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銀河英雄伝説 二次創作【37】-【2】 銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者Ver2 【第一章:英雄エリヤ・フィリップス】 【その2 故郷に帰ったけどトラウマだらけで人生辛いから軍に戻って俺は士官になる!】 【ブログ】 作:甘蜜柑 |
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銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者Ver2 【第一章:英雄エリヤ・フィリップス】 【その2 故郷に帰ったけどトラウマだらけで人生辛いから軍に戻って俺は士官になる!】 |
Z | 4-6話 | 2015年 3月 29日 | |
第4話:英雄、故郷に帰る 宇宙暦788年10月〜11月 ハイネセンポリス〜パラディオン市 帰省から一週間もすると、歓迎ムードは一段落した。自由になった俺は、行きたかった場所に片っ端から行き、食べたかった故郷の味を片っ端から食べた。 「なんか味気ないな」 画像で見た時は光り輝いて見えた光景も今は色あせて見える。恋い焦がれた味も今はおいしく感じられない。失望ばかりが積み重なっていく。 今日も予定を切り上げて、早めに実家に帰った。居間を素通りして自分の部屋に入り、電気を消す。故郷に帰っても、安らげる場所はここだけだった。 「俺のどこが英雄なんだよ。全然あの時と変わってねーじゃん」 虚空に向かって一人つぶやく。家族とは二日目の朝からほとんど顔を合わせず、事務的な連絡をする時も同じ家にいるのにメールを使う。同級生からのメールは、いつの間にか来なくなった。 「あの人達とはもう無理だ」 家族や同級生の顔を見ると、昔のことを思い出してしまう。彼らがどんなに優しい顔をしていても、嘘っぽく見えてしまい、信頼関係を結べるとは思えなかった。故郷は人も含めての故郷だ。それが好きになれなかったら、懐かしい風景も色あせて見える。 結局のところ、とっくの昔に俺は故郷をなくしていた。今回の帰郷は、やり直しただけですべてを無かったことにできるわけではないということを、確認する作業であった。 ヤン・ウェンリーと士官学校の同期で、そこそこ親しかったというブラッドジョー中尉は、社会科学の必要性を語った。 「軍隊社会は建前と規則の社会でな。そういったものに対する基礎的な理解度の指標になるのが、歴史、政治・法律、地理、倫理教養といった社会科学科目の学力だ。士官学校の校長は、『軍人はまず偉大な常識人であるべきだ』と言っていた。常識を破るにも、まずは破るべき常識を理解しなきゃいかんのだ」 士官学校時代のヤンが常識人だったかどうかを聞いてみると、「あんなに常識のある奴はいなかったんと違うか」という答えが返ってきて、社会科学科目の重要性を改めて認識させられた。 一般大学から予備士官養成課程を経て士官となったマー技術大尉は、自然科学の重要さというより、メカニックの重要さをまくし立てた。 「西暦五〇〇年だか一〇〇〇年だかの時代はともかく、今はハイテク兵器の時代なんだよ。戦艦のビーム砲、エネルギー中和磁場、指揮通信システム、航法システム、エンジンなど、全部先端技術の塊なの。地上軍だって全部ハイテクだよ。つまり、士官の仕事はメカの運用ってこと。だから、自然科学は何よりも大事!」 |
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