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最終話  無職でも嫁は命がけで守る。


                          (・`ω´・ ●)ワンっ!
                          (・`ω´・ ●)ワンっ!
                          (・`ω´・ ●)ワンっ!
                          (・`ω´・ ●)ワンっ!
主人公(`・ω・´)キリッ             (・`ω´・ ●)ワンっ! 
                          (・`ω´・ ●)ワンっ!
ムラサメ(´・ω・)キリッ              (・`ω´・ ●)ワンっ!
                          (・`ω´・ ●)ワンっ!
                          (・`ω´・ ●)ワンっ!
                          (・`ω´・ ●)ワンっ!



こちらへと向けて走ってくる10匹のコボルトリーダーは、全員が俺よりも大きい。
俺を一番の脅威だと思ったのか、8匹が俺の所に、2匹がムラサメちゃんを襲おうとしている。
武装も人間の探索者から奪った物だと思われる剣で武装していて厄介だ。
だが、俺には最強の斧がある。
その重量故に、剣のように素早く振るという事はできないが、タイミングを合せて剣と接触させる事くらいなら、俺には容易い。

俺は、振り下ろした斧の重量と筋力で、先頭にいる一匹のコボルトリーダーを剣ごと胴体を深く斬った。
斬ったコボルトリーダーの胸から血が滝のようにあふれだし、俺の顔にかかる。
この隙をついて残りのコボルトリーダーが、俺を斬り殺そうと複数の方向から襲い掛かってくる。
俺は斧を下から振り上げて、もう1匹のコボルトリーダーを剣ごと手首を斬りおとした。
それが致命的な隙となり、攻撃中の俺は回避行動を取れないので、胴、肩、腕に剣が3本刺さる。
激痛を感じるが、筋肉の鎧に覆われた俺の身体には、ただの剣では骨のところまでは刺さらない。
振り上げた状態の斧を、横薙ぎに振り下ろし、3匹のコボルトリーダーの手首、胴、手首を剣ごと斬る。
この圧倒的なまでの貫通力こそが斧の真骨頂だ。

これで残り5匹。いや、ムラサメちゃんが俺が戦っている間に、1匹斬り殺したから残り4匹だ。
俺は血をダラダラと流しながら、残りのコボルトリーダーを殺そうと斧を強く持つ。
3本の剣が刺さったままだが、これを抜く暇は存在しない。
俺が出血死する前に神々の食材を食べられるかどうかで、俺の未来が決まる。
重傷状態の今の俺なら簡単に殺せると思ったのか、目の前で仲間が5匹も死んだにも関わらず、コボルトリーダー3匹が新たに剣を振りかざしてやってくる。

「仲間の仇ワンワンッ!」
「美味しそうなリンゴ酒が飲めて、また強くなれるワンワンっ!」
「今日はとてもいい日だワンワンっ!」

斧を強く掴み、一気に外道発言をした3匹ごと叩き斬ろうと、斧を振り下げた。
だが、2匹まで剣ごと斬ったところで、血で手が滑り、斧を手放してしまった。
武装がなくなった俺の肩に剣が刺さる。
骨まで届いていないが、明らかに致命傷だと思うほどに痛くて意識が朦朧とする。

「今日は最高の日ワンワンっ!死んだ仲間と交換にやってくる食材で、きっとコボルトキングになれるワンっ!」

可愛いモフモフな顔をして外道な事をいっているコボルトリーダーに俺はイラッとした。
俺は最後の力を籠めて、コボルトリーダーに抱きついて、身体を締めあげる。
この外道が生き残れば、それだけでムラサメちゃんが危ない。

「いだいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!
放すワンっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

コボルトリーダーの絶叫が通路に響き渡る。
俺にはムラサメちゃんの戦況を確認する余裕はないが、今は全力を尽くすだけだ。
骨を力任せにバキバキ折りまくり、コボルトリーダーが激痛に苦しんで絶叫をあげ続ける。
口から血が混じった泡を吹きだし、俺も口からゴボコボと血を噴き出しながらも力をキリキリと籠める。
最初は激しく身体を動かそうとしていたコボルトリーダーだったが、今はガクンガクンと痙攣している。
そして、俺は・・・・・血を流し過ぎたせいか、身体に力が入らない。
身体の内部がズタズタになって死んだと思われるコボルトリーダーとともに地面へと倒れる。
倒れた俺の視界には、こちらへと向けて走ってくる可愛いムラサメちゃんの姿が映っていた。
ムラサメちゃんは、俺の顔の近くまできて涙をポロポロと流している。

「主殿っー!意識をはっきりしてくださいっ!
帰ったら布団の中でエッチな事をするって言ったじゃないですかっ!」

ああ、俺はこんな可愛い娘を守れたんだ。
だが、俺には心残りがたくさんありすぎて困る。

「さ、最後にイブキとムラサメちゃんのおっぱいの谷間で・・・・・・ワカメ酒をやりたかった。」

「主殿ぉっー!最後の言葉が変態すぎますっ!
拙者を使って、幾らでも変態なことをしていいから起きてくださいっー!
・・・・・・あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!!!!」

ムラサメちゃんの悲しそうな叫び声を聞いた。
もし、俺の使う武器が短い斧じゃなくて、斧と槍を組み合わせたハルバードだったら、ここで勝利を分かち合えたのかも知れない。
所詮、斧は武器としては扱い辛い道具に過ぎなかったんだ。
斧を使う俺格好いいという見栄と意地のせいで俺は死んでしまうんだ。
俺の意識は後悔とともに暗黒の闇に閉ざされた。







●ムラサメ 16歳 身長160cmの黒髪美少女侍さん。

≪刀とか弓とか槍扱える万能近接職さんだね。
でも、女サムライの場合、おっぱいを何とかしないと弓を扱えないよ。≫

【職業】【無職Lv10】→【A侍lv10】 ≪とても優れた戦闘職だね。褒めてあげてもいいよ。≫
【武器】【武骨な刀】
【防具】【なし】




あとがき

(´・ω・`)斧みたいなリーチが短くて振るのが大変な道具を武器にしちゃ駄目だと思うんだ。


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