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Fate/EXTRA 【1】-【5】 Fate/EXTRA ava 【ブログ】【作者後ろに敵が】 |
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Fate/EXTRA ava 【五回戦目】 | 作:後ろに敵が | SSS | 2014年07月29日( | |
一日目 ^^次の対戦相手は遠坂凛。 ――ただし、セイバーが慣れ相手が慣れるまで戦いが長引けば、なのだが。 「くそ……っ!」 セイバーが、悪態をつく。――それは、当然かも知れない。やはりここで押されている原因は前回圧倒的に感じた地力の差。 「お前本当にランサーか?ランサーって感じの速さじゃないだろうに!」 「マスター?行かないのか?」 「え!?うん、行くよ、今行く」 少し歩みが遅くなった私に向かってセイバーが先を急かす。その言葉からも、イラつきを感じて仕方がない。実際に、そんなことがあろうとなかろうと、そう感じてしまっている。 ――遠い。 なんだかとてもとても、違う場所にいるみたいだ。凛よりもレオよりも桜よりもずっと、ずっと。 ――遠く離れている気分だ。 俺でも『俺』でもない、この肉体を持ち世界を駆けた英雄の名前だから。 俺は、英雄じゃない。たとえサーヴァントであろうとも、英雄の肉体を持とうとも、『俺』の意識が入った時点で俺は英雄とは違う存在になったんだと思う。だから、名乗れないのだ。『私』の名前も『俺』の名前も。だって、俺は俺なのだから。 そして俺は気づかない。この理由がただの言い訳でしかないことに。 俺が、気づくことはなかった。 そうだ、セイバーは強いんだ。私のセイバーはステータスに左右されない強さを持った英雄で、本人はかなり弱い方だと言うけれど私からすれば間違いなく最善にして最優のサーヴァントなのだ。なのに、私がほころびになってしまっている。セイバーの、邪魔になってしまっている。――セイバーは、強いはずなのに。凛のサーヴァントにだって負けるはずはないのに。 その傍に私がいなかったとしても。 「さて、取り敢えず第二層の探索でも始めるか。トリガーの取得はまだ出来ないだろうけど場所ぐらい把握しておくべきだしな」 (´・ω・`)自暴自棄になりかけて、はくのん大変だ ――やめろ、と心が叫んだ。 理由も理屈もわからないけれど、やめてくれと叫ぶ。声に出ない叫びを超えて、言峰は言葉を―― 「――それは、覚悟ではないだろう」 ―――――――――――――――は? 今、こいつは何といった?覚悟、じゃないだと?ふざけるな、私のこれが覚悟じゃなくてなんだと―― 「――依存」 ごつん、と音がした。私の頭から発せられたその音はバットで殴られたかのような衝撃を伴い私の頭を、全身を襲う。そくりと走る悪寒とそれによる全身の麻痺は、私の体を、心を、感情を停止させるには十分な衝撃であり衝動だった。 「マスター!おい、どうしたんだ!」 前は、少し考えていたことだが今はそんなこと考えはしない。だってセイバーがきっと何とかしてくれるから。終わるのは不安だけど、それでもきっとセイバーが何とかしてくれる。あ、でもこの戦争は確か万能の願望器をとりあってるんだっけ?なら、セイバーに頼らなくても簡単なことかもしれない。聖杯、とやらに願えば多分一発。 そう考えると、戦争が終わるのはむしろ喜ばしいのかもしれない。うん、戦ってるとあまりセイバーと話すこともないし…… 「あーあ、はやく戦争終わらないかな」 セイバーに聞こえないぐらいの声で、呟いた。 |
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