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ゆっくり戻るよ!

ムラサメちゃんと一緒に寝た部屋で、俺は目が覚める。
俺の視界の中に入った光景は、下着姿の可愛い侍美少女が紅い和服を着るというシチュエーションだった。
袴と呼ばれる和風のズボンを履き、胸をサラシと呼ばれる白い布をグルグル巻いている。
とても豊かでバランスの良い双丘なのだが、それを無理やり白い布で抑えつけている所が辛そうだ。
そう思った俺は

「ブラジャーを着けた方がいいんじゃないか?」

ムラサメちゃんが俺が起きている事に気づき、顔を真っ赤にして黙る。
どうやら昨夜の事を思い出して、頭を沸騰させてしまったようだ。
恥ずかしそうにしているムラサメちゃんをじっくりと見ていたら、彼女は気を取り直してサラシを巻く作業を再開した。
この時、俺はこれがリア充の幸せかと思うほどに幸福な観賞タイムだった。
だが、その幸福な時間は、紅い和服を完全に着たムラサメちゃんの発言で台無しになる。
顔を床につけて土下座し、こちらに謝罪している感じの口調で

「あ、主殿。せ、拙者は借金が1億ほどありますが、これからの夫婦としての付き合い、末永くよろしくお願いいたします。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・借金?」

「はい、拙者は両親が経営している道場が破産したので、その借金返済のためにダンジョンに潜っていたのです。
主殿の圧倒的な斧さばきと・・・・・・そ、その、昨夜の夜の情熱的な夫婦の営みの心地よさと快感に、主殿となら仲良くやっていけそうだと思った訳であります。
一緒に借金を返済するためにモンスターを狩りましょうっ!」

ムラサメちゃんが顔をガバッとあげ、眼をキラキラ輝かせながら、俺の手を握る。
ナニコレ怖い、借金の事を空気のように扱っている。
顔を赤らめているから可愛らしいが、借金のインパクトが巨大すぎた。
まさか・・・・・・これはハニートラップっ・・・!
俺がムラサメちゃんを宿屋に連れ込んで、無理やりやった事すらも考慮した策っ・・・!?
そんな風に、俺の頭がグルグル考えごとをしていると、ムラサメちゃんが素敵で可愛らしい笑顔で抱きついてくる。
胸はサラシを巻いているので、あんまり感触はない

「主殿、夫婦になったからには借金も二人の物ですっ!
頑張って借金を返済しましょうっ!」

「なんで俺はこんな女と寝たんだぁっー!イブキと結婚したいっー!」

「大丈夫ですっ!
私以外の人物を側室として迎えても構いませんっ!
拙者は、主殿の性的な奔放さは認めるつもりですっ!
だから、夫婦として借金を返済するために働きましょうっ!」

借金のある無職で、バツイチになった俺ですが、俺ってハーレム作れるの?
俺がどんどん超地雷物件になっていく気がする。
ただの無職よりも底辺な存在スーパー無職に俺はなったのかもしれない。
・・・・・とりあえず、ムラサメちゃんが可愛いから、昨日の夜の続きを1時間くらいガポンガポンやって気を紛らわせようと思う。
女の身体とおっぱいは偉大だと俺は思った。おっぱいおっぱい。







第2話  無職で1億の借金があって嫁がいます。







とてもスッキリーした気分とともに、女を養うのは男の甲斐性だと納得した俺は、ムラサメちゃんの新しい武器を入手するために、彼女と一緒に街を歩いていた。
街並は和風・洋風・中華とゴタゴタな風景になっており、人種の坩堝といってもいい街だ。
1億の借金があるのは大変だが、恋人が出来た今の俺ならば、職業をゲットして深い階層で大稼ぎして返せるだろうと前向きに考える。
決して、ムラサメちゃんの抱き心地がいいから手放したくないとか、そんな事が理由ではないのだ。おっぱい。


街の商店街の片隅にひっそりと開店しているボロボロの武器屋【ヒャッハーワールド】の前に俺達は立つ。
そのボロボロ具合にムラサメちゃんが、少しだけ驚いてるが、俺は気にせず彼女を連れて武器屋の中に入った。
そこには、とても頑丈そう斧、壊れ辛そうな斧、壊れる方が可笑しいハンマー、手荒に使っても壊れそうにないボウガン、壊れ辛そうな棍棒などなど、とても頑丈そうな作りの武器がずらりと展示されて販売されている。

「・・・・・主殿。拙者は刀を使いたいのですが、この店に刀はあるのですか?」

「ないなら作ってもらう。
命を預ける武器が頑丈じゃないと安心してゴブリン狩りもできないから、ここ以外だと俺は安心できない。」

「主殿がそうおっしゃるなら、私も信用します。
実際にゴブリン狩りで刀が折れましたし。」

しばらく店内で武器を見ていると、店の奥の方から店主がやってくる。
モヒカンという独特の縦髪ヘアースタイルをしていて、名前もモヒカーン・ヒャッハーという男らしい名前だ。
格好は、所々破れた革のジャケットを着ている。

「ヒャッハー!旦那が女を連れ込んでやがるぜぇっー!
何処でレイプして作った女なんだぁっー!」

俺は奇声を上げる店主を指でさして

「これが頑丈な武器を作る名人鍛冶師モヒーカン・ヒャッハーさんだ。
俺の斧も作ってくれて、3年間使い続けても壊れた事がない。」

「ヒャッハハハハっ!頑丈な武器を作りすぎたせいで、武器の整備ぐらいしか仕事がねぇっー!
なんてこったぁっー!」

ムラサメちゃんが怖がってるが、自分の武器という事もあり、ムラサメちゃんは店主さんに勇気を出して話しかける。

「私はアージ・ガイ殿の嫁のムラサメ・アヤモリと申します。
実は、拙者は頑丈な刀がほしいのです。」

「だ、旦那が嫁を作ったぁっー!?驚愕の出来事だぁっー!
結婚祝いにとっても素晴らしい刀を売ってやるぅっー!
そこで夫婦らしくイチャイチャしながら少し待ってやがれぇっー!」

サムライ美少女を嫁にしたリア充ですまん。だが、そいつは借金まで持ってきた地雷女だ。
そんな俺の心の声を知るはずもなく、店主は店の奥へといき、数分後に鞘におさめられた刀を持ってくる。

「ヒャッハー!鈍器と刃物の中間を目指して作った最強の刀だぁっー!
最高の実用品だぜぇっー!難民300人で試し切りしても平気だぁっー!」

無職が所属している国がなくなると、無職よりも最低辺な難民という職業になって、人生ヘルモードになるんだ。
人権も消滅するから、殺し放題、犯し放題、奴隷にし放題で大変だ。
俺がそんな余計な事を考えている事を余所に、ムラサメちゃんが刀を手にとって、鞘から刀身を抜いた。
その刀は、まさに鈍器と刃物の中間で頑丈そうである。

「こ、これはっ・・・!なんて切れ味が悪そうな刀なんでしょうっ・・・!」

「ダンジョン探索向けの刀は、切れ味を落とす代わりに、頑丈じゃないとやっていけないぞ。
特に斧は最強だ。鈍器に近い耐久力なのに、モンスターを斬る事ができるんだ。」

「しかも、重いっ・・・!」

ムラサメちゃんが驚愕している光景を余所に、俺は店主にお金を払う。
この店主は人を見る目があるので、きっと相性の良い武器のはずだ。
それに、職業のLvが上がれば筋力も上昇するので、いつかは使いこなせるだろうと俺は思う。






俺はお嫁さんのために頑丈な武器をプレゼントした後、刀の試し切りのために二人でダンジョンにやってきて、ゴブリンを200匹くらい斬り殺す夫婦の共同作業をやってみた。
夫婦の共同作業と書くと、とてもエロい響きなのがたまらない。
いつもの作業なのに力が湧いてくるようだ。
ゴブリンを何匹殺しても鬱状態にならない。気分はヘブン状態っ!

「俺は可愛いお嫁さんができて、幸せだぁっー!ベットの上での可愛い喘ぎ声がそそるっー!」

斧を振りおろして、ゴブリンをミンチにする。
ムラサメちゃんも、刀でゴブリンの急所を斬って、そのまま出血死させてあげているようだ。
きっと、和服が紅いのも血で染まっているのが原因だろうと俺は思う。
刀で素早くスパッスパッとゴブリンの首、手首を斬り、巧妙に戦闘不能にしていく様は、戦場に舞い降りた一輪の華のようだ。
130匹ほどムラサメちゃんが斬り殺しても、刀は壊れる気配を見せず、定期的に店主に整備してもらえば、何年間も持ちそうな立派な武器になる事だろう。
・・・・・・問題があるとすれば、本人が疲れて汗まみれになるくらいに疲労することだが、定期的に休憩を取らせば、この問題も解決できるはずだ。
汗まみれの姿はとても可愛らしい。
でも、ここで夫婦の営みをやったら、俺達はゴブリン達の食卓に仲良く並んでしまうので我慢する。
俺は性欲でムラムラなのに、ゴブリンは食欲でムラムラなのだ。
残った問題があるとすれば、宿屋の代金を節約するために、俺の自宅に住んだ方がいいが、確実にイブキにムラサメちゃんが見られてしまう事だ。



(。・ω・)ノ゛俺、今日も無職で借金1億でお嫁さんが既にいるけど、イブキはどう思うのだろう。
とりあえず、ムラサメちゃんに俺達の関係をただの探索者仲間だと喋らせて、脱無職をするまではその方便で何とかしようと思った。
ハーレムの道は険しい。サムライ娘はとても可愛らしい。おっぱいおっぱい。
ムラサメちゃんにポニーテールになってもらった。





●アージ・ガイ 20歳 身長2mの筋肉モリモリのマッチョ

≪無職のおかげで全ステータスが均等にアップしていてバランスがとれているね。
バランスが取れすぎて、何にも極められない有様だよ!≫

【職業】【@無職Lv81】≪無職はほとんどステータスもあがらなくて辛いね。≫
【武器】【頑丈すぎて大きい斧】
【防具】【布の服】

●ムラサメ 16歳 身長160cmの黒髪美少女侍さん。

≪刀とか弓とか槍扱える万能近接職さんだね。
でも、女サムライの場合、おっぱいを何とかしないと弓を扱えないよ。≫

【職業】【無職Lv10】→【A侍lv2】 ≪とても優れた戦闘職だね。褒めてあげてもいいよ。≫
【武器】【武骨な刀】
【防具】【紅い和服】


●イブキ 16歳 身長165cmの凛々しい黒髪巨乳美少女巫女さん。

≪中途半端なステータスと職業だけど、無職よりはましだね。≫

【職業】【@無職Lv10】→【A巫女Lv3】≪回復も補助も前衛もできる中途半端な職業さんだね。巫女服が可愛らしいと思うよ。≫
【武器】【なし】
【防具】【巫女服】




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