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もふもふ、きつねっこぉ

7話の狐娘「財政がやばい時は、商人に知恵を借りるのがテンプレぞい!」



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テーマ「享楽国の経済」


問い:財政赤字の原因は?

答え:この国、BETAみたいに大物量でせめてくる異世界生物と戦争していて、色んな物資を南方諸国に送っているんじゃよ。おかげで財政がやばいのう。
大抵の国は戦費の負担が凄すぎて潰れるぞい。戦場が遠くなればなるほど、輸送費もかかるしのう。(※カード化で負担は最小限)
ダンジョン世界を作れるから、税収を上げる方法はいくらでもあるはずだけど、赤字なんじゃ。

★★★


狐娘が眠そうにしている中、狸娘タヌウの解説が始まった。

「さて、我が享楽国はとっても安い税制で……人民が幸せにバカ騒ぎできる国だって事は、ニャンタンも知っているはずだ。だがね、とうとう人民達は安い税金すら払いたくないのか、脱税をしまくってやばいのだよ。
特にアレだね。屋台っての厄介だね。初期投資が少なくて済むから、誰でもやれる割に脱税しやすくて、ほとんどの屋台業者が税金を払っていない。店舗を構えている商人と違って、売り上げを誤魔化しやすいのだよ」

「屋台が繁盛しているのは良い事アル。大陸系商人の国でも、安い値段で肉まんじゅうが売っていて美味しいアルよー」

リーファの商人らしいツッコミを無視して、ニャンタンは狸娘の緑色の目を見ながら話しかけた。

「タヌウ、屋台をやっている連中から、税を搾り取る方法……ありますか?」

「方法はあるが……政府の規模が小さいから、役人の数も少ないのだよ。恐らく、屋台全てから徴税しようとしたら、役人を増やす必要がある上に、取れた税金より人件費の方が高くなるが……それでもいいかね?」

「……そうだっ!適当な大商人を粛清して、全財産を没収しましょう!昔の先生がやっていた方法です!」

「ふむ……その手はね。さすがに多用すると商人達が反乱をおこしかねないな。強い権力を振るった分だけ、人は反発を覚える生き物なのだよ。
ニャンタンに経済を壊滅させる勇気があるなら、私もオススメするがね。経済が破綻すれば、やはり私とニャンタンの首は空を旅行する事になるだろうな……」

悲惨な狸娘の言葉に、ニャンタンは絶望するしかなかった。彼はもう一度、財政が極端な赤字である事を示したグラフを見る。
一番の赤字の原因は……南方にいるイド生物群との戦争にかかる経費だ。物資の輸送費用はカード化のおかげで、大量の物資を小さくして、低コストで現地へと運べるのだが、さすがに何百万、何千万いるのか分からない異世界の化物達相手に戦争で浪費する金額が大きすぎる。。
産業が破綻している南方諸国の兵士を500〜1000万人ほど養わないといけないし、それだけの大人数が飲み食いして、戦争すれば、食料の負担だけでも莫大だ。
財政問題を解決するには、戦争をやめるか、新しい財源を見つけないといけない。

「アタシが役に立つ時がキターアルー!」

今まで黙っていたリーファが大声をあげた。どうやら活躍して利権をもぎ取る気満々のようだ。
首を傾げたタヌウは、初対面のリーファに不思議そうに話しかける。

「そういえば、お前は誰だ?」

「アタシは天下一の大商人を目指す女リーファっ!財政問題なら、アタシにお任せネ!
なんとっ!自分たちの利益しか考えてないから、アタシ達が政権を握ったら国ごと崩壊するという名言があるくらい、金儲けは得意ヨ!税金を搾り取るノウハウも、役人相手に戦ってきたアタシ達には丸分かりって事アル!」

「それのどこが名言だ!?僕らを破滅させる気ですか!?」ニャンタンは激怒した。

「アタシを信頼するか、アタシを信頼せずに、ニャンタン殿のクビが空を飛ぶか!どっちが良いアル!
キーニャン殿やタヌウ殿の首が飛んでも良いアルか!?フランス革命の断頭台ルートで良いアルかー!?」

「……この女に国内を見せるのは嫌だけど……仕方ない!リーファさんに国を見せてアドバイスを貰いますよ……!あと先生ぇー!アンタもしっかり働けぇえー!」

ニャンタンの大声に、眠そうにしていたキーニャンが「ふぁぁぁぁ〜」とアクビをした。
どうやら、この狐娘の働く意思という奴は、遥か異次元の遠くの彼方にあるようだ。

「眠いから嫌じゃ!」

「こら!?それでも最高責任者ですか!?」

「議長であり宰相であるニャンタンに任せたぞい!わしは眠いからゆっくり布団で眠るんじゃよ!」

「先生ぇー!仕事を放棄しすぎだろ!?」

「わしは働かないんじゃよー!権力者は権力を持つと腐敗するんじゃー!じゃからワシはニートになるって決めたんじゃよー!腐りたくないからのう!」

「遠まわしに僕が腐っているって言ってるでしょ!?」

「もう眠いから、明日から本気出すんじゃよー!」

「今日から本気だせぇー!先生ぇー!」

ダメだ、この国……ニャンタンはそう思った。
敬愛すべき狐娘がニートであり、助言をくれるリーファは大船というより沈没寸前の幽霊船のような存在に思えてきて、笑えない。
歴史上、数々の国家を滅亡させてきた死亡フラグも乱立しまくりだ。
暗君(ニート)、(狐娘の精神が)幼君、国の屋台骨が傾きそうな財政問題……見事な事に、国家滅亡前によく起こるトリプルコンボが発生している。
今のうちに、可能な限り財産をもって、タヌウを誘って異世界へと逃げた方が良いかもしれない……。

「もっふぅ……」

ニャンタンは寝室へと向かう狐娘(ニート)の後ろ姿を見て、ため息を吐いた……


  ∧_∧
(´・ω・`)キツネ娘の後ろを見ると
. (っ¶⊂ そこには素晴らしきモフモフな尻尾があった。

(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) もふぅ……

 

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