ダンジョンのモンスター生息区域は、そのモンスターが生産されるNPC生産木によって区分される。
一時的にゴブリンをほとんど殺しても、生き残ったゴブリンが子供を作るように祈り、NPC生産木がゴブリンの子供を大量に生産し、生息分布は元通りになる所がありがたいのだ。
人間の俺達が夫婦で祈っても、1人か、2人しか生まれないのに、モンスターだけは理不尽に大量生産してくれる。
そういう不思議な仕組みなんだ。
人間の場合は1億を教会や神社に寄付すれば蘇生できるから、バランスはとれているのかもしれない。
そして、俺達が狩る目標としているコボルトは、毛がもじゃもじゃで可愛らしい獣人型のモンスターなのである。
背丈も人間の12歳児くらいでちょうどいい可愛さだ。
持っているナイフも小さくてチャーミング。
ワンワンと鳴いている所が犬っぽくて可愛い。
「でかい人肉ワンワンッ!」
「骨をしゃぶりたいワンワンっ!」
「女の子の肉は美味しいワンワンっ!太股が最高に美味しいワンワンっ!」
ただ、食欲が旺盛すぎるギャップがシュールだ。
ゴブリンよりも早く動くので、斧を振り下ろすタイミングが凄く重要になる。
蹴りやパンチも駆使して対応しないといけないほどに速い。
まず、3匹の先頭にいるコボルトの頭を斧で潰し、そのまま斧を放して、囲むように両脇に展開したコボルトを足で薙ぎ払う。
骨がペキボキと折れ、悲鳴を上げながらコボルト達は地面へと転がり、そこをムラサメちゃんが首をスパッスパッと浅く斬ってトドメを刺した。
コボルトの首から血がドバドバ溢れ出て、しばらくすると食の神様が死体をもっていき、究極リンゴを置いていく。
究極リンゴは黄金色をしており、とても不思議な食物だ。
1年くらい放置しても腐らず、中身はとてもジューシー。俺は究極リンゴを掴んで齧る。
「甘くてうめぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!!
なんてジューシーなんだぁっー!!!!!」
ムラサメちゃんもお腹が空いているのか、究極リンゴを齧っておいしそうにしている。
食べるだけで身体が強化されて、職業がレベルアップするところが素晴らしい。
早く職につきたい。
第4話 脱無職に向けて頑張りすぎたら大変な事になった
コボルト狩りはムラサメちゃんがいるから楽だった。
俺が吹き飛ばしたコボルトにトドメを刺してくれるので、凄く楽が出来ている。
俺の太い腕や足にコボルトのナイフは浅くしか刺さらないので、効率よくキックとパンチで骨をペキペキ折って行動不能にできる。
そこを刀でトドメを刺すコンボは完璧だった。
傷も究極リンゴを食べれば、身体が強化されると同時に治癒されるという無限コンボで最強である。
あまりにも上手く虐殺できすぎて調子に乗った俺は、前へ前へとどんどん進んでいく。
幸い1本道なおかげで後ろからの奇襲は心配しなくてもよさそうだ。
ダンジョンは背後からの奇襲が一番怖いだけに、とても運がいい。
「ひどいワンっ!大人しく食材は食用肉になれワンっ!」
「女の子を食べたいから邪魔ワンっ!」
「とても柔らかくておいしそうな女の子ワンっ!それを寄越すワンワンっ!」
「女の子は裸にして唐揚げにすると美味しいワンっ!」
コボルトがリア充な俺に食欲的な意味で嫉妬している。
俺はいつもの作業のように斧を横薙ぎに振り回し、コボルト達をまとめて真っ二つにしてやった。
斧の重心コントロールと、俺の鍛え上げられた筋肉があれば、これほどの破壊力があるから斧は最強なんだ。
コボルトが究極リンゴに交換されて、その度に美味しい甘味を俺の舌が味わう。
これでリンゴジュースとか作ったら最高のジュースが出来上がるだろうと俺は思った。
「ハッハハハっ!究極リンゴの取り放題だっー!借金もついでに返済してやるっー!
この調子で脱無職だぁっー!」
「主殿。気になったのですが、この究極リンゴは幾らぐらいで売れるのですか?」
「1個1万円くらいだっー!税金で色々と取られる事を計算すれば、2万匹ぐらい殺せば返済できると思うっ!」
「おおっ!拙者はやる気がでてきましたっ!こんなにも美味しいリンゴを食べながらの狩りとか最高ですっ!」
今のところ、300個ぐらい出ても全部消費しちゃっている所が問題点だが、深い階層に潜れば、もっと高値で売れる食材がゲットできるので特に問題はない。
金を稼ぐために、あえて遠周りをしているだけだ。
俺一人の時は、命の危険を考えすぎて、ゴブリンで我慢していたが、ムラサメちゃんといる俺は最強だ。
疲れても究極リンゴで疲れが吹き飛んで、全く負ける気配がない。
ただ、俺は忘れていた。
コボルトが大量に出現するのは、何かを守っているからなのに、そうと気づかずに食欲と脱無職のために頑張りすぎて、道を考えなしに進みすぎたのだ。
その守る者が重要であればあるほど、コボルト達が必死になって大量に襲い掛かってくるという事実を忘れていた。
その事実を思い出すのは、俺の目の前に外見が他のコボルトよりも凶悪な巨大なコボルトを見てからである。
他のコボルトの2倍のサイズがあり、身長2mの俺ですらでかいと思うほど巨大だ。
ムラサメちゃんも不安になってか、俺にあの巨大コボルトの事を聞いてくる。
「あ、主殿っ!あの大きなコボルトは何なのですか?
明らかに他のコボルトよりも強そうな気配を感じます!」
俺は一息ついて
「コボルトリーダー。食の神クッキングマスターと契約し、他のモンスターを殺害して、神々の食材を食べて強くなったコボルトだ。
だが、大丈夫だ。俺も遭遇した事があるが、1匹くらいなら簡単に殺せ・・・・・・なんだとっー!」
コボルトリーダーの数は1匹じゃなかった。
通路から4匹、7匹、10匹、合計10匹も現れたのだ。
しかも、コボルトリーダー達は、俺じゃなくて可愛いサムライ娘のムラサメちゃんばっかり見ている。
「美味しそうだワンっ!あの女の子の太股は僕のものワンワンっ!」
「頭も美味しそうだワンっ!久しぶりに人間の頭をカラっと焼きたいワンっ!」
「おっぱいの所を食べたいワンっ!柔らかくて美味しい脂肪ワンワンっ!」
「あの巨人は他のコボルトにプレゼントするワンっ!」
「嫁のプレゼントに巨人をもっていくワンっ!量が多いからとても食べがいがありそうワンっ!」
「こんな居住区域に近い場所まで来られるとか久しぶりワンっ!」
ムラサメちゃんが食欲的な意味で危ないっ!
ムラサメちゃんも命の危険を感じてか、少しだけ緊張しているのも厄介だ。
緊張は本来の戦闘力を削いでしまう。
コボルト達の素早さを考えると、逃げる事もできない。
俺達に勝利以外に生き残る道がないのだ。
俺はムラサメちゃんの緊張を緩和するために声をかける。
「ムラサメちゃん。」
「は、はい?」
「この戦いで生き残ったら、一日中、布団の中で情熱的なパコンパコンをしたい。」
「・・・・・・主殿は変態です。」
変態と言われた。だが、ムラサメちゃんの緊張がほぐれたみたいだし、これで勝率が高まった。
俺は斧をガッシリと強く掴み、コボルトリーダー10匹との戦いに備える。
負ければ俺もムラサメちゃんも食卓の美味しい料理だ。
この戦いは絶対に負けられない。
ムラサメちゃんと布団の中でパコンパコンして眠るためにもっ!
(・`ω´・
●)ワンっ!
(・`ω´・
●)ワンっ!
(・`ω´・
●)ワンっ!
(・`ω´・
●)ワンっ!
主人公(`・ω・´)キリッ (・`ω´・
●)ワンっ!
(・`ω´・
●)ワンっ!
ムラサメ(´・ω・)キリッ (・`ω´・
●)ワンっ!
(・`ω´・
●)ワンっ!
(・`ω´・
●)ワンっ!
(・`ω´・
●)ワンっ!
●アージ・ガイ 20歳 身長2mの筋肉モリモリのマッチョ
≪無職のおかげで全ステータスが均等にアップしていてバランスがとれているね。
バランスが取れすぎて、何にも極められない有様だよ!≫
【職業】【@無職Lv86】≪無職はほとんどステータスもあがらなくて辛いね。≫
【武器】【頑丈すぎて大きい斧】
【防具】【布の服】
●ムラサメ 16歳 身長160cmの黒髪美少女侍さん。
≪刀とか弓とか槍扱える万能近接職さんだね。
でも、女サムライの場合、おっぱいを何とかしないと弓を扱えないよ。≫
【職業】【無職Lv10】→【A侍lv10】 ≪とても優れた戦闘職だね。褒めてあげてもいいよ。≫
【武器】【武骨な刀】
【防具】【なし】