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俺はモヒーカン・ヒャッハーさんのボロボロの武器屋で、新しく作られた頑丈すぎる武器を受け取っていた。無論、ムラサメちゃんも一緒である。
受け取った武器は4mの長さがある斧槍であり、柄も全部金属で作られていて、壊れ辛そうだ。
斧に比べると重すぎるようだが、無駄に筋力のある俺には最適の武器のように思えた。

「な、なんて素晴らしい武器なんだっ!
この長さがあれば、ダンジョンでモンスターを一気に狩れるぞっ!」

「主殿、凄い重量の武器ですね。
でも、念のために短い短刀も持っていた方がいいですよ。」

持ち運びしやすい短刀も俺は購入した。
俺の筋力で無造作に使ったら、すぐに壊れそうな短い刀だが、軽くて邪魔にならないところが素晴らしい。
 問題があるとしたら・・・

「こんな重い武器と一緒に神々の食材まで俺は回収しないといけないのか?」

今までリュックサックの中に神々の食材を回収していたが、この武器で戦いながら荷物を運ぶのは無理ゲーである。
後ろにかかる重量を感じながら武器を振るのは、余計に体力を消費しそうだった。
しかし、そんな俺の悩みは、モヒーカン・ヒャッハーさんが解決してくれる。

「ヒャッハー!食の神クッキングマスターと契約しているなら、一時的に預かってもらって、預かってもらった食材の1割を差し出せば、後で全部引き出せるぜぇっー!」

「おおっ!そんなに素晴らしい方法があったのかっ!
モヒーカンさんは天才だなっ!」

今までの悩みを全部解決してくれそうな方法だった。
もっと早く知っていれば、狩りがしやすかったのにと思うほどに素晴らしい。
俺が喜んでいるとモヒーカン・ヒャッハーさんの表情が少しだけ怪訝そうにしている。

「・・・・・・旦那。カロウワーク神殿で習う当たり前の事だぜっ?
どうして知らないんだ?
ダンジョンに長期間潜ろうと思ったら、これを知らないと非効率だぜ?」

その言葉に俺は少しだけ目を瞑って考えてみる。
4年間、ダンジョン探索をしていたのに、常識的だとされる事を知らなかったのは何故だろうか。
無職、無職・・・・・・ああ、思いだした。

「座学の時間は全部眠ってたっ!」

「拙者は、実家の道場が破産したショックで泣いていたので、座学の時間泣いてました。」

まさに完璧な回答。
役に立たないと思った授業に、そんな素晴らしい秘密があるとは知らなかった。
ムラサメちゃんも聞いてないとか、仲良し夫婦すぎて俺は和んでムラムラした。

「な、なんてことなんだぁっー!
座学を無視するなんて、命知らずのゴミどもだぜぇっー!
ダンジョンに潜る前に、カロウワーク神殿でもう一回習っていくんだぁっー!
そうしないと死ぬような予感があるぜぇっー!
ちょっと、待ってぇっー!俺の話を聞きやがれぇっー!この似たもの夫婦どもがぁっー!」

モヒーカンさんが心配してくれるが、俺達は仲よく武器屋を出てダンジョン探索をするためにダンジョンへと向かった。
なぜなら

「座って話を聞くのは眠い。」

「拙者も同感です。戦闘に座学で聞いた事なんて何の役にも立ちません。
実戦で覚えた経験こそが血となり肉となるのです。」

俺、学校でも座学の成績は最悪だったんだ。
勉強なんかよりもモンスターを虐殺している方が楽だ、楽。
昔、俺とパーティを組んでいた連中も全員、俺と同じ脳味噌筋肉だったなー。
次に出会ったら、この新事実に気が付いているかどうか聞いてみよう。







第2話  無職でもダンジョンで大量虐殺はできる。








ダンジョン探索では、食べやすい食材は回復薬として重宝される。実際に4年間、探索して身を持って学んだ事実だ。
コボルトを狩れば手に入る究極リンゴのように、小さくて食べやすい食材がいいんだ。
そのため、深い階層に潜るには、そういった食材が大量に必要になる。
モンスターの子供は小さい食材と交換してくれる事が多いので、探索者には大人気なんだ。
特にモンスターの居住区とか学校とか最高だ。
戦闘教練を受ける前の未熟なモンスターがうようよいるから狩りやすい。

「ひ、ひどいワンっ!子供を全部殺すとか酷いワンっ!」
「次世代を担う子供が皆、飴玉になってしまったワンっ!これを全部食べればコボルトリーダーになれそうワンっ!」
「この巨大な人間さんを殺して、皆で仲良くレベルアップするワンっ!」

「相変わらずの外道だぁっー!全員、食材になって俺のハーレムに貢献しろぉっー!」

今、俺とムラサメちゃんは平和な雰囲気を保っていたコボルトの居住区にいる。
通路の壁を削って作られたと思われる無骨な住宅が大量にあり、学校と思われる巨大な洞窟?っぽい所で、平和そうに教育を受けていた子供達を虐殺し、全員が飴玉に交換されて地面に転がっている所がシュールだ。
コボルトの大人達が次々と迎撃するために殺到してきたりするが、狭い通路なら大軍の利を失ってムラサメちゃんと小刀を持った俺に撃破され、広い場所なら4mの斧槍で蹂躙されて究極リンゴになってくれるので人生絶好調である。
今は、抵抗が少なくなったので、俺達が各家庭を訪問して、コボルトの皆に美味しい食材になってもらっている。

「こ、子供だけは殺すのはやめて欲しいワンっ!子供は里の宝ワンっ!」
「私達を殺していいから子供だけは助けてほしいワンっ!」
「その美味しそうなリンゴがほしいワァンっ!僕に頂戴ワンワンっ!」
「ワン?それは美味しそうワンっ!さっさと寄越せ・・・アブベっ!」

「死ねっー!俺の未来のために死ぬんだぁっー!
俺のハーレムのために死ねっー!」

命乞いしているのか、脅迫しているのかよくわからないコボルト達の頭を殴りつけて殺害する。屋内戦闘で斧槍は不便なので小刀を使っていたが、よく考えたら俺の拳の方が使いやすかった。
コボルトは1組の夫婦で20匹くらいの子供を養ってくれている所がありがたい。
全員1発か2発で頭を破裂させてから死亡してくれて、飴玉を俺にプレゼントしてくれる。
飴を舐めながら狩れば、自動的に身体を治癒してくれるついでに、回復するための飴まで入手できて完璧だと思った。
飴玉はポケットに入れておけば、いつでも回復薬として取り出せるから便利だ。
他の食材は食の神に預かってもらっていて、身軽で素晴らしい。

もっと早く知っていれば、ダンジョン探索が楽だったのになーと後悔するくらいに素晴らしすぎて涙が出た。







・・・・・・俺達は一週間くらいをコボルトの居住区めぐりに費やした。
家に一度も戻ってないので、居住区にある飲み水を全部集めて、血と汗くらいはちゃんと流している。
大量虐殺の後の、ムラサメちゃんとの夫婦の営みは最高だ。
色んな水が合体しているような感じがたまらん。おっぱい。
モンスターの襲撃に警戒して緊張しながらやるのだから、いつもよりも興奮した。

今は俺が警戒しながら周りを見ている背後で、ムラサメちゃんが身体中についている汚れを水で洗っている。
ピチャン・・・・・・ピチャン・・・・・・、水滴が地面に落ちる音と、時折聞こえるムラサメちゃんの声だけで俺は興奮できた。
もう、ムラサメちゃんの裸体など、何十回と抱いて抱きまくった俺には想像するのも容易い。おっぱい。
だが、そんな俺の心地よい妄想を邪魔する奴らが現れて鬱陶しい。
ムラサメちゃんが裸で身体を洗っている状態を隙だと思ったコボルト達が襲撃してくるのだ。
今回は大人が40匹くらい集まって、目に復讐の炎を宿らせ、石で作られたナイフを片手に走ってきている。

「子供の仇ワンっ!」
「あの女の子の肉は美味しそうワンっ!おっぱいとか柔らかそうワンっ!」
「そこの巨人から殺してあげるワンっ!」
「妻の仇ワンっ!まだセックスすらしてないのに殺すのは外道ワンっ!リンゴは美味しかったワンっ!」
「里の復讐を晴らすワンっ!飴玉は美味しかったワンっ!」

鬱陶しい。ムラサメちゃんの裸を想像する素晴らしい時間が消えてしまった。
俺は怒り任せてで斧槍を横に振り回して

「ムラサメちゃんの裸を想像する時間を邪魔するゴミは死ねぇっー!」

一気に力を籠めて4匹のコボルトの身体を16個以上に分解してやった。
目の前にコボルトの肉塊が散らばり、残りのコボルト達に降り注ぐ。
それでスピードを弱めた集団に、もう一度、圧倒的なリーチを誇る斧槍による横薙ぎの攻撃を繰り返す。
ナイフの防御ごとコボルトの身体を斬って致命傷を与え、長いおかげで遠心力が働いて威力が絶大だ。
斧槍は斧と槍の良い所を組み合わせた最強の武器だと思う。
短い斧なんてゴミさ。ゴミ。

「女の子を方を人質にとるワンっ!」
「拷問して苦しめてあげるワンっ!」

5匹くらいムラサメちゃんの方にいったが、ムラサメちゃんの近くには刀が置いてあるので、すぐに残りの5匹も刀で斬り殺されて、血をドバドバ噴き出し、死体となって地面に転がった。
折角、身体を洗ったのに全身が血まみれだが、俺はそんなムラサメちゃんが好きだ。
もう、魅力的なお嫁さんの裸体と血を見るだけで興奮して

「もう一回抱きたいっー!抱かせてくれっー!ムラサメちゃんが魅力的すぎてムラムラしたぁっー!」

押倒そうと近寄ったら、刀の鞘で思いっきり頭を殴られた。
頭が少し痛い。
俺を殴ったムラサメちゃんは血まみれの裸体を晒しながら、魅惑的な顔で

「主殿。襲撃を警戒しながらの夫婦の営みは緊張感があって心地良いのですが、非常に疲れるので今日はやめてください。
体力は回復できても、精神的に疲れます。」

「・・・・・・すまん。」

今日も怒られた。おっぱい。
でも、裸の血まみれサムライ美少女に叱られるだけで身体がビクンビクンするのは何故だろう。
最近、ムラサメちゃんに殴られるのがご褒美のように思えてきた。







●アージ・ガイ 20歳 身長2mの筋肉モリモリのマッチョ
 ≪もう、基礎能力が上がりすぎて筋肉が鎧代わりだね。
ナイフ使うより素手で殴った方が威力が高いよ。≫
 【職業】【@無職Lv100】→【A無職王Lv10】≪無職王は基礎能力の伸びだけはいいね。でも、技術とか技術とか、凄く重要な事を忘れているよ。≫
 【武器】【4mの金属すぎて壊れ辛いハルバード】
 【防具】【布の服】

 ●ムラサメ 16歳 身長160cmの黒髪美少女侍さん。
 ≪順調に探索者としても、お嫁さんとしても成長しているね。≫
 【職業】【無職Lv10】→【A侍lv19】≪素晴らしい近接職だけど、おっぱいのせいで弓は諦めたほうがいい。≫
 【武器】【武骨な刀】
 【防具】【紅い和服】




あとがき


(´・ω・`)主人公は変態。でも、ダンジョン探索向き。おっぱい。

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