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16話 最強武器は真っ黒パンツ
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子供「先生っー!
アイスって娘のスカートをめくったらパンツを履いてました!
青と白の縞々パンツです! 」
女教師「どっちも変態だぁっー!」
子供「一撃で殴り殺されてゆんやっー!」
女教師「あ、ステータスが違いすぎて、生徒殺しちゃった。
善行をたくさん積んでるから、犯罪者にならなくて良かった。
それでは授業を続けますね。
社会的な地位が低い人間は、命の価値も低いのです。
これを理解できないと、奴隷や犯罪者になります。
皆さんも先生のような立派な人間になりましょう。
わ か り ま し た か ?」
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場にいるのは、アイスちゃんと使い魔の白い犬。
寝袋でグッスリ眠っている猫さんだけになった。
僕は全裸の幽霊ボディ。
アイスちゃんは、犬に顔を近づけて文句を言ってるよ。
「落ちている死体なんて食べちゃ駄目ってアタイが言ったでしょっ!?
この馬鹿犬!
食べるなら、殺したばかりの新鮮な死体の方が安全でしょっ!」
「ワン!
ワンワワン!」
「え、お腹が空いてた?
アイテム欄にある食糧は、アタイが餓死しないようにするために節約して取ってある?
バター!あんたはなんて良い子なの!
厳しく言ってごめんなさい!」
「ワン!」
銀髪美少女なアイスちゃんが、犬に抱きついて感動の涙を流していたよ。
二人とも自分の世界に入ったような感じで仲が良い。
白いモフモフな犬に、可愛すぎる美少女が抱きつく光景って絵になる気がするけど・・・・僕的には微妙な光景なんだ。
僕 の 死 体 、 完 全 に 消 え ち ゃ っ た も ん。
アイスちゃんの白い犬が全部食べちゃったよ。衣服残らずゴクン。
なにこれ酷い。
明日になったら、僕の身体が犬の排泄物として出てくるの?
もうやだ、この世界。
でも、今の幽霊の身体が一番安全で苦痛がなくてゆっくりできるよ。
半透明で誰にも触られず、餓えもない。
ああ、死んだままの状態って素敵。
ずっと、死んでいたいな。
【魂が地獄に引き摺られています。残り10日20分31秒】
でも、この不吉すぎる数字と文字があるから、幽霊のまま生活する訳にはいかないみたい。
小さくて今まで気づかなかったけど、死亡メッセージの真下にあったよ。
【魂が地獄に引き摺られています。 残り10日20分21秒】
【何 か が ア ナ タ を 見 て い る】
【オソラ氏が、異次元からやってきた手で殺害された】
なんだろう。
この地獄って。
僕は死んだ後にすら救済はないの?
地下都市で死亡したままでいると、地獄行きなの?
なにそれこわい。
早く復活ボタン押さなきゃ。
ポチッ【妖精区で復活した。】
今の僕は青色のワンピースを着ているよ。
スカートの下に白いフリフリがあって可愛らしい。
新品でピカピカでゆっくりできるよ・・・なんか、アイスの白いワンちゃんがこっちを見ているの。
あれ?ま、まさか、また食べる気なの?
やだやだ!僕が可愛いからって食べられるのはやだよ!
だから、犬さん、食べるならアイスちゃんを食べ
「ワン!」
「死ぬのはやだぁっー!」
僕は場から空を飛んで逃げ出した。
幸い、魔力は満タン。
短時間なら空を飛べる。
空にいる限り、犬に食べられる心配はないけど・・・・白い犬が地上からこちらを見つめているんだ。
魔力が尽きて地面に落ちたら、また食べられちゃう。
地下都市の高所に色んな家が建ってるけど、不法侵入してもいいのかな。
家宅不法侵入って現実だと犯罪行為だった記憶があるから、僕が犯罪者扱いされちゃうかもしれないから怖いよ。
どうしようっ・・・!
ビクンビクンっ・・・!
そんな風に困って空を浮いているとアイスちゃんが大声で
「大丈夫だよ!
この犬は、犯罪者やモンスターや落ちている死体くらいしか食べないから、アンタを食べないよ!!」
「ワン!」
「ほら、こうやって頭を下げて、アンタに謝罪しているよ!」
「ワン!
ハァハァ!」
やだっ!このワンちゃん可愛い!
舌を出してヨダレを垂らしながら、はぁはぁ言ってるよ!
頭を一回だけ下げて謝罪のポーズしてて癒される!
・・・・なんか、美味しい料理を見てヨダレを垂らしているだけのような気がするよ。
外見可愛いけど、人肉食べる時点でアイスって娘の教育可笑しいよね。
猫さんと同じ畜生な気がするの。
ビクンビクンっ・・・!
「どうしたのにゃ?
うるさいのにゃ。」
この騒ぎで猫さんが起きたみたい。
寝袋から出て寝むそうに目を擦ってるよ。
寝起きの猫さんは可愛いね。
・・・・・なんか、猫さんは人間の言葉を話せるせいで、とても残念な気がする。
このワンちゃんみたいに、ワンワンしか言えない方が可愛いと思うよ。
語尾に【にゃ】ってつける所がうざったいし。
しかも、猫さんがアイスちゃんの存在に気が付いて
「・・・・あ、アイス様にゃっー!
吾輩にアイス様のパンツを譲ってほしいですのにゃっー!
アイス様の事を崇拝してますのにゃっー!」
「金貨100万枚で売ってあげるよ!」
「そんな大金払えないのですにゃっー!」
猫さんが土下座してパンツくださいとかいってるよ。
僕の常識から考えると、猫さん変態だよね。
可愛らしい銀髪の美少女のパンツが欲しいとか、刑務所行くべきなの!
あと、僕とアイスちゃんじゃ態度が違いすぎるよ!
差別だよ!さべ
【MPがゼロになりました。】
あ、魔力が空になった。
同じ場所に止まってるだけでも、かなりの魔力を消費し・・・らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
地面に落下しちゃらめなのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!
アイスちゃん助けてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!地面が迫ってくるうううう!!!!!!
ブチュンッ
【トモエは落下死した。】
また、身体が潰れて死亡しちゃったよ。
何回死ねばいいんだろう。
幽霊のまま眠ってもいいかな。
【魂が地獄に引き摺られています。残り10日20分31秒】
でも、うっかり幽霊のまま眠ったら地獄行きになりそうな気がするから怖いし、復活するよ。
復活ボタン、ポチッとな。
すぐに死ぬゲームって、クソゲーだと思うよ、ぷんぷん!
次に復活すると、僕の眼の前にアイスちゃんの姿があった。
間近から見たアイスちゃんの容姿は、この世の者とは思えないほどに・・・可愛い。
現実じゃありえない銀髪の長い髪。
美しい真っ白な肌。
完成された小さな身体に、神秘的な妖精の羽。
そんな絶世の美少女と言ってもアイスちゃんが、とても哀れそうな顔でこっちを見ていて・・・・僕の心が辛い。
余計にこっちが哀れだよ!
恵まれている可愛い娘に、哀れな目で見られるなんて・・・っ!
屈辱だよ!
ビクンビクンっ・・・!
僕が屈辱に身体を震わせていると、アイスちゃんの小さな口が開いて
「あんた・・・・大変なんだね。
辛い目にあった?
ご飯はちゃんと食べてるの?」
同情された。
あれ・・・僕、眼から涙が出てる?
この世界に来てから、こういう優しい人と会話したの初めてかも。
猫さんは僕を平然と餓死させるし、ゾンビは僕を食べちゃうし、ガードは僕を何度も殺すし、厳しい連中ばっかりで辛かったけど、急に優しくされると涙が出ちゃうの。
今まで我慢してた本音まで僕の口から
「うわぁーん!おうちかえりたいよぉっー!
こんな世界大嫌いっー!
猫さんは鬼畜な畜生だし、もうやだぁっー!
パパとママに会いたいよぉっー!」
涙が出たら、もう止まらない。
鼻水も止まらない。
僕は、こんな世界大嫌いだって宣言しちゃった。
そのまま、アイスちゃんの平な胸に突っ込もうとすると・・・・・猫さんが僕の目の前にきた。
殺意でギラギラとした目を向けていて怖いの。
「弱音を吐くんじゃないのにゃっー!
冒険者の時点で恵まれている事を自覚するのにゃっー!」
そのまま猫さんが右腕を振り上げて、僕の頭へと勢いよく降ろした。
鋭い爪が僕の首を切り裂き、血がドビュッーって、首から噴水のように出てくる。
ああ、また死亡しちゃった。
喉が焼けるように熱い。
でも、すぐに幽体離脱したから、苦しみは長続きしなかった。
【トモエは出血死した。
復活しますか?(レベル20までペナルティはありません。)】
「辛いなら強くなるように努力すればいいのにゃっー!
弱者に人間として生きる資格なんてないのにゃっー!
せいぜい家畜や奴隷として生きるしかないのにゃっー!
それを理解したら、復活するのにゃっ!」
猫さんがスパルタすぎて、僕辛い。
アイスちゃんに甘えたいよぉ。
虐待だよね。これ。
児童相談所に訴えたい気分。
猫さんを刑務所に送りたい。
アイスちゃんだけが僕の救いだよ。できれば養ってほしいな。
?
アイスちゃん、僕が目の前で殺されたのに全く動揺してないよ。
まるで日常風景を見ているかのような慣れっぷりだよ。
口に笑みを浮かべて元気そうに
「アタイもそう思うよ。
これを有料で貸してあげるから、この世界で頑張って生きていくんだよ!
アタイも応援するよ!」
あれ?
なんか、アイスちゃんが真っ黒のパンツを何処からか出して、僕の死体の上に落としたよ。
大人の女性が履きそうな黒くてアダルティーな感じのパンツ。
僕みたいな可愛すぎる9歳児だと似合わない気がする。
・・・・そういえば、この世界のパンツって武器だったね。
アイテムのステータスを見てみると
武器:邪悪を呼び起こす混沌パンツ☆(パンツ) 0.1kg
50D0
それはルビナスで出来ている黒いパンツだ。
投げても手元に戻ってくる加護がついている。
混沌属性攻撃
***** の効果がある。
錆びない
燃えない
呪いに耐性がある。
製作者はアイスだ。
生命力を+3する効果がついている。
・・・・・・・・・このパンツ。
凄い高価そうな気配がする。
最強装備な気がしたよ!
僕は復活ボタンを押して蘇ると、すぐに手を伸ばしてパンツを取ろうとすると、その手をアイスちゃんが掴んできた。
い、痛い。
骨が折れそうなくらいに痛い!
そんな状態でアイスちゃんが僕を素敵な笑顔で見つめてる。
まるで肉食獣が獲物を狙うような視線だよ。
ビクンビクンっ・・・!
「1か月間のレンタル料は、格安の金貨1万枚でいいよ!
あ、自己紹介が遅れたけど、アタイの名前はアイス!
こっちの犬が、夫のバターだよ!」
「ワン!ワン!」
白いワンちゃんが愛想よく吠えた。
・・・この犬が夫?
以前も似たような事を聞いたけど、僕の倫理観が崩壊しちゃうっ・・・!
あと、僕の隣で猫さんが騒いでいてうるさいよ。
「にゃっー!安いにゃっー!
とっても良いパンツのレンタルなのにゃっー!
アイス様には頭が上がらないのにゃっー!」
え?安いのかな?と疑問に思っていると、アイスちゃんが白くて、日本語が書かれた書類をまた何処からか出して、僕の前に着きつけてくる。
アイテム欄が一瞬だけ見えたけど、操作が早すぎて手が見えない。
書類の上には【契約書】って大きい文字が書かれていて、その下に細かい文章がズラリと並んでるよ。
読むの面倒くさい。
こんな長文読むのやだ。
僕は理解を放棄した。
「払えなかったら、アンタはアタイ達のペットにするよ!
理解できたら、この書類に親指でサインしてね!
そこらへんに、アンタの血が少し落ちてるから、それを使えばいいよ!」
「・・・・・ペット?」
可笑しいよ。変な言葉が出てきたよ。
僕よりも可愛らしい銀髪の女の子が、普通に僕をペットにしたいって言ってきたよ。
怖いよ。パパ、ママ。
この娘、変態だよ!
「アタイの家族になるって理解すればいいよ!
金が払えなかったら・・・・・ベットで可愛がって優 し く て あ げ る ね !」
ビクンビクンっ・・・!
アイスちゃんが僕の右手を掴んだまま離してくれない。
このままじゃ契約させられちゃうっ!
たすけぇー!
パンツを借りるために、僕の人生がピンチに陥ってるよ!
アイスちゃんが僕の目の前に、真っ黒なパンツを押しつけてきて怖い。
パンツ怖い。トラウマになっちゃう。
「ほら!この金貨200万枚くらいする武器が格安でレンタルできるんだよ!
返済できなかったら、アタイが可愛がってやるから、さっさとサインしてね!」
「あ、あの、この話はなかった事にできないかな?
僕は、そういうパンツは早いと思うの!
あと、手を強く握りすぎて骨が折れちゃ」
「にゃっー!
さっさとサインするのにゃっー!」
猫さんが僕の右手を掴み、軽く指先を爪で切り裂いてきた。
突然の出来事に僕は口から「痛っ!」 と叫び、親指から少し血が出て、そのまま猫さんに指を掴まれたまま勢いよく契約書に僕の親指が触れ、親指の指紋が綺麗に契約書に残る。
真 っ 赤 な 血 で 出 来 た 指 紋 の サ イ ン
契約書の内容も読んでないのにサインしちゃったよ。
これ、学校でやっちゃ駄目な行為って教えられた気がする。
そして、焦っている僕とは対照的に、猫さんが大喜び
「これで最強武器ゲットにゃっー!
良い商売だったのにゃっー!」
ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
どうしようううううう!!!!!!!!
僕、可愛すぎるからアイスちゃんに手籠めにされちゃうよ!
パンツが手に入ったけど、僕の人生が犠牲になってそうだよ!
誰かぁっー!助けてぇー!
あとがき
(´・ω・`)実は
ネカマが一章だけで3人も登場してるんだ。うん。
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