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ゆっくり戻るよ!



俺は生きるために仕事を貰おうと、斡旋所と呼ばれる場所へと向かった。
この冒険者ギルドの建物は恐ろしいほどに大きく、向かう途中で一つの小さな町だなと思うほどに大きい。
斡旋所の施設も広く、数百人の人間が仕事を探している。
壁にたくさん貼り付けられた紙が仕事の内容らしい。
紙を壁からとって、黒服の所まで持っていく奴がいるから、それで正しいのだと俺は思った。
ちなみにラクシズは俺の頭の周りを飛んでいる。なんで他の人間には見えないんだろうな。

【私のほうが聞きたいわよ!
あと、仕事を選ぶ権利があるだけ、奴隷よりはましよね。】

ああ、クーニャちゃんが経営している組織だから優しいに決まってる。
こんなに大勢の人間が仕事を探している時点で優しいな。うん。
早速、仕事の内容を見てみるとするか。
俺は人ごみの中に紛れて、壁へと近づいた。
その時、俺の耳に周りの人間の声が届く。

「なんだよ!低賃金か、辛い仕事ばっかりだぜっ!」「もっと高級な依頼が欲しいわね!」
「あいつら俺らを奴隷だと思ってやがるっ!」「あの鬼畜ロリババアっ!いつか絶対殺して・・・ぎゃああああああああああああああっ!!!!」

唐突に不安になったが、気にせずに壁に書かれている仕事内容を見てみるとしよう。

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(Eランク)シジガミ祭り  期間3日 報酬300万ジュエル

男だらけの村で開催される祭りです。
三日間ほどの仕事で、若くて可愛い女の子限定。
巫女服を着て、オジサン達と仲良く運動しよう!

『冒険者ギルドからの注意』 受けて帰ってきた女性はいない。
死亡しても自己責任。
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ひでぇっ・・・!絶対にエロい事されて人生終了しているな。これ。

【・・・・注意書きつきで出しているだけ、マシだと思えばいいのかしら?
この依頼を出した男は、アンタと同じ目に会えばいいのにね!】

他の仕事をみてみよう。マシな仕事が絶対あるはずだ。
ここはクーニャちゃんの組織だから、良い仕事は見つかるはず!

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(Eランク)倉庫の管理  期間1ヵ月  報酬5万ジュエル

倉庫の中にある荷物を管理するだけの簡単な仕事です。
1日8時間ほどで簡単です。
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なぁ、そもそもジュエルって何だ?
クーニャちゃんの顔を見てニヤニヤしてたせいで、演説の内容を半分以上聞いてないから、わからん。
この国の通貨はユンヤーだったはずだ。
ユンヤーと同じ価値なら、100ジュエルでパン一つくらいか?

【私に聞かれても困るわよ。
あんたの思っている事が流れてくるから、演説に集中できる訳ないじゃない。】

これは困ったな。
これじゃ、依頼の内容が安いのか、高いのかわからん。

ガシッっ!

そうやって俺が困っていると、背後から肩を強く掴まれた。
肩が痛くなるほどに力が強い。
俺は身体ごと大きく振り返って相手を確認すると・・・・黒服。俺を部屋に案内した後に、顔を殴った黒服がいた。
年齢は30歳くらいだろう。俺を睨みつけていて殺気を発している。

「貴様には、特別な仕事を用意した!
この仕事をやれっ!」

黒服が、紙を俺の顔の前まで突きつけてきた。
仕事まで特別なのか。こりゃ、クーニャちゃんに意識されているな。
どれ、内容を読んでみるとしよう。

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(Dランク)闘技場で剣闘士のアルバイト   期間1日  報酬30万ジュエル

闘技場で一回だけ闘うだけの簡単な仕事です。
誰でも活躍できます。
剣を持っていないのなら、剣をお貸しします。

『冒険者ギルドからの注意』 戦いに負けたら高確率で死ぬ。
死亡しても自己責任。
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【さっさと死ねって、初恋の子に言われているようなもんね。】

いや、違うな。これは試練だ。
クーニャちゃんのパンツを見るための愛の試練だ。
この程度の事が出来なければ、一緒になる資格すらないんだろう。
それに俺には切り札がある。風の精霊魔法っていう切り札がな。

「受けろっ!早く受けろっ!」

俺が黙りながら、ラクシズと心の会話をしているせいか、黒服に軽く顔をはたかれた。
反撃してやりたい所だが、この黒服は強そうだ。
大人しく依頼を受けるとしよう。
俺は格好よく顔をキリッとし

「わかった。受ける。」

格好よく宣言したのだ。

【黒服にびびって、素直に仕事に承諾したようにしか見えないわよ!】

 

 




第3話 危険で死亡しちゃう仕事にようこそっ!
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「死亡しても自己責任っ……!それがどんな理不尽な仕事でもっ……!
受けた以上は自己責任っ……!くっかかかかかかかかっ……!」

by  主人公の愛するクーニャちゃん。
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この都市にある闘技場は、闘う男達を大勢の人間が見れるように、闘う舞台であるグラウンドを囲むように出来ている。
遠くになればなるほど高い段差を作る事で、全員が見れるように配慮してあるのだ。
そして、闘技場は大勢の観客達で埋め尽くされている。
数千人はいるだろう。片手に紙を持って、熱い声を上げている。

「「「「「死ねっ!死ねっ!」」」」」「「「「「殺せっ!殺せっ!」」」」」
「「「「無様に死ね!死ねっ!」」」」」「「「「負けて死ねっ!死ねっ!」」」」

なんて酷い場所だ。
都会とは恐ろしい場所だと聞いた事はあるが、本当に恐ろしい。

【お金とか賭けているから、余計に盛り上がってるのよ。
たぶん、あんたが死ぬ方に賭けている客の方が多いわ。
ほとんど死ねって言ってるしね。】

殺し合いを賭けの対象にするとは、本当に恐ろしい。
・・・・ん?よく見たら、透明なガラスに囲まれた豪華な場所に、クーニャちゃんがいる。
何かを飲みながら、足を組み、こっちを見て笑っていて可愛らしい。
この位置からだと、スカートの中のピンクと白の縞々パンティーが見えてエロい。
あの縞々具合がたまらん。
太股とか見ているだけで、唾をのむほどの色っぽさだ。
クーニャちゃんは俺が勝利する瞬間でも見に来たのだろうか。

【あんたが死ぬ瞬間を見るために来たのよ!
なんで、あんな鬼畜な女に惚れてるのっ!?ありえないでしょっ!】

そりゃ、可愛いから・・・・? 観客の反応が変わった。
闘技場にある門の一つが開き、鎧を着た大男が歩いてくる。
ハルバートっていう斧と槍を合体させた武器を持っていて、凄く強そうだ。
・・・・やばい。相性が最悪かもしれない。
俺、短剣しか持ってないから、鎧着ている相手だと辛いぞ。
ハルバートの方が長いから、無理ゲーかもしれん。

「ごほんっ!ごほんっ!」

そんな俺の焦燥感を無視して、新しい声が上がる。
その声の主は黒服を着ている男だった。クーニャちゃんの周りにいたような気がする顔だ。
手に白いメガホンを持っている。あれで音が拡大されて声が大きい。

「この試合の審判を務める者だぁー!
試合は降伏を宣言するか、死んだら負けぇーっ!
それ以外のルールはないっー!
この闘技場から逃亡すれば、射殺するっー!
正々堂々とした戦いを求めるっ!卑怯な行いには戦いの神から死が下るだろうっ!」

シンプルでわかりやすいが残酷なルールだ。
クーニャちゃんが見ている前で降伏なんて宣言できる訳ないだろっ・・・!
切り札を使っても危うい戦いかもしれない。俺、人を殺した経験がないから、躊躇する気がする。やばい!
黒服が、そんな俺の焦りを気遣ってくれる訳もなく、試合開始の宣言となる言葉を叫ぼうとしている。
まだ、気持ちも落ち着いてないのに、これはひでぇっ!

「それでは両者っー!試合開始ぃっー!」

【試合開始が早すぎるわよっ!まだ、こっちは剣も抜いてないじゃない!】

人を殺す覚悟を決めないと死ぬっ!手伝ってくれラクシズっ!
お前が手伝ってくれないと絶対に死ぬっ!死ぬっ!

 

 

 

あとがき

(´・ω・`)鬼畜だぁっー!クーニャちゃんから鬼畜の匂いがクンカクンカするぅっー!

 

 


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