前にゆっくり戻るよ!  ゆっくり次に進むよ!   
ゆっくり戻るよ!


無人戦闘機ジサツ・トッコウーの厄介な所は、その素早さにある。

ビームやミサイルすら容易く回避し、巨大戦艦の拡散ビーム砲ぐらいでしか対処する術がないのだ。

しかも、ここにいるのは最低限の武装を持つ駆逐艦艦隊82隻である。

普通に闘えば、特攻で30隻ほどやられてしまうが、巨大戦艦を打倒した後なので、無駄に士気が高い。

「ヒャッハー!こいつらさえ倒せば、修理戦艦なんて巨大すぎて困る鉄くずにすぎねぇぜっ!」

【どうやって攻撃を当てるのおおおおっ?!!??!!

皆、まともに対処する手段ないのに全軍突撃とか何を考えているのおおおおおっ!??!!

普通は後退しながら一斉正射でしょおおおおおおおっ!?!】

残念ながら、彼らには普通の巡洋艦や戦艦がやる艦隊運用方法は知らなかった。

駆逐艦を選んだ誇りを持つ漢達であるが故に、駆逐艦以下の弱者である戦闘機と正々堂々と闘うのである。

『戦闘機なんか皆殺しにしたらんかーい!わしが一番偉いんじゃーい!』

巡洋艦から指揮している御仁も、単純に指揮するのが大好きという理由でやっているだけなのだ。

兎にも角にも、最低辺と準最低辺の悲しい戦いが開始されたっ!








最終話  駆逐艦による駆逐艦のための復讐(中)
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「正直、このゲームの戦闘機の仕様は恨みが篭っているな。

自爆特攻ぐらいしか、まともに戦えない時点でアレだぜ。

超巨大無能空母サッサト・シネーってのも販売されているが、何の役にもたたねぇよ。」

by  駆逐艦使い

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主人公の駆逐艦トッコウーが撃てるビームの数は残り2発。

他の駆逐艦も撃てるビームの数がこれぐらいだ。

「いけっ!いけっ!いけっ!いけぇっ!」

【ぎゃあああああああああああっ!!!!無人機の編隊がどんどん近付いているよおおおおおっ!!!!

5mの戦闘機にヒットさせられる訳ないでしょおおおおっ!?!?!】

50mの駆逐艦から見れば、5mの戦闘機は恐ろしいほどに小さい。

今までは自身よりも大きい的への攻撃だからヒットさせる事ができていたが、まさに絶望的である。

82隻の駆逐艦と、30機の戦闘機の距離はどんどん縮んでいき、駆逐艦が射撃を開始したっ!

「撃てっ!撃てっ!撃てぇっ!」

【どの攻撃も全部当たってないよおおおおおおっ!!!!!!?!

ゆぎゃああああああああっ!!!!?!すぐ目の前に特攻機ざんがあああああっ!!!!】

的が小さすぎて、一撃必殺のビームは撃っても当たらない。

辛うじて、次に射出されたミサイル40発が無人戦闘機4機を撃破しただけだった。

全ての弾幕を華麗に切りぬけた無人戦闘機達は、駆逐艦へ特攻攻撃をするために更に速度を速め、駆逐艦に衝突するっ!

【ぎゃあああああああああっ!!!!すぐ近くに無人戦闘機ざんがいるよおおおおっ!!!!

どんどん味方艦が犠牲になっているううううううううっ!!!!】

「ひゃぁっ!たまんねぇっ!このギリギリの感覚が戦場だぜぇっ!」

特攻をしてくる無人戦闘機によって、複数の駆逐艦が盛大に爆発を起こしまくり、宇宙に綺麗な光の花が連続して咲いている。

主人公の駆逐艦は、無人戦闘機に当たらないようにギリギリで回避し、破壊されるか、逃げ切るかのスリルを楽しんでいた。

そして、とうとう最後の無人戦闘機が26隻目の駆逐艦に特攻して、その役目を果たした時・・・34隻ほどの駆逐艦が沈んでいたのであるっ!

【26機に減った無人戦闘機相手に余分に8機も衝突事故起こしてどうするのおおおおおっ!?!?!

無理に戦闘して、自分達で被害拡大しちゃ駄目でしょおおおおおおっ!?!!!】

「ヒャッハー!戦場はなんて厳しいんだぁっ!」

【あんたは少しは反省しろおおおおおっ!?!!

エネルギーをほとんど使い果たしたから、近くにいる修理戦艦への攻撃が始まっても、しばらくの間、参加できないでしょおおおおっ!?!!

最大の大物に攻撃して、大量のポイントを稼ぐチャンスなのにいいいいいっ!!!

無人機相手に使ったビームが無駄弾すぎるよおおおおおおっ!!!!!】

無人戦闘機部隊との戦いを終えた事を、指揮官である巡洋艦が遠方からレーダーで確認し、次の命令を生き残った48隻に下してくる。

『戦闘機が来た方角を探れぇっ!修理戦艦を全員で輪姦して、宇宙に咲く綺麗な花にしてあげんかーい!』

しかし、半分くらいがミサイルを使い果たし、エネルギーも使い果たしてジェネレーターから供給中なので、20隻ほどしか参加しない。

今なら無防備の超巨大な修理戦艦を蹂躙できると思った彼らは、通常航行の半分の速度で調査へと出向く。

相手は全長1kmの円盤型の修理戦艦なので、エネルギーが幾らあっても足りないから、迅速に探す事よりも、探した後にたくさん撃って撃ちまくるために、エネルギーを節約して行動しているのだ。

しばらくすると、1隻の駆逐艦が修理戦艦の至近距離まで移動した事で、修理戦艦アリスの位置座標が暴露されたっ!

『見つけたなら、全員で可愛がってやれぇっ!徹底的に蹂躙して犯して花火にしてあげんかーい!』

バラバラに攻撃しても効率が悪いので、駆逐艦20隻が場に停止し、一つの場所へとビームが集中して着弾するように照準を定める。

修理戦艦は巨大すぎてゆっくりとしか動けないので、逃げられる心配が全くない。

『どんどん撃って殺せぇっ!嫌と叫んで、爆発炎上して死ぬまで凌辱してあげんかーい!』

20条のビームの束が、修理戦艦の分厚い装甲へと突き刺さる。

この攻撃で表面の装甲板がはじけ飛び、次々と同じ場所に集中砲火をする事で、修理戦艦の表面が爆発を起こして大変な事になっている。

残ったミサイルも全弾撃ち放し、残り僅かな全エネルギーをビームのために消費し続ける。

全長1kmの修理戦艦は、50mの駆逐艦20隻によって、一箇所を攻撃され続け、とうとう大爆発の時がやってきたっ!

集中攻撃を受けた場所に大穴が空き、そこに数条のビームが突き刺さった事で大誘爆が始まったのであるっ!

「俺もあそこに参加して、ぶち込みたかったぜっ!」

【無人戦闘機を相手にした結果が、チャンスを逃した28隻の駆逐艦な有様だよ!

あの攻撃に参加していたら、それなりーのポイントが入って、今よりも効率がいいビーム砲が購入できたのに酷いよ!】

48隻と駆逐艦と遠くにいる巡洋艦は、爆発炎上してくたばる全長1kmの超巨大構造物体を祭りのように見物している。

この戦争の勝利を決めたに等しい瞬間なので感動しているのだ。

この勝利を得るために犠牲になった駆逐艦の数が252隻と考えれば、涙を流してもいいレベルの苦労である。

【な、なんか爆発炎上している修理戦艦から巨大戦艦がでているよおおおおっ!!!!

分厚いハッチを内部からビームで吹っ飛ばしてでてきているよおおおおおっ!!!!!】

全長500mの特大の巨大戦艦が内部からでてきている。

それは丸い拡散ビーム砲を左右に三つづつ備え、この戦いで駆逐艦170隻を待ち伏せて撃破し、そのおかげで大ダメージを負っていたので、一番速く修理戦艦のお世話になっていたオリジナル巨大戦艦ユギャークだった。

一度に数千の弱いビームを放ち、巡洋艦部隊にすら大ダメージを与えるという巡洋艦キラーさんであるっ!

【ひ、光っているよおおおおおおっ!!!!拡散ビーム砲のところが輝いているうううううっ!!!】

「へへへへへへっ!爆発炎上する巨大要塞から、ラスボスが登場するとか・・・最高にクールでロマンチックだぜっ!」

巨大戦艦ユギャークの6つの拡散砲が、数千に及ぶ低威力ビームを放射して、20隻の駆逐艦を虐殺しようと襲いかかる。

目の前の宇宙空間が白色のビーム光だけで、ほとんど染まるという圧倒的な面制圧攻撃の前に、回避できる場所すら存在せず、一度の攻撃で20隻全てが爆発炎上し、綺麗な花火となってしまった!

まさに絶望の権化っ!圧倒的なまでの格の違いっ!

「ヒャッハハハハハっ!!なんて素晴らしい絶望的な光景なんだぁっ!これこそが本当のラスボス戦といってもいいクオリティだぜっ!」

【ぜ、絶望的すぎるよおおおおおっ!!!!!!逃げて本隊と合流しようよおおおおっ!!!!!!

・・・どぼじで突撃するのおおおおおっ!?!!半壊状態の巨大戦艦ですら12隻も犠牲になったのに、ほとんど修理終わっている状態の巨大戦艦に勝てるわけないでしょおおおおっ!?!!

ぎゃああああああああああああああっ!!!!たった28隻で無駄死にして、稼いだポイントを減額されるのはいやだああああああああああっ!!!!】






●オリジナル巨大戦艦ユギャーク 全長500m

6つの拡散ビームで撃ちまくって、巡洋艦・駆逐艦・戦闘機を大量虐殺する巨大戦艦である。

ちゃんと戦艦と巨大戦艦とも戦えるように巨大ビーム砲を1門備え、ビーム兵装に偏った艦艇なのだ。

駆逐艦どころか、巡洋艦のビームですら破壊するのが困難な装甲とシールドを有している。徹底的に一カ所を砲撃すれば何とかなるかもしれないが、そんに鈍くさくないので厄介だ。





●超巨大無能空母サッサト・シネー  全長700m

1000機の無人戦闘機を格納し、補給・修理することができる超巨大空母。

ただし、1mサイズの無人戦闘機なので武装が機銃だけになり、稼働時間も少なくなって、駆逐艦に特攻してもあんまりダメージを与えられない糞仕様になっている。

開発側の怨念が籠められた因縁なのだ。戦場で戦闘機なんて全部くたばって死んでろという意味で。






あとがき

(´・ω・`)ラスボスだと思ったものを倒した時に、新しいラスボスが出現するのはロマンっ!

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