前にゆっくり戻るよ!  ゆっくり次に進むよ!  11話の感想返しはこちらだよ! 
ゆっくり戻るよ!

 

 


部屋には、ベットで裸で眠っている妖精のように可憐な金髪美少女ラッキーちゃん。
この娘と楽しい夜を迎えるための障害は、化物のように強い風生首と、俺の頭の上にいる小さい美少女ラクシズ。
どちらも風の精霊としての格の差はあれど、片方は肉体的に、片方は精神的に俺にダメージを与えられる存在だ。
しかし、こんなにも無防備な状態で誘惑している美少女を前に、諦めるのが正解か?それは否だっ!
考えろ、考えるんだ。
この二人を出し抜いて、ベットで気持ち良い事をするための方法を考えるんだ。
俺は今まで過酷な仕事に殺されずに、生き抜いてきた強者のはずだ。
なら、これくらいの試練は乗り越えて、ラッキーちゃんをお嫁さんにしないと駄目に決まっている。

【あ、あんた、私と契約しているから、そんな心の声とか、全部伝わってきてキモイわっ!
裸の女の子が、男を誘惑していると思う理屈そのものがキチガイよ!】

・・・・詰んだ。
思考が読まれている。
無理ゲーだ。
ラッキーちゃんとイチャイチャするための可能性は消え去ったのか。
目の前に・・・目の前に裸の美少女がいるのにっ・・・!俺は手を出せないっ・・・!
シーツをめくるだけで、芸術的な裸を拝めるのに手を出せないっ・・・!
こうなったら・・・・特攻あるのみっ!
考えなしの本能的な行動に俺は依存するぅっー!

「ラッキーちゃんは俺の嫁ぇっー!」

一気にシーツをはがして、ラッキーちゃんにのしかかろうとした瞬間に、全身に雷のような衝撃が突き抜けた。
痛みとか、そんなレベルを通り越して、俺の視界が暗転し、そのまま俺は気絶した。
最後にチラリっとラッキーちゃんの美しい裸体ではなく、風生首の生意気な顔しか映らなくて残念である。

≪性犯罪者さんはラッキーに近づかないでね!
ラッキーは、ニートだけど貞操は安くないんだよ!≫

 

 

 

 

 

第11話   辛い月曜日にようこそっ!

--------------------------

「ひぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!仕事がやってきたぁぁぁぁぁっ!!!!!
だ、誰か助けてくれぇっー!
仕事に殺されるっー!殺されちまうっー!」

冒険者達の叫び

----------------------------

 

 

 

 

次に俺が目を覚ました時、ベットの上に俺はいた。
部屋には新しいベットがもう一つ増えていて、ラッキーちゃんが相変わらず裸状態で眠っている。
シーツを脱がせば、きっと素晴らしい裸を拝める事だろう。
しかし、周りに雷のような光が縦横無尽にバチバチと展開されていて、とても近づける状況ではなかった。
触るだけで死んでしまいそうな雷な気がする。
仮にこれを突破しても、ラッキーちゃんの近くには風生首がいるから、鉄壁の布陣だ。
こちらを睨みつけていて怖い。
生首だけだとホラーな存在すぎる。

≪ラッキーの貞操は死んでも守るよ!
近づいたら殺すから、近づかないでね!
ラッキーと同じ部屋に住んでいる住人だからって調子に乗ると虐殺だよ!≫

ちくしょうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!
これじゃ子作りができねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!
こうなったら・・・・精霊魔法を特訓だっ!
風生首の妨害すら排除できるレベルで上達して、ラッキーちゃんと気持ち良い事をするんだっ!
あんな可愛い娘をお嫁さんに出来ないなんて勿体無いぜっ!
俺の叔父さんも「良い女を食わない男は馬鹿だぜっ!グヘヘヘヘヘっ!」って言ってたしなっ!
俺はそう思って、部屋から出ようとすると、館内放送の音が聞こえた。
この冒険者ギルドは、何処にいても連絡できるように作ってある最悪なビルなのである。
構造は知らないが、黒色の箱があちこちに設置されていて、そこから音が出るんだ。
・・・・新しい仕事の音がくるんだっ!

『Dランク冒険者ジン。次の仕事が発生したから、最上階のギルド長室にこい。
繰り返す。
Dランク冒険者ジン。次の仕事が発生したから、最上階のギルド長室にこい。
来ない場合は、首輪は拷問器具になる。』

新しい仕事?
また、死にそうになる仕事?
風の精霊魔法を修行する前に新しい仕事?

「俺は休日が欲しいっー!」

このままでは仕事に殺されてしまう。
一週間くらいずっと仕事づけの後にこれだ。
ここは何て酷い職場なんだっ・・・!
休日を俺にくれぇっー!
あと、恋人が欲しいっー!

【あんな糞女に惚れたのが悪いのよ!】

・・・ラクシズが俺の頭の上にいつもいるのは、何故だろうか。
最近、俺の体の一部のように密着していて訳がわからない。
小さい美少女の尻の感触が、頭から感じれて役得だと思えばいいのだろうか。

【き、気にしちゃ駄目よっ!気にしちゃ駄目なんだからっ!】

 

 

 

 


俺は仕方なく、クーニャちゃんがいる最上階へとやってきた。
風の精霊魔法を特訓する時間がないのは辛いが、大好きなクーニャちゃんに会えると思い込むことで、仕事への不満をなくす事にしよう。
ふぅ、本当に仕事は辛いぜ。
クーニャちゃんの部屋へと入ったら、そこにはいつも可愛らしいクーニャちゃん・・・・と複数の黒服達がいる。
可笑しいな。黒服まで同じ部屋にいるとか可笑しいぜ。

【昨日の事を根に持っているのよ!本当に性悪女よね!
こんな女の事は、さっさと諦めなさいよっ!】

クーニャちゃんが俺に素敵な笑みを浮かべてくる。
人を見下したような感じの視線に、俺の体はビクンビクンして気持ち良い。
クーニャちゃんは小さい口を開いて

「くっかかかかかかかかかっ……!
楽しい楽しい仕事の時間だっ……!次の仕事の報酬は1000万ジュエルっ……!
Cランク冒険者が集団でやるような仕事っ……!」

命の危険を感じた。
今までのDランク冒険者の仕事すら、毎日が命がけだったのに、Cランクという言葉を聞いてやばいと思った。

「仕事の内容を説明するっ……!
この街にいる邪教を崇める集団への妨害工作っ……!
民衆を惑わしっ……!社会秩序を崩壊へと導こうとするゴミどもへの嫌がらせだっ……!」

本当に危険そうな仕事だ。
邪教と聞くだけで危険な集団の匂いがぷんぷんする。

「その邪教団体の名前はっ……!民主主義党っ……!
人間は生まれながらにしてっ……!自由と平等であるっ……!と叫んでいる不穏分子っ……!
農民と奴隷っ……!市民っ……!貴族っ……!王族っ……!
その全てを平等に扱えという狂気の倫理っ……!あまりにも危険っ……!社会のゴミっ……!」

クーニャちゃんが言うから、恐ろしいくらいに危険な団体だと理解した。
俺はこの仕事から生きて帰ってこれるのだろうか?
ラクシズはどう思う?

【えーと、私はよくわかんないから、言う事は特にないわ。】

「この仕事はっ……!冒険者ギルドがやったとばれない必要があるっ……!
ばれたらっ……!機密保持のためにっ……!死ねっ……!情け容赦なく死ねっ……!」

クーニャちゃんの言葉とともに、ニヤニヤ笑っている黒服が動いた。
手に黒い腕輪を持っている。
それを俺の右腕にガチンっ!という音とともに取り付けた。
そして、クーニャちゃんが不思議な笑みを浮かべて

「これは爆弾腕輪っ……!起動すれば周囲10mを粉々に吹き飛ばすっ……!
この仕事に失敗すれば死っ……!冒険者だとばれた時点で起爆させるっ……!
妨害に失敗しても起爆させるっ……!
1ヵ月以内にっ……!民主主義党を壊滅させるようなっ……!そんな妨害をやらないと死ぬっ……!
私を失望させぬようっ……!頑張るがいいっ……!」

俺、本当に仕事に殺されるかもしれない。
まさか、都会の仕事がこんなにも恐ろしいとは思ってもいなかったぜ。
仕事に失敗したら殺されるのは、都市伝説だと信じてたのに、現実はひでぇ。

 

・・・・死ぬ前にクーニャちゃんか、ラッキーちゃんをクンカクンカしたい。

 

 


あとがき

 (´・ω・`)うーぞんびー
仕事からは逃げられないー
逃げた時は死んだ時だけーうりー

 

 


ゆっくり戻るよ!
前にゆっくり戻るよ!  ゆっくり次に進むよ!  11話の感想返しはこちらだよ! 
ブログパーツ