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『プロローグ』ナポレオン皇帝「三大陸統一した狐娘が居た件」
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『21世紀のエジプトの地にて』

諸君、ヨーロッパの歴史を敬愛する諸君。
私の名前はナポレオン・ポナパルト。
19世紀という時代を駆け抜けたヨーロッパの元覇王である。
貧乏貴族からフランス皇帝へと成り上がり、ヨーロッパを支配して世界の覇権を巡って争った男だ。

「お父さん、誰に話しかけてるの?長く生きすぎて痴呆症になったの?」

おお、我が愛しき娘ジョゼよ。
今度、首都カイロで講演会があってな。
私のファン達に語る内容を事前に練習していたのだ。

「というか、お父さんがフランス皇帝って話は本当だったの?ただの与太話だと思ってたわ」

……娘よ。
お父さんが若い頃、フランス大陸軍を率いてエジプトに遠征したり、大英帝国と戦ったり、ロシアに遠征した事は何度も何度も話したのに未だに信じてくれないのか。
お父さんは悲しいぞ。

「だって私が産まれた時にはお父さんが語っていた国々って大昔に滅亡して、自由モフモフ同盟がユーラシア大陸統一してたし。当時から残っている国って自由モフモフ同盟とアメリカ合衆国くらいでしょ?」

そうだな。
お父さんが若い頃、今から200年前にあった国々はほとんどが滅亡しているな。
イスラム世界最強のオスマン・トルコ帝国も、モンゴル帝国も、ロシア帝国も、ソビエト社会主義連邦も、世界の半分の富を握った大英帝国も……私が作り上げたフランス帝国(ナポレオン帝国)も全てが滅んで統一された。
お父さんはそういう大帝国を作り上げる主人公に一時的に成れたが現実は儚いな。
歴史という物語の中での私の役割が、主人公を成り上がらせるための引き立て役でしかなかったと思うと悔しいが歴史に大きく名前を残して幸せになったのだから、それに満足するしかあるまい。
世界史上初めてのアフリカ・オーストラリア・ユーラシア三大陸統一。
その偉業を達成した狐娘ミーニャンの師匠として名前を残せたのだ。
ミーニャンを中心にした大河ドラマで、必ず私の名前が出る事に満足するとしよう。

「え?ミーニャン法王の師匠ってお父さんだったの?」

大河ドラマすら見たことがないのか!
20年前にナポレオン伝が放映されて一時期ブームになったのだぞ!?
いや、それ以前にスターリン伝、チンギス・カーン伝、メフメト2世伝でも私の名前が出ていただろ!?
娘よ!社会常識がなさすぎるぞ!

「それよりもミーニャン法王の師匠がお父さんって本当の事なの?返答次第では精神病院にブチ込むわ」

うむ、私がヨーロッパを支配する覇者として君臨していた頃に、フランスの首都パリにミーニャンがやってきて師弟関係になったのだ。
黄金の尻尾と狐耳がとっても美しい娘でな。
酒に酔った勢いで領有権が宙ぶらりん状態のエジプトをプレゼントしたら、たった数年そこらで飛行船を開発したり、高層ビルが大量に乱立するレベルで建造したり、レールガンを作ったりして凄かったのだ。

「はっ?当時って200年前よね?そんな事ってありえるの?やっぱりお父さん痴呆症?」

当時から見てもありえない事だ。
当時は馬車が乗り物として主に使われ、イギリスで蒸気機関車の原型が出来た頃。そんな大昔に電気で動く電車を作り上げて領地を大発展させたのは現在でも謎だ。
分かる事はミーニャンには人を惹きつける異常なカリスマがあった事だな。

「ああ、それ分かるわ。写真越しに見るだけでもミーニャン法王の外見って癒されるのよね。尻尾に触れてモフモフしたいわ」

うむ、歩く度に大きな狐の尻尾がフリフリ動き、何か楽しい事があると狐耳がピョコピョコ。
そんな様子を周りの人々が見るだけでストレスが全部吹っ飛ぶ、そういう狐娘だった。
今思えば、時代があのような狐娘を求めていたと私はそう思う。
窓の外をチラリッと見るだけで国際都市アレクサンドリアの沖に、高さ100mはあるミーニャンをモデルに作られた巨大ブロンズ像『自由な狐娘』があるのが見えた。
彼女が着ていた巫女服を華麗に再現して染料で着色している。笑顔で空に向けてVサインしている姿が可愛らしい。
巨大ミーニャン像の足元には、ミーニャン像を暖かく見守る銀の妖狐エミール少年のブロンズ像『愛に生きた少年』がある。
この二人の出会いが今の平和な時代を齎した切欠になるとは、当時の私は想像すらしなかった。
ミーニャンが居なければ私は悲惨な末路を遂げていただろう。
そうなっていたらジョゼ。
私はお母さん(ジョゼフィーヌ)と再婚せずに死んでいただろうから、ジョゼはこの世界に誕生するという幸運に恵まれなかったはずだ。

「……お父さんが昔、色んな女性に手を出していたって事は聞いてたけど、お母さんと離婚したなんて初めて知ったわ。ちょっと事情を聞いてもいいかしら?」

私とお母さん(ジョゼフィーヌ)はとっても仲が良かったのだが、二人の間に中々子供が出来なくてな。
王族の血筋を入れた方が泊が付くという事もあり、私はお母さんと離婚してオーストリアの王女ルイーズと結婚するという結果になってしまったのだ。

「あ、今思い出した。そこらへんの話をお母さんから聞いた事あるわ。離婚後もずっとお母さんとイチャイチャしてたから、ルイーズが激怒して爆発魔法を宮殿で連射してたんだっけ?」

私が一番愛した女性はお母さん(ジョゼフィーヌ)だったからな。
離婚しても私とお母さん(ジョゼフィーヌ)との間にある愛と友情は不変だったという訳だ。
結婚当初はどっちもたくさん浮気をして何度も喧嘩したが、確かな愛情と友情が二人の間にあったのだ。
おかげで二人目の妻ルイーズに嫉妬されて最後は見放されてしまったがな。

「お父さんの話を聞いてちょっと興味が出てきたから、本屋さんでミーニャン伝でも買って読んでみる事にするわ」

うむ、そうするが良い。
ミーニャンを知るという事は私を知るという事にも繋がるからな。
お父さんがどれだけ苦労して、激動の19世紀を生き抜いたのか自分なりに想像してもらいたい。








フランスの歴史
http://suliruku.futene.net/1uratop/Furansu_no_rekisi.html
ナポレオン「70万人の兵力投入したロシア遠征の生還率が1%以下な件。フランスに戻った時、5000人しか居なかった」
http://suliruku.futene.net/1uratop/Rekisimono/EU/Furansu/26.html
ナポレオン「エジプト遠征軍3万5000人の損耗率が80%な件。つまりほとんど死亡」18世紀
http://suliruku.futene.net/1uratop/Rekisimono/EU/Furansu/29.html
小説書くためにナポレオン皇帝の生涯(1769年- 1821年)を簡単に纏めて見た
http://suliruku.blogspot.jp/2015/03/1769-1821.html
当時の新聞「ナポレオンが怖いから、皇帝陛下と呼びします!」
http://suliruku.blogspot.jp/2015/03/blog-post_62.html
ナポレオン皇帝の終盤の人生が悲惨な件
http://suliruku.blogspot.jp/2015/03/blog-post_68.html
ナポレオン皇帝「余の凄さは兵士の士気が高く、兵力の移動と集中がすごかったからである!」
http://suliruku.blogspot.jp/2015/03/blog-post_79.html
不敗のタヴー「銀河英雄伝説のヤンってキャラの元ネタが俺な件」
http://suliruku.blogspot.jp/2015/03/blog-post_63.html
ネルソン提督「俺は海戦で勝利しまくって、ナポレオンの野望を打ち砕いた大英雄なんやで」 (18世紀)
http://suliruku.blogspot.jp/2015/03/18_30.html
イギリス「海軍の兵員を確保するために、職人・船乗りを強制的に徴兵して、悪待遇で働かせるわ!」 ☚ナポレオン戦争時代のイギリス(18世紀)
http://suliruku.blogspot.jp/2015/03/18.html



あとがき

(´・ω・`)改稿前、一人称複数視点で読み辛いと言われたから、三人称視点中心で物語を進める事にした。

●プロローグ エピローグ☛ 一人称
●三人称視点 一人称混在視点
で物語構成予定




『ナポレオン・ポナパルト視点』
●若い頃の話をしよう。

●ユーラシア大陸統一した狐娘が俺の弟子な件

●どんな狐娘だったのか?☛ 人材が周囲に次々と集まる魅力があった。

●たった数年で任せた領地にビルが大量に乱立して、飛行船が発明されたり、銀行で財政チートして超電磁砲とかあって、凄かった件

息子さん「お父さん!それ可笑しいよ!発展しすぎだよ!お父さんが昔」

●その狐娘のおかげで私とお母さんは一緒になれて、こうやって平凡で幸福な暮らしが出来たんだ。
……父さんは出来れば、大帝国を作り上げる物語の主人公に途中までは成る事ができたけど、軍事力で人を従わせるのは無理だった。


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