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ゆっくり戻るよ!

 


俺は懐かしい・・・懐かしい夢を見ている。
クーニャちゃんと初めて会った頃の記憶を見ている。
スケルトンと呼ばれるアンデット達を使って、捕まったら殺されるかもしれない鬼ゴッコだ。
スケルトンは、人間の骨で作られているらしく、外見が怖い。人間の死んだ後の姿だから恐怖の塊だ。

「死ねっ……!死ぬがいいっ……!今日も私のスカートをめくったなっ……!
躾ができていないガキはっ……!制裁っ……!制裁するっ……!
スケルトンと同じアンデットになれっ……!」

こんな酷い目にあった理由は、三日間連続でスカートをめくって、縞々パンティーを脱がしたせいだ。
あまりにも理不尽な仕打ちに、俺は必死に走って逃げる。
クーニャちゃんの声とスケルトンの骨の音、俺の足音だけが、周りに響く。
後ろは絶対見てはいけない。
見たら、その次の瞬間に殺されそうだ。いや、絶対に殺される。
涙と汗、恐怖で一杯になりながら走り続ける。
怖い。骸骨が怖い。
何も映し出さない眼窩が、きっと俺を見ている。
仲間にしようと追いかけてくる。
既 に 死 ん だ 元 人 間 が 怖 い

 

【悪夢を見るな馬鹿っ!私にも夢の内容が流れてトラウマになる所だったわよ!】

どうやら俺は寝ていたようだ。
ラクシズに頭を蹴られて、目を覚ましたようである。あと、スカートが長すぎて、パンツが見えん。
今は大墳墓と呼ばれる大きな墓地の地下の一室に俺はいる。
周りは真っ暗で、この部屋の外に大量のゾンビがいるだけだ。
今も扉の向こうから、ゾンビ達の声がする。身体が腐っているせいで声が淀んでいて怖いぜ。
ゾンビって、一応、元人間なだけに、余計に恐怖を感じる。

「生きているのが憎いいいいいいい!!!!死んで仲間になれえええええええええっ!!!!」
「ギルド長が憎いいいいいいっ!!!!婚約して過労死させられたああああああああああっ!!!!」
「冒険者ギルドなんで滅亡じろおおおおおっ!!!!!」
「肉を寄越せえええええええええええっ!!!!新鮮な肉うううううううううううううっ!!!!!」

この声のせいで、懐かしい夢を見たんだな。うん。
どうしてこうなったのか、三日前くらいに遡るから、この仕事の辛さとやらを体感して欲しいと思う。
冒険者ギルドの仕事は本当に危険の連続だ。
こんなところに夢も目標もなしに就職するんじゃないぞ。
クーニャちゃんが居なかったら、俺だって逃げ出しているに違いないほどに辛い。

 

 

第6話  絶対絶命すぎる敗者の墓場にようこそ!

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「ハイリスクっ……!ハイリターンっ……!
私が欲しいならっ……!リスクを負うべきっ……!
結果っ……!死んだとしてもっ……!自己責任っ……!
私を手に入れるという事はっ……!圧倒的な権力を手に入れるのに等しいっ……!
これは当然のリスクっ……!」

by  好きな男に死ぬような試練を上げちゃうクーニャちゃん
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俺は最初の仕事を達成してから一週間後に、10万ジュエル支払って、Dランク冒険者に昇格した。
冒険者ギルドは一定のお金を献上すれば、昇格できるシステムになっている。
昇格すれば部屋も報酬も待遇が良くなり、選べる仕事の辛さがレベルアップするんだ。
そう、レベルアップ。仕事も難易度が高くなる。
Dランク冒険者になって最初の仕事が、10匹くらいのゴブリンの群の駆除だったりして生きるのが辛い。
仕事を達成する過程で死にそうだと思って、本当に大変だった。
そんな辛い仕事から帰ってきてすぐに、クーニャちゃんから新しい仕事を貰うのも身体的に辛いぜ。

「くっかかかかかかかかっ……!今回も生き残った事を褒めてやるっ……!
お前のその強運とっ……!実力に惚れてしまうほどに素晴らしいっ……!
早速だがっ……!次の仕事だっ……!」

ソファーに座って足を組んでいるクーニャちゃんは可愛らしい。
今日は靴下も余分に貰って良い気分だ。クンカクンカ。

「次の仕事はっ……!ユンヤー大墳墓の定期点検っ……!
死んだ冒険者達が葬られている大墳墓をっ……!調査してこいっ……!
それだけで300万ジュエルをくれてやるっ……!
今回は特別ボーナスのような任務だっ……!」

「ひゃっほぅっー!簡単そうな仕事だぁっー!
この調子で金を稼いで出世して、クーニャちゃんを嫁にするぜぇっー!」

次の仕事の内容が簡単そうだったから、俺は喜んだ。
もう、クーニャちゃんに抱きついてクンカクンカするほどに喜んだ。
やっぱり、本人をクンカクンカすると一番気分がいいな。
何の香水を使っているのか知らないが、癒されて落ち着く香りがする。
恥ずかしそうにしているクーニャちゃんの身体は柔らかいぜ。

「離れろっ……!Dランクになっただけでっ……!
ここまで接近する事は許さぬっ……!
私の身体が欲しければっ……!Sランクに成り上がれっ……!
離れなければっ……!制裁っ……!首輪は拷問器具と化すっ……!」

俺はその言葉を聞いて、すぐに離れた。本当に実行しちゃう女の子だと理解しているから危ねぇ。
きっと、クーニャちゃんは自分に素直になれないツンデレだと、俺は思ってる。
いつか、デレデレになったクーニャちゃんを見てみたい。
今は次の仕事の事を考えながら、クーニャちゃんを見てゆっくりするとしよう。
仕事の詳細を説明してくれてるクーニャちゃんは、今日もパンツ履いてない娘だ。

【・・・・この糞女の事だから、ろくでもない仕事にきまっているわよ。
次の仕事も用心したほうがいいんじゃない?】

 

 

 

 

 

 

しばらく部屋で寛いだ後に、俺は携帯食料を一週間分ほど購入し、冒険者ギルドが貸してくれる馬(1日レンタル1万ジュエル)に乗って、ユンヤー大墳墓へと向かった。
この都市から馬で10時間ほどかかる場所にユンヤー大墳墓はあるらしい。
道中、野宿して携帯食料を食べる必要があるので辛い距離だ。
ジュエルじゃ宿に泊まれないから辛い。

【辛いなら、あの糞女の手が届かないとこにでも逃げて、そこで暮らせばいいじゃない。
今よりも安全で平和だと思うわよ?】

それをしたら首輪が拷問器具になる上に、指名手配されて犯罪者になってしまう。
このクーニャちゃんの縞々パンティーもゲットできなくなって、俺の人生が真っ暗になるから嫌だ。クンカクンカ。

【変態っ!す、少しは私にも興味を持ちなさいよね!この馬鹿っ!】

ラクシズのパンツには興味がない。
クンカクンカするにしても、サイズが違いすぎる。
それに俺はクーニャちゃんの付けている物じゃないと駄目なんだ。
あの匂いはまるで麻薬のように中毒性がある。クンカクンカ。
良い匂いだ。気分が落ち着く。

【ふんっ!私が将来的に成長しても、アンタなんかにパンツあげないんだからね!】

 

 

 

 

 

 

時間をかけてユンヤー大墳墓に到着した。
巨大な石造りの建物が見える。この建物は地下へと広く続いている建物らしいから、地表から見えるのは極僅かだ。
ここは昔の王族の墓をそのまま安く買い叩いて、冒険者のお墓として活用しているって、クーニャちゃんから聞いた。
かなり古い建物だが、かなり頑丈で超長持ちする優良お墓物件との事だ。

【ばち当たりよ!その王族にも、冒険者にも敬意を払ってなくて最低だわ!
お墓を何だと思っているのよ!新しく作るくらいの事はしなさいよね!】

王族の墓は立派だから、クーニャちゃんは死んだ冒険者にも敬意を払っていると俺は思っている。
今はさっさと大墳墓の地下とやらを調べて、クーニャちゃんに抱きついてクンカクンカする事の方が重要だ。
大墳墓の入り口目指して、俺は歩く。入り口は苔が生えていて古い建物だと意識させてくれる。
入り口から地下へと続く道は当然暗い。
だが、風の精霊と契約しているせいか、闇の中でも見えるので、地下の探索とかは楽勝な気がする。

ドコ モリモリ モコリ ドサドサ うーゾンビー  ゾンビー

「ん?なんか後ろから音が・・・ぎゃあああああああああああああああああっ!!!!」

後ろを振り返ると腐った死体がいた。
しかも、その死体が動いて歩いている。
数も1つじゃない。最低でも20体くらいだ。一体、何処から現れたんだ!

【逃げなさい!この数じゃ辛いわ!】

俺はラクシズのアドバイスを聞いて逃げ出す。退路は絶たれているので、大墳墓の中へと逃げた。
全力で逃げる俺の後ろから恐ろしい叫び声が上がりまくっていて怖いぜ。

「まてええええええええええええっ!!!しんでいけええええええええええっ!!!!」
「俺らに食われろおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」
「あのクソ女の冒険者は死ねえええええええええええええっ!!!!」
「冒険者ギルドが憎いいいいいいっ!!!!生きていた時間を返せええええええええええっ!!!」

必死に俺は逃げた。
クーニャちゃんのスケルトンと鬼ゴッコしたときと同じくらい必死に逃げた。
大墳墓の地下へ、地下へと逃げる。
途中、前にもゾンビがいたりしたが、それすらも回避して逃げる。

【あれ?ちょっと待ちなさいよ!
完全に詰んでるじゃない!なんで地下に逃げるのよ!】

え?

【地下に逃げたら、ゾンビから逃げられないでしょっ! 】

これは、もう駄目かもしれない。

 

 



 


これが三日前の出来事なんだ。
今は大墳墓の地下にある一室で、携帯食料食べながら、脱出する機会を俺は窺っている。
幸い、今いる部屋は錆びた鉄製の扉があり、バリケード代わりになる棺桶があって助かった。

【で?どうやって逃げるつもり?
食料はあと3日分しかないわよ!】

部屋の外はゾンビだらけで困った。
どう考えても出たら死ぬ。どうすればいいんだ!
クーニャちゃんに助けて欲しいっ!

「新鮮な肉を食わせろおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
「早くでてこいいいいいいっ!!!!!人肉ううううっ!!!!!」
「そのパンツを寄越せええええええええええっ!!!クーニャちゃんのパンツううううっ!!!!」
「死ねええええええええええええっ!!!!冒険者は死ねえええええええええええっ!!!!」

この仕事の辛さをわかってくれたかい?
最近、仕事に殺されそうで辛いんだ。
俺 は ど う す れ ば い い ?

 

 

あとがき

(´・ω・`)うーぞんびー
にげないとーたべちゃうぞー

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