!
合計7割を引いた額だっ・・・!」

可笑しい。それでも、600万ジュエルくらいは貰えるなのに可笑しい。
ギルド長は悪い人なのかもしれない。
さっきまでは、肉便器になったら、こんな娘を産んでみたいと思ったけど勘違いだったのかもしれない。

「お前達は10人パーティで依頼を受けたっ・・・!つまり分配っ・・・!公平な分配っ・・・!
10等分すればいっ・・・!1人当たりの報酬が200万ジュエルになるっ・・・!
そこから7割を引けばっ・・・・!60万ジュエルっ・・・!
我が冒険者ギルドはっ・・・!チームワークを重視するが故の報酬体系っ・・・!
個人の力など高が知れているっ・・・・!くっかかかかかかっ・・・!」

【】
















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