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Elona 二次創作  
第2話  『畑の害虫。それはカタツムリ』


私は、人間の子供の肉を朝飯代わりに食べながら考えた。
どうすれば、カタツムリの地位が上昇するのか。
カタツムリといえば、弱い、合成素材としてゴミ、塩で死ぬの三拍子が揃っている事で有名っ・・・!悔しいっ・・・!ビクンビクンっ・・・!
せめて、弱いというイメージを払拭できれば、カタツムリの新しい未来がやってくるはずである。
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そうだ。今よりも行動する速度が速ければいいはずだ。
速い=強い。速さは全てを凌駕するらしい。
そう思った私は自宅の洞窟を出る。
高名な冒険者は城に住むようだが、カタツムリは湿っている洞窟がベストプレイス。
かつては『レシマスの洞窟』と呼ばれていたが、今では私のカタツムリプレイス。
昔、この洞窟を攻略したパルメという冒険者に1000万Gで売ってもらった超有料物件なだけあって素晴らしい。
たまにダンジョンと勘違いして入ってくる冒険者がうざいところが玉に瑕だ。

 


洞窟の入り口に待たせている愛馬に私は跨る。
その愛馬は10mの背丈を持つティラノサウルスのティラノ君だ。
頑丈で死に辛い所が素晴らしい自慢の愛馬。
世界中を一緒に旅したティラノ君と私は魂の相棒っ!なのだ。

「ぎゃうっ!ぎゃうっ!ぎゃうーんっ!」

ティラノ君が恐竜らしい重い足で走り始める。
この叫び声を聞くだけで、野生の獣は後ろに背を向けて逃げていく。

私は、ティラノ君の上で、人間の子供の肉をむしゃーむしゃー食べながら、ヨウィンを目指すようにティラノ君の綱を引いた。
ヨウィンは馬を売っている牧場があるから、それが今回の目的だ。
馬があれば、足が遅い我が一族の弱点が補えて、地位も向上するはず。
皆で町にいって、人間の子供を調理して食べるのが、私の長年の夢。人生の目標。
ウキウキした気分になりながら、途中にいた山賊団を蹴散らし、行商を見かけたら踏み潰さないように回避する。

「「「へへへへへへっ!命が惜しかったら、お金と・・・・ぎゃああああああああっ!!恐竜だああああああっ!!!
なんで、こんなのがいるんだああああああああああっ!!!!」」」

盗賊団の人肉だけは回収しておこうと思った。
道端に美味しい人肉を捨てるなんて勿体無い。
大食いのティラノ君のオヤツにしよう。
私は地球にとってもエコな環境家。自然の恵みは無駄にしない。

「がゃぐっ!がゃぐっ!ぎゃぐーんっ!」

「「「「な、仲間が食べられている間に逃げろおおおおっ!!!!
逃げるんだああああああああっ!!!!」」」」」

ティラノ君は、美味しそうに人肉を食べている。血が口から溢れ出てジューシー。
私は餌が逃げないように、縞々パンティーと手裏剣を口から投げて、山賊団を一人一人殺す。
縞々パンティーは相手に当たるだけで対象が弾け飛び、手裏剣の方は相手が全身から血を噴き出して死ぬ。
パンティーは元々人間の女性の下着らしいが、こんな恐ろしい凶器を下着にする人間の女性を私は恐ろしいと思いながら、山賊団を一人残らず殺害した。
ティラノ君が喜んでくれるから、私は嬉しい。
餌代も、そこらへんの人間を食べさせれば問題ないから財布にも優しいから嬉しい。




 


山賊団を調理して食べ終えたティラノ君とともに道程を進む。
しばらくすると、大規模農業地帯であるヨウィンの広大な畑が見えてきた。
異常なほどに巨大な野菜が勝手に生えてくる畑。
この野菜のぷりっぷりっ具合が、とてもおいしそうだ。
私はティラノ君とともに、畑へと踏み入り、500kgはありそうな巨大なカボチャを食べる。
道端に落ちている物を食べても犯罪ではない。良い名言だと思う。
私達はお互いに食事に熱中していると、遠くに人影が見える。
物々しい武装を身に纏い、周りに私並に強そうな感じのモンスターがいる。
恐らく、あのモンスターは、あの人間のペットなのだろう。
螺旋の王、死神の使い、シルバーベル、ゴールドベル、鉄の処女、混沌キノコ、クイックリングの弓使い、エイリアン・・・・・・・見覚えがあった。
知り合いのトップクラス冒険者で、世界最悪の犯罪者のパルメさんだ。
最近、王都を核兵器で丸ごと焼き払ったらしい。
久しぶりに出会った知己との再会を嬉しく思った私は、パルメさんに声をかけようとするが

「ヒャッハー!畑を荒らす害虫は虐殺だぁっー!」

モヒカン頭をしているパルメさんが、レーザー銃を構えて撃ってきた。
光の速さでやってくるレーザーを回避できるはずもなく、ティラノ君の頭を貫通し、混沌の渦が周りに広がった。
触れれば即死する悪夢の空間っ!
逃げようにも逃げられないっ!

ぎゃああああああああああっ!!!!
混沌で身体がこわれるうううううっ!!!!
全身がいたいいいいいいっ!!!!!!!!
精神が壊れるううううううっ!!!
あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”

 

 

 

 

 

 


私はまた死亡した事でお嫁さんに怒られた。グスンっ。
知り合いにも害虫扱いされるなんて心外だ。
私は畑を荒らしてなんていない。ただ、野菜を食べていただけだ。

この世は、本当に不条理である。カタツムリの地位は今日も低い。
人間の子供の肉をむしゃーむしゃー食べながら、そう思った。

 

 

 


●ティラノサウルス     頑丈で死に辛い素晴らしい恐竜で、乗馬に適している。
≪援軍の巻物で仲間にした≫





●カブ  外見がバイク。バイク。バイク。乗馬に適しすぎてやばい。遠距離攻撃してくれるので最高の乗馬ペット。
●パルメ   モヒカン頭の謎の人物。町でモンスターを大量召喚したり、著名な人物を殺害しまくったり、王都を核兵器で何度も消し飛ばしている凶悪人物。






あとがき

 

(´・ω・`)何故かパルメがいるよ。

 


 

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