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本好きの成り上がり
2話 山賊団との遭遇「蟻と象並みのレベル差だ」


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     Λ_Λ シュッ
    (`・ω・´)  
    (つ  と彡
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   / ///  / ツツー
  /  □ /  『TS属性』 『架空ダンジョンゲー』『猫耳』『内政要素』
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私が君達に届ける作品は、黒髪猫耳貧乳ロリが、異世界で頑張る話だ。
つまり特定の人にとって地雷すぎる物語だ。



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見知らぬ砂漠へと流れついた。
あなたは記憶を失っている。
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いや、記憶はちゃんと残っているぞ?
このナレーションは、私の状況を無視しているな。
今の私の身体を確認しよう。猫の神が、どういう身体付きなのか興味がある。
まずは頭。透き通るような黒い漆黒の髪、触れると大きな猫耳の感触がある。
お尻から猫の細長くて黒い尻尾が生えていて、フリフリと自在に動かす事が出来た。
手足は細いがとても鍛えられている。身体がとっても軽くて柔らかい……動きやすい身体だ。
着ている衣服は……布のシャツとズボン。とてもボロボロで変色しまくり、貧乏感溢れる一品だ。
小さい胸が余計に着やせして、平に見える。
そして一番、気になった事は……私の視界に映る光景が『極上の二次元アニメ』
どう作画したら、ここまで現実感を持たせたアニメを作れるんだと感動した。
空を見上げると、絵画チックな雲と青空が無限に広がり、無駄に壮大すぎる美しい光景だった。
自然風景が何百億円もかけた芸術作品に見えた。
……いや、金銭で例えるのは下品だな。
普通、こういう時『金で買えない風景だ』と言った方が格好いいなと思った。


……さてはて、私はどうするべきだろうか?
今いる場所は、片方は海、もう片方は見渡す限りの大砂漠だ。
エロイナ世界の砂漠地帯に行ったことがないから、私の地理知識は当てにならん。
現実的に考えるならば、砂漠は恐ろしい場所だ。
水も生物もほとんど居なくて、人間が生活するために必要な資源が限られている。
しかも、エロイナは、何も食わないと餓死するゲーム。
基本的にダンジョン内のモンスターを殺して調理して、食事をするのがゲーム内での常識だった。
食べる肉によって、上昇するステータスも変わるから大事なんだ。
とりあえず、遠くに人影が見える。
そこに向かってみるとしよう。



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あなたは山賊団ギャンガースに遭遇した。
蟻と象に等しいレベル差がある
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「あの人が言った通りだな!可愛い娘がいるぞ!」
「可愛いお嬢ちゃんだなぁ?迷子か?
俺達の家まで送ってやるぜ」

現地に向かったら、遭遇したのは山賊っぽい格好のオッサンの集団だった。
日本では明治時代に絶滅した人種だな。
山賊という生き物は、私みたいに徒歩で移動している人間を狙う訳だが、鉄道網や道路網を整備すると……獲物が頑丈な乗り物に乗って移動するから、襲おうにも襲えないのだ。
基本的に金を稼ぐために略奪行為をしている訳だから、皆、略奪よりもリスクが低くて楽に稼げる『詐欺』とやらに走って、自然と山賊という人種は絶滅する。
私の目の前にいる絶滅危惧種 どもは、手に剣や弓を持っている。幸い、魔法使い用の装備を持っている奴は居ない。
このゲームの魔法は必中。有効射程内で発動すれば必ず当たる。
今の私なら一撃で即死だろう。
……ん?なぜ、私が冷静かって?
ゲーム『エロイナ』の山賊は、積荷をおとなしく渡せば、解放してくれる紳士集団なんだ。
積荷を持っていない場合は何も奪わない。
ほら、目の前にいるヒゲがボサボサで、片目に眼帯はめている山賊の親分だって――

「お嬢ちゃん。
俺が最初に可愛がってやるよ。
……ベットの上で優しくしてや――」

違うだろ!?
そこは積荷を置いていけ!だろ!
エッチィ事は駄目だと思う!

「え?お嬢ちゃん?」

どうしてそんなに下品なんだ!
物資だけを奪う紳士な貴様らは何処にいった!

「なんだ、この娘。訳が分からんぜ」

私がひたすら説教したせいで、山賊の親分が困惑していた。
なんてエロイナらしくない山賊なんだ。けしからん。
こうなったら怒りに任せて叫ぼう。

「私を捕まえて薄い本みたいに、スケベーを散々かます気だなんて……それでも全年齢ゲームのキャラか!
恥を知れ!」
「お、お嬢ちゃん?
積荷とか言ってたが……どこに積荷があるんで?」
「そんなもんはない!
だから、さっさと遠くに行け!エロ親父め!」
「おおーい!?
さっきから発言が滅茶苦茶だぞ!?
ひ、ひょっとして麻薬でもやっているのか?
あれは駄目だぞ!人間をダメにするからな!」

なんで、山賊の親分に同情されないといけないのだ。
私が悲しくなるじゃないか。
しかも、山賊の子分達も武器を下ろして、口々に同情して優しい声をかけてくる。

「お嬢ちゃん!そんなに可愛いのに薬物を使っちゃ駄目だ!」
「俺らのアジトに医者がいるから来い!
ベットの上で尻を叩きながら説教してやる!」
「頭が可哀想すぎる!俺らはっ!彼女を助ける事を強いられているんだっ!」
「そうだ!助けよう!俺らの人生はこの娘を助けるためにあるんだ!」

……悲しい。
底辺中の底辺すぎる社会不適合者達に同情される私とは一体……?
目から涙が出てくる。
泣いてる顔を見られたくなくて、私は走って逃げた。
あと、山賊のお嫁さんになるのは嫌だ。
異世界で、スケベーな事をされるにしても、底辺中の底辺に身を捧げるのはちょっと……。

「な、なんて早いんだ?!」
「普通の人間の20倍の速度で走っているぞ!」
「まてぇー!」

確か記憶が確かなら、エロイナ世界の人間の速度ステータスは100くらい。とっても平凡な速度。
そして、私は速度2000。
飛び道具の射程外に入れば、逃げるのは容易いのだ。
……グスン。
ゲームの頃の優しい山賊さん達。さようなら。
あと、本読みたい。
山賊の一人が『あの人が言った通りだな!可愛い娘がいるぞ!』とか言っていたが、私を誰かと間違えたのだろう。
私の物語が小説か何かなら、きっとそこに深い意味があるだろうが、きっと意味なんてないに違いない。


【小説家になろう】可愛くて当たり表紙すぎる【くま クマ 熊 ベアー 2】
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今回のコメントまとめ+作者感想
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Honzuki_no_naiseiti-to/c2.html


どうでも良い設定A

この世界の山賊団に捕まると、エロゲーな事になる。
ノクターンノベルに18禁バージョンがあるとかないとか。

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