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ゆっくり戻るよ!

黒猫は、機能停止したゼイレン究極破壊兵器『ウティマ』をせっせと荷台に載せて運んで、科学を信仰するか学者達が集まるアクリ・テオラへと向かっていた。
巨大ロボットを一匹で運ぶのは大変そうだ。
黒猫の全身から汗が出ている。

「1歩、歩いてお金のためにゃっー。
2歩、歩いて黄金のためにゃっー。
3歩、歩いて生活費のためにゃっー。」

黒猫は必死にお金の事を考えて歩く。
お金は命より重いのが、このイルヴァ世界クオリティ。
お金があれば何だって出来るのだ。

「贅沢に暮らしたいのにゃっー。
新鮮なマグロを食べたいにゃっー。
腐った魚生活は嫌なのにゃっー。」

黒猫がお金に必死になるのは理由がある。
幸運の神のお金でペット生活やっていた頃、ご飯が全部腐った魚だったのだ。
信者が捧げる腐った魚は、全部黒猫達のお腹の中に納まっている。
幸運の神エヘカトルが新鮮な魚を独占して食べているのを見ながら、腐った魚を食べる日々だった。

「冷凍マグロの刺身が食べたいにゃっー。
体温で溶けて、甘くて美味しいマグロを食べたいのにゃっー。」

 

 

 

 

4時間ほどすると、アクリ・テオラの機械チックな建造物が見えてきた。
ガラス製の自動ドアがあり、パソコンや電子チップが中にたくさんあるのが、遠くから見える。
黒猫は、アクリ・テオラを見て安心して、息を大きく吸って叫ぶ。

「ゼイレン究極破壊兵器『ウティマ』を売りにきたのにゃっー!
今なら、特別価格で販売してあげるのにゃっー!」

役に立たない仲間を売却しようとしていた。

 

 

 

 

10万Gをゲットした!
ゼイレン究極破壊兵器『ウティマ』が仲間の欄から居なくなった!

 

 

 

 

 

第五話  ザナンのサイモア皇子暗殺

 

 

 

【大変だよっ!だよっ!
世界のピンチで大変だよっ!だよっ!】

黒猫が『ウティマ』の売却価格交渉をアクリ・テオラの科学者達とやっていた頃、『フリージア』と『アズラシズル』に幸運の神様の電波が耳に届いていた。
二人とも、信仰するのは友達な幸運の神様エヘカトル。
神様としては下位に属する二人に、優しくしてくれるので大好きだった。
腐った魚を献上するだけで喜んでくれるので、お手軽な信仰の仕方をしている。

【サイモア皇子さんを暗殺して欲しいんだよっ!だよっ!
このままじゃ、ヴィンデールの森が焼かれて世界が危ないんだよっ!だよっ!】

ヴィンデールの森とは、エーテルを排出する大迷惑な森だ。
エレアしか居住できず、最近はカルーン国を丸ごと、森が飲み込んでしまったので、膨大なカルーン人難民が発生している。
でも、この森がないと世界の生態系そのものが既存の生態系とは違う物になってしまうので、今のところ、存在してくれないと駄目なのだ。

【サイモア皇子は、世界そのものを憎んで滅亡させようとしているんだよっ!だよっ!
だから、暗殺してねっ!てねっ!】

世界の命運をかけるような感じの頼み方をされた二人は

「わかったのじゃっ!友の頼みなら、すぐに殺してあげるのじゃっ!」

「ふははははははははっ!人間風情に世界は滅亡させる訳にはいかぬっ!すぐに殺してやろうっ!」

【サイモア皇子は王都パルミアに向かっているんだよっ!だよっ!
今なら、道端で簡単に暗殺が出来るんだよっ!だよっ!】

サ イ モ ア 皇 子 の 命 が 危 な い っ !
 

 

 

 

 

 

 

サイモア皇子はザナン軍人の精鋭で構成された護衛部隊300人に守られた馬車の中に居ながら、王都パルミアへと向かっていた。
既にザナン軍・エウダーナ軍・カルーン軍を動かせるので、異形の森を丸ごと焼き払う戦力が足りているのだが、可能な限り、様々な国の協力を得た上で、世界滅亡の引き金を皆に引かせようと企んでいるのである。
でも、サイモア皇子は、二大国の一つイエルスが参戦してくれないのが決定していたので、つまんなさそうにしている。

「全員が協力した上で、信じるものを崩壊させるのが理想だったが仕方ない。
異形の森を焼き払った時、世界がどのように変わるのか楽しみだ。」

自分も不幸だから、皆も不幸になれという破滅願望持ち。それがサイモア皇子っ!
顔が病的に真っ白で、子供の頃から周りから迫害されて酷い目にあってきたお人なのだ。

「ふふふふふふ、エーテルの研究をしていたら、それが世界を蝕む細菌メシェーラを見つける事に繋がったのは、この世界が悪意に満ち溢れている証拠に他ならない。
悪意に満ちた世界など滅びれば良いのだ。」

サイモア皇子は、世界のクソゲーっぷりを嘆きながら、昔の事を思い出している。
右手に固定AF『エリシェの緑色の縞々パンティー』を持ちながら、ザナンの港街アルティハイトでの悲劇の少女を思い出していた。
自分と同じように迫害されていたのに健気に生きていたエレア人の少女エリシェの事である。
ちなみにエリシェは、虚空を這いずる者の死んだ妹さんだ。
燃えている豪邸で救出活動に当たっていたら、周りの人々に見捨てられて死亡しちゃった可哀そうな娘。。

「あの娘は幸福になるはずだった。
兄ヴェセルを支え、周りの迫害を気にせずに暮らし、二人は幸せになるはずだった。
あんなに可愛い娘がヴェセルと結婚する前に死ぬなんて・・・世界は悪意に満ちているっ!」

パンティーをクンカクンカ。
世界を憎みながら、可愛いエリシェの事を思いながらクンカクンカ。
世界を憎むサイモア皇子の心安らぐ時間だった。
こんな恥かしい姿は誰にも見せられない自殺級の行い。
しかし、馬車の外から人の悲鳴が聞こえた事で、その時間は中断される。

「「「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!
隕石だああああああああああああああああっ!!!!」」」」」

サイモア皇子は、外の皆が何で驚いているのか分からなかった。
隕石がどうしたんだと、少しだけ馬車の外に顔を出したら、サイモア皇子も同じように叫ぶしかなかった。

「ぎゃああああああああああああああああああっ!!!!
空が真っ赤だあああああああああああああっ!!!」

空から膨大な数の隕石が降ってきているのが見える。
大気摩擦で表面が真っ赤であり、空が赤くなっていた。
あと30秒もしたら、皆が死ぬ事を理解できちゃうほどの圧倒的な光景。
サイモア皇子は、自分はこれから死ぬのだなと理解して、人生の最後に

「クンカクンカ。エリシェみたいな可愛い妹が欲しかった。」

エリシェのパンティーを全力でクンカクンカして、護衛部隊ごと隕石で消滅させられる瞬間まで、妄想の中の少女エリシェと幸せだった。
収穫のクミロミが神界から、ヤンデレ臭たっぷりに、サイモア皇子を見つめている事には気づいていない。

【その魂救済してあげるよ…。ヴェセルもいる妹達の楽園に招待してあげるよ…】

 

 

 

 


この隕石を放った犯人は、死霊の神『アズラシズル』
酒場の看板娘シーナを一日中抱いている時に、唐突に隕石を降らせる究極魔法メテオを覚えたので、試しに使ってみたのである。
おかげで、ヴェルニースと王都パルミアを繋ぐ道は、クレーターだらけになっており、道を整備するのに恐ろしい金と時間が必要になりそうだった。
しかも、メテオは味方の『フリージア』を巻き込んで、服を全破壊しちゃったから、『アズラシズル』はボコボコに殴られている。

「わっちの服を台無しにするなんて酷いのじゃっ!
お前みたいなスケベな変態は、お仕置きなのじゃっ!」

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!
パンチが見えないいいいいっ!!!!回避できないいいいいいっ!!!!!!」

「このパンチは、わっちの服の仇なのじゃっー!」

パンティーだけを纏った全裸状態の『フリージア』は、おっぱいをプルンプルンさせながら、『アズラシズル』を見えない速さで放つパンチで殴り続けている。
そのぷるんぷるんしたオッパイも、早く動きすぎて見えなくて、『アズラシズル』は誰得だと思った。
回復魔法で、ダメージは回復しているが『フリージア』の怒りが収まるまで、この暴力は続く。
『フリージア』は、白くて美しくて妖艶な身体つきをしている・・・・が、、身体全体が早く動きすぎて残像が出来上がりまくり、じっくりと鑑賞も出来ない。おっぱいおっぱい。

(せ、せめて、アレだけは・・・アレだけは頂いていくぞっ!)

ひたすら殴られながらも、『フリージア』の身体に触れまくり、『アズラシズル』は何かを盗もうとしている。
『フリージア』は殴る事に夢中になっていて、パンティーが消失しちゃった事に全く気づいてない。
『アズラシズル』は偉業をやり遂げたような誇らしい顔をしていて、『フリージア』はうざいと思いながら金的蹴りをしていた。

 

 

 

 

こうして、サイモア皇子は死んで行方不明となり、軍事大国ザナンはエレアの陰謀扱いにしたので、異形の森がますます危なくなった。
魔道大国エウダーナと、軍事大国ザナン、膨大な数のカルーン人が参戦しているので、『フリージア』と、メテオを使い切った『アズラシズル』では止められない。
世界は破滅の方向へと歩み始めていた。

 

 

 

 

フリージアのパンティーをゲットした!

固定AFエリシェの縞々パンティーをゲットした!

サイモア皇子は、収穫の神クミロミが蘇生させて、妹の館へとプレゼントした!

 

 


あとがき


(´・ω・`)サイモア皇子も救済してハッピーエンドっ!

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