第四十話 「決戦は紅玉宮にて」-98層フロアボスの間にヒースクリフが現れ、須郷を場から退場させ、須郷が今までやった事を現実にリークさせて、須郷の人生を終了させてしまった。
これで攻略するための障害がなくなり、残ったのは
99層と100層のみ。
次の99層を攻略すれば、ヒースクリフとの最終決戦が待ち受けている。
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「ふ、ふざけるなぁ! 茅場先輩、アンタはいつもいつも! そうやって僕を見下して!! 今度も僕を!!」
「須郷君……私は一度だって君を見下した覚えは無かったよ。大学時代、確かに私は君よりも電脳関係において優秀な成績を残していたのは事実だが、その私を追い掛ける君の実力、才能、努力、その全てを私は評価していたのだがね……君なら、もしかしたら私の相方として、良きパートナーとして、この世界を作り上げる事が出来るかもしれないと」
とても残念そうに言ったヒースクリフの言葉だが、須郷は信じなかった。
彼の長年積もりに積もった劣等感は、今更言葉で拭えるようなものでもなく、最早ヒースクリフの……茅場の言葉は届かない。
(´・ω・`)とうとうヒースクリフとの対決か。
ゲーム内に4年間もいるって事は・・・原作以上に現実の身体がボロボロで、青春時代が終わってしまったよ
第四十一話 「決戦前・前祝編」--ヒースクリフとの最終決戦の前に、プレイヤー達が前祝をやっていた。
ようやく100層でのラスボス戦。
その祝いの席には、アスナのラーメンに惹かれて、ヒースクリフの姿がやってくる。
もしも、100層のホロウアバターを倒したら、ヒースクリフと1vs1で戦う挑戦権をやんよ!と言って、ゲームの難易度を上げようと必死だった。-
「キリト君、その質問に対する答えはたった一つだ。ラーメンある所に私あり!!」
もうこの場で倒してしまおうか、と思わず考えてしまったキリトは悪くない。
「とまぁ、冗談はさておき、キリト君に話があったのだよ」
「……話?」
「うむ、100層紅玉宮玉座の間、それが君たちと私が戦う場所になるのだが、実はラスボスは私ではなく、ホロウアバターというゲーム開始時に現れたあの巨大なローブの姿をした茅場晶彦になるのだ」
「つまり、お前がラスボスというわけではないってことか?」
「同じ茅場晶彦であるという点では間違いではないのだがね。だが、それを恐らくは君たちの実力でもってすれば簡単に倒してしまうだろう。だが、それでは面白くない」
(´・ω・`)100層のラスボスさんすら、簡単に倒されてしまう雑魚に過ぎないのか。
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第四十二話 「決戦前・リーファ編」-リーファは兄のキリトが2年間でだいぶ変わったと思っていた。
剣道辞めて長いのに、今じゃアインクラッド最強の黒の剣士様☆
そして判明する真実!
なんと!リーファはナーヴギアでログインしていた!
ゲームで死亡したら現実でも死ぬ事を承知で命をかけてでも、兄に会いたい。そんな純粋な思いの結果が・・・キリトがSAOで妻帯者になっている現実! --
「はぁ……アタシが他のゲーム、ALOで遊んでいたっていうのはホント。でもこの世界に来た時にALOにログインする為にアミュスフィアを被ったっていうのは、嘘なんだ」
「どういうことだ?」
「ホントはね、アタシ……SAOにログインしたの。友達が隠し持っていたナーヴギアを使って」
「なっ!?」
衝撃の事実を、リーファは口にした。
そもそも、リーファがこの世界に来ることになった原因というのが、ALOを一緒にやっている学校の友人が政府に回収された筈のナーヴギアを隠し持っていたのを知り、そしてその友人自身はプレイしなかったがSAOのソフトも持っていたので、ログインしようと思えば出来る状態だったのだ。
そして、リーファは兄が目覚めない現実を何とか打開したい、もう一度兄に会いたいという思いから自宅で友人から譲り受けたナーヴギアを被り、SAOにログインした。
(´・ω・`)兄を愛しすぎて、ナーヴギアを被った結果!
(´・ω・`)そこには既に別の女性を愛して、家庭を築き上げている兄の姿(ドーン!
第四十三話 「決戦前・シノン編」-シノンは決戦前に、自分が銀行強盗を撃ち殺した事がある事を打ち明けた。
キリトとシノンはお互いに人を殺した事がある仲、とっても仲良くできるどん。
どっちも自分や他者を守るために相手を殺したから、殺人を正当化する理由はあるが、殺した罪を背負っていくつもりだ。 -
「シノン、シノンはその強盗を殺した事、今はどう思ってるんだ?」
「正直、後悔してるなんて言うつもりは無い……だって、あの時ああしなければ、お母さんが殺されてたかもしれないもの」
「その結果、トラウマを抱えることになっても?」
「ええ、トラウマは自業自得、それは理解してる。だけど、あの時お母さんを守ろうとした事を後悔するのだけは、絶対にしたくない」
「なら、シノンはきっと大丈夫だと思うよ。シノンは、一人じゃない……確かに、その強盗を殺してしまった時は一人だったかもしれないけど、でもこの世界に来て、シノンは一人じゃなくなっただろ?」
「……そう、ね」
「同じ人殺しの俺を支えてくれる奴らだ、きっとシノンの事だって支えてくれる」
それを聞いて、シノンは安心したのか少しだけ表情が和らいだ。まだ完全には克服出来ないだろうけど、でもきっと大丈夫だ。
いつの日か、シノンは必ずトラウマを克服する。だって、シノンにはこの世界で得た、大切な仲間が大勢居るのだから。
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