前にゆっくり戻るよ!  ゆっくり次に進むよ!  2話の感想返しはこちらだよ! 
ゆっくり戻るよ!

人間の街の中心地には、50mはありそうな大きな石造りの建造物がある。これをビルと呼ぶらしい。
横が大きく広がっていて全体が黒い。
こんな大きな石を見たことがないから、私は感動した。
冒険者ギルド長な銀髪ロリ娘は、その建造物の入り口らしき場所でキュッとステップを踏んで、こちらに振り向き、可愛いような怖いような不思議な笑みを向けていて渋い。

「ここが冒険者ギルドっ・・・!街から多くの仕事を請け負う組織の拠点だっ・・・!
特別にっ・・・!特別にっ・・・!私が施設内部を案内してやろうっ・・・!
将来の幹部っ・・・!もしくは皆の肉便器になる娘だからなっ・・・!くかかかかかかっ・・・・!」

この娘は優しい。小さい身体で精一杯生きていて新鮮だ。
肉便器になって子供を産むとしたら、この娘のような可愛い娘を産みたいと思った。
あの可愛いゴズロリっていう衣装も着せてみたい。

【もう突っ込むのも疲れたよっ・・・!
普通は貞操とか、プライドとかで恐怖するべきだよっ・・・!
この反応は可笑しいよっ・・・!】

幼馴染相手に貞操を捨てる時はドキドキしたから、肉便器はあのドキドキで一杯な仕事なのだろう。
外の世界は本当に素晴らしいくらいに未知と興味で溢れている。











第2話   最低辺の世界へようこそっ!
---------------------------------
「ギルド内でしか通用しない紙幣っ・・・!これこそが冒険者ギルドを維持するための秘訣っ・・・・!
くかかかかかっ・・・!今まで働いて得たお金を紙クズにしたくないなら働けっ・・・・!ずっと働けっ・・・!
そして、全てを我がギルド内で消費しろっ・・・!ギルドに忠誠を誓うのだっ・・・!」

by  合法ロリな冒険者ギルド長
---------------------------------





冒険者ギルドの中は黒い通路が広がっていた。
大勢の人間が出入りしやすいように幅が広く作られているようだ。
通路をギルド長と黒服達と一緒に歩いていると、下から人間の男達の悲鳴が聞こえた。

「や、やめてくれぇっー!逃げた俺が悪かったぁっー!」
「ひぃぃぃぃぃぃっ!!!!ここは地獄だぁっー!」
「仕事はもう嫌だぁっー!」

新鮮な絶望と恐怖塗れの声だ。興味深い。
分厚い石造りの通路の壁すらも超えて聞こえてくるなんて不思議だった。
鞭のパシーンっていう音も聞こえてくる。

【す、少しは憐れみとか持とうねっ!
ここは本当に酷い場所っぽいんだよ!】

風の精霊さんが言う事がよくわからないけど、私には新鮮な体験。
ギルド長がこっちに顔を向けてニヤリと笑っているのが可愛らしい。
そのまま口を開いて

「冒険者ギルドの仕事からは逃れられぬっ・・・!地下からの悲鳴はっ・・・!仕事から逃げたゴミの悲鳴っ・・・!
貴様の首輪にはっ・・・!電撃の魔法が籠められているっ・・・!
仕事から逃げる事は絶対に許さぬっ・・・!私を失望させぬことだっ・・・!
くっかかかかかかかかっ・・・!」

電撃を浴びてみるのもいいかもしれない。
彼らの気持ちを知りたい気分。

【駄目でしょおぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!?!!
電撃で後遺症が残ったらどうするつもりなのぉぉぉぉぉっ!!!!!
防げると思うけど、万が一の事を考えて行動してね!ラッキーは女の子なんだよっ!
森に帰った時に幼馴染が泣くよっ!】

それはそれで興味深い。良い思い出になると思う。
死んだような永遠に等しい時よりマシだね。







ギルド長が再び歩き出したので、私もそれに付いていく。
あのフリフリのスカートのヒラヒラがとても気になった。
ギルド長が歩く度にフリフリ、ヒラヒラ動いていて可愛らしい装飾だ。
そうやってスカートばっかり見て歩いていると、目的の場所に付いたらしい
とても大きな部屋に、たくさんの机が並んでいて、美味しい匂いがする。

「くかかかかかっ・・・!ここは我がギルドが誇る大食堂っ・・・!
全ての冒険者を養う場所だっ・・・!ここではこの金しか使えぬっ・・・!」

ギルド長がスカートのポケットから、紙らしきものを取りだした。
その紙はギルド長の可愛らしい顔が描かれていて、端に数字が書いてある。
全体的に綺麗で欲しいと思った。

「この紙幣はジュエル紙幣っ・・・!この冒険者ギルドの関連施設でしかっ・・・!使えぬ金っ・・・!
これは仕事の報酬として渡されるっ・・・!これで生活する権利が冒険者にはあるのだっ・・・!
くかかかかかかっ・・・!ちなみにっ・・・!貴様が肉便器の運命から逃れるにはっ・・・!
この1万ジュエル紙幣が最低でも1万枚必要だっ・・・!
100ジュエルでパン一つ分の価値っ・・・!だと思うがいいっ・・・!」

偉そうにしているギルド長が可愛らしい。
周りにいる黒服達が顔を笑みを浮かべていて、皆、このギルド長の事が好きなんだって理解した。

【あ、明らかに市民階級の生涯収入だよっ・・・!
これを1年で稼ぐなんて無理ゲーだよっ・・・!
あと、黒服が笑みを浮かべている対象はラッキーだよっ!完全に肉便器になってほしいと願ってるから注意が必要だよ!】

なんて人間は性欲が旺盛な生き物なのだろう。
たくさん生まれては、たくさん死ぬ生き物ってのが理解できるような気がする。
あと、風の精霊さんが博識すぎて驚いた。なんで森にいる時はそれを教えてくれなかったのか困る。
少しは退屈が吹き飛ばせたと思うだけに頭が可笑しい。

【ラッキーだけには言われたくないよ!】








途中で紹介された施設は、依頼を受ける斡旋所、銭湯、トイレなどの生活をするための施設だった。
どうやら、建物の中に店がたくさんあるらしく、どれも有料。
引退した冒険者達がそれぞれの施設を運営しているって、ギルド長が言ってくれた。

【今の私じゃ、ラッキーの生活の面倒を見ることは無理だよっ・・・!
誰か良い男に養ってもらってね!できるだけ金持ちを選ぶんだよ!】

分かった。生活の面倒を見てもらえそうな人間に養ってもらってみる。
精霊さんに頼りっきりだった事を人間にやらせてみるのも楽しそうだと思った。
・・・・ギルド長の後をついていくと、次が最後の紹介らしい。
大勢の男達が出入りする部屋がたくさんある。どれも汚い身なりで私よりも体格が大きい大人だった。

「お前の寝る場所を紹介してやろうっ・・・!Eランク冒険者は10人部屋っ・・・!
つまりっ・・・!お前の住む部屋には9人の同僚がいるっ・・・!
1人部屋が欲しいのならっ・・・!Bランク冒険者に昇格すればいいっ・・・!
稼げっ・・・!働けっ・・・!働いて有能さを証明しろっ・・・!」

ギルド長が指で指し示した部屋を覗いてみた。人間の男が9人いる。
他の人間よりも逞しい身体をしていて、身なりが綺麗だった。

「この部屋にいるのは精鋭Eランク冒険者っ・・・!雑用の達人っ・・・!
別の言葉でいえばっ・・・!命をかけぬヘタレっ・・・!
決して殺す事は許さぬっ・・・!殺せばっ・・・!肉便器っ・・・!
私の資産である冒険者をっ・・・!無許可で殺す事は絶対に許さぬっ・・・!
くっかかかかかっ・・・!一緒に生活するがいいっ・・・!
私はこれから仕事で忙しいっ・・・!さらばだっ・・・!」

【ぎゃああああああああああああああああああああああっ!!!!!!
男だらけの部屋で生活とか、何なのそれええええっ!?!?!
殺さないように手加減しないとラッキーが危ないよおおおおおおっ!!!!!!】

ギルド長が去っていくのを残念に思いながら、部屋の男達をよく見る。
部屋でくつろいでいるせいか、全員がシャツや短いズボンを履いているだけの軽装だ。
そして、とても熱い視線を私に向けていて、ニヤニヤと笑顔を浮かべていた。
私は気にせずに部屋の中に入り、男達の身の安全の方が危険だと内心でツッコミを入れたい気分である。

トンッ

男達の中でリーダーっぽいハゲ頭が、私の肩に手を触れてきた。
とても力強く掴んでいるらしく、肩が動かせない。

「ヒャッハハハっ!お譲ちゃんよぉっー!この部屋で眠りたいなら、代価っ!って奴が必要だよなぁっー!
理解したら服を脱いで、一緒にベットで・・・ぎゃああああああああああああああああああああっ!!!!」

風の精霊さんの防御の上から握られたので感触はなかったが、反撃のための電流の調整に少しだけ時間を浪費したようだ。
男が1人気絶するくらいの電撃を浴びて倒れた事で、残り8人の男達が騒いでいる。
皆、体格が良くて頭がハゲだった。人間の顔の区別はつかないが、頭がハゲているとわかりやすい。

「てめぇっー!俺の兄貴をよくもやりやがったなぁっー!」「優しくしてやろうと思ったら調子に乗りやがってよぉっー!」
「いますぐボコボコにして俺達の恐怖を教えてやるぅっー!」「へへへへっ!可愛がってやるぅっー!」

皆、私の身体に触れてきた。風の精霊さん防御のおかげで掴まれた感触はないが、尻や胸の当たりに触ってくる人間がいる。
きっと、こんなBくらいしかない貧乳を好む人間なのだろう。
襲ってきた次の瞬間に死んだ山賊にも、そんな奴がいたのを覚えている。

【電流の調整が難しくて困ったよっ!】

「「「「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」」

電撃で8人の男が全員倒れたが、気絶するほどの電流ではないようだ。
痛みで悶絶したり、私を化物を見るような感じの眼で見ている。
・・・・・・ああ、新鮮だ。ほぼ全て、精霊さんが一撃で殺していたから、こんな視線を浴びるのは初めてだ。あの客達のような驚愕の視線とは違う視線が心地いい。
とりあえず、この9人に私の生活を手伝ってもらおう。
洗濯の仕方もわからないから、精霊さんの代わりにやってもらいたい。

【生活無能力者にしちゃうレベルで過保護でごめんねっ・・・!聞こえてないだろうけど謝罪するよっ・・・!】


ゆっくり戻るよ!
前にゆっくり戻るよ!  ゆっくり次に進むよ!  2話の感想返しはこちらだよ! 
ブログパーツ