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ゆっくり戻るよ!

 

 

遥か天空で、俺は修行した。
そう、修行をやったんだ。
断じて、遊んでいた訳じゃない。
起きている間は、ずっと風の精霊魔法を使って修行して、そのために食費を300万ジュエルくらい使ってしまうくらいに修行したんだ。
そして、その成果はっ!

「ちくしょうぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!!!!!!!!!!
なんで、透明になれる時間が20秒伸びただけなんだぁっー!」

透明人間になれる時間が30秒に増えただけっ!
風の精霊魔法で、人間を殺傷できるレベルで放てるようになっただけで、透明人間にはほとんどなれない!
これじゃ、透明になってクーニャちゃんにエロい事ができないっー!
男の夢が砕け散ったぁっー!

【そんな事より、早く仕事を達成しなさいよ!
あと1日で爆弾が起爆して死んじゃうでしょっ!】

え?

【わ、忘れてたの?
今日中に民主主義党を壊滅させないと、あのエルフが爆弾のスイッチを押しちゃうでしょ!
こんな事を忘れるなんて信じられないわっ!】

「な、なんだってぇっー!」

修行に熱中しすぎてたら、仕事に殺されそうになってた。
な、なにをいってるかわからないかもしれないが、ラッキーちゃんと一緒に修行している内に、仕事の事を忘れてた。
本当に都会の仕事はハードだぜ。

 

 

 


第14話   犯罪はばれなければ犯罪じゃない世界にようこそ!
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「な、なんで残業したはずなのに残業代がないんだっ!?
あれだけ頑張ったのに、こんなの可笑しいだろっ!」

派遣先で、残業代を払って貰えなかったDランク冒険者の嘆き
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俺は、ラッキーちゃんに土下座した。
もう、これしかない。
ラッキーちゃんが俺の爆弾の起爆ボタンを持っている以上、土下座して押すのをやめてもらう事を願うしかなかった。
そして、ラッキーちゃんから帰ってきた返答はっ!

「・・・・わかった。爆弾のスイッチは押さない。」

やったぜっ!

「私の仕事が失敗すると、エルフを生産するための繁殖奴隷とやらにされるらしい。きっと新鮮な体験ができると思うから、仕事に失敗してみようと思う。」

≪駄目でしょぉぉぉぉぉっ!?!!?!!!!あんな家畜同然の仕事なんか駄目でしょぉぉぉぉぉっ!!!
少しは自分の身体を労わろうね!!ラッキーに相応しい人が見つかるまで、純潔は守らないといけないんだよ!≫

な、なんだとっ・・・?
ラッキーちゃんが仕事に失敗したら、そんな鬼畜な罰が待っている・・・?
きっと、繁殖奴隷という名前からして、恐ろしいほどにエッチで大変な仕事だと想像できるぜ。
さすがに、こんな可愛い娘が他の男達に抱かれるなんて、俺は嫌だ。
俺はラッキーちゃんの両手を掴んで叫ぶっ!

「そんなのは駄目だぁっー!ラッキーちゃんがそんな酷い目に会うのだけは嫌だぁっー!
お願いだから、繁殖奴隷になるのはやめてくれぇっー!」

「・・・・?爆弾のスイッチを押して良いの?」

「そ、それも駄目だっ!俺が死なずに、ラッキーちゃんも酷い目に会わずに済む方法を模索するんだっ!」

俺が死んだら、クーニャちゃんもラッキーちゃんも嫁にできなくなる。
考えるんだ。考えろ。
この状況を打破するための方法を考えるんだっ・・・!
きっと何か良い案がはずだっ・・・!閃けっ!天才なアイデアっ!閃くんだぁっー!
そんな風に、生き死にがかかった大問題を悩んで考えていると、俺の頭に座ったままのラクシズが

【ラッキーと協力して、仕事を今日中に達成すればいいじゃない。】

て、天才的な閃きだった。
ラッキーちゃんと協力するという発想が、俺から抜けていただけに良い発想に思えてくる。
風生首も、この案を喜び

≪やったね!
これでラッキーが繁殖奴隷にならずにすむよ!
あと、仕事に失敗したらボタンのスイッチを容赦なく押すんだよ!
ラッキーの純潔より、この変態の命の方が遥かに安いからね!
毎晩毎晩、ラッキーのベットに入ろうとしてくるから最低の変態だよ!≫

「うん。わかった。
この人間の仕事が失敗したら、爆弾のスイッチを押す。」

(#^ω^)風生首にピキピキきた。
夜にラッキーちゃんと一緒のベットで眠ろうと頑張っても、毎回邪魔してきやがる。
美少女を抱き枕にして眠るロマンを達成するくらいはいいだろうがっ!

【わ、私を抱き枕にしてもいいわよ!】

ラクシズは小さすぎて物足りないから駄目だ。
なんだろう。最近のラクシズは様子が可笑しいぞ。
冒険者ギルドに入る前よりも優しくなった気がする。

【・・・・・・・馬鹿】

 

 

 

 

 

 

 

ラッキーちゃんが作った誰にも見えなくなる透明な結界に入ったまま、民主主義党の本拠地へと向かった。
身体ごと空に飛ばしてもらって、優雅に石造りの街並みをラッキーちゃんと一緒に進み、民主主義党の建物が見えた。
3階建ての石造りの建物で、周りにたくさんの旗を掲げている。
そこには【神の名の元に全ての人間は平等】【奴隷にも権利を与えよ】【冒険者ギルド長は年金を400年間不正に受給している】【不老長寿すぎる魔族への年金支給廃止】【雇用促進】【縞々パンティーは禁止せよ】などの事がかかれており、平和そうだった。
建物の周りにいる人達も、善良で良い人間に見える。
清潔そうな服を着ており、活き活きとした笑みを浮かべていて元気そうだ。
とても怪しい邪教を信仰している危険人物には見えなかった。
だが、俺は仕事を達成しようと思う。
叔父も『ぐへへへへへへっ!人は見かけによらねぇぜっ!』って、自分の娘の尻を触りながら言ってたしな。

【その叔父さんの事を思い出すのはいい加減にしなさいよ!あなたのイメージが伝わってきて最悪だわ!】

ラクシズのツッコミが入る中、ラッキーちゃんと俺は、そのまま空を飛んで、高そうな窓ガラスを結界でぶち抜き、建物の中に侵入する。

ガシャーンっっー!!!!!!

ガラスの割れた音が凄く大きくて、心臓がドッキリしたぜ。

≪駄目でしょぉぉぉぉぉっ!??!!!そんな盛大に音をたてるやり方で侵入したらばれるでしょぉぉぉぉっ!??!?!≫

ラッキーちゃんは、かなり豪快な性格なのかもしれない。
ちなみに全ての操作をラッキーちゃんがやっているから、俺は何にもやってない。
それに誰にも見えなくなる結界を張ってあるから大丈夫だろう。
今も、部屋の外が大騒ぎになって、どんどん人が部屋に入ってきているが、見えてないから大丈夫だ。

「な、なんだ?」「誰が窓ガラスを壊したんだぜ!」

部屋に入ってきたのは、清潔そうな白い服を着たオッサン達が騒いでいる。
俺達の姿が見えてないから、楽勝・・・・あれ?
オッサンの1人が結界の方へと向けて歩いてくる。とても焦っている様子だ。
結界に手を触れて、ペタペタと触ってやがるっ・・・!
顔を見られると失敗認定される可能性があるから怖いぜっ・・・!
結界が壊れる心配をしていた俺を余所に、オッサンは他の人間がいる方へと顔を向けて

「金庫があったはずの場所に、見えない壁があるぞ!」

え?金庫?
俺は足元を見てみた。
すると、黒い金属製の大きな箱がある事に気がつく。。
どうやら結界のせいで、これが見えなくなったから、こっちに近づいたようだ。
他のオッサン達が結界を手で触り始めているから辛いな。
こっちからは姿が見えるから、オッサンに包囲されているような圧迫感がある。

トンっトンっ

ラッキーちゃんから肩を軽く叩かれた事で心臓が驚きそうだった。
どうやら何か言いたい事があるらしい。

「どうやって壊滅させればいいの?」

あ、そういえば壊滅させるのが仕事だったな。
俺は口を開いて質問に答える努力をしてみた。

「た、建物を燃やしたりとかは・・・・・・・」

「わかった。燃やす。」

「駄目だよなぁ・・・え?」

迷いながら言った俺の言葉を、そのままラッキーちゃんは実行した。
部屋の一部が一気に燃えあがったのだ。
そのまま、炎が部屋の内装に燃え広がり、オッサン達は慌てて部屋から逃げるように去っていく。
俺は絶句した。放火とか見つかったら、一家皆殺しレベルの大罪をあっさりとやるラッキーちゃんの凶行に驚く。
ラッキーちゃんは無垢な表情のまま

「これで仕事は終わった。
すぐに炎は燃え広がり、この建物は使い物にならなくなる。」

うーむ、どうすればいいんだろうか。
困ったな。俺が生きるためにも燃えてくれた方がいいだけに困ったな。
俺の視線の先には、足元の金庫が映っている。
とっても頑丈そうで、金目の物が入っていそうだ。
民主主義党にトドメを刺すためにも残しておくのは不味いな。うん。
これは仕方のないことなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

結果的に、俺は足元にあった金庫をラッキーちゃんに飛ばして運んでもらって、炎上する建物から脱出した。
そして、上空5kmのいつもの修行場へと移動し、そこで金庫の中を開けたのである。
そこには、この国の通貨があった。
金ピカの黄金の貨幣である。
憎たらしい感じに太った顔の初代女王様が描かれている100万ユンヤー金貨が1000枚あったのだ。
そう、10億ユンヤーの大金をゲットしたのである。
市民が一生働いても得ることができない巨額の大金。
つまり、一気に億万長者になったのだ。

「ひゃっほぅっー!これで俺は億万長者だぁっー!」

【泥棒行為で金持ちになった事を喜ぶんじゃないわよ!】

 

 

 

あとがき

(´・ω・`)外で使えるお金さんをゲットしたっ!


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