^^主人公は官軍を率いて、先制攻撃を成功させ、兵糧を焼き、袁紹を討ち取りかけ、堀を前にもたつかせ、何度も攻城部隊を跳ね返し、陽人に出撃した別働隊を完膚なきまでに粉砕し、孫策を討ち取り馬超を敗走させたが、たった一度の敵側の援軍で全てがひっくり返ってしまった。
死をも恐れずに敵を道連れに青州兵の援軍、その数五万。
このままだと、官軍は限界だ。
でも、チャンスがやってくる。
連合軍の旗頭である陳留王殿下が自ら死なない程度の毒を摂取し、危篤状態。
全部、主人公の策略。
劉備軍は撤退戦も視野にいれ、いざとなったら袁招の所で客将になる気でいた。 ^^
「ご自分で含まれました……陳留王殿下を害することは、この防衛態勢では太史慈さん以外無理なのです。が、あの狼狽した様子ではきっと違う……なら答えはひとつ、ご自分で毒を飲まれたのです。お部屋に飾られてた金鳳花が姿を消しておりました。烏頭と金鳳花、見た目は違えどよく似た毒を持つ仲間なのです」
「え、ちょ、ちょっと待って、それは」
「……どうやら、陳留王殿下は洛陽にお戻りになりたいご様子。ご自身を取り巻く防備があまりに厚いために、逼塞した状況を打破するためにご自身の命を危険にさらされたのでしょう。今頃、殿下の元には混乱に乗じて李岳さんからのお手紙が届いているのかもしれません」
なのです、と鳳統が続くが劉備は全く話についていけない。陳留王が李岳と通じた? ならこの連合の大義は? 内部から裏切り者? 李岳はどう動くのか?
諸葛亮は凡人の苦悩など知らぬとばかり、穏やかな口調で言葉を続ける。
「総攻撃が来るのか、それとも秘密裏に連れだそうとするか……李岳さんがどう動くかは残念ながらまだわかりません。ですが我が劉備軍も何かしらの決断を迫られることは必定」
連合軍は援軍も現れ意気軒昂だった。援軍が例え身元不確かな青州黄巾軍だとしても、である。しかし諸葛亮の物言いでは、この陣営を李岳が粉砕することは確実、という響きさえ読み取れた。
「ど、どうすればいいのかな……」
パッ、と羽扇を広げて諸葛亮は言う。
「李岳さんが総攻撃を仕掛けてくるのなら、それに対抗すべきでしょう。けれどもし勝ち目がない場合逃げる用意も必要です……我ら劉備軍、残念ながら拠点もなくただ逃げ惑えば飢えてしまうこともありえます。ならばこの連合の中で培った人脈を活かすのが得策ーー袁紹さんの退路を確保し、その庇護を求められるのが最上かと思われますです」
(´・ω・`)5万人の兵を動員できちゃう時点で、連合軍の兵站しゅごい・・・(いや、大昔の記述なんて、大抵、水増しすぎているから三国志に記載されている兵力はいい加減なんだろうけど
第七十五話 亜号作戦-主人公の軍勢4万人は砦からでて出撃した。
連合軍はそれを可笑しいと思ったが、圧倒的な数の暴力で倒せるチャンスだと思って、主人公の罠にはまってしまう。
連合軍を生かして返さないように、匈奴の援軍10万人を場に参戦。
これから徹底的に追撃戦しまくって、連合軍を1人も帰さず、あの世に送る気だった。
今まで連合軍の黒幕のせいで主人公は数多くのものを失っただけに激怒している。 --
『反董卓連合軍の皆様へ。私の名前は李岳と申します。私は畏れ多くも皇帝陛下より勅命を賜り、皆様の反乱を打ち砕けと仰せつかりました。私は皆様が徒党を組んで洛陽に攻め込もうとすることを宣戦布告の前から知っておりましたので、祀水関を強化し、兵糧を搬入して備えました。果たして皆様はやってきたので、これを防衛しました。陽人への攻撃も騎馬隊により阻止しました。
私は皆様がいずれ攻城戦に飽き、撤退するものと思っておりましたが、その様子が見えないので、やはり皆様を滅ぼすことといたします。既にお聞き及びかも知れませんが、現在北方より十万になんなんとする援軍がこの関所に向かっておりますが、彼らは匈奴です。数ヶ月の間に密かに山を伝いこの地に参集させました。
先年、今は亡き先帝陛下の勅命により匈奴に対して援軍の依頼が発されましたが、それは彼らを騙し討ちするための不届き者による罠でした。その不届き者とは劉岱さま、劉遙さまのお二人と存じます。私は中華の安寧と匈奴の不幸を防ぐために、雁門関にてこれを防ぎました。ですが匈奴は仁義にもとる詐欺を忘れておりませんし、陛下は匈奴と無益な争いではなく価値ある融和を望んでおられます。私はその理想の先兵となるべく、また私自身が匈奴の血を引いていることもあり、橋渡しを行いました。
皆様が考案された匈奴誘引の策略を私はそのまま用いることにしました。その恐怖と威力と罪深さを、その身で以って贖われればと思います。匈奴の軍勢は真っ直ぐこの祀水関を目指して駆けておりますのでお覚悟召されよ。河南尹』
(´・ω・`)徹底的に殺す前に、親切にも相手に教えてあげるなんてすごい英国紳士
第七十六話 貴様は負けることが出来るか-反董卓連合は匈奴の大軍に追撃されて全滅まっしぐらの完敗だった。
匈奴の機動力は素晴らしく、更に別働隊が逃げ道を先回りしている。
曹操はこの状況に奮い立ち、反董卓連合の盟主達を敵に回して、絶望的な大決戦。-
巨躯の黒馬に跨った小男が、二十万にもなる匈奴の大軍を向こうに回して先頭に立ち、ぐうの音も出ない程に打ち負かして総大将を自ら討ち取った! 貴様はもう匈奴の伝説なのだ。そして誇りでもある。だから誰もが夢見たのだ、貴様が先頭で縦横無尽に匈奴の騎馬隊を率いるその勇姿を、匈奴の戦士は誰もが夢見た。我々が追い出し、だというのに我々を破り、我々を救った小坊主の夢をな」
見れば、卒羅宇の背後に馬首を並べる匈奴の戦士たちは、皆キラキラした瞳で李岳を見ていた。頬が濡れている者も少なくない。その瞳には確かに憧れと、畏怖と、親愛があるように思えた。
「いま、仮初めであれ夢が叶った! 岳よ、貴様、感謝してもし足りぬ」
あれだけ殺したのに、あれだけ騙したのに――体中に眠っていた匈奴の血が暴れたような気がした。同胞の尊敬と愛が、あの時から李岳を苛み続けていた孤独から救った。もう彼は罪と罰から解き放たれ、決して一人ではないのであった。
「貴様の父も健勝だ」
う、と李岳は声につまった。思い出すまいとしていたあの面影が一瞬にして浮かんでしまったからだった。
「報元から伝言を預かっている――よく教えを守っているようだ、心配はしていない、と」
――あの夜、父・李弁から授けられた言葉が李岳の支えだった。片時も忘れなかった。しかしこの手は血にまみれ、人を死に追いやりあるいは悪鬼羅刹の道を歩いているのかもしれないと思うこともしばしばだった。
しかし父は子の生き様をしっかりと見ており、そして何も道を違えてはいないと背中を押してくれている。母のことも知っているに違いなく、されど我が子を気高いと!
「……危ない、もう。泣かされるところでしたよ」
「フン! それは敵を血祭りに上げたあとの楽しみにしておこうか、馬乳酒はしこたま持ってきたから心配するな……さあ将軍、指示を下だせ。と言っても、もうとっくに戦場の狂気を堪能しているがな。しかしそれでも命じよ、これは貴様の戦だからだ! この場に揃った匈奴の騎馬隊、皆、貴様を友と呼び兄弟と思い、そして恩人であり、そして血を分けた同胞と思うている! ただの一人も躊躇うことなく、皆が貴様の手足のように動き喜んで戦い、生き、死ぬだろう! いざ号令を下すのだ、李信達!」
(´・ω・`)撤退戦で相手が騎兵だらけとか、逃げるのほぼ不可能じゃないですかー
第七十七話 末路ー反董卓連合の黒幕さん【劉公山】と弟は、幼い頃からの教育環境で歪み、人間を拷問して殺すのが大好きな変態さんだった。
でも、今は乱世。
その安定した地位は、李岳と曹操の手によって崩されてしまった。
兵士たちは曹操のカリスマに惹かれて離反、他の連中は主人公と手を組むために謀反。
家臣は劉公山を見限り、黄巾党と袁紹と手を組んだ。
でも、劉公山の気分は晴れやか。
全てに見放されても、最後まで生き残ろうと足掻く気満々、しかし反董卓連合中が彼の敵だらけだった。
最後は彼に生きてもらっては困る曹操陣営の人たちに暗殺されてボロクソに言われて人生終了。
弟さんの方は、以前、袁術を泣かせてしまったから軍師「張勲」を敵に回し、ボコボコにされてしまった。
反董卓連合で、彼らに生きて欲しくない人間さんたちがたくさんいて、誰も好意を持ってなかったからこの有様だよ!
ー 「袁紹と組むのか」
田疇は袁紹と劉備、そして劉虞と袁紹の連携を取れるよう政治工作に勤しんでいた。劉備には見どころがある、というのが田疇の判断らしい。劉岱は邪魔立てするようなら即座に粛清するべきだという考えしか持てなかったが、その三つ巴が田疇が次に考案した布陣なのだろう。
「李岳どのはこの連合戦で勝利したあと、一度軍を再編したのちに兗州制圧に動こうとするでしょう。ま、容易くはさせませんが……袁紹どのと劉虞さまを組み合わせ、時間をかけずに南下を目指します」
「黄巾を全面的に動かすんだね?」
「全面決起となるでしょう。しかし、即座にそこまで読まれるとは。やはり、劉岱さま……」
惜しゅうございます、と田疇が頭を下げながら呟いた。劉岱は一度笑った後に、大きく下品に舌打ちをした。
「助ける気ないくせに、適当言いやがって」
「はっ……」
「でも、ま、楽しかったよ」
田疇はいつからかその顔から薄気味悪い謀略家の笑顔を消し去っていた。本当に別れを惜しんでいるような――もちろんそれも策略かも知れないが――そんな表情をしていた。劉岱にとって人生を変えるきっかけを持ち込んだこの男は、きっと戦友だったのだ、と今だから認めることが出来る。
「これよりどうされますか」
「紗紅が持つ揚州軍を頼って落ち延びることになるだろう。劉協は連れて行っても構わないんだろ?」
「あのお方は少し手に余りますので」
「わかった」
(´・ω・`)悪役を魅力的に書ける文才が羨ましい。
第七十八話 反董卓連合戦、決着--曹操は逃げ切るために主人公たちの軍隊を一度は撃破する必要があったが、信頼していた袁術が裏切ったから、匈奴兵に追撃されて敗北した。
騎馬3000を討ち取る仕掛けを敗軍の撤退中に地中に設置するという不可能な事をやっても無理ゲー
もともと、騎兵10万人相手という絶望的な戦いだけに、袁術を信頼する以外に選択肢がなかった上での裏切りだったから心も体もボロボロ
部下のほとんどは消息不明である。
でも、曹操は死なずに生きていた。 -
――対李岳戦のために用意していた、兵器。拒馬槍が炸裂したのだ。
地に埋めた槍を李典が開発した仕掛けで跳ね上げ、飛び込んできた敵兵を串刺しにする仕組みである。陽人の戦いで用いようとしたが出番のないまま寝ていた武器を曹操はここで用いた。ここしかなかった。この作戦を知ってたのは李典と荀ケとその子飼いの兵だけである。誰にも漏らさぬ極秘作戦がこの罠だった。
李岳であればもちろん地理を調べてくる、であれば丘陵地での伏兵を見抜くだろう、そしてそれに対する反攻を考えるに違いない。李岳からすれば読んだ通りに伏兵が現れた、そのための備えを解き放った時、脳裏には勝利の二文字が抗いようもなく浮かんだはずだ――曹操はその隙を狙撃した。これしか思い浮かばなかった。
「総員抜剣! 本隊も突入する!」
今しかない、李岳を殺せるのは今しかなかった。
(´・ω・`)こんな無理ゲーでも、生き残ってしまう曹操がすごかった(小並感
主人公(´・ω・`)今ならこの大軍で曹操を殺せるチャンス!これが匈奴の騎兵部隊だ!
曹操(´・ω・`)私のターン!拒馬槍を大量に地中に仕掛けた!最後の最後で主人公を返り討ちにして殺すチャンス!
袁術(´・ω・`)裏切って主人公の味方になる。
曹操(´・ω・`)袁術の裏切りで左翼が崩壊っ!?完全な大敗北だわ!
第七十九話 おかえりなさい---
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