ラッキーの不思議な旅
まえがき
登場人物の名前は現実には存在しない もしくは 既に死んでいる過去の権力者です。
20国目 ゲームの国 (超絶ムリゲー イス・ラム国オンライン) @ (4話構成)
空は薄らと雲が広がり、日光を遮っています。
人を不安にさせる気候の中、白いローブを着た、小さい金髪の女の子ラッキーは険しい険しい山道をトコトコ歩いていると、地面にある不思議な階段を見つけました。
今いる場所は、人が住んでいない秘境中の秘境なのに、これは可笑しいのです。
階段は最近作られたような感じで真新しく、大量の荷物を運搬するエレベーター用の通路が隣にありました。
「何があるのかな?
地獄でもあるのかな?
どうだろ?妖精さん?
やっぱり入ってみるしかないよね。」
「もうやだ、このエルフ。」
気になったラッキーは、知的好奇心を満たすために、階段を下りました。頭に乗っている妖精さんは植物が皆無の場所へ行くから嫌そうな顔をしています。
階段は恐ろしいほどに長く、10時間ほど歩いても、終わりが見えません。
でも、ラッキーの知的好奇心がざわめくのです。
こんな長い階段を作る時点で、それに見合うだけの価値がきっと行く先にあると思ったのです。
ひたすらひたすら、100時間ほど階段を下ると、とうとう階段に終わりが見えてきました。
地下の広い空間に10万人は住めそうな地下都市があります。
街全体が照明で照らされて綺麗で明るく、高層ビルが乱立し、道を無数の色んな形をしたロボットが通っていて賑やかです。
ラッキーは人間が1人も居ない事に驚いて、近くを通りかかる人型のロボットに問いかけました。
「ねぇねぇ、この国ってどんな国ー?
なんで人間が一人もいないのー?
ひょっとして人間を全部殺しちゃう国だったりする?」
人型のロボットは動くの止めて、ラッキーの顔を無表情で見つめました。
そのロボットは人間としか思えないくらに可愛らしい黒髪のメイドさんの外見をしています。
返ってきた声もロボットとは思えない透き通るような女性の声でした。
「・・・・?
あなたは外国のお方ですか?」
「うん、そうだよ。
私の名前はラッキー。よろしくね。
どうしてこの国は地下にあるの?
人間は住んでいるの?」
「そうですか。
ならラッキー様のために説明をしましょう。
この国は、ゲームが盛んな国なのです。」
「ゲームの国?」
ラッキーは首を可愛く傾げました。
国民全員がギャンブルでもしているのかな?と今までの人生経験から酷い国を想像しています。
メイドロボットは、ゆっくりと丁寧に説明を始めました。
「この国は、科学とゲーム産業がとても発展した国なのです。
ラッキー様は、ゲームと聞いたら何を思い浮かびますか?」
「うーん、ゲームと言えば、パチンコとか、競馬とかのギャンブルだね。
最近、見かけた国だと、タタタターン人っていう民族を、二つの国の軍隊が競い合って虐殺して、殺した人間の総重量が重い方が勝ちっていうゲーム形式の戦争やってた。
人間の発想力には、未だに驚かされるよ。」
「そうですか、外の国は未だにそのような原始的なゲームをしているのですね。
この国のゲームは、他の国のゲームとは、格段に違います。
全て、バーチャル・リアリティ(仮想現実大規模多人数オンライン)なのです。」
「バーチャル・リアリティ?
小説でしか、その単語を聞いた事がないね。
どんなゲームなの?」
ラッキーは知的好奇心で目をキラキラと輝かせました。
ロボットメイドさんは無表情のまま、ゆっくりと答えてくれます。
「バーチャル・リアリティは、現実としか思えない仮想現実でやるネットゲームの事を指します。
大勢の人間達が、現実としか思えないゲームの世界を同時に体感し、ゲームの内容次第ですが、そこで恋愛や繁殖行為をしたり、生き物を殺して遊んだり、美味しい物を食べたり、戦車や戦闘機や宇宙船に乗って戦争して遊んでいます。」
ラッキーの頭の上にいる妖精さんがそれを聞いて嫌そうな顔で呟きました。
「・・・この国も駄目な国だよ。らっきー。
技術が発展しているだけで、やっている事は他の国と同じだよ。」
「でも、楽しそうだよ?
私は体験してみたいな。
バーチャル・リアリティって奴。
どこで遊べるの?
私、この国の人間じゃないけどいいかな?かな?」
「分かりました。ラッキー様。
私についてきてください。」
メイドロボさんがそう言うと、近くに停車している車のところまで歩き、ラッキーはその後を追いかけました。
車は2人乗りの小型車で運転座席が存在してない謎構造です。
内部には座るためだけの座席しかありませんが、メイドロボが車の扉を開いて
「どうぞ、お乗りください。
ラッキー様」
「・・・えと、誰が運転するの?
運転座席がないよ?」
「運転座席は、この国の車には付いていません。
必要がない機能なのです。
騙されたと思って、車に乗ってみてください。」
「・・・?」
ラッキーは首を可愛く傾げた後に車に乗り込み、メイドロボさんが車の反対側に移動して扉をあけ、ラッキーの隣に座りました。
車は人間が運転しなくても、勝手に目的地にいくハイテク仕様だったので、乗車してすぐに道路を走り始めます。
「わぁー!
この国って車は無人運転なんだね!
すごい!」
ラッキーは喜びます。
メイドロボさんは無表情でした。
車は、地下都市の道を高速で移動し、ラッキーは窓から外の光景を見てゆっくりしています。
見えるのはやはり、大きな大きな建造物とロボットと、誰も乗らずに放置されている二人乗りの車だけでした。
少し進むと、車は停車し、二人は車から降りて、目の前の岩壁をくり貫いて作ったと思われる高層建築物の中に入りました。
ラッキーは知的好奇心がウズウズして我慢できないので、歩きながらメイドロボに問いかけます。
「ねぇねぇ、なんでこの国は深い地下にあるの?」
「惑星に巨大隕石が落ちてきても大丈夫なように、都市そのものがシェルターも兼ねているのです。
災害時は、ラッキー様が通った入り口通路は爆破されて消えてなくなるように作られ、仮に破壊するのに失敗しても、この区画が犠牲になることで、他の地下都市を守るように作られています。
そのため、この区画には人間は誰一人住んでいません。」
「ふーん。面白そうな国だね。
国民全員が地下に引き篭もりか。」
「はい、この国では家から出ずに一生を遂げる事が可能なため、引き籠りが社会問題になっています。」
「地下都市どころか、家からも出ないんだね。
なにそれこわい。」
そんな雑談をしながら歩いていると、ゲームをする場所が見えてきました。
そこは寝るためのベットが100個ほどあり、ベットの周りに無数のコードと青色のヘルメットがあります。
メイドロボは、ラッキーの顔を見ながら言いました。
「それではラッキー様。
パンツ以外の衣服を全て脱いで、このベットに仰向けに寝てください。」
「?
えと、どういう事なの?」
「ゲームをするために必要なのです。
脱いでください。」
「うーん、わかった。」
ラッキーはすぐに白いローブをめくりあげて頭から脱ぎ、スポーツブラも外して下着姿になりました。
露出した肌がとっても真っ白で、外で生活していたとは思えないほどに綺麗でしたが、ロボットメイドさんは無表情です。
ラッキーがベットに仰向けに眠ると、次々とメイドロボが周りのコードを持ってきて、ラッキーの小さい体に装着していきます。
知的好奇心で一杯のラッキーは気になったから聞いてみる事にしました。
「ねぇねぇ、そのコードはなーに?」
「これは人間がゲームをしている間も、体の筋肉が衰えないようにするための装置です。
電流を流して筋肉を動かし、健康な体を保つために作られています。」
「なるほど。
でも、私には必要ないよ?
不老のエルフだし?
運動しなくても筋肉衰えないよ?」
「コードをつけるのは規則なのです。
例外は認められません。」
「うん、わかった。
君は融通が効かない娘なんだね。」
2分もすると、ラッキーの全身がコードだらけになりました。
メイドロボは、ベットの下に置いてある青色のヘルメットをラッキーに被せて、ヘルメットのボタンをポチポチ押して操作し、無表情のまま
「ラッキー様。
準備が整いました。
ゲームの世界へ行ってらっしゃいませ。
私はここでラッキー様の身体と、その頭の上に乗っている妖精様を見ております。」
「妖精さんが見えるんだ。
ここは科学が発達して凄いね。
妖精さんの話し相手を頼めるかな?」
「わかりました。」
次の瞬間、ヘルメットから来る謎の電波を無防備に受けたラッキーは、強制的に深い深い眠りにつきました。
視界が真っ黒です。
次にラッキーが目を覚めた時、真っ暗のゲームの世界でした。
何処まで続く、暗闇の深淵の空間です。
この世界のラッキーは、黒色のパンツしか身に纏っていませんでしたが、異性の目がないから気にしていません。
「ここがゲームの世界?
変わってるなぁ。」
ラッキーが不思議に思って周りを見渡していると、男なのか、女なのか分からない声が聞こえてきました。
耳に馴染む良い声です。
【やぁ!ようこそ!
外国のお客さん!
あなたはゲームに接続した事で、この国の市民権を得た!
一生働かずにここで暮らせるよ!
労働は全部機械がやるからね!
さぁ!どのジャンルのゲームを遊ぶ?
最近のオススメは、戦略アクションゲーム『イス・ラム国オンライン』だよ!】
「君はだーれ?
どこに居るの?
良い声してるね。」
【私はナビゲーターのナビ君!
残念ながら外見は設定されてないのさ!
その方が色々と想像できるって、昔の偉いゲーマーのお爺さんが言っていたからね!
キャラクターデザインはリアルばっかり求めても駄目なのさ!
ちなみに私はドット絵こそ至高だと思っているよ!】
「ふーん、そうなんだ。
どういうゲームがあるのか、教えて欲しいかな。」
【現在、稼働しているオンラインゲームは約1万!
オンラインゲームの中に、膨大な数のゲームセンターとゲームがあるから、それらも数えると総数は1億種類って所だね!
人気ジャンルはざっと並べると、ガンアクション、剣と魔法の冒険ファンタジー、アダルトゲー、恋愛学園物が特に人気!
でも、アダルトゲーは子供にはやらせちゃ駄目だと規則で決まっているんだ!
君が大きくなってから、アダルトゲーをやろうね! 】
「色々とあるんだね。
ところで、一番最初に言ってたイス・ラム国オンラインってのはどういうゲームなの?」
【イス・ラム国オンラインは、異世界【地球】の中東地域を舞台に、冒険者集団(職業テロリスト)と一緒に、国を建国する難易度ルナティックゲームさ!
どう難しいのかは、ネタバレになるので、これ以上言えないよ!
だが、これだけは言えるね。
難しいからやり甲斐があって、やり遂げた後の達成感が大きい!
どうだい?やってみるかい?】
「うん、わかった。
イス・ラム国オンラインをやってみるよ。」
【では、イス・ラム国オンラインに接続します!
ゲームの世界でゆっくりしていってね!】
ラッキーの視界はまたもや完全に真っ暗になりました。
ラッキーはとても笑顔です。
こんな斬新すぎる経験ができる国は、そう滅多にないからです。
そのAに続く
●冒険者の国【ユスラム国】を作るのが君の目的だ!
↓
●依頼内容 → 酷い
シリアスタート
アメリカ軍がイラクから撤退したぞ!
イラク正規軍を襲撃して、支持者を大量に集めるんだ!
銃弾やミサイルを全部回避して、殺しまくれ!
後篇 シリアとイラクを手に入れ、国盗り物語完成!
↓
●世界中の国々が敵になりました。
本当の地獄はこれからだ。
石油関連の施設は空軍に爆撃されて、資金源壊滅。
どうするの?!
↓
無理でした。
おしまい