俺はムラサメちゃんを連れて、自宅へと帰る。
ちなみにムラサメちゃんの髪型がポニーテールで可愛らしい事をここで証言しておこう。
サムライ娘はポニーテールっ・・・!
これこそが正義だと、サムライ娘を嫁にして思った。
自宅のボロボロの扉を開けると・・・・・・そこには瘴気すら漂わせているような幼馴染の黒髪美少女巫女さんがいた。
テーブルには、カチカチに固まったゴージャス米のオムスビがあり、とても勿体ない。
どうやら、昨日からずっと家にいたようだ。
どうしよう。明らかに激怒している。
そして、怒った口調で俺達に話しかけてきた。
「なんで昨日は帰ってこなかったん?
そのサムライっぽい女の子は誰なん?
うちの婿になってくれるんやなかったんか?」
「コ、この娘は俺と一緒にダンジョン探索する仕事仲間のムラサメちゃんだ。
別に浮気とか、ハーレムとかは関係ない。おっぱい。」
「拙者はムラサメと申します。主殿の嫁・・・いや、仕事仲間です。
昨日、ダンジョンで命を助けられた縁を通じて、一緒にダンジョンに潜っています。」
俺とムラサメちゃんは冷静に言い切ったと思う。
だが、次のイブキの発言で、俺の人生は終了だった。
イブキが子供が見たら泣きだすような怖い顔で
「へぇ〜仲がいいんやなぁ〜?
一緒に宿屋に泊るくらいに仲がいいん?」
み、見られてたぁっー!一番嫁にしたい女の子に嫌われるっー!
俺はこんな感じに動揺した。
だが、状況はどんどん悪い方向へと向かう。
なんと、ムラサメちゃんが蕩けそうな妖艶な表情で昨夜の事を思い出しながら、イブキに喋ってしまったのだ!
「一晩中、色々とやって気持ちよかったです。
最初は無理やりでしたが、なんとも言えぬ心地良さでした。」
「そうか、そうか、アーちゃんとの裸での付き合いはそんなに気持ちよかったんか。
あーちゃん、こんな可愛くて綺麗なお嫁さんができてよかったなぁ〜
うちは、神社の神木で藁人形でも打ちながら、二人の仲を祝福してあげるで〜」
もう、いい訳は無理だった。
イブキが怖い笑顔のまま部屋を立ち去ろうとしている。
俺は、この時に実感した。
ハーレムって作るのが難しい。一番好きな女の子が俺の元から去っていく事の辛さで死にたい。
そのままイブキが家の扉をあけて、外へと行く前に身体ごと振り返って、俺の心にトドメを刺す。
「死ねっ!このアホ無職っ!うちはアーちゃんの事が好きやったけど、ここまで軽薄な無職やと思わんかったわっ!
ハーレムも冗談やと思ってたのに、本当に実現しようとするバカ無職っ!
あーちゃんの馬鹿ぁっー!」
イブキが泣きながら外へと駆け出していく。
俺はそれを見送る事しかできなかった。死にたい。
そんな辛すぎて心が死んでいる俺に、ムラサメちゃんが紅い着物の胸元をずらして、白いサラシに包まれた胸を見せてくる。
「拙者の胸で泣いてください。」
俺を慰めるために健気な事をしてくれるムラサメちゃんが可愛すぎて・・・そのまま押し倒して、この辛さの全てを3時間ほどムラサメちゃんにぶつけ、気分が少しだけスッキリした。おっぱい。
第3話 ハーレムを作ろうしたら、幼馴染から無職で死ねと言われた。
布団で気絶した裸のムラサメちゃんを見ながら、冷静になった俺は、イブキと再び仲良くして嫁にするには、どうすればいいか考えてみた。
@ムラサメちゃんと離婚して、ただの無職に戻る。
ここまでやると、ただの駄目人間になるような気がするので、俺は却下した。
こんなに尽くしてくれる美少女サムライ娘を手放すとか、鬼畜外道だと俺は思う。
あと、結婚式や籍を入れていないから結婚はしていないが、一緒に生活するから嫁扱いでいい。
A謝る。
どう謝ればいいのだろう。
イブキの感情を逆なでにして、俺の人生が終了するかもしれない。
B無職じゃなくなる。
これが一番のように思えた。
イブキは、俺の職業が無職である事を哀れに思っていたようだし、俺が無職じゃなくなったら見直してくれるかもしれない。
ハーレムを作るだけの経済基盤があると理解してくれたら、仲直りできるかも可能性がある。
というか、無職というだけで心が辛い。
こんな状態を死ぬまで続けるのかと思うと、死にたいと思うほどだ。
「俺の無職人生を終わらせる。
そうだ。ダンジョンを探索しよう。
きっと、無職なのが原因だ。そうに違いない。」
俺は気絶しているムラサメちゃんを置いて、斧を持ってダンジョンに潜りに行くための準備をする。
食事は、イブキが作ったカチカチに固まったゴージャス米のオムスビがあるから無問題だ。
時刻は夜だが、街中が労働の神様の加護のおかげで明るい。
歩きながらオムスビを食べるだけで身体に活力が湧く。
周りの通行人がうざそうにしているが、俺は気にしない。
そんな事よりも無職をやめるために、もっとモンスターを狩って、とても素晴らしい職業に就かないといけないのだ。
俺はぐんぐんと街に設置されたダンジョンの入り口の一つを目指し歩く、俺が目指す入口はゴブリンよりも危険で実入りがいいコボルトを狩れる場所だ。
入口は、地下へと続く階段であり、入口の周りに普通に兵隊さんがいて眠そうにしている。
俺が階段を降りようとすると、俺の後ろから可愛らしい声が聞こえた。
「あ、主殿っー!拙者を置いていくのは酷いですっー!」
ムラサメちゃんの声に俺は振り返る。
そこには紅い着物を着る暇がなかったのか、袴と白いサラシを着て、武骨な刀を装備したサムライ娘がいた。
俺は追いかけてきてくれたという事実に笑顔になり、無職だってリア充になれるんだと思った。
絶対に脱無職して、イブキみたいな可愛い幼馴染も嫁にするんだ。
(。・ω・)ノ゛無職だけど嫁のおかげで孤独じゃなくなった。
●アージ・ガイ 20歳 身長2mの筋肉モリモリのマッチョ
≪無職のおかげで全ステータスが均等にアップしていてバランスがとれているね。
バランスが取れすぎて、何にも極められない有様だよ!≫
【職業】【@無職Lv81】≪無職はほとんどステータスもあがらなくて辛いね。≫
【武器】【頑丈すぎて大きい斧】
【防具】【布の服】
●ムラサメ 16歳 身長160cmの黒髪美少女侍さん。
≪刀とか弓とか槍扱える万能近接職さんだね。
でも、女サムライの場合、おっぱいを何とかしないと弓を扱えないよ。≫
【職業】【無職Lv10】→【A侍lv2】 ≪とても優れた戦闘職だね。褒めてあげてもいいよ。≫
【武器】【武骨な刀】
【防具】【なし】
<< 前の話 次の話 >>