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ゆっくり戻るよ!

 

 

分厚くて黒いフードを俺は被りながら、街を歩いていた。
邪教団体に冒険者だとばれたら、俺の身体が粉々になるらしくて怖いから、全身を覆う黒いフードを着ている
これなら、首輪が見えないから冒険者だとばれないはずだ。

【普通に不審人物よ!さっきから周りの人間達から注目を集めてるわっ!】

な、なんだとっ・・・?
た、確かに大勢の人間がこちらに視線を向けているような気がする、
深くフードを被っているせいで、あんまり視界が広くないが、ヒソヒソ話とやらも聞こえそうな感じだぜ。
お、俺はどうすればいいんだっ・・・!
これじゃっ・・・!し、仕事に殺されちまうだろうがぁっー!
ちくしょうっー!童貞のままで死ねるかぁっー!
まだ、一人も絶世の美少女とかを抱いていないのに、死ぬのは嫌だぁっー!
そんな風に大げさに苦悩していると、後ろから近づく存在に気がついた。
それは黄金のように美しい金髪を持ち、耳が尖っている絶世の美少女ラッキーちゃん。
胸が少し小さい所を除いては、全てが完璧だ。ちっぱいちっぱい。
片手に不思議な箱を持っている。
一瞬、見惚れた俺に向けてラッキーちゃんは

「クーニャさんに、あなたの仕事が終了するまでの間、監視する仕事を貰った。
この箱のボタンを押すと、あなたがバラバラになるらしい。」

なにそれこわい。

 

 

 

第12話     仕事に失敗したら死んじゃう世界にようこそ!

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「俺、この仕事が終わったらクーニャちゃんに告白して、ベットの中にinするんだ。」

死ぬ前日の冒険者の発言

「俺、クーニャちゃんを諦めて脱走するんだ。
あんな鬼畜ロリババァと付き合ってられるかっー!」

死ぬ前日の冒険者の発言

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驚愕している俺に向けて、ラッキーちゃんの言葉が続いた。

「人間は、未知と新鮮さに溢れていて興味深い。
仕事に失敗したら殺される日常を送っているあなたは特に興味深い。」

どうやら好意を持たれているようだ。
可愛い女の子に言われると照れちゃうな。

「人間という生き物は面白い。
仕事に殺されて死に、死んでも腐ったまま動く不思議な生き物。
エルフとして長い時を生きてきた私が見たことも触れた事もない未知で一杯だ。」

≪あれは人間の日常じゃないよ!絶対に非日常だからね!≫

この前のユンヤー大墳墓のゾンビの事っぽいな。
あれを人間の日常だと思い込んでいるのか、それは大変だ。
あと、隣に風生首がいるから手を出せないぜ。
そうやってラッキーちゃんの美少女っぷりを見ていると、俺の頭の上にいるラクシズが

【・・・・ねぇ、こんなに目立つ娘と一緒にいたら、絶対に相手に見つかって仕事に失敗しちゃうわよ。】

・・・・・え?

【不審な黒いローブの男と、美しい女の子の組み合わせとか、さっきの数倍は目立つわよ!】

「俺はどうすればいいんだぁっー!」

俺は悩んだ。監視役の可愛い娘と一緒にデート感覚で仕事しようと思ったらこれだ。
邪教団体に確実に見つかる。妨害工作でばれたら殺されるのに、ひでぇ。
ラッキーちゃんが美しすぎるせいで仕事に殺されてしまうのかっ・・・!
クーニャちゃんの悪意を感じてきたぜっ・・・!
そんな苦悩している俺に、ラッキーちゃんが首を傾げて

「・・・・何を困っているの?」

仕草が可愛いと思ったが、状況は変わってない。
だが、ラッキーちゃんのために説明しようと思った。

「この絶望的なほどに目立ってしまう面子な事に俺は悩んでいるんだ。
ラッキーちゃんは美しすぎるっ・・・!
これだけで仕事は失敗する事が決まったようなもんだっ!」

「・・・・?どうして悩むのか、私にはわからない。」

ラッキーちゃんは頭の方が、アホの子かもしれない。
現状を解決する手段がない事をわかってないんだ。
監視できる距離で仕事していたら、恐ろしいほどに目立って、俺の身体はドカーンと消滅するぞ。

「風の精霊魔法を使えば良い。あなたも風の精霊と契約しているなら、姿や音くらい消せるはず。」

「え?そんな事ができるのか?」

俺は将来の希望とか、そんなものを感じる事ができた。
ラッキーちゃんは俺の女神様かもしれない。そのまま言葉が続いて

「こういう風に姿を簡単に消せる。」

ラッキーちゃんが一瞬で見えなくな・・・・・・・・半透明な感じで見えてる。
服が透けて、半透明になった裸体とか見えて美しい。まるで妖精のような神秘的なエロ・・・げふんげふん、妖精のように可憐だ。
これが着衣エロって奴だな、うん。服の上から裸体が見えるのは逆にいいな。
でも、余計に目立つんじゃないのか?
そんな風に疑問に思っているとラッキーちゃんが説明してくれた。

「風の精霊と契約している者には通じない。でも、人間にならこれで十分。」

「なるほど・・・・で?俺にもそれが出来るのか?」

「・・・・出来ない?」

また、ラッキーちゃんが首を傾げた。
なんだろう。出来て当然、当たり前という認識で見られているせいか、恥かしい気持ちになるな。
早速、やってみるぜ!
姿を消すイメージっ・・・!消すイメージっ!
精霊魔法は心で思い描いた事を実現するっぽい感じだっ・・・!
半透明っ・・・!半透明になれぇっー!クーニャちゃんのスカートとか透明になって欲しいっー!

「おお、俺の身体が少しづつ透明になっていくぞ!」

こんな短期間で素晴らしい魔法を俺は習得した!俺は精霊魔法の天才だぁっー!
透明人間なら、クーニャちゃんの部屋に夜に行ってクンカクンカする事も可能っ!
まさに夢の技術だっ!
俺の身体はどんどん透明になっていき・・・あれ・・・?頭が痛い・・・痛いぞぉ・・・・

【エネルギーの使いすぎによる疲労って奴だわね。
これはまだまだ使い物にはならないわ。】

そのまま俺の意識は暗転した。
ほんの僅かな時間だけ、透明人間になっただけで反動がきつすぎた。ガクリッ

≪変態さんに残された時間は、残り30日間だね!
せいぜい修行を頑張るといいよ!
30日過ぎたら、ラッキーは情け容赦なく爆弾のスイッチを押すと思うから警告しておいたよ!≫

 

 

 


あとがき

(´・ω・`)うーぞんびー
仕事に失敗したら、遺体すら残らないーうりー


(´・ω・`)つまり、ゾンビになる権利すらないっ!(キリッ


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