<< 前の話  次の話 >>

ゆっくり戻るよ!

宇宙戦略衛星兵器さん達は、惑星の地表を何処でも攻撃できるように、地上から600〜800kmの軌道を移動している。
それぞれに核兵器、レールガン、大出力ビーム砲のどれかを装備しており、ファンタジーな世界出身の触手さん達では対応するのが難しい敵なのだ。
明らかに人類に勝たせるつもりが全くない超鬼畜ダンジョンである。このダンジョンを作った女神様は悪魔に違いなかった。

「「「「「ヒャッハー!大魔王様を攻撃するゲスは虐殺だぁっ!」」」」」

モヒカン達が、バイクの空飛ぶ魔法で空を飛びまくっていたりするが、相手は600km先の存在である。
攻撃が触手さんに集中していなかったら、余裕で核兵器や、大出力ビーム砲の餌食になっていた事は間違いなかった。
今も、触手さんが複数の大出力ビームから逃げるように地表を触手で移動し、時速400kmぐらい出して逃げて逃げて逃げまくっている。

「し、しつこいでござるううううっ!!!!!!!
拙者は、女神様をお嫁さんにして、イチャイチャしたいだけでござるのにいいいいっ!!!!!
こんなの酷いでござるよおおおおっ!!!!!」

相手は上空から攻撃してくるので、盾にするものが周りにはあんまりない。
海へ潜ろうにも、海へ向かう進路を遮るように核兵器とレールガンがとんでくるので、触手さんは苦労していた。
そして、魔王バリアーを使えば、全部解決するんじゃないかと思いついた触手さんは、全力で周辺に赤く歪む魔王バリアーを展開し、うざい衛星兵器さんの攻撃を反射してあげようとすると

「い、痛いでござるっー!!!!」

普通に大出力ビームが、魔王バリアーを薄紙のように食い破り、触手さんの身体の大半を削り取ったのだった。
僅かに残った肉体から、すぐに身体は再生しているが、触手さんは痛みを感じているので本当に大変である。

「酷いでござるうううっ!!!!
拙者は、巨乳美少女を平和的に愛する紳士なのでござるよおおおおっ!!!!!!!
避妊もちゃんとやっている上に、病気にもならないように魔法使って配慮しているのに、酷いでござるううううっ!!!!」










4話 宇宙戦略衛星兵器は強すぎるでござるっ!

-------------------------------
「やったー!攻撃がまたヒットしたぞっー!
女性の敵はさっさと死ねっー!このセクハラ触手っー!」

触手さんとフロアボスとの戦いを観賞している女神様
-------------------------------














「「「「「「「「「「「「ヒャッハー!なんて高い所にいるんだぁっー!まだまだ時間がかかるぜぇっー!」」」」」」」」」」」」

触手さんがフルボッコにされている頃、モヒカン達は、地上から50kmほど離れた空を飛んでいた。
まだまだ道のりは険しく、標的そのものが超高速で移動しているので、本当に厄介である。
一部のモヒカンは、うっかり大出力ビームが直撃して蒸発して消し飛んだりしているが、2000万の兵力から見れば、些細すぎる損害だ。
しかし、相手が600km以上上空にいるので、触手さんの役に立つには、まだまだ時間が必要である。
触手さんはこうしている間にも、身体を何度も削り取られ、涙を流しながら大逃走をやっているのだ。

「痛いでござるうううっ!!!!!酷いでござるううううっ!!!」

初めての強敵との出会いは、触手さんの精神を弱らせている。
今までなら容易く反撃して壊滅させる事ができたのに、全部が無意味だった。
ひたすら逃げ回る事だけが現在の触手さんに唯一できる悲しい戦い方なのだ。

(あの女神様は絶対に許さないでござるうううっ!!!!!
結婚初夜を一カ月連続で続けて、モヒカン達の前でパコンパコンのギシギシに愛しまくってあげるでござるよおおおっ!!!
許してといってもやめてあげないでござるううううっ!!!!!
映像にも写真にも残してあげるでござるよおおおおっ!!!!!)

触手さんは、遥か天空からやってくる大出力ビームから逃げ続けるために猛速度で大地を駆け抜ける。
山を越え、谷を越え、ゴブリンの街を踏み潰し、海の方角へと向けて一生懸命動いている。
少しでも足を止めれば大出力ビームが直撃して、最悪の場合は核ミサイルまでやってくるので触手さんは必死だ。
遥か上空には、空飛ぶモヒカン達が大量に点々と見えていたりするが、そんなものを見る余裕は触手さんにはない。

「空からの攻撃なんて卑怯でござるうううっ!!!!!
・・・空?拙者も空を飛べいいでござるよっ!」

今になって、敵が遥か上空にいるなら、自分も空を飛べばいいと思いついた触手さんは、それを即座に実行し、全ての触手をブースター代わりに炎を噴出させて、一気に空へと舞い上がる。
これなら、時間はかかっても衛星兵器のところまで触手さんはいけるはずだった。

し か し 、そ れ は 一 度 も 攻 撃 が 当 た ら な か っ た 場 合 の 話 だ。

普通に大出力ビームを真上から浴びた触手さんは、バラバラになって地表にブチュンっ!とバラバラの肉片状態になって落下したのである。
そんな状態でもすぐに身体の再生が始まっているが、この致命的な隙を衛星兵器さんは見逃さない。
次々と複数の衛星兵器さんが、レールガンと呼ばれる砲台を使って、超音速で発射される弾丸をマシンガンのように撃ち放ち、大出力ビームも複数同時に照射し、触手さんで蹂躙虐殺ヒャッハー無双劇場を開始しちゃったのだ。

「ぎゃあああああああああああああああああああああっ!!!!!
虐めでござるうううっ!!!!!こんなに攻撃するなんて酷いでござるううううっ!!!!
絶対に女神様を嫁にするまで諦めないでござるよおおおおっ!!!!」

圧倒的なエネルギーを持つ攻撃を浴び続けている触手さんは身動きが取れない。
何回も身体が削られて消滅し、再生してはいるが、再生速度が僅かに落ちつつあった。
しかも、衛星兵器さんから飛んできた核ミサイルもやってきた事で、致命的な事態へと陥る。
この核ミサイルは、フランス辺りの国のサイズなら一撃で滅ぼせるほどの威力を持つ超高性能核ミサイルさんであり、それから逃れる術は触手さんにはなかったのだっ!
圧倒的すぎる熱量に触手さんは身体のほぼ全てを吹き飛ばされ、熱量で完全に蒸発するほどであるっ!
しかし、触手さんの強き想いが幸運を招き寄せたっ!

「拙者は、ここで死ねないでござるううううっ!!!!!!
ミーナちゃんと、おっぱいボインボインの不老不死美少女ハーレムを築くまで死ねないでござるうううううっ!!!!!」

質量のほぼ全てを吹き飛ばされたにも関わらず、再生・・・いや、進化を遂げたのだっ!
全長10mサイズの触手さんは、核兵器の膨大な熱量すら体内に取り込み、全長100mの超巨大触手さんへと変貌したのであるっ!
大雑把で高出力な大きな触手を始めとして、美少女達を愛するための細かい作業ができる触手などなど、用途に応じた触手まで誕生する奇跡っぷりっ!
もう、宇宙まで飛べても可笑しくないっ!

「拙者は、華麗に飛ぶでござるううううっ!!!!!!」

今までよりも遥かに出力が高くなった自身の身体に驚く前に、触手さんは全力で魔法を使って空を飛んだっ!
その姿は惑星の重力に逆らって、宇宙へと向かおうとする勇敢なロケットっ!
途中の進路にいるモヒカン達すら、遠慮なく跳ねて殺してしまうほどに凶悪な速度だっ!

「「「「「「「「「「ぎゃああああああああああああっ!!!!!大魔王様がきたあああああっ!!!
道をあけろおおおっ!!!あけないと死ぬぞおおおおっ!!!!!」」」」」」」」」」

1000人ほどのモヒカン達が触手さんとぶつかって、悲鳴をあげて地上へと落下したりしているが、後で蘇生すれば無問題っ!
今は凶悪な衛星兵器さんの相手をするだけであるっ!
衛星兵器は次々と照準を触手さんに定め、核ミサイルや大出力ビームを飛ばしてくるが・・・そんなものは、今の触手さんには無意味だっ!

「大魔王バリアーっ!」

以前の魔王バリアーよりも遥かに性能が良くなった大魔王バリアーを展開したのであるっ!
大出力ビームはそのまま跳ね返って、衛星兵器5基を宇宙のデブリへと変えてしまうが、反射された核ミサイルやレールガンは、軌道上を超高速で動きまくっている衛星兵器には当たらず、外れてしまった!

「ゆおおおおおおおっ!!!!反射した攻撃が当たらないなら、こっちから攻撃すればいいでござるうううっ!!!!!
モヒカンアタックううううっ!!!!!」

なんとっ!上昇する時にこっそりと捕獲していたモヒカン1000人を衛星兵器目掛けて次々と投げたっ!

「「「「「「「ぎゃああああああああああああああああああああああっ!!!!」」」」」」」

モヒカン達はミサイルのような猛烈な速度で地上から1000km上空にある大気圏を肉体で突きぬけて・・・目標から完全に外れたっ!
だが、モヒカン達は後900人ぐらい残っているっ!
大魔王バリアーで防御しながら、衛星兵器目掛けて投げて投げて投げまくるっ!

「ゆおおおおおっ!!!!進路上に投げまくるでござるうううっ!!!!
拙者の役に立つでござるよおおおおおっ!!!!!!!」

モヒカン達が泣きながら大気圏を突き抜けて、真空でバラバラになるという運命を辿り、残ったモヒカンの数が減っていくっ!
だが、そのおかげで、とうとう触手さんの努力は叶ったっ!
1人のモヒカンを衛星兵器の軌道にあうように投げる事に成功し、衛星兵器とモヒカンが衝突したのだっ!
衛星兵器は10トンぐらいある小型バスサイズだが、超高速で弾丸のように動き回っていたので、モヒカンが持っているオリハルコンは致命傷になるっ!
モヒカンは砕け散って、戦果は残せなくとも、モヒカンが残したオリハルコンは衛星兵器を破壊するには十分なのだっ!
衛星兵器はバラバラに砕け散り、その運動エネルギーを持って軌道上を駆け巡る宇宙のデブリと成り果てたのであるっ!
そして、この光景を見た事で触手さんは

「オリハルコンの斧を投げた方が効率がいいでござるっ!
お前達は地上に降りるでござるよっ!」

武器を取り上げたモヒカン達を地上へと向けて解放したっ!
臣下すら普通に見捨てる様は、まさに大魔王っ!

「「「「「「「「「「「「「ぎゃああああああああああああああああああああああっ!!!
だずげでぐれええええええええええっ!!!!」」」」」」」」」」」」」」」

悲鳴をあげてモヒカン達が落ちていくが、地上で全身がバラバラのミンチになっても蘇生魔法があるので無問題だっ!
触手さんは、オリハルコンの斧を触手で握り締め、衛星兵器へと向けて投擲するっ!
黄金のように光り輝き、黄金よりも遥かに硬い金属が衛星兵器の進路上に沿うように飛び、衝突した衛星兵器さんをバラバラの宇宙のゴミへと変貌させるのだっ!
武器を投げるタイミングがわかった触手さんは、オリハルコンを次々と投げまくり、残った3基も宇宙のデブリへと変えてしまうっ!
幸いにも、どの衛星兵器も低高度だったので、重力に引かれて惑星の方へと落ち、80 - 800kmで温度が高い熱圏と呼ばれる大気の層によって、地表に落ちる前にほとんど燃え尽きたのである。

「ユゲブッ!」

極一部は地上まで落下したが、1人のモヒカンの頭蓋骨を陥没させて死亡させたくらいの被害しか残ってしないので、見事にハッピーエンドだった。
触手さんは、地上から600kmの地点で目玉から涙を流して勝利の余韻に浸る。

人生初めての強敵を打倒した感動っ・・・!
美しい惑星の地表っ・・・!
手に入れた新しい力っ・・・!
そして・・・不老不死のお嫁さんが手に入る事っ!

「やったでござるううううっ!!!!!!
これで理想の金髪巨乳美少女が手に入るでござるうううっ!!!!!
不老不死巨乳美少女ハーレムが近付いたのでござるよおおおおっ!!!!!」

全長100mになったので、夫婦の営みをするのも大変だっ!


ゆっくり戻るよ!

ブログパーツ ブログパーツ
<< 前の話  次の話 >>