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元いた場所に帰れるかもしれない。
そんな素敵な可能性を、ネットの皆から聞かされたシルバーだったが――今の自分には嫁が二人いる。
彼女達を放り出して、日本に帰る訳にはいかない。
そもそも、マンションで死んだ時点で、日本国籍は消滅したも同然。
日本に帰っても、不法入国者扱いされておしまいだ。
「俺……妻が二人もいるんだが?」
『しかも、領地持ち・領民持ちだな』
『今、帰ったら、無責任男コールの嵐の後に、社会的に殺される事は間違いないお』
『日本に帰っても、俺らに見られてるんじゃね?
だとしたら、24時間、居場所がネットに流れて、休まる暇もないぞ』
「もしも……俺が、嫁の二人と一緒に、21世紀の日本に帰ったら……どうなるんだ?」
『誘拐されて、人体実験動物扱いだお?』
『東アジアは、世界最大規模の奴隷市場がある場所だぞ……。
きっと妖精さんも、エルフィン達も徹底的に人体実験された後に、バラバラにされると思うな……』
「え?日本って危険地帯なのか?」
『すぐ隣に、地球最大規模の奴隷市場がありますが、何か?』
『すぐ隣に、他国民を拉致して、教官として運用する拉致国家がありますが?』
そうだった。
シルバーの故郷がある日本は平和だが、西に少し行けば、地球最大規模の奴隷市場がある。
地球最大の臓器市場もある事で、昔から有名だ。
妖精の身体で帰ったら、政府に保護でもされない限り、悲惨な末路を辿るだろう。
「そうか……おかげで諦めがついたよ。
どうせ、一生かかっても、二つの世界を行き来する方法なんて見つからないだろうし。
そんな話、一度も聞いた事ないしな……」
『諦めるのが早い!?』
『日本に家族はいないのかお?
オラが伝えてあげるお』
「なんか、思い出せない。
死因は思い出せるんだが……俺って家族いたっけ?」
『うむ……恐らくは、死んだ時に記憶が欠落したのだろう……』
『そういえば、シルバーと名乗っている時点で……前世の名前すら覚えてないって事じゃ……?』
「ああ、思い出せない。
本当の名前は、100%思い出せない自信がある」
シルバーの言葉に、悲壮感はなかった。
「でも、今の俺は、プラチナの理想を叶えてあげたいんだ。
エルフィンも可能な限り、幸せにしてやりたいんだ。
そのために、ここにいるって気がする。それに領主に出世したと思えば、お得だろう?」
『惚気だ!』
『リア充のセリフだ!』
『恐怖政治するプラチナたんより、エルフィンたんの方が良いと思うお?』
『正直……プラチナは、周りに恐怖をバラ撒きすぎているな……。
まぁ、為政者としては正しいのだろうが……』
「確かに、他人から見たら、プラチナは、倫理観が可笑しいサイコ女に見えるかもしれない。
でも、彼女は彼女なりに、領民が幸せになれるように頑張ってきたんだ。
一人くらい、彼女を支えてあげる男が居ないと、プラチナはもっと駄目な娘になる気がする……」
そのショタ妖精の言葉が終わると同時に、隣で眠っていたプラチナが目を開けた。
シルバーは激しく動揺する――今までの会話を聞かれていたかもしれないだけに。
『ま、まさか!?』
『盗み見聞きか!?』
『きっと、妖精さんが独り言を言う痛い奴にしか見えないと思うお』
美しい銀髪ロリはゆっくりと、腰を起こし、視界にシルバーをおさめて、眠そうな顔で微笑んでくる。
「ふぁ〜、シルバー様、おはようございます〜。
ご飯にしますか?
……それとも僕を食べます?」
「うん、おはよう、プラチナ。
美味しいご飯を頼む」
彼女のためならば、もっともっと頑張れる。
シルバーはそんな気がした。
『子作りを未だにやっていない童貞がいますぞ』
『プラチナたん可愛いのに、手をつけてない時点で、草食系男子すぎる……。
勇猛果敢な妖精さんは、ベットの上には存在しないというのか!絶望した!』
『やだ、この妖精さん……純情なショタだわ』
『プラチナたんが羨ましいお』
物語のテーマ『分かり合えないけど、分かり合おう』
キャラ簡易表
シルバー『好きな女の子のために、俺は英雄になる!』ピンチになるとヘタレる 銀髪ショタ
プラチナ『貧乏な領地で貧乏暮らし、貧乏辛いよぉ』無邪気で従順だけどたまに毒舌 銀髪ロリ
エルフィン『女の子らしい女の子になりたいのです』宝石好き 金髪巨乳
ニャンコ『金の亡者』 金貨風呂に入りたい 黒猫
ミカドワ『アタシ、職人として、歴史に名前を残したい。大型兵器で』 大型兵器大好きな職人さん 黒髪の合法ロリ
伏線一覧
●亜人はかつての魔法文明社会では希少種と呼ばれていた。遺伝子を自分で弄って不老長寿になった特権階級の末裔。
現代では、鼠人間から『劣等種』と呼ばれて、先祖の罪を被り、差別されている。
●人間。家畜としても、奴隷としても不向きだから絶滅させて、その遺伝子で鼠人間を作った。
●鼠人間は、たった30年しか寿命がない代わりに、一度に複数産まれて繁殖力が高い。
かつての、魔法文明社会では『奴隷種』『劣等種』と呼ばれ、ロボトミー手術で家畜扱いだった。
●豚人間、運を全て搾取された鼠人間から、誕生したクリーチャー。
圧倒的な性欲で、周りに不幸と快楽を撒き散らす。夢幻の神ジャイナを信仰している。
●ネットの反応=観察系お姉さんです。主人公をからかって遊んでます。
物資は、その場で創造してプレゼントしているだけです。惑星間通信なんてしてません
●豚人間は、数百の国に分かれて、戦国時代状態。豚人間は一度に大量に産まれるから、簡単に兵士を量産できる。
主人公さんは、圧倒的な火力で、絶望的すぎる戦場を無双したり。
知恵を凝らして、豚人間同士を潰し合わせる必要がある。
●イーモという超えた土地専用のチート芋がある。アフリカ大陸みたいな毒付きの芋だから、野生動物も食べず、適当に枝を差すだけで、一か月後にまた生えてくる。
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(´・ω・`)ここから下がコメント枠
豚人間は殺すべし、慈悲はない
個人的にはガンダム機体で蹂躙したい。
これ、未来の世界の話じゃろ?
核があれば勝てるな(確信)
でも汚染がひどい事になる・・・
http://syosetu.com/userblogmanage/view/blogkey/1446899/
(´・ω・`)アメリカ合衆国があっても、一撃で消滅する敵だらけでござる