其の三十九「花映塚」--幻想郷で死んだ人間さんたちは、三途の河を渡る途中で、皆が『先代巫女』を持ち上げて会話をしていた。
しかも、それなりに良い人生を歩めた立派な人達ばっかりである。
でも、先代巫女があの世に行く事はない。幻想郷で長年生きてきたが、幻想里の外側の人間扱いされているので閻魔様にさばかれる権利がなかった。
今、外の世界で死神達が処理できないほどの膨大な数の幽霊に溢れている関係で、幻想里では四季折々の花が咲き乱れていて綺麗。
自然現象なのだが異変だと判断した一部の娘達が騒ぎ、先代巫女は『範馬勇次郎』と夢の中で戦闘して殺されている。
妄想の中くらいでしか先代巫女倒せる奴いねぇよ!
サトリのおかげでリアルシャドーボクシングが出来て、かつての漫画の超強敵と戦えて先代巫女は幸せ。
先代巫女レベルでも、一撃で殺されちゃう化物だから、やばかった。
問題があるとした ら、チルノが妖精なのに善悪の区別が付いているので、それを許せない四季映姫がやってきた事だった。
本来、妖精は罪を持たない自念だけの生き物。
このままでは妖精ではなくなり、死ぬ運命を背負う事になる。
でも、チルノは死ねて先代巫女と同じ場所にいけるなら、それでいい娘だったので特に問題はなかった。
「あたいは、お師匠と同じ所に行けるかもしれないんだね」
「――」
「あたいは、一度悪いことをしているんだ。それが間違ったことだって分かった時は、すごく悲しくて、悔しかった。
だけど、間違ったことを反省して正しいことをすると、お師匠や他の人達は許してくれたり、褒めてくれたりする。それが、すごく嬉しかった。だから、あたいはもっと善いことをしたいし、知りたいんだ」
「――」
「あたいが死んだら、あたいのやってきたことがよかったのか悪かったのか、あんたがちゃんと教えてくれるんだね」
「……罪深い、ことですね」
(´・ω・`)一緒の場所にいけないって時点で、罪深い会話だわ。
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