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風の精霊魔法で透明になったら、10秒持たずに気絶した。
何を言ってるかわからないかもしれないが、栄養失調とか、それと同レベルの膨大な栄養を消費して気絶した。
俺は食堂で絶望しながら美味しい飯を食べる。むしゃーむしゃー。
食堂は大きくて広いから、隣にラッキーちゃんがいるだけで、男達の嫉妬の視線が熱いぜ。むしゃーむしゃー。
今日の飯はDランク冒険者定食。ラッキーちゃんは1万ジュエルもするエルフ定食を食べている。
Dランク冒険者定食は、パンとシチューに、肉厚なハンバーグが追加されただけだが、とってもハンバーグがジューシー。むしゃーむしゃー。
何の肉だと言いたくなるほどに旨味成分たっぷりすぎて、美味い。むしゃーむしゃー
本当に癖になるような美味しさだ。和風ソースとの組み合わせが最高だ。
ラッキーちゃんの頼んだエルフ定食の方は、ワインが3本だけの簡素な物だった。
ただ、ガラスの容器の中に美味しそうで赤いワインが入れられていて、高級そうである。
それをラッキーちゃんは

≪ラッキーっ!次はどの球体を飲む?
過保護でごめんねっ!≫

風生首がワインの中身を全て空中に停滞させて、複数の球体を作り出し、それらにラッキーちゃんが口をつけてチュパチュパ飲んでいる。
完全に異次元すぎる光景だったが、風生首が過保護なのは理解した。
こりゃ、生活無能力者になるのも仕方ないな。一人で着替えも出来ないんだぜ。
ラクシズが、風生首と喧嘩するのも仕方ない。
小さい妖精みたいな娘と、生首が口論しているとシュールな物を感じるな。

【甘やかしすぎよ!
風の最上級の精霊だからって、ここまで契約者を甘やかすんじゃないわよ!】

≪仕方ないでしょぉぉぉぉっ?!!!?!?!
こうやって世話しないと餓死しちゃうくらいに生活無能力者だから仕方ないでしょぉぉぉぉっ!!!!!!!
エルフ定食だって、わざわざ用意してもらうまでが大変だったんだよ!≫

【少しは自分で何でも出来るようにしないと、大変な事になるわよ!】

これはひどい。
自分じゃ何にも出来ない美少女とか、ムラムラしてくるぜ。
着替えを手伝った時に、裸を見れて眼福だった。おっぱいおっぱい。

 

 


第13話  遥か天空の修行の世界にようこそ!

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「ひいいいいいっ!!!!!仕事をしたはずなのに修行とか言われて、給料がないっー!
今月をどうやって暮らしていけばいいんだぁっー!
給料不払いとか最悪だぁっー!」

給料不払いに嘆くEランク冒険者の嘆き。
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飯を食べ終えた俺達は、冒険者ギルドの屋上に来ていた。
この屋上は、クーニャちゃんの趣味なのか広大な庭園が造られていて美しい。
池や噴水まであって、クーニャちゃんは超贅沢すぎるな。
極少数の利用者に限られた夢のような施設らしいが、ラッキーちゃんが俺の身体ごと、建物外からここまで魔法で飛ばしてくれたおかげで無料だぜ。
ラッキーちゃんは俺の方を見ながら

「ここで修行すれば目立たない。
腹が減れば、食堂でエネルギーを補給すればいいと思う。」

なるほど、確かに目立たない。
ああ、目立たないな。
庭園で腕をプルプル震わせているクーニャちゃんがいるくらいだ。
もう怒っていても可愛らしい。
周りに黒服達がいなかったら、抱きついてクンカクンカしたい。

「貴様達っ……!こんな場所でデートとは良い度胸だっ……!
庭園を傷つける事は許さぬっ……!さっさと去れっ……!
去らぬなら死ねっ……!死ねっ……!」

結局、ラッキーちゃんの魔法で、地上から5kmくらいある空で修行する事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

遥か上空5kmって、どんな場所だと思う?
洒落にならないほど周りの光景が見えて美しいんだぜ。
何故か高い場所なのに寒くないしな。

【すごい技術よね・・・あんたと私まで飛ばしている時点で凄すぎるわ。
寒く感じないのは、周りに結界とか張ってあるからだと思うわよ。
ちなみに結界ってのは、壁みたいなもんだと思えば良いわ。】

俺もここまで精霊魔法を上達させて、クーニャちゃんと空で合体・・・いや、デートをしたいな。
こんな素晴らしい場所は、デートスポットにぴったりすぎる。
俺がそんな事を思っている同じく浮いているラッキーちゃんが

「ここなら目立たない。
遥か外宇宙の邪神くらいしか、今は見てない。」

「よしっ!修行を開始するとするかっ!」

食堂で100杯くらい食べたから、エネルギーが有り余っているぜっ!
まずは、風を操って、一気に噴出すイメージっ!
これで風を自由自在にコントロールだぁっー!

【イメージに反して・・・・ぷっ、そよ風しか出てないわね!】

ラクシズに笑われた。
ほとんど風を少しだけ動かす程度しか出来てなくて、格好悪い。
落ち込んでいる俺に、ラッキーちゃんは抱きついてきて・・・うおおおおっ!!!美少女に俺が抱きつかれているぞっ!
まるで天国だっ!クンカクンカ。
自然のように落ち着いた良い匂いだ。お尻も触ってみた。
これは良いお尻だな。うん。

「あなたの精霊魔法は無駄が多すぎて、ほとんど使えてない。
だから、ここまで近づいて、精霊魔法を使わないと無駄ばかり増えると思う。」

「な、なるほど。」

「今、精霊魔法を使うから、感じて欲しい。
頭で考える前に、感じ取って。
お尻なんか触る前に、集中して。」

ラッキーちゃんの身体の暖かさなら感じてる。くんかくんか。
俺はじっくりとラッキーちゃんに注目しながら、クンカクンカする。
すると、ラッキーちゃんの周りに透明な壁が生えてきた。
さきほどまで触っていた尻からも生えてきて、ラッキーちゃんの身体に微妙に触れられない。
ラッキーちゃんは疲れずにこんな事をやるから凄・・・・・おおっ!理解したぞっ!
俺の何がいけないのかわかった!
エネルギーが無駄に拡散しているとか、そんなのが原因なんだな。
さきほどからラッキーちゃんを見ていると、本当に無駄がない気がする。
可能な限り、エネルギーを無駄にしないように、工夫する必要があったんだ。

【で?やり方わかるの?】

さ っ ぱ り わ か ら ん っ !

【駄目じゃないのよ!】

一点集中した方が効率がいいってのはわかったが、ラッキーちゃんみたいに身体の周り全てを覆うような結界や、ここまで空を飛ぶために、どんな感じに無駄を減らしているのか理解すらできん。
ラッキーちゃんに聞いて見るとしよう。

「なぁ、どうやって無駄を減らしているんだ?
まだ、理解できないぜ。」

「・・・・E^2=m^2c^4+p^2c^2」

「え?」

「E^2=m^2c^4+p^2c^2」

「わ、わかんねぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!
何語だぁぁぁぁぁぁっぁぁっ!!!!!!!」

≪ラッキーはニートだけど、勉強だけはちゃんとやった子なんだよ!
・・・勉強しかやってなくてごめんねっ!≫

さっぱり理解できない。
こりゃ、ひたすら修行しろっていうアレだな。
・・・・・・・・・・残り一ヶ月間でどれくらい上達できるんだろうか。
俺は、ラッキーちゃんをクンカクンカしながら、まだ見えぬ未来の事を思うのだった。
都会でこんだけ頑張っても誰とも合体できてないとか、なんて酷い場所なんだ。クンカクンカ。
美  少  女  と 合  体  し  た  い 

≪残り28日だよ!
きっと、情け容赦なくスイッチをポチッと押すと思うから変態さんは頑張って修行してね!≫

 

 

 

 

 

あとがき

(´・ω・`)銀河英雄伝説のヤンを、ニートにしてみたら、こんなキャラになった。

「やぁ、僕の名前はニート。
冒険者ギルドの賢者(笑)と呼ばれて親しまれている。」

 

「考えてみると言い。
僕みたいな働かなくても、不労所得で暮らしていける貴族階級には民主主義は敵なんだ。
皆、平等に働かないといけないとなると、僕まで 労 働 っ ! をしないといけなくなる。」


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