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ハリー・ポッター クロス作品【2】-【8】 魔法の世界のアリス 【東方Project】 【6章 THE HALF-BLOOD PRINCE】 【前篇 自然で殺し合いサバイバル】 【ブログ】【作者 マジッQ】 |
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魔法の世界のアリス (東方) 【6章 THE HALF-BLOOD PRINCE】 【前篇 自然で殺し合いサバイバル】 |
ハーメルン 作:マジッQ | Z | 31-33話 | 2015年01月02日 |
1話 THE HALF-BLOOD PRINCE 逃げる者、捜す者達、追う者達^^、学生を乗せた汽車が死喰い人および吸魂鬼に襲撃される事件が発生した。 「よし、そうと分かればすぐに追うぞ。見つけても殺すなよ。特にグレイバック、お前だ」 「へぃへぃ、分かってますよ。でもよ―――殺さなければいいんだよな?」 グレイバックが歪んだ表情を浮かべる。それは残虐性を滲ませた愉悦の表情であり、この男がどういった者なのか否応なく理解してしまう顔だ。 「人狼にするのはやめておけよ。純潔を奪うのもだ。帝王様は奴の血を望んでいるのだからな。下手に扱って血が変質してしまったら殺されるぞ」 「へへッ、そいつぁ勘弁だな」 ヴォルデモートの問いかけに、床に跪く死喰い人達は身体を振るわせる。死喰い人は額から汗を流し、床には僅かに水溜りを作っていた。 「この任務―――クラウチやベラに任せれば、恐らく達成することが出来るだろう。だが、奴らは別の任務で動かすことが出来ない。それに、重要な案件に固定の者だけで対応し続けるというのは、組織の堕落と脆弱を招きかねない。吸魂鬼では目立ちすぎる。故に、俺様はお前達に任せようと思ったのだ。俺様に忠誠を捧げる死喰い人たるお前達に期待したのだ。暴れるしか能のないお前達でも、俺様の為ならば知恵を働かせ、身を粉にして任務を果たしてくれるだろうと」 ヴォルデモートは椅子から立ち上がり、跪いている死喰い人の間を滑るように歩く。コッコッという足音が自分の近くで鳴る度に、死喰い人はより一層身体を振るわせる。 「しかし、お前達は俺様の期待には応えてはくれなかった。正直に言おう―――俺様は、酷く失望した」 そう言って、ハリーは杖を下げながら静かに語りだす。 「あの襲撃のあった時、僕はロン達と合流した後で死喰い人に向かっていったんだ。まぁ、当然というか何というか、ロン達には止められてね。でも、僕は一人で死喰い人に立ち向かっていったアリスを見ていたから、アリスが出来るなら僕にだって―――ていう、馬鹿な考えをしていたんだ。その所為で、あと一歩というところで、僕は大切な人を亡くしてしまうところだった」 ハリーは自身を自虐し、言葉を続ける。 「ほら、僕ってよく自信過剰とか言われてただろ? 特に、スネイプとかマルフォイとかにさ。あの二人を認める訳じゃないし、今も普通に大っ嫌いだけど、その言葉だけは正しかったんだと思った」 今日は驚くことが多い日だ。ハリーが、スネイプやドラコの言葉を受け止める日がやってこようとは。 「正直、これまでの僕は己惚れていたんだ。“生き残った男の子”なんて言われて、口では嫌がっていたけど、内心では特別な存在だということに興奮していた。だから、アリスやハーマイオニーに散々注意されても、特別な僕には必要ないって、どこかで思っていたんだ。実際はそんなことはないのに、必要以上の過信から事件の中心へと飛び込んでしまう。その最たる例が魔法省だよ。冷静に考えれば罠だって分かるのに、僕は、意味のない過信で大切な仲間を、大切な人を永遠に亡くしてしまうところだった」 ハリーは再び杖を構え直す。 「大切な人や仲間を守るには力がいる。でも力だけじゃ駄目だ。心がなくちゃ、力は味方にとっても暴力となってしまう。かといって、心を養っているだけじゃ、敵の暴力には抗えない。僕は未熟だから、力も心も両方を得られるほど器用じゃない。でも、得られなくても求めることは出来る。そして、僕の身近には力と心の両方を持っている人がいた―――そう、君だよ、アリス。僕はこの三か月間、君を目標にして鍛えてきたんだ」 |
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