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ヴェルニースの一つの家で、犬好きの少女『リリアン』は、行方不明の子犬の『ポピー』が帰ってくるのを待っていた。
『リリアン』は、青い髪を短く纏めた活発な9歳の女の子。
人を疑うという事を知らなさそうな育ちの良さが見える。
禍々しい死霊の神『アズラシズル』に、飼っている子犬の救出依頼を出しちゃう位に、純粋だった。

「まだかな〜ポピー帰ってくるのまだかな〜」

楽しそうに待っていると、家の木製の扉が
ドカンッっ!
と音を立てて粉々になって、そこから子犬のポピーが帰ってきた。
顔が緑色に変色していて、種族が犬からゾンビになっていて身体が腐っている。
ゾンビ犬になったポピーは、驚愕している『リリアン』の足元までいき

「うりいいいいいいいいいっ!!!!!!!!!」

頭を撫でて欲しいと思って、ゾンビらしい叫び声を上げたのだった。
『リリアン』は、飼い犬の面影を残すゾンビ犬に懐かれすぎて

「いやぁっー!ポピーが可笑しくなっちゃったぁっー!」

涙を流した。
9年生きてきた人生の中で、初めての異常すぎる事態に『リリアン』は泣いた。
その様子を家の外から覗いていた死霊の神『アズラシズル』は、禍々しい顔に笑みを浮かべて

「ふははははははははっ!
洞窟で既に死んでいたから、ゾンビとして蘇生させてやったぞっ!
これで寿命を気にする必要はなくなったなぁっー!
お礼は、7年後に処女を我に捧げることで良いぞっ!
今日は家の中にある物を適当に持っていくから、それで我慢してやろうっ!」

7年後にベットの上で大後悔しちゃう事を、この時の『リリアン』は知らない。
幼い『リリアン』にトラウマを刻み込み込んだ張本人が、7年後にトラウマを刻み込むようなエッチィ事をしに来る事なんて、全く聞かずに元気に泣いている。
『リリアン』が泣いている隣で、『アズラシズル』は貴重そうな品物を次々と魔法の鞄の中に入れ、『リリアン』の身体に一瞬だけ触れて、大笑いしながら家を去っていった。
将来、美少女に育ってくれるであろう『リリアン』の姿を妄想し、『リリアン』の白色のパンティーを盗んだのである。
パンティーは武器にも使える素晴らしい高級品なのだ。


★クーラーボックス(携帯冷蔵庫)をゲットした!
・金貨2500枚をゲットした!
・プラチナ2枚をゲットした!
・『リリアン』のパンティーをゲットした!

 


第四話  鉱山都市ヴェルニース壊滅


 

『アズラシズル』とは別行動をしている黒猫達は、ヴェルニースで同じく仕事を探していた。
別行動をしている理由は、酒場で酷い事をやった『アズラシズル』がいると仕事が来ないからである。
誰だって、白昼堂々と周りに美少女の悲鳴を20時間くらい出させながら、18禁行為に及ぶような奴に依頼を出す訳がないのだ。
黒猫は、そんなドジを踏まないためにも、各家を訪問して

「仕事はないのかにゃっー?今ならどんな内容でも受けてあげるのにゃっー」

その可愛らしい声に惹かれて、人間という生き物は油断してしまう。
うっかり、ドアを開けて、目の前に黒猫しかいないから、白っぽい修道服を着た17歳の女の子も油断してしまった。

「あら?仕事が欲しいの?
なら、仕事を頼もうかしら。」

見習い『ミシェス』。綺麗な茶髪の清楚な美少女だ。
何の見習いなのかは不明だが、Lv20もあって凄く強いのだ。
黒猫はお客さんが出てきた事で、ニヤリと笑みを浮かべて

「報酬は幾らほど払ってくれるのにゃっ?
どんな内容でも、迅速に解決してあげるのにゃっ。」

「達成出来たら、金貨3000枚とプラチナ2枚をあげるわ。
最近、隣の家の窓から、スライムが出てきて困ってるのよ。
だから、隣の家にいるスライム達を全部退治して欲しいの。」

スライムは、酸性の液体を撒き散らす嫌なモンスター種族。
装備が錆びる事を考慮すると、明らかに安すぎる。
清楚な顔をして、頼む内容はイルヴァの住民としか言いようがない狡猾さだ。
だが、黒猫は安受け答えして

「簡単なのにゃ。
うちのフリージアなら楽勝なのにゃっ!」

「わちの出番じゃなっ?
すぐに隣の家を掃除してあげるのじゃっ!」

赤い髪の美少女『フリージア』の姿が消えた。それと同時に隣の家の壁が吹き飛ぶ。
黒猫は気楽に頭を手で掻きながら待つ事7秒。
『フリージア』が帰ってきた。
タンクトップもホットパンツも全て綺麗さっぱりなくなっている全裸で帰ってきた。
しかも、謎の白濁の液体を全身から被って泣いている。
道を歩いている男達が足を止めて、熱い男の欲望で見守るくらいに露出が多い格好になった。
赤い髪も液体でベトベトのヌチャヌチャになっている。

「わっちはスライムなんて大嫌いなのじゃっ!
もう、お家に帰りたいのじゃっ!
服が溶けて台無しなのじゃっ!」

黒猫はそんな『フリージア』の情けない姿を見てため息をついた。
勝手に酸性の液体浴びまくって自爆した馬鹿だと理解していた。
『フリージア』は、その早すぎる速度でスライムを殴りまくって、全身に液体浴びて全裸になったのだと黒猫は理解しちゃった。

「情けない猫の神様なのにゃっ。
スライム相手に接近戦をするなんて、どう考えても可笑しいのにゃっ。
代わりに『ウティマ』にやらせるのにゃっ。」

遠距離攻撃ばっかりするゼイレン究極破壊兵器『ウティマ』なら相性がいいと判断して、黒猫は全てを任した。
巨大ロボットな『ウティマ』は、その命令を受け取って、行動を開始する。
片手に備え付けられたレールガンの銃身で、隣の家の地面に照準を定めた。

「ピー…地下カラ複数ノ生態反応ヲ感知シタっ…
コレヨリ攻撃ヲ実行スル…」

レールガンの発射口から恐ろしいほどの速度で、エーテル製の弾丸が射出される。
それは音の速度を超越しており、地面を完全に吹き飛ばして、地下にいるスライムを殺傷した。
おかげで、地下が大崩落を起こし、地上にあった家々も壊滅。
『フリージア』の裸を眺めていた男達の一部も巻き込まれていた。

「次ノ攻撃目標ヲ発見シタっ…
攻撃ヲ連続シテ実行スルっ…」

「や、やめなさいっ!
これ以上やったら、他の家まで壊れちゃうわっ!」

「攻撃っ…攻撃っ…
全テヲ殲滅スルっ…」

見習い『ミシェス』が制止しようとするが、『ウティマ』が命令を聞く訳がなかった。
彼が命令を聞くのは創造主か、幸運の神と、その神様から頼まれた黒猫くらいである。
次々と音を超越した速度の弾丸が射出され、遥か地下にいるスライム達は死に絶える。
絶え間なく、攻撃目標に向けて弾丸を射出する度に、地上の家々が崩壊し、人が地割れに飲み込まれ、鉱山都市ヴェルニースは廃墟になりつつあった。
裸で白濁な液体とともに気絶している看板娘『シーナ』がいる酒場も、泣いている犬好きの少女『リリアン』の家も、窃盗団のアジトも、市長の家も、商店街も全て崩れつつある。
地下に坑道があったせいで、衝撃でそれらも崩れ、鉱山都市ヴェルニースは終わった。
その坑道が崩れた衝撃で、今まで掘ってきた坑道も連鎖して崩れ、復興に数百年かかりそうな程に目茶苦茶になっている。

「皆殺シッっ…
生キトシ生ケル者ハ皆殺シっ…
殲滅セヨっ…殲滅っ…
ゼイレンニ逆ラウ人間ハ皆殺シっ…」

そんな大崩落の中、『ウティマ』は暴走していた。
昔の命令を思いだして、生存者も撃ち殺し、ゼイレンが存在していた頃みたいに殺戮兵器として大活躍っ!
巨大ロボットのエネルギーのほとんどをレールガンに回して、撃ちまくる。

「やめるのにゃっー!
こんな事をしたらお金を貰えないのにゃっー!」

「ピー拒否スルっ…ゼイレンノ命令ガ最優先っ…
コノ世ノ全テノ人間ヲ排除スルっ…」

黒猫の命令を無視して、暴走を繰り広げた『ウティマ』が停止するのは、これから30分後の事だった。
全裸の『フリージア』と『アズラシズル』がボコボコに殴り壊すまで、『ウティマ』は巨大ロボットの持つ力で鉱山都市ヴェルニースと、その周辺の村をレールガンで壊滅させてしまった。

「ピーっ…行動不能っ…ガガガガっ…」









ヴェルニースに住む全住民の好感度が天敵になった。
『ウティマ』が機能を停止した。
見習い『ミシェス』のパンティーをゲットした。
見習い『ミシェス』の好感度が天敵になった。
名声が下がった。
報酬は支払われなかった。


あとがき

(´・ω・`)『ウティマ』もバランスよく活躍させて、サブクエストを二つも一気に達成したよ。

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